呪腕先生は人理修復後、ハルケギニアに呼ばれたようです   作:海棠

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彼は絶対弱者の味方する。間違いない。






第4節:ハサン先生、お手伝いする

「・・・」

「あの・・・あとは任せてくれてかまいませんよ?」

保健室の教師がルイズの枕元にたたずんでいるアサシンに声をかけてくる。すると彼はくるっと振り向いた。その時顔につけた仮面の眉間にしわが寄っているような気がしたがたぶん気のせいだろう。

 

「しかし、マスターが気絶してしまったのは私のせいであります。ならば起きるまで待つのは当然のこと」

「なかなかに律儀なのですね、あなたは。ですけど、生徒を見守るのも私の仕事ですから。ここは私に任せてくださいませんか?」

「・・・」

「納得できないのは分かります。ですが、あなたは悪気があってやったわけではないのでしょう?それくらいは分かりますよ。たぶん彼女も怒らないと思いますよ?」

「・・・・・・・ここは任せても、よろしいですかな?」

「えぇ、安心して任せてください♪」

「ではこれで失礼」

そういうとアサシンはガラッとドアを開けてそのまま出て行った。

 

「・・・ルイズちゃんはなかなかに素敵な人を呼んだのね。よかったわ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~しばらくして~

 

彼が当てもなく廊下をふらふらと歩いていると今朝であったメイドが忙しそうに廊下を走っていた。彼が眺めていると彼女は足がもつれたのか思い切り転んでしまい、持っていたものを手放してしまう。

次の瞬間彼は高速で移動し、落ちる前にすべて素早く回収すると彼女をたたせる。

 

「あ、ありがとうございます」

軽くほこりを払いながらシエスタは礼を言った。

 

「いえ、助けられたならば助けるのが道理でございます。今朝の借りは返しましたぞ?」

「いえいえ、こちらこそありがとうございました。あと借りなんてそんな・・・」

「ところで、何か急いでいるようでしたが何があったのですか?」

「実はこれから昼食の時間なんです。それで忙しくて・・・」

「ふむ・・・」

するとアサシンは顎に指をあてて何か考えるようなしぐさを取る。

 

「なるほど。ならば私も手伝いましょう」

「え?いいんですか?」

「もちろん。私も先ほどから少しばかり暇を持て余していたのです。それに、こう見えても私は結構力持ちですぞ?」

「あの・・・」

「ん、なんでしょう?」

「あの・・・その、右腕・・・」

「あぁ、これでございますか」

そう言いながら彼はガチガチに包まれた右腕をポンポンと軽くたたく。

 

「これは・・・なんと言いましょうなぁ。あ、そうだ。実は骨が折れておるのですよ」

「え、そうなんですか?!」

「えぇ。なかなか治るのが遅くて困ってしまいましてなぁ」

「それは、大変ですね・・・」

「えぇ、大変ですよ。ふふッ」

そして二人は食堂へ急いだ。

 

貴族が食事を楽しむ食堂の裏の厨房。

食堂でコックやメイドが忙しそうに働いている。

彼女に聞いた話だがついさっきまでは今よりも更に忙しかったらしく、これでもまだ落ち着いたほうであるらしい。

 

「すいません。今戻りました」

「おう、遅かったじゃねぇか!って、お?その大男は?」

「あ、この方はルイズ様の使い魔です。廊下でお会いしたところ手伝うって自分から進んでいってくれまして…」

「あぁ、あんたがシエスタのいってた使い魔か!俺の名前はマルトーっていうんだ!よろしくな!」

「ではこちらも。名をアサシン。今後ともよろしくお願いします」

「おぉ、礼儀正しいな!で、早速でわりぃんだがな?このデザートを運んでくれないか?片腕なのに任せてしまってすまねぇ」

「フフ、かまいませんよ。それに、片腕で仕事をするのには慣れております」

そう言うとアサシンは軽々とデザートの入った盆を持ち上げると厨房の外に出た。

すると彼の姿を認識した生徒たちはひそひそと陰口をたたき始める。

 

