一夏side
「・・・・・・ぐっ」
目が覚めたら、ロクに身動きをとることができなかった。
首だけ動かし周囲を見てみると・・・どこかの廃工場みたいなところか? そこの床にころがされているみたいだ。
手足もけっこうガッチリ縛ってあるな。
こうなる前のことを思い出す。
--確か千冬姉の応援に行こうとして、見ず知らずの集団が現れて「ついてきてもらう」とか言われたんだっけ。
その後は今の状況からもわかるが、ここに連れてこられてしまったのだろう。
俺を助けようとしてくれた親友の一人である創一は無事だろうか。
--そんなことを考えていると、
「お、ようやくお目覚めか」
誘拐犯の一人が話しかけてきた。
「なんでこんなことを・・・俺をどうするつもりだ!?」
精神的に余裕がなかったのか、気がついたらそんなことを言ってしまっていた。
「おいおい、落ち着けよ。
俺たちの目的は織斑千冬の2連覇の阻止。お前はそのための人質ってとこだ」
--っ!? ・・・ふざけんな! そんなことのために・・・。
その言葉を聞いた俺はそんなやり場のない怒りと、姉の栄光を邪魔してしまったという不甲斐なさに打ちのめされた。
「首尾はどう?」
そんな中、誘拐犯の仲間と思われるISを纏った女が男の一人にそう聞きながらこちらにきた。
「OKだ。先程、織斑千冬の棄権が伝えられた」
--そうか。・・・ごめん、千冬姉。俺のせいで・・・。
「あっちのほうは?」
「さっき3人向かわせた。もうすぐ戻ってくるだろ」
そんな会話を聞いたからか、自分といっしょに連れてこられたはずの友人のことが気になった。
「おい、創一は!? 創一はどうした!?」
「ソウイチ? ・・・あぁ、あんたといっしょにいた男ね。もう用が済んだから死んでもらうことにしたわ。さっき始末に行ったからもう終わっているでしょ」
そんな・・・・・・。
「お。来たんじゃないか?」
足音が聞こえてきたタイミングで誘拐犯の一人がそう言った。
俺は親友を一人失ったということが受け入れられず、俯きながらもその方向に目をむけた。
--がすぐにその目を見開くこととなった。
なぜなら入ってきたのは誘拐犯の仲間ではなく、 宇宙服のような血色の全身装甲 を纏ったヤツだったからだ。
「【ここにいたか。随分捜したぜ】」
と、俺の方をむいて言ってきた。
「な、なんなのあんた・・・。それIS、なの?」
「【向こうにいたヤツらと同じこと聞くなよ。面倒くさくて答える気も起きないだろ】」
そう言って、気だるそうに肩をすくませる。
「おい! 向こうにいたヤツらはどうしたんだ!?」
ここで、誘拐犯の一人が声を荒げながら聞いた。
「【あいつらなら死んでもらったぜ。邪魔だったからな】」
「なっ・・・!?」
マジかよ!? ・・・しかもそんな理由で・・・!?
「【安心しろ。お前らも同じ道を辿るんだからな】」
ヤツはそう言うと腕から触手を伸ばし、誘拐犯の男2人に刺した。
刺された男たちは苦悶の声をあげている。
なんなんだあれは・・・!?
そんな風に驚愕している間に男たちは赤い粒子となって消えていった。
「な、なんなの、それ・・・。」
「【さて、あとはお前さんだけだ。おとなしくしてくれるとうれしいんだけどねぇ】」
「ふざけんじゃないわよ!!!」
そう叫んでISを纏っていた女は、拡張領域からアサルトライフルを取り出し乱射した。
--だがヤツは、腕を横に振るうだけで弾丸をはじいてしまった。
--ってマジかよ!? どんな装甲してんだ!?
「--っ!!」
ライフルは通用しないと思ったのか、女は今度は剣を取り出し斬りかかった。
--しかしヤツは素手でそれを掴みとった。
「【弱すぎる。期待外れもいいとこだ】」
そう言い、剣を掴んだまま女にひじ打ちを入れ蹴り飛ばした。
そして剣を捨てたと思ったら、素早い動きで女の懐に潜り、持っていた銃の引き金を3回引いた。
耳をつんざくような音が鳴り響き--、
「きゃあああああ!?」
かなりの威力だったのか、ISが解除され女は床を転がっていった。
・・・なんなんだコイツ。さっきの動きとか全然見えなかった・・・。
そんな俺の心の内を知ってか知らずかヤツが俺の方に近づきながら話かけてきた。
「【--さて、はじめましてだな。織斑一夏くん】」
相変わらず駄文・・・。