神様の気まぐれで転生させられます。(仮)   作:CHIEN

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37話

 

 征兎side

 

 デュノアと銀髪が転校してきてからしばらく。

 そういえば、セシリアのときみたく銀髪の名前を未だに聞けていないが、まぁいい。

 

 そしてここ数日、デュノアの様子を見ていたがなんとも……。

 男と偽っているところ以外はどうも演技ではなく素のようだし、白式のデータを奪うにしてもなんというか……う~ん。

 デュノアのあのなんでみんな気づかないのか不思議なくらいずさんな男装といい、デュノア社強いて言えばデュノアの親?たちの思惑も推測できなくはないけど、推測の域を出ないしなぁ。

 しかも俺の推測が本当なら、一高校生の力でどうにかできる問題でもないし……。

 

「あぁーーもう!」

「……ハァ。さっきからずっと考えこんでると思ったら急にデケェ声だしやがって。どうした?」

 

 ヤベ……思わず叫んでしまった。

 でもまぁ話すだけならタダだからな。

 

 

 そう思い、俺は和海にさっきまで自分が考えていた推測を話した。

 

「なるほどな……確かにそうなら、俺たちだけでどうこうできることじゃねぇな」

 

 話を聞いた和海もやっぱりそういう意見だった。

 ホントどうしたもんか……。

 

「とにかく今は様子見しかないだろうな」

「だよなぁ~」

 

 もういっそのことなんか現状を打破するような出来事が起きてくんないかな?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 創一side

 

 今いる場所はデュノア社の社長室。

 社長室はアイツの会社で慣れてるけど、別の会社の社長室ってのも偶にはいいかもな。

 俺はその部屋のソファーにスタークになり座っている。

 

 デスクの方では社長の“アルベール・デュノア”とその妻の“ロゼンダ”が最終確認なのか、こっちには聞こえないが何か話しているみたいだな。

 

「あなた……」

「あぁ……」

 

 コソコソ話したところでお前たちの結末は変わらないのにな。

 

「あの娘は大丈夫かしら……」

「大丈夫だ。あの娘は強い。信じよう」

「そうね……」

「だから、こちらもしっかりやろう」

 

 話し合いが終わったのか立ち上がり、俺の前のソファーに腰掛ける。

 

(あの娘を……シャルロットを守るためなら、この命も惜しくはない!)

 

 なんかやけに気合が入ったような顔してるな。

 まぁいいがな。

 

「【話し合いは終わったか?】」

「あぁ。待たせたな」

「【別にいいさ】」

 

 足を組み替え、本題に入る。

 

「【さて、どうだ? 大分待ってやったが、考えは変わったか?】」

 

 ま……答えなぞわかりきってるがな。

 どうせ――

 

「残念だが答えは変わらん。あのようなことを受けることはない!」

 

 ――だと思った。

 

「【本当にそれでいいのか?】」

「もちろんだ。私たちの意思が変わることはない」

「【そうか……交渉決裂ということか……】」

「その通りだ。早いところお引き取り願おうか」

「【そう邪険にすんなよ】」

 

 残念だ……フフフフフ……あぁ残念だ。

 次いで、答えがわかりきってることをあえて聞いてみる。

 

「【そういえば娘はどうしたんだ? 交渉が決裂しちまったからな。是非とも協力してほしいんだがなぁ】」

「残念だが娘はもうここにはいない」

「【……ほぅ】」

「今、あの娘はIS学園にいる。あそこにはブリュンヒルデもいるし、nascitaも関わっている。おまえでも簡単には手を出せまい!」

 

 とても真剣な顔でそう返される。

 あぁ……予想通りの答えだよ。

 思わず笑いがこみ上げてきちまうよ。

 

「【ククク……】」

 

 ダメだ……こらえきれない……!

 

「【ククククク……ハハハハハ!】」

「な……なにがおかしい!?」

 

 社長さんからすればそうなるだろうな。

 後ろにいる夫人も怪訝な表情をしている。

 

「【フゥー……いやぁ悪いな。お前さんが俺が予想した通りのことを言うもんだから、思わず……な】」

「なんだと……? ……まさか!?」

 

 さすが社長さんだな。 

 どういうことかもう理解したのか。

 

「【そうさ。俺はとっくにお前の娘がIS学園にいることを知っていた。知ってたうえであえてこういうやり取りをしてたんだよ】」

「クッ……」

「そんな……」

 

 社長さんは悔しそうに俯いてしまった。

 夫人も信じられないとそんな感じに声を漏らす。

 

「まさか、学園にスパイを潜入させているのか……?」

「【さぁ? どうだろうねぇ】」

 

 スパイというか俺自身なんだがな。

 そこまで話したところで俺はソファーから立ち上がる。

 

「【――というわけで残念ながら交渉決裂。だけど俺はこの計画を遂行したい。なら、どうするかわかるよな?】」

 

 そう言うと社長さんと夫人は何をするのかと警戒するような素振りを見せる。

 だが、もう遅い。

 

 

「【お前には……消えてもらう】」

 

 

 社長に向け腕の触手“スティングヴァイパー”を伸ばす。

 

「あなた!!」

 

 だが、刺さるその前に夫人が社長をかばい、その背中に触手が刺さることとなった。

 

「ぐぅ……」

「ろ、ロゼンダ……ロゼンダ!!」

「【これはある意味予想外だ】」

 

 まぁ正直どうでもいいが。

 そうしてる間にも夫人の体には毒が注入され続けている。

 

「ロゼンダ! ロゼンダ! しっかりしろ!!」

「あなた……ごめん……な……さい……」

 

 そう言い残し、夫人は消えていった。

 つーか、前から思ってたけどビルド原作じゃ消えるとき紫だった毒が赤になってるんだよな。より強力になってんのか? 

 

「あ……あぁ……」

 

 社長は夫人を抱いていた腕を呆然自失といった感じで見ている。

 

「【これは予想外だ。まぁ何も差し支えないがな】」

 

 言うが早いか、俺は胸部のコブラ状の装甲からコブラを召喚する。

 

「【やれ。ただし、殺すなよ】」

 

 その命令を聞いたコブラは社長の方に向かい――

 

「え……」

 

 ――そのまま一飲みした。

 

「【よーし。そのまま死なないように保管しておけ】」

 

 そう言うとコブラはそのまま胸部装甲に戻っていった。

 ヤツにはとある実験に協力してもらわないといけないからな。とりあえず生きていれば問題ないだろ。

 

 さっきまで、色々やってたからやけに自分の足音が大きく感じる。

 とりあえず、社長のデスクにあるイスに座る。

 面倒だが、ここの社員を洗脳するのは明日だな。時間も時間だ。残ってるヤツがいてもそんなに数はいないだろう。

 あーあ……明日は欠席かな、こりゃ。

 

 

「【ん?】」

 

 明日やることを考えていたところ、急にデスク上の投影型モニターが着信を知らせた。

 相手のところには“シャルロット”――そう表示されている。

 

「【フフフフフ】」

 

 もう少しだけやることが残っていたようだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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