絶対人気間違いなし!遊戯王GX究極二次SS   作:核宇野颯科

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第1話

(これがプロ養成校の最高峰か・・・なんてレベルが低いんだ)

デュエルアカデミアの試験会場、ブルーアイズドームで織宗(おりしゅ) 紀律(きりっ)は失望に包まれていた。

デュエルスペースでは、何人もの受験生が、それぞれ試験官を務めるアカデミアの教官を相手にデュエルを繰り広げているが

試験官達の繰り出すコンボは、どれもこれも何かしら解りやすい穴があり、そこを突かれた時にはアッサリと敗北しているのだ。

今さっきも、複数のモンスターの守備力を10000以上まで高め、戦闘での突破が絶望的になった試験官の布陣が

受験生の、自らが召喚したモンスターをトリガーにした激流葬という簡単なコンボで全滅させられていた。

(俺ならあの程度のガキ、手も足も出させずに完封出来る・・・だいたい守備力だけ上げて、どうやって勝つつもりなんだ)

他の試験官達も、全体的に守勢を固める待ちの姿勢が多く、受験生達に主導権を握られているように見える。

そもそも試験官達のデッキの構成が酷い。

安定性があると言えば聞こえがいいが、決闘者の個性という物がまるで見え無い、凡庸なカードばかり集めた画一的なデッキであり

一度流れに乗った受験生は、大体がその勢いのまま試験官に勝利していた。

(まだ何も教育を受けていない子供に負けるとは・・・こんな奴らから何を学べと言うんだ)

プロを目指したはいいものの、アカデミアに来たのは失敗だったか、そう思っていた所に、受験生らしき少年と試験官の言い争う声が聞こえてきた。

「だから!事故で電車が遅れちまったんだから仕方がないだろ!?」

「電話は止まってないんだから、試験場に連絡することは出来たノーネ!それに!遅延証明書が無ければ、遅刻の原因がシニョーラのお寝坊ではないとは証明できないノーネ!」

「そ、それは貰う暇もない程急いでたから・・・」

「決闘者には常に冷静な判断が求められるーノ!その程度のミスをするようなドロップアウトボーイには受験資格が無いのは明らかなノーネ!」

(試験に遅れちまったのか・・・よりによって試験の日に事故とはな。

ま、天運も決闘者には必須の能力。かわいそうだがルールはルールだ。)

どの道、自分には関係ない話だ。

言い争いを続ける二人が、いい加減五月蠅くなって来たし、これ以上試験場に留まる意義も見いだせない、そろそろ帰るか・・・と席を立とうとしたところで

「じゃあ!合格が決まった受験生と俺で決闘して、勝てば俺を代わりに合格にしてくれよ!」

「何を言ってるノーネ!?」

「プロになるには実力が一番大事だろ?だったら、より強い奴が合格する方がアカデミアのためにもなるはずだ!」

「ウームムム・・・」

全く持って一理無いのだが、もう決闘で叩き潰すのが一番手っ取り早い対処なのではないか?

そう思いつつ試験官―――実技最高責任者のクロノス・ド・メディチが唸っていると、たまたま立ち上がりかけた紀律の姿が目に入った。

「よろしい!ならばアカデミア史上一番の成績で合格した織宗紀律と決闘してもらうノーネ!」

「はぁ!?」

突然の指名に紀律は飛び上がった

「ちょっと待ってくれ!なんで俺が不審者の対処なんてしなきゃいけないんだ!」

紀律がクロノスに詰め寄ると、クロノスは手を合わせて紀律に頭を下げた。

「試験官が職務中に試験と関係ないデュエルをしたら問題になってしまいまスーノ。けど試験が終わった受験生が、帰り道に誰かと決闘しても

アカデミアにそれを咎める権利はないノーネ。彼を黙らせてくれたら、学園生活でも便宜を図ります―シ・・・どうかお願いするノーネ」

「って言われてもなぁ・・・」

正直面倒くさい、という態度を隠さない紀律に対して、少年―――遊城十代は空気を読まずに声をかけてきた。

「なぁ、あんたが今年一番の決闘者なのか!?」

「他の受験生の成績は知らないが、先生の言う通りならそうらしいな」

「へぇ・・・じゃあこれからは二番だな!」

「・・・何が言いたい?」

「一番は俺だからさ!」

ドヤ顔で自身を指さす十代。

明らかに喧嘩を売られている事を察した紀律は、デュエルディスクに自分のデッキをセットした。

「空いてるスペースを借りますよ、ここまで言われて黙っちゃいられない」

「へへっそうこなくっちゃ!」

嬉しそうに空きスペースへと走っていく十代は

紀律だけでなく、真面目に試験を受けに来た受験生全員を侮辱した事に

周囲から凄まじい殺気が放たれているのに全く気付いていなかった。

 

