征兎side
2時限目が終わった後の休み時間。
俺と和海が席を立った後、教室に戻ってきたら一夏が金髪さんに絡まれていた。
そのまま戻れば俺たちも巻き添えをくらうのは目に見えていたから、万丈の席で事の成り行きを見ていた。
「・・・なにがあったんだ?」
「ん~? よくわからないけど金髪さんが一方的に突っかかっていったかんじだね」
「今どきの人って感じだと思うよ~。おりむ~が気に入らないとかそんな感じだと思うよ~」
「なるほどな。・・・・・・ってどちら様?」
いつのまにか俺たちの会話にのほほんとした人が加わっていた。とりあえず名前を聞いておく。
「私~? 私は 布仏本音 だよ~。よろしくね、きりきり」
「お、おう。よろしく」
なんとも独特な子ですな。・・・今まで呼ばれたことないあだ名で呼ばれたから少し戸惑っちまった。
「え~と、こっちが万ちゃんで~、そちらは~?」
布仏さん・・・ん~、のほほんさんでいっか。--は、和海の方を向いて聞いた。
そういえば、自己紹介の時も和海の番はなくなったし、これまでもみんな話しかけず遠巻きに見てただけだったからな。
みんな何気に和海の自己紹介聞こうと聞き耳立ててるし・・・。
「・・・万ちゃん。・・・番長みたいでいいかも・・・」
近くで万丈がなにか言ってた気がするけどスルー・・・。
「ん、ん。・・・俺の名前は猿渡和海、15歳、彼女はいない。カズミンって呼んでくれ」
ヒドイな・・・。彼女いないとか別に必要ないだろ。
「お~、よろしくね~カズミン」
そして呼んであげるのね。やさしいね~。
などといったやりとりをしてるうちに向こうからなんかズッコケる音がした。
「・・・なんだ?」
「一夏が・・・代表候補生ってなんだ? ・・・って聞いたみたい」
事の顛末を見てた万丈がそう答える。
「一夏のアホ発言なんていつものことだろ」
言ってやるな、和海。万丈よりはマシなはず・・・多分。
と、まぁ・・・そんなことを考えてたら、金髪さんが自分がエリートだからどうこうどうこうだの泣いて頼めばISについて教えるだの言ってた。
・・・間違ってもあんな態度のヤツに教わりたくないがな。
すると、急にこっちを向いて、
「なんせわたくし、入試であちらの万丈龍華さんと同じように教官を倒したエリート中のエリートですから!!」
・・・と金髪さんが自慢してた。
万丈がここにいる時点でなんとなく察しはついていたけど、やっぱりだったか。
「なぁ、万丈・・・」
「ん?なに?」
「お前、教官をどうやって倒したんだ?」
「どうやってって・・・殴ったり蹴ったり・・・剣で斬ったり・・・とかしてたらいつのまにか終わってた」
「ケンカじゃねぇんだからよ・・・」
気持ちはわかる。・・・今のだけ聞いたらケンカしてきたようにしか聞こえない。
そんな中向こうでは、一夏が自分も教官を倒した発言をしていた。
・・・相変わらず火に油を注ぐのが得意なヤツだな。
「あ、あなた方は!? あなた方はどうなんですの!?」
ついに金髪さんの矛先がこっちにきてしまった。
・・・仕方ない、正直に答えますか。
「いや、俺たちはそもそも試験を受けてない」
「え!? そうなのか!?」
俺の回答になぜか一夏がいの一番にくいついてきた。
「あぁ、所属した企業の社長が--強制的に入学が決まっているのにそんなことしたって無意味。そんなムダなことさせてないでこちらでの訓練を優先させろ。適性検査は終わっているから問題ないはず。文句があるなら直接こちらにご連絡ください。--って言ってたからな」
・・・あのときの玄乃さんは怖かったからな。気を付けなければいけないな。
「・・・マジかよ」
そう言って一夏は机に沈んでいった。
その後は金髪さんがなんか喚いていたけど、無視した。
チャイムが鳴ってしまったから万丈とのほほんさんに一言かけて席についた。
そして先生たちが教室に入ってきたが、さっきまでの授業とは違い今度は織斑先生が壇上に立った。