征兎side
待ちに待った? クラス対抗戦当日。
出場するわけでもない俺は和海とともに観客席に座って試合が始まるのを待っている。
いちおう箒とセシリアみたいに管制室で見るという手もあったが、一夏の訓練を手伝ったわけでもないし、こっちにした。
まぁ、さすがに移動する前に一言 がんばれ とは言っておいた。
ちなみに万丈は別の場所で友達と見ているのだろう。ここにはいない。
第一試合は 1組-2組 と発表があった。
第二試合は 3組-4組。 なんの捻りもない組み合わせだった。
そういえば4組の代表は、あの玄乃さんに追い詰められたクソ企業のせいで専用機がないから、今回は訓練機での出場になるらしいとのほほんさんが教えてくれた。
しかも彼女は、自分で専用機を製造しているんだとか。
・・・一科学者として気になるな・・・。今度、見せてもらえないかな?
「征兎。一夏と鈴の試合、どうなると思う?」
「試合展開の話か? それとも結果の予想?」
「両方」
・・・ふむ。
「まぁ展開の方はともかく、結果は鈴の勝ちかな」
「なんでそう思うんだ? 大体想像つくけどな・・・」
「いやそもそも、この前初めて専用機を受け取ったヤツと国で1年間しっかり訓練した代表候補生だぞ? いくら一夏のポテンシャルが高かろうと、今すぐにひっくり返せるもんじゃないだろ」
しかも鈴は、俺たちと別れたわずか1年で代表候補生になった。いわゆる天才の部類なのだろう。
さらに、短期間でそこまでの地位を得たということはかなり努力したに違いない。
昨日今日、訓練がんばったからといって覆せるものではあるまい。
「やっぱりそうかぁ。まぁでも、応援はするんだろ?」
「まぁ・・・いちおうな」
俺たちのクラスの代表なんだからな。
--と、ようやく二人がピットから出てきた。
片方は、一夏と専用機・白式。
もう片方からは、鈴が専用機である甲龍(シェンロン)を纏い出てきた。
「あれが鈴の専用機か・・・。なんというかとげとげしいな」
「本人の性格とかが反映されてんじゃねぇの?」
「お前・・・あとで殺されんぞ?」
大丈夫。
バレなきゃいいんだよ、バレなきゃさ。
しっかし一夏にとっては経験もそうだが、機体の相性的にも厳しい試合になりそうだな。
調べた感じ、鈴の専用機は燃費の良さをコンセプトの一つに置いている。そして一夏の白式は零落白夜を筆頭にとても燃費が悪い。
相手に遠距離武器がないことが唯一の救いかな。近・中距離型の機体みたいだから。
さらに、甲龍には初見では避けるのが難しい武装もある。
アレを見切り、鈴の懐に潜り、零落白夜を当てる。
一夏が勝つためには、最低でもこれらをやらないといけないと俺は思う。
でも、勝負は時の運。
流れ次第でどうとでもなるかもしれないし、そのままボコられて終わるかもしれない。
わずかなチャンスを逃すなよ、一夏!
そしてようやく、試合が開始された--。