 

 

『決闘!』

「先行は俺が貰うぜ!ドロー!」

紀律に確認することなく、勝手に自分のターンを始める十代

紀律は眉をしかめたが、自分のデッキは先攻後攻どちらでも十分な力を発揮するため、あえて指摘はしなかった。

「まずはE-HEROクレイマンを攻撃表示で召喚!」

泥団子を擬人化したような戦士がフィールドに現れる。

「カードを一枚伏せてターンエンドだ!」

 

「平凡な布陣だな・・・俺のターン!ドロー!・・・魔法カード地割れを発動!」

「何だって!?」

驚愕する十代の目の前で、クレイマンの真下の地面が割れる。

下級ヒーロー随一の頑強さを誇る体も、重力には逆らえない。

クレイマンは空に向けて手を伸ばすも、憐れ裂け目に飲み込まれてフィールドから消えていった。

「卑怯だぞ、紀律!魔法カードでモンスターを破壊するなんて!」

「あの少年は何を言っているノーネ?」

決闘を見守っていたクロノスは、十代が何を言っているのか、本気で理解できなかった。

十代の中では、モンスターは戦闘によって破壊するのが常識であり、それ以外の方法はルール違反なのだ。

「えっ・・・卑怯って何がだよ」

「くっ・・・もういい!俺はスパークマンを攻撃表示で召喚!」

困惑する紀律を余所に、雷を纏う無貌の戦士を召喚する十代。

それを見た紀律は更に困惑した。

「ちょっと待て!なんでお前がモンスターを召喚してるんだよ!」

クレイマンもスパークマンも通常モンスターであり、召喚に関わる効果など持っていなかったはずだ

「モンスターがやられちまったんだから、新しいモンスターを召喚するのは当たり前だろ!」

「何を言ってるんだお前は・・・」

クロノスに視線を向ける紀律だが、クロノスは無言で「やれ」という視線を紀律に向けている

「はぁ、仕方がない・・・ターンエンドだ」

 

「よし!俺のターンドロー!魔法カード増援を発動!バブルマンを手札に加え、バブルマンを攻撃表示で召喚!

