神様の気まぐれで転生させられます。(仮)   作:CHIEN

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34話

 征兎side

 

 あの激動の一日から少し経ったある日。

 俺たちはあのときのケガも良くなり、無事に日常に帰還していた。

まぁ箒たちにお礼を言われたり、今回のことに緘口令が敷かれたりと色々あったが……。

 

 

 この日は、休日ということで思い思いに過ごしていた。

 

 俺は、ビルドの強化どうすっかな~と思いながらカタカタやっているが、そこまで根を詰めているわけでもなく暇つぶし程度くらいなもんだ。

 

 一夏は、家の様子を見に行くついでに友達の 五反田弾 のところに行くらしい。

 俺たちも誘われたが、丁重に断っておいた。

 

 そして和海は――

 

 

「…………」

 

 

 めっちゃ真剣な顔で動画を見ている。

 

「なぁ……和海。またいつものアイドルか?」

 

「ただのアイドルじゃねぇ。ネットアイドルだ。ユーたんはな、俺たちの心の癒しなんだよ」

 

 

 なんの動画かといえば、和海が大ファンのネットアイドルの動画だ。

 確か……ユウナ……だったっけ?

 ファンの間では、ユーやユーたんという愛称で親しまれている……らしい。

 俺はファンじゃないからそこまで詳しくは知らないけど。

 

 見た目は――黒みがかった銀髪に水色の瞳。髪にはいつも何かしらのヘアアクセサリーを付けていて、とても活発そうな印象を受ける。

 

 まぁ、実際の彼女がどんな感じかは知らないけど……そんなこと言ったら和海にボコられそうだから言わんけどさ……。

 

「あの……和海さん……?」

 

「うるせぇ。今いいとこだ、黙ってろ」

 

「……はい」

 

 あのアイドルのことになると、和海はかなり気が立っているからな……。

 

 

 俺もさっきまでの作業に戻るとしますかね。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 それは夕食時まで続き――

 

「あれ? カズミンは?」

 

「いつものあれだよ。ネットアイドルの……」

 

「またぁ~? 好きだねぇ~カズミンも。ユーたん……だっけ?」

 

「あぁ……」

 

 などと万丈にまで呆れられる始末……。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 その後、部屋に戻ってもまだ熱中していた。

 コイツ……今日、夕食抜きになるのでは……?

 

「デュフ……デュフフフ……」

 

 

 

 

 その前に、頭を診てもらったほうがいいかも知れない……。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 創一side

 

「相変わらずがんばってやっているようだな」

 

『はい。おかげさまで』

 

「――しかし、何事もやらせてみるもんだな」

 

『やってみろって言った人のセリフとは思えないですね』

 

「こりゃ手厳しい」

 

『……まぁ別にいいんですけどね』

 

「それと、わかってるとは思うが……」

 

『はい。間違っても彼らに遅れをとるようなことはありません』

 

「ならいいがな。……じゃあ、また後で連絡する。しっかり頼むぞ――ユウナ」

 

『はい。マイ・マスター』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 征兎side

 

「デュフ…………ん?」

 

 あ……ようやく帰ってきた。

 つーか、長すぎだろ……。

 

「おい……今、何時だ?」

 

「現在、21時。食堂はとっくに閉まってるぞ」

 

「マジかよ……」

 

 そりゃこっちのセリフだろうよ。

 よくそんな何時間も見続けられるわ……。

 

「どうすっかな……」

 

「諦めろ。この部屋には食いもんなんてないしな」

 

 自業自得だ。

 

「しゃーない。龍華からラーメン分けてもらうか……」

 

 万丈から?

 それってあの超大盛りカップメンの昇龍ラーメンか?

 

「でもあれ、万丈なかなか分けてくれねぇよな?」

 

 大量にストックしてるくせに、地味に高いからとか言ってくれねぇんだよな。

 

「そこは大丈夫だ。ちゃんと手は考えてある」

 

 まぁアイツバカだし、なんとでもなるのか?

 

「じゃあ行ってくるぜ」

 

 ……行ってしまった。

 

 

 

 戻ってきた和海の手にはカップラーメンとお菓子があった。

 いったいどんな手を使ったんだか……。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「というわけで……ラーメンくんね?」

 

「え~あれ高いんだよね~」

 

「わかってる。タダでとは言わねぇ。……ほれ」

 

「……なにこれ?」

 

「今日の朝の征兎の寝顔と昼間PCをいじってるときの征兎の写真だ」

 

「――!!!」

 

「これでどうかおひとつ」

 

「しょ、しょうがないな。1個だけだよ……あとついでにこのお菓子もあげるよ」

 

「サンキュー」

 

「えへへへ……征兎コレクションが増えた……」

 

(相変わらずちょろいぜ)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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