「おい、ルイズの使い魔がいるぜ」

「なんでこんなところに亜人がいるのよ・・・」

「おいおい、言ってやんな。可哀そうだろ?」

「まあ、どうせ『ゼロのルイズ』の使い魔じゃ、たかが知れてるわね」

「はっはっは、違いない!」

次の瞬間、彼らの目の前にアサシンは舞い降りた。

 

「「「「「?!!」」」」」

「私をとがめるのならば別に構いませんが・・・主殿をとがめるとならば話は別ですぞ?」

彼は遠回しの忠告をするとデザートを器用に配っていく。そして配り終えて視線を別の方に向けるとそこには何かしらの人だかりができていた。

 

「なにをしているのですか?」

彼は外側で眺めている生徒に近づいて声をかける。

 

「あぁ、あれな・・・」

すると生徒は彼には目を向けずに話し始めた。

 

 

 

~☆~

 

「あの・・・申し訳ありません。これを落とされたようですけど…」

 

この一言から始まった。一応断りを入れるが彼女、シエスタは善意で言っただけだ。彼女は香水を落とした貴族、ギーシュ・ド・グラモンに声をかけたのだ。丁寧にビンを両手で拾い上げながら。

しかし次の瞬間、彼は凄まじい勢いでそれを否定したのだ。

 

「こ、これは僕のじゃない、き、君は一体何を言ってるんだ!」

「ですが、これは確かにギーシュ様から落ちたものです…」

彼は往生際悪くさらに否定しようとする。

 

「ん…?この小瓶はモンモランシーの香水じゃあないか」

「あれ?でもお前確かケティと付き合ってなかったっけ?」

そんな彼に運命は牙をむいた。こうなってくると彼にはもう収拾する術はない。

次の瞬間、彼に駆け寄った少女のビンタが炸裂した。その少女こそがケティである。

 

「ギーシュ様最低!!!!」

そう叫ぶと彼女が大泣きしながら食堂を走り去った後、新たな少女が彼に詰め寄ってきた。

 

「今のはいったいどういう事かしらギーシュ…!!」

「ち、違うんだモンモランシー!あの子はだだの「ただの何かしらぁ?!!」あ、えっと・・・」

モンモランシーと呼ばれた少女は彼の言い訳を遮るように叫ぶとシエスタが持っている香水を取り栓を抜くとそれを彼に思い切り彼にぶちまけた。

 

「もう二度とその顔を見せないで!このクズ!」

そして彼女も泣きながら食堂から出て行った。

 

少女二人に見事捨てられたギーシュ、二股をかけていた当人が当然悪いのだがその悲しみは怒りに変わり、その怒りは理不尽にもシエスタの方に向かっていった。

 

「・・・おい」

「は、はいぃ?!!」ビクッ

「君が軽率に香水のビンなんかを拾い上げたおかげで二人のレディの名誉が傷ついたぞ!どうしてくれるんだね!あそこはただ無視すればよかったんだ!!」

「すいません!すいません!」

シエスタはただ頭を下げ続け謝るばかりだったが他の生徒達の前でビンタ二発と香水をぶちまけられたという恥ずかしさから更に怒りがヒートアップする。

 

「申し訳ありませんで済めば憲兵なんていらないんだよ!どうやら君には貴族に無礼を働くとどうなるかを身をもって知った方がいいようだね・・・!」

そう言いながら彼は杖を抜いた。

 

~☆~

 

 

 

「ってわけ」

「なぜ助けようとしない」

「なぜって・・・なんでわざわざ平民を貴族が助けるなんてマネしなきゃいけないんだい?」

「・・・」

するとアサシンは己の大柄な肉体を人の間を抜けるように器用に中へ入っていく。

抜けるとそこには頭を抱えてガタガタと震えているシエスタと彼女に対して杖を構えてにやにやしているギーシュの姿があった。

 

「待たれよ、貴族の子よ」

そして二人の間に割り込むよう彼は体を動かす。そしてさりげなくシエスタの肩を抱いて己に引き寄せる。

 

