呪腕先生は人理修復後、ハルケギニアに呼ばれたようです 作:海棠
あとはヘブンズフィールのハサン先生が活躍するシーンを延々とループしてます。妄想心音をどのように表現すればいいか理解するためです
そういえば皆様はスマブラSP買いますか?自分は買いました。
一人の男が図書室の一室にこもっていた。
彼の名はコルベール。この学校の教師をしている。彼は今何かを必死に探しているみたいだ。
「こ、これは・・・!!」
そしてついに何か重大なものを発見したらしい。彼は慌てて部屋から飛び出すと学園長室に向かった。
変わってここは学園長室。
そこには美人の秘書と長老みたいな男性がいた。といっても男の方は頬に紅葉のマークをつけていたが。
「・・・別に叩かんでいいじゃろうに、ミス・ロングビル」
「セクハラは犯罪ですよ。通報しないだけ慈悲があるものだと思ってください」
「通報が怖くてセクハラなんぞしとらんわい」
「へぇ・・・では殺されても文句は言いませんね…?」スッ
「じょ、冗談じゃ冗談。そんなにマジになることなかろうて・・・」
するとそこに慌ててコルベールが入ってきた。
「た、たたたたたたたたたたた大変です! オールドオスマン!!」
「どうしたんじゃ、ミスタ・コッパゲ」
「コルベールです! じ、じじじじじじ実はミス・ヴァリエールの使い魔のルーンを調べていましたところ、これだったのです!!」
そう言いながらオールドオスマンと呼ばれた老人はコルベールの見せたものに目をむける。すると少し険しい表情をして秘書であるミス・ロングビルに言った。
「・・・ミス・ロングビル、少し退室してもらいたいのじゃが」
「了解いたしました」
そう言って美人秘書は学園長室からいなくなった。
「・・・で、なんじゃと? ミス・ヴァリエールの使い魔が『ガンダールヴ』じゃと?」
「はい! 『ガンダールヴ』は始祖ブリミルが、呪文詠唱中の無防備な状態を守るために用いたと言われている伝説の使い魔です! その力は千人の軍隊を一人で壊滅させ、並みのメイジではまったく歯が立たなかったと!」
「ふむ・・・その判断は少し早計じゃと思うが…」
「た、大変です!」
するとそこにミス・シュルヴルーズが慌てて入ってきた。
「どうしたのじゃ、ミス・シュルヴルーズ」
「どうしたもこうしたもないんです!! ヴェストリ広場で、決闘をしようとしている生徒達がいます! 何人かの教師が止めようとしましたが、生徒達に邪魔されて止められないようでして…」
「なんじゃ、それぐらいの事で騒々しい…で、その暇な貴族は誰と誰なんじゃ?」
「それが、片方はミスタ・グラモンで・・・、もう片方がミス・ヴァリエールの使い魔とのことです。教師達は、決闘を止めるために『眠りの鐘』の使用許可を求めておりますが…」
「・・・どうしますか?オールドオスマン。もしかしたらがあるかもしれませんが」
「・・・では用意だけするのじゃ。もしもまずいと思ったら使っても構わん」
「は、はい。わかりました」
そう言ってミス・シュルヴルーズは出て行った。
「・・・ではわしらはこの鏡から見るとするかのう」
すると鏡がぼうっと光り、光が収まると景色が映っていた。
「さぁ、決闘だ!!」
広場が沸き立つ。
「よし! やれ! やっちまえ! ギーシュ!」
「たかだか平民に決闘て……常識的に考えろよギーシュぅ!!!」
「いやいや!ここは『貴族が上!平民が下!』を植えつけるべきだろ!!」
「おとなしくナンパしてろよギーシュぅ!!」
そしてヤジがいっぱい飛ぶ。
貴族の生徒たちは日々娯楽に飢えている。だからこそ今回のような決闘は格好の娯楽なのだ。
そしてその場に舞い降りる漆黒の大男。そう、我らがアサシンである。
「おや、ちゃんと来たのかい」
「案内をしてくれないせいで少々迷ったが…私は目の前の困難から逃げないと決めているのだ。貴様と違ってな」
「・・・どういうことだい?」
「それは自分で考えることだな。あ、それと」
「なんだい?」
「決闘ということはどちらかが
「・・・そうだね。ま、僕は君が全力を出すに値するには思えないけどね」
「慢心は己を殺すぞ?」
「慢心せずして何が貴族か!・・・まぁ、いい。その真意は君を倒してからじっくりと吐かさせてもらうよ。では名乗らせていただこうか。僕の名はギーシュ・ド・グラモン。『土』のドットメイジだ。二つ名は『青銅』。よってワルキューレを使わさせてもらう。異論はないね?」
「ふむ、かまわんよ。・・・では私も名乗ろう。我が名はアサシン。ルイズ嬢の
彼は懐から短剣を取り出すと少し体勢を低く構える。それを見たギーシュは鼻で笑った。
「ふん、そのナイフで何ができるのかね?」
「・・・」
「もはや口を利くことも忘れたか。来い、ゴーレム!」
ギーシュはバラを模した杖を振る。するとワルキューレが現れた。どっと歓声が沸く。そして彼がキザなポーズを取りつつ号令をかけるとゴーレムは動き出した。次の瞬間、一体の頭部が砕け散り、ギーシュの頬に赤い線ができた。
よく見るとそれは傷であることがわかる。彼も自分が傷つけられたとわかった瞬間、頬に痛みが走った。
しかし投げたアサシン本人は非常に驚いていた。
(なんだ今の威力は…?!私は先ほど普通に牽制程度で少し力を抜いて投げたはずだ。断じてあの曲がりなりにも金属でできているゴーレムの頭を砕くほどの威力は出ないはずだ!そしてなんだ!この身体の底から湧き上がってくる力の根源は…!)
