SASUKE復興伝(ただし中身は転生者)   作:メロンペン

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アンケートに参加してくれた方々に感謝いたします。


夢の班構成

ナルトによる禁術の書持ち出し騒動から数日後、アカデミーの教室では卒業試験に合格して額当てを与えられたばかりの少年少女達が集まっていた。

 

当然ながら俺もその内の一人であり、最近ある術の習得の為に削っている睡眠時間を少しでも稼ごうと教室の机にうつ伏せになって時間を潰していた。 

 

だが、貴重な睡眠時間を邪魔する騒がしい声が聞こえてきたので顔を起こして横に視線を向けると、ナルトが自らの額に指を差してイルカ先生に貰ったであろう額当てをシカマル達に見せつけていた。

 

 

「おいナルト、お前どうしてここに居るんだ?今日は試験合格者だけの説明会だぞ」

「ば~か、お前らコレが見えないのかよ。俺も今日から忍者だってばよ」

「けっ、たかが分身の術も出来なかった癖に。どっかから盗んできたんじゃねえのか?」

「違うよキバ、ナルトが盗んだのは三代目の巻物だよ。この前父ちゃんがそんな事言って……」

 

 

そう言えばあの夜、ナルトを殺す事に賛同した秋道一族はチョウザだったのだろうか?

 

折角転生したのだから真相を確かめれば良かったと悔やんでいた時、勢いよく教室のドアが開けられ二人の女子が競い合う様にして入って来た。

 

 

「ご、ゴール!!はぁはぁ……ま、また私の勝ちねサクラ」

「な、何言ってるの!!私の方が一歩先に教室に足が入ってたでしょ!!」

 

一人は金髪のポニーテールと紫のノースリーブ姿が特徴の山中いの。

もう一人は桃色の長髪を額当てで纏め、赤いアオザイ風の服を着た春野サクラである。 

 

この二人は原作通りサスケに好意を持っていたのだが、俺はアカデミー在学中はヒナタの方に構いっぱなしで二人の事は若干放置気味であった。だが、その事が逆に二人を本気にさせたのか、今ではお互いに競い合う様に俺に対して積極的にアプローチを仕掛け続けていた。

 

   

「あっ!!サスケくぅん!!隣空いてる!?私座っちゃってもいいかな!?」

「何言ってんのよ!!サスケ君の隣に座るのは私よ!!ね?いいでしょ?」

  

 

くノ一クラスでトップクラスの容姿である二人が自分に迫るこの状況は悪くないが、この後ある意味NARUTO最大の事件が待ち受けているのを思い出した。

 

その事件とはそう……ナルトとのキスである。

百歩譲ってお色気の術状態ならまだしも……いや、やっぱりどんな姿であってもナルトとキスをするなんて絶対御免だ。

 

「おいサスケ、折角サクラちゃんが話掛けてるのに無視するってどういう事だってばよ」 

「うるさい。俺に近寄るな。向こうに行ってろ」

 

このままナルトとの相手をしていたらキスは避けられないかもしれない。そう思って席を変わろうと立ち上がろうとした俺の目に飛び込んできたのは、サクラに突き飛ばされて俺の方に倒れかかって来たいのの顔であった。

 

 

「「んぐっ!?んぅ……んんっ……」」

「「「きゃあああっ!!さ、サスケ君といのがぁあああっ!!」」」

「え……あ、あああああっ!!な、何やってるのよこのイノブタぁ!!」

 

突然目の前で起きた事が理解出来ていなかったサクラであったが、周囲の他の女子の悲鳴で我に返ったのか鬼気迫る勢いで未だ俺と唇を合わせたままのいのを引き剥がした。

 

「ぷぁ……さ、サクラ?……な、ナイスアシスト!!流石は私の親友ね!!」

 

事故とはいえ初めてであろうキスを俺にする事が出来て、いのは赤くした満面の笑みでサクラに対して礼の言葉を投げかける。

 

 

「しゃんなろー!!誰が親友よ!!いの!!サスケ君の唇を奪った罪は重いわよ!!」

 

だが、サクラにはそれは自分に対しての煽りにしか聞こえなかったらしく、騒ぎを聞きつけた教師たちが駆け付けるまで教室では新米くノ一達による忍術合戦が行われるのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

山中いの以外の女子たちから険悪な空気が醸し出される中始まった説明会はようやく終わりに近づき、遂にイルカ先生から各班のメンバー構成が発表され始めた。

色々妄想はしたが、やはり転生した知識を活かすには原作通りの班構成がベストだと思っていた俺は、発表された第七班の人員構成に耳を疑ってしまった。

 

「何だナルトと一緒かよ。俺の足引っ張るんじゃねえぞ」

「それはこっちの台詞だってばよ。でも、俺らの班女の子一人も居ないってばよ」

「問題ない。何故なら雌の蟲が俺の体の中に……二人共、俺の冗談を聞いてくれないのか」

 

ナルトが七班なのは原作通りなのでまだ良い。だが、どうしてキバとシノが七班のメンバーになっているんだ?班を考えた奴はちゃんとバランスを考えた上で決定したのかとイルカ先生に質問したくなった。

 

「えー次は第八班だな。まずは日向ヒナタ、それに春野サクラ。そして……うちはサスケ」

 

 

その瞬間先程まで不機嫌だったサクラは一転して満面の笑みを浮かべて歓声を上げ、同じく第八班のメンバーとなったヒナタも小さくガッツポーズをしてその喜びを噛み締めていた。

「しゃんなろー!!サスケ君と一緒の班ゲットよー!!」

「さ、サスケ君と一緒の班……良かった。」

(……俺が第八班?しかも他のメンバーはヒナタにサクラ。担当はあのくノ一先生なのか?)

 

その後、前班の説明を終えたイルカ先生から担当の上忍がやって来る午後まで解散となり、俺は原作から逸脱してしまったこの状況を整理する為、一人教室を後にするのだった。

 

 

 

 

「嘘……どうして私がサスケ君と一緒じゃないの?キスまでした間柄の男女を引き裂くなんて……この世に神様は居ないの?」

「ねえシカマル、さっきからいのがブツブツ独り言言ってるけど大丈夫かな?」

「ほっとけ。下手な事言って八つ当たりされちゃたまんねえからな」




アンケート結果は原作通りが2票、今回の班構成が4票でした。

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