神様の気まぐれで転生させられます。(仮)   作:CHIEN

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46話

 征兎side

 

 カッコ悪くも、とりあえずは無事アリーナに突入した俺たちは、とにもかくにも行動を開始する。

 

「よし、さっきの作戦通りいくぞ!」

「征兎……無理ないか……?」

「言うな。悲しくなる」

「わかってるけどよ……」

 

『パンダ!』 『ロケット!』

『ベストマッチ!』

 

『ロボットゼリー!』

 

『Are you ready?』

 

「「変身!」」

 

『ぶっ飛びモノトーン! ロケットパンダ!』

『イエーイ!』

 

『ロボットイングリス!』

『ブラァ!』

 

「よし! 行け、一夏!」

「おう!」

 

 そう言うと、一夏は雄たけびをあげながらラウラに向かっていった。

 

「俺も行く。和海、援護は任せたぞ」

「おうよ」

 

 和海からの返事を聞いた俺は、ロケットの推進力を使い、超高速で鈴とセシリアのところに行く。

 

「くっ! させるか!」

 

 いち早く、さっきの衝撃的出来事から復帰し、こっちにリボルバーを向けてくるが、

 

「おぉぉぉぉぉぉぉぉ!」

 

 一夏がすかさずヤツに突撃をかます。

 

「ちっ!」

「!?」

 

 ヤツが手を向けた途端、接近した一夏の動きが完全に停止した。

 あ~なるほど、これがAIC……アクティブ・なんちゃら・キャンセラー……っていう停止結界か!

 いやはや、ドイツもメンドイものを開発したもんだ。

 一夏の白式にとっては天敵も同然だな。……1対1なら。

 

「一夏には悪いけど……もらったぁ!」

 

 ヤツの意識が完全に一夏にしか向いてなかったため、超高速でそこに行った俺は、右腕の爪でワイヤーを切断し、解放された2人をキャッチする。

 

「なにっ!?」

 

 それを見て、驚いたような反応をするラウラ。

 だけど、そうなるとAICを維持するための集中力も切れるということ――つまり、一夏が動けるようになる。

 

「おりゃあ!」

「ぐ……」

 

 一夏がブレードを振り下ろし攻撃するが、寸のところでガードされる。

 そして、またAICに捕まりそうになるが、当初の目的……鈴たちの救出は果たした。なら、アイツがしっかり援護するだろう。

 

「させねぇよ」

 

 アイツこと和海がビームモードでラウラに攻撃する。

 当然のごとく、ラウラはAICの発動に失敗する。

 

「貴様ら……!」

 

 そんな経緯を、鈴とセシリアを安全そうな場所に横たえながら見ていた。

 さて、そろそろ俺も本格的に参戦と行きますか!

 

『タカ!』 『ガトリング』

『ベストマッチ!』

 

『Are you ready?』

 

「ビルドアップ!」

 

『天空の暴れん坊! ホークガトリング!』

『イエーイ!』

 

「よーし、行くぜ!」

 

 背中のウイングを使い、一夏たちのもとへ行く。

 ちょうど仕切り直しになったのか、互いに距離を開け、睨み合っていた。

 

「ふん! また変なヤツが増えたようだが無駄だ! このシュヴァルツェア・レーゲンの前では無力! 例え3対1であろうと大した問題ではない!」

「さっきまで2人相手に苦戦してたくせによく言うねぇ~。そこにこの天っ才物理学者が加わるんだ。降参するなら今のうちだぜ?」

「ふん! なにが天才だ! 身の程を教えてやる!」

 

 散開しながら、和海がプライベートチャンネルで通信してくる。

 

「大丈夫なんだろうな?」

「あぁ。さっきまでのお前らとの戦闘でヤツのISの武装は把握したし、AICの弱点もわかってる」

 

 それに武装の一つのワイヤーブレードは、さっき俺が切ったからな。

 

「そうか。なら任るぜ」

 

 任された!

 通信を終え、仕掛ける。

 

「頼んだぞ、一夏! やることはさっきまでといっしょだ!」

「おう! 任せろ!」

 

 そう言い、一夏は再度、ラウラに向かって行く。

 さて、俺もしっかり援護しますかね。

 

 

 

 その後の展開は、さっきまでとほぼ変わらず。

 一夏が突っ込み、俺と和海が援護する。基本はこのパターン。

 だが、さっきまで和海のビーム2発ずつだったところに俺の援護が加わったことで、ラウラは思い通りに動けていないようだった。

 なんといっても俺のホークガトリングフォームの専用武器・ホークガトリンガーは、中央のマガジンを回すことで、10発づつ弾丸を装填できる。それをそのまま発射すれば、10発の弾丸がラウラを襲う。

 さらに、AICではビーム系の攻撃は止められないのか、和海のビームでの攻撃も、手のプラズマ手刀? で切り払うか、腕でガードするくらいだ。回避しようとしても、イイ感じに俺が攻撃する。

 ホント、こんな展開に持ち込める自分の頭脳が恐ろしいよ。

 

「くっ……こんなザコ共に……!」 

 