思考を巡らせながら彼はふと左手の甲を見た。
そこにはなんと!
なんと!!
なんと!!!
ルーンが光を発していた!!
「…?!」
これか。アサシンは今(なんとなく)理解した。自分のこの異常なまでに湧き上がってくるパワーの正体この左手に刻まれたルーンが自分に与える影響をおおよそながら理解したのだ。
「き、貴様、僕の顔に傷をつけたというのか…?!」
「・・・それがなにか問題でも?」
「ゆ、許さんぞこの下郎!平民が貴族には向かうことすらおこがましいのによもや傷つけるなんて…!!貴様は絶対この僕がここで殺してやる!!!」
「・・・クククク」
「何がおかしい!」
「浅はか。あまりにも浅はかよな。決闘とは命のやり取り。己が傷つけられる覚悟がなくやるのは愚の骨頂。今の貴様は言葉の通り浅はかなのだ。これだから2股をしたあげく両方に振られるはめになったのではないか?」
「なんだと・・・!」
するとアサシンは短剣をしまい左手を軽く挙げて提案する。
「まぁ、落ち着け貴族の子よ。勝負を受けた私が言うのもアレだが・・・ここでやめにするつもりはないかね?」
「何だい、今更怖気づいたのかい?」
「ククッ、それは貴様の方ではないのか?」
「なに・・・?」
「足が震えておるぞ?」
「ナッ・・・!!」バッ
「嘘だ。それはさておき・・・私は忠告しているのだ。貴様はまだやり直せる機会がある。こんなくだらない決闘などやめて二人に謝ったらどうかね?間違いなく振られるが尾ひれはつかずに済むぞ?」
「いや、それは君を殺してからでも遅くない。殺してから謝れば一件落着だろ?」
するとアサシンの眉間にしわが寄った。
「・・・下種が」
「なに?」
「下種だといったのだ。その己の恥を認めぬ愚かさ。その安直かつ単純な愚策。見ていてこちらが恥ずかしくなる。失せろ」
「・・・君、今何と言った?」
「失せろといったのだ。3回目はないぞ。貴様など相手する価値もない。この場から潔く消えるがいい。戦うことに何の誇りや
これは本心である。彼も決闘という命のやり取りの場であれど将来国の一端を任されるであろう子を殺すことなどあまりしたくないのだ。これが暗殺であったなら何の温情も込めずに殺すところだがここは決闘。口では厳しいことは言っているしどういうものか理解はしているがそれでもである。いわゆる親心みたいなものだ。
「いや、逃げるわけにはいかないね。貴族は背中を見せたらいけないんだ。そんな甘い言葉で誘って勝とうだなんてそこは問屋が卸さないよ」
「・・・・・・・・・本当に良いのか?まだおぬしは若い。今逃げたら若さゆえの一時の過ちとして済むが…」
「何度言わせる気だい?男に二言はないよ」
それを聞くとアサシンは残念そうに言った。
「・・・忠告はしたぞ。恨むなら己を恨むがいい」
彼は短刀を構えた。それを見た
ギーシュはゴーレムを再び前進させる。
「のろい」
そう言った次の瞬間、彼は跳び上がってダークを3方向に投げつけ次々とゴーレムの頭部を砕いていく。しかしその後ろに隠れていたゴーレムに突進を許してしまい彼は殴り飛ばされた。
「ぐぉ?!」
彼は吹っ飛ばされるが空中で体勢を立て直すと地面に足が付いた瞬間一気に加速して先ほど殴り飛ばしたゴーレムを蹴り飛ばす。そして後ろに回り込もうとしたもう一体のゴーレムの首に向けて短剣を打ち込んで砕くと跳び上がって柱の上に降り立った。
「な、なかなかやるじゃないか。だが君は次で終わりだよ」
そう言いながらギーシュは杖をアサシンに向ける。しかしそれに対して彼は冷たく言い放った。
「いや、貴様に次はない」
すると彼はガチガチに固定された右腕を上に掲げて布端をつかみ、再び跳び上がりながらするするするとほどいていく。
そしてすべてほどかれた瞬間、隠されていた右腕があらわになった。
「あ、あれはなんだ?!」
「や、槍か?!!」
「違う!右腕だ!でも、あんなに長い腕あるかぁ?!!」
それは槍だった。いや、槍に見間違うほどの恐ろしく長い腕だった。手があると思っていた右腕の先端は肘だったのだ。おそらく身長の倍はあるのではないかという長い腕。そしてそれこそが彼の隠し持っていた最大の武器でもあったのだ。
