アーシアに不倫させようと思った   作:赤いUFO

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別作品として投稿しようと思ったけど話が繋がっているので。


おまけ2:グレモリー邸のある一幕

 その子供は今日、誕生日であり、今も誕生日会の真っ最中なのだが主役の少年は浮かない表情で庭の隅っこにいた。

 少年の両親は人数の多い家族の中でも特に忙しい2人だった。

 だから、子供の誕生日でも会えることは稀で、今年も会えるのを密かに楽しみにしていた母親が帰って来れないと教えられたのが今日の朝のことだった。

 少年の母親はとても大事な役職に就いていて、普段の世話は血の繋がらない母親が見ていた。

 母親の方も何とか時間を作ろうとはしているがどうしても合わず、結局は仲の良い家族に任せてしまっている。

 仕方のない面はあるが、それを今日8歳になった子供に事情を呑み込んで納得しろと言うのは酷だろう。

 だから、少年は自分の誕生日であるにも関わらず、不機嫌そうに小石を蹴っていた。

 少年が不貞腐れていると声をかけてきた2人の女性。

 

「聖。今日の主役はお前だろう?こんな端の方にいないで、皆と話して来たらどうだ?」

 

「今日は私も料理作ったんですよ。みんなで一緒に食べましょう」

 

 ゼノヴィアとアーシア。

 2人は少年――――紫藤聖(しどうひじり)の実母と仲の良い2人は、何かと一緒の時間を取れないイリナの子供である2人を特に気にかけていた。

 聖は不貞腐れた表情で2人の母に問う。

 

「どうして、お母さんは帰ってきてくれないの?この前の兄さんの誕生日には帰ってきたのに」

 

「……」

 

 聖の質問に2人は困ったような表情をした。

 去年聖の兄である真の誕生日にはやや遅れたが帰って来た。

 その時、聖に中々会えないことを謝罪し、次の誕生日には必ず帰って来ると約束した。

 なのに、今年も帰って来なかった。

 

「そんなに、ぼくの誕生日なんてどうでもいいのかな……」

 

「そんなことはないんですよ。ほら、イリナさんからお手紙で謝っていたでしょう?」

 

 アーシアがフォローに入る。

 なにぶん、彼女たちは多忙な者が多く、こうした催しでも家族が揃わないことはそれなりにある。

 その時に子供を慰めて相手をするのは2人の役目だった。

 唇を噛んでアーシアの言葉を聞いていた聖にゼノヴィアが口を開いた。

 

「うん。イリナはヒドイ母親だな。子供の誕生日にも帰って来ないんだから」

 

「ゼ、ゼノヴィアさん!?」

 

 ゼノヴィアの言葉にアーシアが咎めるような視線を向ける。しかしゼノヴィアの方は肩を竦めて苦笑した。

 

「アーシア。こういう場合、無関心になって母親がいないことを気にかけなくなる方が問題だろう?そういう意味では聖の反応はいたって真っ当だと思うぞ」

 

「そうかもしれませんけど……」

 

 かと言ってあの物言いはどうかと思うアーシア。

 ゼノヴィアは膝を曲げて聖と目線を合わせ、真面目な表情で言った。

 

「だから、次にお母さんと会った時は、その不満を全部ぶつけてやるんだ。今日来てくれなかったことや寂しかったこと。胸の内にあるモノを全部」

 

「……いいの、かな?」

 

 聖は基本あまり自分の意見を言葉にする事はなく、イリナに対してもあまりワガママを言わない子だった。

 母親を困らせて嫌われるのが怖いから。

 それは一般的に見れば良い子、と表現されるだろう。

 しかしそれが必ずしも良い結果を生むわけではないとゼノヴィアは思っている。

 その聖の疑問に対してゼノヴィアは笑って答える。

 

「いいんだ。でも、溜まっているモノを全部言って、イリナが謝ったら、お母さんを許してあげてくれ。聖や真を、1番に想っているのはイリナだ。私たちよりも。それだけは真実(ほんとう)だから」

 

 ゼノヴィアの言葉をどう受け取ったのか、聖は小さく頷いた。

 

「いい子だ。ほら行くぞ。せっかくの料理が他の子たちに全部食べられてしまう」

 

「うん」

 

 手を引いてくれるゼノヴィア。引かれていた聖の顔は赤かった。

 庭に設置されているテーブルに近づくと聖と同い年の子供であり、アーシアの2人目の子供である誠二が近づいて来た。

 

「おーい聖ー!この料理めちゃくちゃうめぇぞ!」

 

「うぐっ!?」

 

 言いながら、フォークで刺してあった肉料理を聖の口に突っ込んできた。

 

「誠二くん!?」

 

「いきなり人の口に物を入れる奴があるか!」

 

「いってぇ!?」

 

 ゼノヴィアに頭を叩かれると誠二が痛そうに頭を押さえる。

 

 

 

 結局その日にイリナが帰って来る事はなかった。

 それでも聖は周りの子供たちと一緒に笑って誕生日を終えることが出来た。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「今日はここまで!」

 

「あ、ありがとう、ございます……」

 

 木刀の先端で床に付けながらゼノヴィアが終了を宣言して聖は息も絶え絶えの様子で頭を下げる。

 グレモリーに住む子供たちの教育係であるゼノヴィアは、勉強だけでなく、こうして剣や体術を教えることもある。

 

「聖もだいぶ良い動きをするようになったな」

 

「そう、かな……?」

 

「あぁ。私が聖と同い年の頃は力任せに剣を振るうだけだったからな。あの頃の私だったら勝てないだろうな」

 

  教え子の成長を素直に喜ぶゼノヴィアに聖は頬を染めて緩める。

 そこでゼノヴィアが話題を変えた。

 

