征兎side
なんとも言えない自己紹介などがあったSHRを終えて、1限目の授業も無事終了した。
しかし、初歩中の初歩の内容だったからか俺には物足りなかった。
「あー・・・」
「ん? どうした、一夏?」
そんな中、授業が終わったとほぼ同時にこちらを唸りながら向いてきた一夏に和海が対応する。
「和海と征兎はさっきの授業、理解できたか?」
「まぁ、なんとかな」
「余裕も余裕。朝飯前だな」
「だぁ~、そうだよなぁ~」
そう言いながら一夏は机に突っ伏してしまった。
こいつまさかこんな初歩の初歩でつまづいているのか?
・・・まさか万丈以外にもそんなヤツがいたとはな。
「ちょっといいか?」
--と、そこで誰か話しかけてきた。
「・・・箒?」
そちらを向くと俺たちの幼馴染であり、6年ぶりの再会となる篠ノ之箒がいた。
「おー、久しぶりだな」
「そうだな、元気そうでなによりだ」
「久しぶりだな、征兎、和海。すまないが一夏を借りてもいいだろうか?」
「どうぞ、どうぞ~」
そう言った後、一夏と箒は屋上に消えていった。
「せ~いと、カズミン。ヤッホー」
その直後にまた一人、俺たちのところにきて話しかけてきた。
「万丈か・・・」
「龍華、ホントに受かってたんだな」
「ちょっとどういうこと!?」
和海の反応に万丈がビックリしているようだが・・・スゲー気持ちはわかる。
「そのままの意味だ。どうやって奇跡を起こしたんだ?」
「確かに、正直中学浪人になるかと思ってたからな」
「なに言ってんのさ、まったく。試験なんてあたしの第六感と・・・えーと・・・その他色々使えば余裕だよ!」
なんて頭の悪そうな答えだ・・・。
実技はともかく、筆記に第六感はないだろうよ・・・。
しかも、その他色々って・・・せめてその他諸々にしてほしかった
「しかし、箒は相変わらず一夏におアツなんだねぇ。6年も離れてたから余計なのかなぁ?」
さすがのバカでもそういうのには気づくのな・・・。
「どうせ、ツンデレ発動で失敗だろうけどね」
「一夏もどうせ気づかないだろうしな・・・」
相手はあの朴念神だからな。無理だろうな。
「あ、もうすぐチャイム鳴る。じゃあまた休み時間にね~」
なんて言い残し万丈は席に戻っていった。
なお、一夏と箒は間に合わず、出席簿の一撃をくらっていた。
そして、2時限目。
明らかに挙動不審な一夏がいる以外は何事もなく授業が進んでいく。
しかし、簡単すぎる退屈なんだけど。
隣を見ると和海はそれなりにちゃんと聞いている。さっきもなんとかついていけてるって感じだったしな。
前を見て一夏の様子を見てみると、相変わらず挙動不審だった。アイツもうついていけてないのかよ。・・・これからどうすんだ?
ふと、一夏の机をみて気づいたが・・・アイツなんで参考書がないんだ?
その後、山田先生にわからないところがないか聞かれたんだが・・・俺と和海が大丈夫と答えたのに対し、一夏は全部わからない・・・と言いやがりました。
さすがの山田先生も顔がひきつってたよ。
さらに織斑先生に参考書はどうしたか聞かれると、捨てたとか言う始末。もう救いようがありませんね。
1週間で覚えろとか無茶言われてたけどまぁ自業自得・・・頑張ってください。
ってか万丈、手あげなかったけど大丈夫なのかと思ってチラッと見てみたけど・・・アイツそもそも授業ちゃんと聞いてないんだったわ。・・・ほっとこ。