「宝具……”
彼が絞り出すようにつぶやいた瞬間、その右腕が鈍く、しかし鮮やかにオレンジ色に輝き始めた。そしてさらに腕はうねり伸び、ギーシュに一直線に向かっていく。
「う、うわぁ?!!」
予想外の攻撃に彼は慌てて迎撃しようとするが時すでに遅し。その指先は彼の胸部にトンっと触れるとすぐさま元の長さに戻っていく。
「な、なんだい?さっきの攻撃(?)は。こけおどしにしてはなかなかやるじゃないか」
驚きこそしたものの冷静にふるまおうとするギーシュ。しかしその態度はアサシンの右手にあるものを見て崩れることとなる。
彼の右手にあったのは心臓だった。とくんとくんと鼓動している。しかしどこかまがまがしい色をし、そして半透明であった。彼にはなぜかそれが自分の心臓だとわかった。わかってしまった。SANチェック失敗、アイデアクリティカルである。
「お、おい、まさか・・・」
「・・・」
「う、嘘だろ?ま、まさか僕を殺す気なのかい?!やめろ、やめてくれ!僕はまだまだ生き続けなくちゃいけないんだ!僕はグラモン家の跡継ぎなんだぞ?!まだモンモランシーやケティとも仲直りできていないのに!なぁ、お願いだから頼む!その心臓を消してくれ!僕を助けてくれ!殺さないでくれ!頼む!!どうかこの通りだから・・・!!」
彼は公衆のわき目も降らず顔をぐしゃぐしゃにしながら土下座した。そんな状態でも貴族のプライドなのか杖はまだ握りしめていたままだったが。
彼の叫びを耳にしながら公衆はじっと仮面の暗殺者を見る。彼がどう動くのか見物しているのだろう。その眼にはありありと「殺すはずがない」という感情が込められていた。
彼はその視線を感じ、ギーシュのわめきも聞いていたが彼にとって
そしてごく自然に、ただ見せびらかすわけでもなく、淡々と、まるでそれが義務かのように
彼の
するとかくんっとギーシュはうなだれ、そのまま地面に伏せる。その口からは大量の血があふれ出ていた。皆が感じた。感じてしまった。
彼は死んだのだ、と。
暗殺者はスッと倒れ伏している彼に近づきつぶやいた。
「・・・今更だが、貴様はこの場に立つべきではなかったのだ」
グサッ グサッ
そしてさらに首筋にとどめを刺すように二回短剣を突き刺すとその場をあとにした。投げた短剣の回収と布を右腕に巻きつけることは忘れない。
「おい、殺したぞ?!!」
「おい、しっかりしろよギーシュ!!おい!」
「ギーシュ!眼を開けてよ!ギーシュ!」
「誰か水のメイジか先生を呼んでくれぇ!!」
「うわぁあああああああ!!!!やっぱりルイズの使い魔は亜人だったんだぁああああ!!!!」
生徒の悲鳴が聞こえる。しかし彼にとって殺人とは仕事である。そしてあの男子生徒は敵で決闘を望んでいた。彼はそれに最大限に従っただけである。
ここに悪者はいない。いるとするならば、決闘と銘打ってしまったギーシュ・ド・グラモン本人であろう。
続く
今回ハサン先生が殺したのは決闘という命のやり取りの場であったことです。
それに彼はギーシュに何度も「それでいいのか?よくないだろ?もう一回よく考え直せ?」みたいなことを言っています。ここまではまだ本気で命を取りに行こうとはしていないんです、煽ってますけど。牽制で投げた短刀が自分の予想以上に威力出たわけですし、ここで殺しに行ったら彼の体はスプラッタになると判断したのでしょう。
ですが変わらないギーシュの態度と発言で「わかった。今から貴様を殺すがいいな?」という判断を下しました。その前にもう一度「考え直せ」とは言っているんですけどね。
それに「全力を出す」と事前にお互い言っているわけですから別に本気の象徴である宝具を開放しても一応ルール上違反ではありません。だからこそ彼は宝具開放に至ったわけです。
あと教師たちがなぜ鐘を鳴らさなかったというとまさか一見ただの長い腕が呪殺用の武器だと思わないじゃないですか。しかも触れられた時点でアウトなんて知らないから余計にですよ。