「ところで、高等部で誠二の奴はどうだ?何かやらかしてないか?」

 

「んー。普通だと思うよ。中等部の頃みたいに問題も起こしてないし」

 

 聖と誠二は同い年から腹違いの兄弟の中で仲の良い方だった。

 

「この間、4人で旅行にも行ったみたいで、嬉しそうに話してたし」

 

「そういえばこの間、お土産を貰ったな。うん。上手くいっているようで安心した」

 

 ホッと息を吐くゼノヴィア。

 何せ、一誠とあれだけ仲の良かったアーシアが離婚という形で終わってしまったのだ。

 その原因の1つである誠二が何かやらかさないか心配の種であった。アーシアが以前本気で怒ったことは今も効いているらしい。

 そこで、今度は、聖の方から話題を変えた。

 

「ゼノヴィアお母さんはさ。誰かいい人とかいないの?」

 

 聖の質問にゼノヴィアは一瞬呆けた顔になったがすぐに苦笑する。

 

「アーシアのアレは特別な例であって、早々他の男に現を抜かすなんてことはないさ。それに私はここで子供たちの面倒を見るのが好きなんだ」

 

 言い終わるとゼノヴィアが座っていた聖を立たせた。

 

「馬鹿な質問をしてないで、早く浴室で汗を流せ。このままだと風邪を引いてしまう」

 

「うん……」

 

 ゼノヴィアの言葉に聖は曖昧な笑みを浮かべた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 この感情(キモチ)を自覚したのはいつだったか。

 こんなのはおかしいって自分でも理解してる。

 相手は血が繋がらなくても"母"だ。知られれば、きっと軽蔑されてしまう。

 それでも、好きだと思った。

 アーシアお母さんが父の下を離れて、シオンという男性とこの家を出た時、羨ましいと思った。

 周りを気にせず一緒になったあの2人が。

 同時に僅かな期待を抱かせる。

 もしかしたら、僕にも少しだけ可能性があるんじゃないかって。

 昔、あの人が自分よりも強い男性が好き、と言っていたのを聞いたことがある。

 だからもしも、僕が貴女より強くなれたら、少しだけ僕の望む関係に近づくんじゃないかって期待してしまう。

 

 ねぇ、ゼノヴィアお母さん。

 強くなって貴女に勝つことが出来たら、少しは僕を"男"として見てくれますか?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 実母からメールが届いた。

 今任されている仕事が一段落しそうだから近々そっちに帰れるかも、という内容だ。

 今までのことから聖は期待しないで待ってる、とだけ返信すると期待してよ!?というメールが即座に帰って来た。

 一誠程ではないが、彼女も息子たちとのコミュニケーションを取ろうと必死なのだ。

 少し家の中を歩いているとゼノヴィアがいた。

 風呂上がりなのだろう。髪が少し濡れてズボンとTシャツというラフな格好をしていた。

 ゼノヴィアの方も聖に気付いて声をかける。

 

「どうした、こんなところで?」

 

「ちょっとね。そうだ!母さん、もしかしたら近々帰れるかもってメール来てた」

 

「イリナが?ふふ。なら、母親に甘えられるな」

 

「もうそんな子供じゃないよ」

 

 冗談めかして言うゼノヴィアに聖は口を尖らせた。

 子供の頃は中々帰って来れない実母に不貞腐れていることの多かった聖だが、もう今年で17だ。そこら辺は分別が付いている。

 

「なんにせよ、久しぶり母親が帰ってくるんだ。親子水入らずで団欒するといい」

 

「う、ん……そう、だね……」

 

 微笑むゼノヴィアに聖少しだけドキリとした。

 濡れた髪に薄いシャツから強調される胸部などの身体のライン。

 それを意識して顔が赤くなる。

 

「それじゃあ、もう休もう」

 

 そう言って部屋に戻ろうとするゼノヴィア。

 その手を掴んだのは、風呂上がりの彼女を見た一時的な欲求の増大に依るものだった。

 

「どうした?まだ用があるのか?」

 

「その、ゼノヴィア……僕は……」

 

 何かを言おうとする前に、ゼノヴィアがこら!と叱る。

 

「血が繋がってないとはいえ、母親を呼び捨てにするな!」

 

「そう、だね……ゴメン」

 

 謝罪しながらも、どこか迷子の子供のような表情をする聖。

 その表情にゼノヴィアは息を吐くと聖を抱き締める。

 

「お前は、幾つになっても甘えん坊だなぁ」

 

 能えてくれる温もりが嬉しくて。でも伝わらない気持ちがもどかしくて。

 紫藤聖はどうして、自分たちが母子という関係なのか。その在り方に少しだけ苛立ちを覚えた。

 

 

 

 

 

 

 




続きなんてありません。というかゼノヴィア×一誠(しかも親友)の子供って誰得カップリング?

聖堕天使化ルート

イリナ「いい加減、その子を下ろして投降しなさい!悪いようにはしません」

聖「嘘をつけぇ!悪いようにはしないってずうっと言ってきたじゃないか!それをいつもいつも裏切って来たのがママンだ!」

イリナ「そんなことはありません!」

聖「8歳と9歳と10歳と!12歳と13歳の時もぉ!僕はずっと、待ってた!」

イリナ「な、なにを……?」

聖「クリスマスプレゼントだろっ!!」

イリナ「あぁ……!」

「カードもだ!ママンのクリスマス休暇だって待ってた!アンタは渡さなかったプレゼントの代わりに、その刃物を息子にくれるのか!」

イリナ「そんなに忘れて……」


と、いう聖ジョナサン化の可能性があったりなかったり。

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