「アサシン、さん・・・」

「なんだね君は?…ああ、ルイズの使い魔の亜人か。僕は彼女に用があるんだ。そこを退きたまえ」

「それはできぬ相談だな。話を聞けばシエスタ殿はただ善意で行っただけだ。ここは許してやってくれまいか」

「そういうワケにはいかない、そこのメイドはこの僕に恥をかかせた挙句二人のレディの名誉を傷つけたんだ。ただで許すわけにはいかないよ」

「この娘は傷つけていないだろう。つけたというなら貴様の方だ。貴様がそもそも香水を落とすというへまをしなければこのような事態にならなかったはずだ。いや、元をたどれば二股などくだらんことをするからこうなるのだ。猛省して男を磨くがいい。貴様にはまだその機会がある」

するとギーシュの表情が変わった。

 

「君、誰に口をきいているのかわかっているのかい?」

「これでも礼儀の使い方はわきまえているのでな。ククッ、貴様はそれに値しないだけだ」

彼はさらに青筋を立てるが無理やり深呼吸する。

 

「ふ、フン。やはり平民に礼儀を教える方が無駄骨というものだね」

「あきれるな、論点をすり替えようとするとは。この下郎が」

するとその場が急に冷え込んだ。

貴族の面々は「あぁ、こいつ死んだわ」と思い、シエスタは「こ、殺される」と思った。

 

「・・・何?」

「聞こえなかったのか?貴様は下郎だといったのだ。主に人格面でな。恩を仇で返すどころか己の非まで責任転嫁するとは…あきれてものも言えぬ」

「・・・君にも貴族への礼儀を教えた方がよさそうだね」

「まだ世界の一部分も知らぬ小僧が偉そうに教えるというのか?」

「・・・いいだろう!決闘だ!お前には死を持って償わせてやる!!」

そう吐き捨てると彼は食堂から出て行った。アサシンはその後姿を呆れたような目で見ていた。そしてやれやれと首を振ると独り愚痴た。

 

「私の本業は暗殺だが…こうなれば仕方あるまい」

 

 

続く







オマケ

「僕の千円が!!」

「はぁい、ジョージィ。ヘヴンズフィール第1章見た?」
「(首フリフリ」
「Oh…すごく面白いのに。僕BD持ってるから貸そうか?」
「・・・どうせ僕たちのドル箱ヒロイン、セイバーが大活躍するんやろ。騙されんぞ」
「ん、まぁ、確かにセイバーはステイナイトやホロウには欠かせないサーヴァントだ。だが今回活躍らしい活躍はあまりしていないし(当社比)、物語の展開はスピーディーかつスタイリッシュだ。しかも作画も素晴らしいし、音響もなかなかいいときた。どうだい?」
「あぁ、そうかい。UBW見てくるわ「待って!」」
「じゃあ、これはどうかな?」つ【放映前に公開された戦闘シーン】
「ハサン先生が動いている?!」
「そうだ!このルートは前*1に紹介したハサン先生が唯一SN本編で登場するルートだ!しかもあのランサーと短刀一本で張り合っている!これはもう見るしかないだろう?」
「(不安そうな顔)」
「Ah…もしかしてハサン先生がすぐやられちゃうんじゃないかって不安かい?」
「・・・」
「おほっ、図星って顔してら。確かに今までのメディア展開やZeroのことを考えたら確かにハサンは大概不遇の道を歩いてきた。だがハサン先生本人は登場するたびにいぶし銀の活躍をしているし、FGOでもすごい活躍していたろ?しかもHFはようやくハサン先生にもアニメによるメディア展開が来たんだ。自分の大好きなハサン先生が皆に知られるんだ。これほどうれしいことはないじゃないか」
「ちゃんと宝具発動する?」
「あぁ、もちろん発動するぞ。それにネタバレになるから詳しく言えないがすげぇ活躍する。
 ヘヴンズフィールはいいぞぉ、ジョージィ。すごくいいぞぉ」
「スッ・・・」
「だから早くお前も見て」
ガシッ
「ハサン先生に惚れ直すんだよ!!」
「イヤァアアアアアアア」

「ジョージは尊死した。ハサン先生のあまりのカッコよさに妄想心音されたからだ。みんなは見た?見てない人も是非借りて見てほしい。
あと作者は序盤の奇怪なハサン先生も好きです。第二章も見に行きましょう」

*1
第1話参照だぜ、ジョージィ…

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