 ラウラは思うように動けない苛立ちからか、そう漏らす。

 

「そうやって、他人を見下しているうちは――」

 

『10!』

 

「――俺たちには絶対勝てないぜ!」

「黙れ、黙れ、黙れぇぇぇ!」

 

 ついには激昂して叫びだした。

 まぁ関係ないが……。

 

「和海!」

「わかってる!」

 

『シングル!』

 

 和海が、ツインブレイカーにロボットゼリーを装填する。

 

『シングルフィニッシュ!』

 

「くらっとけ!」

 

 ツインブレイカーから、さっきまでより強力なビーム弾が放たれる。

 

「これももってけ!」

 

 次いで、俺のホークガトリンガーからも10発の弾丸が放たれる。

 それらがすべて、ラウラのもとへと着弾する。

 

「ぐうぅぅぅぅぅぅぅ」

 

 これで決める! ……俺じゃないけど。

 

「一夏!」

「おう!」

 

 待ってましたと言わんばかりに、一夏がラウラのもとへ向かって行く。

 

「おぉぉぉぉぉ!」

「ふざけるな! 貴様なんぞにぃぃ!!」

 

 一夏が雪片を振り下ろし、ラウラも手のプラズマブレードを苦し紛れに振り抜いた。

 俺は……いや、俺たちは恐らく2人のブレードがぶつかると思った。

 

 

 

 ――ガキィィィィィィィ!

 

 

「やれやれ……これだからガキの相手は面倒なんだ」

 

 ――と、2人のブレードは間に入ってきた人物に止められることとなった。

 

「ち、千冬姉!?」

「き、教官!?」

「織斑先生だ、馬鹿者共が!」

 

 そう、その人物とは、我らが担任の織斑千冬先生だった。

 いつものスーツ姿で、両手にISのブレードを持ち、それで2人のブレードを受け止めたようだ。

 

 しかし……あのブレードってISのパワーアシストがあってようやく持てるもののはずなのに、それを生身で、しかも両手に1つづつ、さらにはそれを普通に振っているんなんて……さすがとしか言いようがないわ。

 

「摸擬戦をするのは構わん。だが、アリーナのシールドまで破壊する事態になった以上は教師として黙認できん」

 

 あ~……まぁちょ~っとだけハデにやり過ぎたか……な?

 

「この決着は学年別トーナメントで着けてもらおうか」

 

 次は3対1じゃないからこうはいかないと思うけど……しゃーないか。

 

「お前たち、それでいいな?」

「教官がそう仰るなら……」

「織斑先生だ」

「は、はい、織斑先生!」

「まったく……お前たちもいいな?」

 

 その問いかけに、俺たちはそろってうなずく。

 

「よし。では、トーナメント終了まで一切の私闘を禁止する!」

 

 その言葉に、その場にいた全員が返事をした。

 

「もうアリーナの使用時間は過ぎている。今日はもう解散しろ」

 

 はい、と返事をし、それぞれがアリーナをあとにする。

 

 

 

 だが――

 

「そうだ……織斑、桐生、猿渡」

 

 いきなり千冬さんに呼び止められた俺たちは、当然、何事かと立ち止まる。

 

「破壊されたシールドについてなんだが……」

 

 ……なぜだろう、冷や汗が止まらない……。

 

「破壊したのは誰だ?」

「あ~……万丈が素手で殴って破壊しました」

 

 一夏と和海が、売ったな……みたいな顔してるけど、万丈だし問題ないでしょ。

 

「桐生、私は冗談が嫌いなんだが」

「いやいやいや、マジですって! ホントに!」

 

 気持ちはわかるけど……でもそれが事実なんです!

 

「本当なのか?」

 

 確認された一夏と和海は、すごい勢いで首を縦に振った。

 お前らも同罪じゃん!?

 

「はぁ……あのバカは……この前のことといい、まったく」

 

 そう溜息をつく千冬さん。

 そういえば、この前の無人機騒動のときも万丈、アリーナの扉を破壊してたっけな。

 ISの攻撃にも耐えられるはずのものをこうも立て続けに破壊するとは……アイツホントどんなパワーしてんの?

 

「とりあえず、万丈はあとで捕まえて説教と反省文を書かせるとして……」

 

 あれ? そういえば、万丈のヤツいねぇ!? いつの間にいなくなったんだ!?

 

「桐生、お前にも報告書と反省文を書いてもらうぞ」

「え!?」

 

 なぜに!? そして、なんで俺だけ!?

 

「シールドを壊すように指示を出したのはお前だろう? デュノアにも色々と指示を飛ばしたみたいだしな」

 

 うそ~ん……。

 

「では、後で私のところに来るように。報告書と反省文用の紙を渡す。万丈にも伝えておけ。もしも来ないようならキチンと捕まえるから安心しろ」

 

 ではな、と言い千冬さんはその場を去っていった。

 

 後に残されたのは、両手両膝を地面に着けうなだれる俺と……ドンマイと言って肩に手を置いた一夏と和海だった。

 

 

 

 

 

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