神様の気まぐれで転生させられます。(仮)   作:CHIEN

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45話

 征兎side

 

 そんなこんなで放課後。

 俺たち男子生徒組(デュノア含む)と万丈はトーナメントに向けてのトレーニングをするためにアリーナに向かっていた。

 トーナメントでは敵同士とはいえ、一人では何かと効率が悪いからな。

 

「そういや俺の白式って他の武器を入れられないんだよなぁ。なんでだ?」

「それは多分、零落白夜――単一仕様能力にほとんどの拡張領域を使ってるからだと思うよ。一夏のISには後付武装《イコライザ》が無いんだよね?」

「あぁ、そんなのは一切なかったな」

 

 で、今は一夏が自分の白式について聞いているところだ。

 

「そういえば、単一仕様能力ってなんだっけ?」

 

 このアホウは……。

 

「その名の通り、そのISだけが発動できる特殊能力みたいなもんだ。白式の場合だと零落白夜がこれに該当するな」

「自分の専用機のことなんだからしっかり知っておけよ」

「あれってそんなにスゲェものだったのか」

 

 俺の説明と和海の一言にこの返し……。

 コイツちゃんと勉強してんのか?

 

「通常は二次移行《セカンドシフト》して初めて発現するはずのものなんだよ? それが一次移行の時点で発現してるんだから……」

「それってそんなにスゴイことなの?」

「前代未聞だ」

「マジか」

「ヘェ~、そうなんだ」

 

 コイツらホントに大丈夫か?

 教科書読めばわかることだぞ、これ?

 

「それに確か、零落白夜って織斑先生が現役時代に使ってたISと同じ能力だよね?」

「らしいな。姉弟だからか?」

「さぁな。ISは未だに謎な部分が多いらしいからな」

 

 開発者である束さんでもわからないことなのかもしれないな。

 もしそうなら、その謎を是非ともこの天才物理学者の手で解明してみたいもんだ。

 

 

 

 

「んん?」

「どうした、万丈?」

 

 なんか万丈が急に立ち止まって疑問符を浮かべ始めたため、それとなく聞いてみる。

 

「いや、なんか周りが……」

「そういや、なんか騒がしいっていうか、慌ててるっていうか……」

 

 ふむ……確かに、周囲の女子たちが慌ただしくしているな。

 なぜだ?

 

「なんかアリーナで代表候補生が戦っている……みたいだな」

 

 通りがかった女子たちの話を聞いたんだろう。和海がそう教えてくれる。

 代表候補生……ね。ここにいない代表候補生っていうと、鈴とセシリア、あとはあのラウラってヤツ。

 ……なんだか嫌な予感がする。

 

「行ってみるか」

「そうだな」

 

 この予感が杞憂で終わってくれることを思いつつ、俺たちもアリーナへ急いだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 アリーナに着いた俺たちの目に飛び込んできたのは、ラウラのヤロウが鈴とセシリアの首を締め上げてる光景だった。

 ――って何やってやがんだ、アイツ!?

 

「ヒドイ……。あれじゃ機体がもたないよ!」

「このままじゃ、2人が!」

 

 デュノアと万丈がそれを見て思わず叫ぶ。

 無理もない。それほどまでに状況はヤバイ。

 今はまだISの絶対防御に守られてるが、機体のエネルギーが切れたらそれこそ終わりだ。

 

「おい、やめろ!!」

「そいつらはもう戦える状態じゃないだろ!!」

 

 すかさず、一夏と和海がヤツに向かい叫ぶ。

 だがヤツはそれを聞き、やめるどころか、こちらを向きニヤリと笑いやがった。

 

「あのヤロウ……!!」

 

 もうキレそうだった。

 だが、今はまだそのときではない。まずは2人を救出しないと。

 

「とりあえず、デュノア! 誰でもいいから先生を呼んできてくれ! それと救護班もだ!」

「うん、わかった!」

 

 今の状況故か、デュノアは俺の出した指示にすぐさまうなずき、行動してくれた。

 後は、どうやってあそこに突入するかだが……。

 

「どうする、征兎?」

 

 なぜか一夏は俺に指示を仰いでくるが、この緊急事態だ。まぁいい。

 突入後のプランはすぐできた。

 ――が問題は、

 

「とにかく、この遮断シールドをなんとかしないと」

「わかった! 任せて!」

 

 と、自身満々に言った万丈は、手にドラゴンフルボトルを出し、それを振りながら腕を引く。

 

「――って、おい!? なにするつもりだ、万丈!?」

「なにって……これ壊すんでしょ?」

「いや、そうだけどさ!?」

「だったら問題ないでしょ!」

 

 いやいやいやいや!

 

「お前バカ!? ISの攻撃にも普通に耐えられることのできるシールドだぞ!? 素手でなんて無理に決まってるでしょ!?」

 

 これだからおバカさんは……!

 いくらフルボトルを振ると身体能力が上がるからっていっても、それはムチャでしょ。

 

「穏便にいきたかったが仕方ない! 一夏! お前の零落白夜でシールドを壊して突入! それからあのヤロウの気を引き付けろ! その間に俺が2人を救出! 和海は一夏の援護だ!」

「わかった!」

「よっしゃ!」

 

 2人に作戦を告げ、すぐさま行動を起こす。

 

「来い! 白式!」

 

 一夏が専用機を展開し、零落白夜を発動させようとした、そのときだった……。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ――バゴオォォォォォォォォォォォォォォォォォン!!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 俺たちの耳に凄まじい轟音が聞こえてきた。

 

 

 その後、アリーナ全体が静寂に包まれた。

 

 ……マジでなんなん?

 

 ラウラってヤツもアリーナで事を見ていた他の生徒たちも、揃って信じられないようなものを見る目でこっちを見ている。

 もちろん俺たちも……。

 

 さて、現実逃避はやめるか。

 

 俺たちの視線の先には、フルボトルを握った拳を突き出した状態の万丈。

 そして、その先にあったシールドはものの見事に砕け散っていた。

 

 うそ~ん!?

 コイツ……マジで素手で砕きやがった!? そりゃみんな啞然とするしかないわ。

 ISの攻撃を防げるはずのシールドだよ? 

 つまり、それを破壊したアイツの拳はこの間の無人機のバ火力ビーム並の威力があるってこと? ヤバくねぇ?

 

「マジでか……」

「信じらんねぇ……」

 

 一夏と和海も呆然といった感じで、なんとかそう口に出したって感じだ。

 だろうね。 俺も同じ気持ちだし。

 ってか、あのパンチをたまに俺はくらってるってこと? よく無事だな俺。

 

「ホラッ! なにボサッとしてんの! さっさと行く!」

「へ? ――おわぁぁぁぁぁ!?」

 

 万丈のヤツがいきなりそんなことを言ったかと思えば、シールドにできた穴からアリーナに一夏を投げ込んだ。

 

 おいおい、一夏って確かIS纏ってなかったっけ? どんな力してんだよ……!

 

「何してんの! アンタたちも行くんでしょ!」

 

 そう言って俺と和海の胸倉を万丈が掴む。

 いやいや、そこじゃなくてもっと別の場所がいいんじゃないかと……。

 

「――ってそうじゃない!」

「ま、待ておい。落ち着け!」

「行っっっっけぇーーーー!」

「「おわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!?」」

 

 そのまま投げ入れられた。

 一夏はIS纏ってたけど、俺たちは生身なんだぞ!?

 

 

 そして、残念ながら俺たちは重力に従い、アリーナに見事に落ちた……。

 

 

 

 

 

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