Twin tale   作:天ノ川遥

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後日談というか、今回のオチ。


6.「オチ」

1.

数日後。昼休み、図書室。

ゆったりとした空気の中、そこだけはほんのり甘い雰囲気が漂っていた。

「…あの、先輩」

「どうしました、エンヴィさん」

「やっぱり、その、少し恥ずかしいというか……」

スイハに膝枕され頭を撫でられるエンヴィ。図書室には彼女らの他には、絶賛居眠り中の図書委員しか居ないのだが、それでもやはり恥ずかしいらしい。

「前は特に何も言ってなかったでしょう?」

「あ、あの時はその……」

顔を真っ赤にし、口ごもるエンヴィ。

あの時と同じ状況ではあるが、眠気がないだけで意識してしまうことが多い。彼女の体温とか、感触とか、匂いとか…

しばらく二人とも黙ったまま、時間が過ぎる。

ふと時計を見ると、昼休みも終わりが近づいていた。

「もう、こんな時間ですか」

「本当――あなたといると、あっという間ですね」

エンヴィが体を起こすと、スイハは名残惜しげに頭から手を離す。

「今日もいつもの時間でいいですか?」

「ええ……では、また放課後に」

「はい、では」

 

 

2.

あれから数日。エンヴィとスイハは一緒に帰るようになっていた。一部では既に噂になっているらしく、コソコソと校門付近で二人を見ている生徒がいるとかいないとか。それでも嫌がらせがないのは生徒の心掛けか、エンヴィの威圧か、はたまた名家の出身であるロンギヌスの妹だからか。何にせよ、実に平和であった。

……なぜ過去形なのか。

「おーい、スイハー!」

二人の帰宅中、駆け寄ってきたその人物のおかげ(せい)である。

背丈はエンヴィと同じ。流れる金髪、サファイアのような眼、そして背丈に似合わぬ……エンヴィは思わず舌打ちしそうになったが、スイハの手前なんとか抑えた。

エンヴィが舌打ちしそうになったのは、何も彼女の嫉妬ゆえのみ、という訳ではない。

あの日、スイハと一緒にいた生徒。エンヴィの暴走のきっかけとなった、その人と特徴が一致するからだ。

自然と身構えてしまうエンヴィだったが、

「あ、姉様」

「ね、姉……様?」

スイハの一言で、力が抜ける。

「おー、スイハがだれかといっしょなんて珍しいな!」

「エンヴィ、こちらはグラーシーザ。私の姉です」

「血のつながりはないけどな!」

「姉様、前にお話したエンヴィです」

「グラーシーザだ。よろしくな!」

「ど、どうも…」

トントン拍子に進む話についていけないエンヴィ。

どうにも年上には見えないグラーシーザだが、ハキハキした口調や明るい表情を見るに悪い人ではなさそうだ。

「それにしても……」

エンヴィとスイハを交互に見るグラーシーザ。

「そうやってると、まるでこいびとどうしみたいだな!」

「――――!?」

「ね、姉様……」

いや、事実なのだが、ストレートすぎる。

グラーシーザが鋭いのか、二人が分かりやすすぎるのか。

いや、今は二人が分かりやすく慌てているのだが。

「じゃましてしまったみたいだな!それじゃあスイハ、遅くなるようなられんらくしてくれ!」

二人が何か言う前に走り去っていくグラーシーザ。

後には静寂と、微妙に気恥ずかしいような雰囲気が残る。

『恋人』関係。

改めて自覚すると嬉しいような、恥ずかしいような……。

「……私達も、行きましょうか」

「そ、そうですね」

そっと手をのべるスイハ。少し迷って、エンヴィはその手を握る。寄り添う二人を、一番星が見守っていた。

 

 

星の輝き、月の煌めき。

並んだ影がそっと重なる。

この優しい時間が、明日も、明後日も、ずっと……

ずっと、続きますように。




これで一旦、このシリーズは終了となります。
パッとしない終わりでごめんね。
最後に一言。エンスイをすこれ。
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