バブルマンは召喚された時にカードを二枚ドローする効果がある!」

「自分フィールド上にカードが無い時だけだがな」

「解ってる!カードの説明をしただけだ!」

顔を真っ赤にして喚く十代をみて、突っ込まなければ普通にドローしてたなと察する紀律。

「スパークマンとバブルマンでダイレクトアタック!」

「この瞬間!手札の最強戦士オーリッシュを特殊召喚!」

紀律のフィールドに言葉では表現することの出来ない神々しいモンスターが舞い降りる

最強戦士オーリッシュ

神属性/幻神獣族

ATK3000 DEF3000

「なんで攻撃中にモンスターが出てくるんだよ!」

「このモンスターは相手ターンでも召喚出来る特殊能力を持っているからさ、スパークマンと違ってな」

「くっ・・・!なら俺は罠カード。サンダーブレイクを発動!」

「それは卑怯なんじゃなかったのか?」

「黙れ!これは魔法カードじゃなくて罠カードだ!サンダーブレイクの効果でオーリッシュを破壊する!」

まるで言い訳になっていない言い訳と共に、十代のフィールドから雷撃が放たれる・・・が

それは何故かオーリッシュに届くことなく、空中にとどまった

「どうなってるんだ!?」

「オーリッシュは相手の魔法・罠の効果は受け付けないのさ」

「インチキ効果もいい加減にしろ!くそっカードを一枚伏せてターンエンドだ」

「ちょっと待て、ちゃんとモンスターを破壊しろよ」

またもルールを無視して勝手に進める十代を止める紀律

「・・・?オーリッシュにサンダーブレイクは効かないんだろ?またそのカードにインチキ効果があるのか?」

「俺のカードの効果じゃない、サンダーブレイクはフィールド上のカードを一枚破壊しなければいけないカードだ

オーリッシュを破壊できなかった以上、他に対象になるのは・・・」

「ま、まさか・・・」

そのまさかである、発動時に効果の対象になるのは・・・十代のフィールドにいる二人のヒーローだけだ。

「お、俺はいま伏せた―――」

「そのカードは効果を処理する時点では存在しなかっただろうが!スパークマンかバブルマンか!どっちかを選べ!」

「・・・バブルマンだ」

バブルマンの体に雷撃が降り注ぐ。

まさか自分の主の魔法でやられるとは思っていなかったのだろう、バブルマンは絶望に染まった顔で消滅していった。

「ふん・・・今度こそターンエンドだな、俺のターンドロー!すかさずバトル!オーリッシュでスパークマンを攻撃!」

オーリッシュの体から神々しい光が放たれ、スパークマンを飲み込んでいく

十代LP4000→2400

「更に手札から速攻魔法・チョーロインを発動!このカードは相手の手札・フィールド・墓地からモンスターを可能な限り奪う事が出来る!」

「なんだって!?」

「お前のスパークマン、バブルマン、クレイマンを貰うぞ!」

三体のHEROは喜々として紀律のフィールドに現れた、自分で自分の僕を破壊するような主を見限ったのだろう

「そんな・・・!?バーストレディ、フェザーマン、ダークブライトマン、エッジマン、キャプテンゴールド!」

またもルールを無視し、手札のみならずデッキからまでモンスターを召喚する十代。

HERO達はやる気なさげにしかたなくフィールドに整列したが

キャプテンゴールドは、スカイスクレイパーが存在しないと破壊されるという効果があるため、即座に墓地に送られた。

「更に速攻魔法トテモチミⅡを発動!相手から奪ったモンスターの攻撃力が10倍になる!」

十代の暴挙を無視して淡々とターンを進める紀律。

「スパークマン、バブルマン、クレイマンで攻撃!」

バーストレィ、フェザーマン、ダークブライトマンが破壊される。

「くうっ・・・!だがまだエッジマンが残って」

「まだだ!手札から速攻魔法GoToGo天界を発動!俺のフィールド上の4体のモンスターを融合!現れろ究極絶対神ジーライ!」

GoToGo天界

デッキ、墓地、フィールド、手札のモンスターを除外し融合させる事が出来る

墓地のこのカードを手札に戻す事で、除外されたモンスターを墓地に戻す事が出来る

 

究極絶対神ジーライ

神属性/創造神族

ATK10000 DEF10000

最強戦士オーリッシュ+モンスター一体以上

GoToGoフュージョンの効果でのみ召喚可能

「モンスターが融合して新たなモンスターに!?」

あまりに斬新な戦法に驚愕する十代。

「ジーライで十代を攻撃!」

「耐えてくれエッジマン!」

ジーライから放たれた神光が、エッジマンに迫り―――エッジマンはヒョイっとその光を避けた。

「えっ」

「言ったはずだ!俺は十代に攻撃すると!全てを支配する絶対の神であるジーライには何物も逆らう事は出来ない!」

エッジマンは十代を無視して紀律のフィールドへと移動した。

ジーライの効果でエッジマンのコントロールが紀律へと移ったのだ。

「そんな・・・ぐわぁ~~!」

十代LP2400→0

「口ほどにも無かったな・・・」

決闘が終了し、ソリッドビジョンが消えていく

「てめぇ!卑怯なカードばっかり使いやがって!あんなの決闘じゃねえ!」

好き勝手なことを口走りながら駆けよった十代が、紀律に殴りかかってきた。

「ふん」

軽く上体を反らして十代の拳を躱す紀律。

「どうやら、お前には決闘で対応する必要などなかったようだな・・・飛燕連脚!」

「ぐはっ!」

紀律は連続蹴りで十代を宙へと蹴り飛ばした

「続けて・・・鳳凰天駆!」

十代を追って宙にまった紀律の体が炎に包まれる

不死鳥となった紀律が、十代へと突撃した。

「ギャァァー!」

「ふん・・・屑には似合いの末路だぜ」

ボロ屑になった十代を放置して、紀律は家路についた。

あとはアカデミアの連中がどうにかするだろう。

 

 

後日届いたアカデミアの合格通知には、最優秀成績であるにもかかわらず

紀律はオシリスレッド所属である旨が書かれていた。

十代を倒した際に炎を伴う技を使った事が、カードを燃やす恐れがあり

リスペクト精神が著しく欠けていたことが原因らしい。

(なにがリスペクト精神だ・・・だったら大人しく十代に殴られていればよかったとでも言うのか?)

アカデミアに向かう紀律の胸には、教師たちに対する不快感が渦巻いていた。




・原作主人公は超絶劣化
・個人の技量よりも装備によって強さをアピール
・世界観を無視した必殺技
・NTR
異常の要素を詰め込んでみました。
十代の性格を再現するのに苦心しました!って書こうかと思ったけど、やはりあとがきではマジレスします

ちなみに何のカードか忘れたけど、ゲームで魔法カードを発動したけど
破壊出来るのが自分のカードしかなく、キャンセルも出来ないという状況になった事はありますが
処理手順の関係上、サンダーブレイクではその状況にならなかった…と思う。
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