神様の気まぐれで転生させられます。(仮)   作:CHIEN

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49話

 征兎said

 

 学年別トーナメント1回戦第一試合が始まった。

 一夏・デュノアペアとラウラ・箒ペアの試合。

 どう考えても普通に終わりそうにないこの組み合わせ。

 そんな俺の心の内なぞ知る由もなく、試合は進んでいく。

 

「一夏のヤツは、イマイチ攻めきれてないな」

「AICを警戒してんだろ。まぁ、警戒し過ぎな気もするけど」

 

 試合は今、二つに分かれていて、一夏とラウラは今話していたように、AICを警戒して接近できないのか、ラウラの攻撃を一夏がひたすら回避するみたいな感じになっている。

 さっきからデュノアの方をチラチラ見てるから、援護待ちか? 2対1にしてAICを攻略したい、みたいな。

 

 ――で、そのデュノアと箒の方はというと。

 

「あっちはデュノアが優勢だな」

「う~ん……機体云々というよりはデュノアの技量によるところが大きいな」

 

 状況に応じた武器の選択、そしてそれを高速で切り替える技術。

 さらに、一定の距離とリズムで戦う……えっと、砂漠の逃げ水こと……ミラージュなんちゃらとかいうのを駆使している。

 そのせいか、箒はいいように翻弄されている印象を受ける。

 

「箒、やられるな……」

「う~ん……機体性能はそこまで差はないはずだからなぁ~……やっぱり経験の差じゃないか?」

「経験? 箒だって剣道で全国を経験してるだろ? 身体能力では劣ってないと思うけどな」

「あ~……なんていうのかな~。単純な身体能力は箒の方が高いと思うんだけど……これはISの試合だからな」

「ほ~ん。なんか違うもんなのか……」

「お前のグリスだと分かりづらいかも知んないけど、普通はISを操縦するにはまた別な要素が必要なの」

 

 イメージインターフェイス……だったっけ? とか色々あるわけよ。

 

「というわけで、ISでの操縦時間の差やその他諸々が出てしまっているのではないかと思うわけよ」

 

 特に箒の場合、束さんとの関係でISを敬遠してたみたいだしな。ISの操縦自体あまりしてないんじゃないか?

 

「最初っからそう言えばいいだろうに。説明の仕方が回りくどいんだよ」

「うるさいよ」

 

 そうこうしているうちに、箒がやられそうに――あっ……やられた。

 

 ――これで2対1になって、一夏たちが望む形になったわけだ。

 けど、ラウラのヤツもそう簡単にはやらせてくれないだろうからな。

 アイツ、箒のことも最初っからパートナーとも思ってなかったみたいだしな。ワイヤーでぶん投げてたし。

 ここからも一夏たちにはキツイ展開になることもあるかもな。

 まぁ、俺から言えることは一つ! ――がんばれ~。

 

 

 っていうか、和海の方は相手の顔がわからないから仕方ないとして……。

 俺の今回のパートナー――万丈はどこ行っちまったんだ……?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 玄乃side

 

 あ~……嫌だ。

 本当、もう嫌……。

 

「おりゃあ!」

「【ふっ】」

 

 龍華ちゃんのビートクローザーと私のスチームブレードがぶつかる。

 これも、もう何度目かわからない。

 そして、即座に次の一撃がくる。計算されているような感じじゃないからどうとでもなるけど、地味に剣を振るスピードが速い。

 下手すると、千冬ちゃん並なんだけど!? おかしいでしょ!

 そして何より、身体能力高過ぎ! おかげで基本戦術がカウンターにならざるを得ないんですけど……。

 本当、勘弁……。これだから人外スペックは……。あぁ嫌だ、嫌だ。

 

「せぇりゃあぁぁぁぁ!」

「【チッ】」

 

 力を乗せたであろう一振りに思わず舌打ち。

 回避も受け流しもできなそうだし、受けるしかないよね~。

 さっきからブレードがぶつかる度に思ってるんだけど、一撃一撃が重たいのよね。腕が痺れてないのが奇跡に思えてくるわ。

 でもまぁ、これはこっちにとってもチャンスかな?

 

「【前回は不覚を取ったが、実力はまだ私の方が上のようだな】」

「――っ!」

 

 そう言い、ブレードのバルブを回す。

 

『エレキスチーム!』

 

 龍華ちゃんの体に電流が流れ、一瞬怯む。

 その隙を逃さず、一撃を叩き込む。

 

「ぐぁ!?」

 

 それをくらった龍華ちゃんが少し吹き飛ばされるも――。

 

『ヒッパレー! ヒッパレー!』

『ミリオンヒット!』

 

 即座に態勢を立て直し、ビートクローザーのグリップエンドを2回引いた。

 

「おりゃぁぁぁ!」

「【チッ】」

 

 そのままこちらに攻撃を仕掛けられる。――ビートクローザーにエネルギーを纏ったまま……。

 2度、3度と剣を振るわれ、回避と防御に回る。 

 ……アレ、当たると地味に痛いのよね。思わずまた舌打ちしちゃうくらいには。

 

 しかし、ついにブレードで受け損ね、攻撃をくらう。

 つーか痛い。チェーンソーの刃のようにガジガジくるから余計に痛い。

 

 でも今回はくらいながらも倒れず、なんとか後退しただけで済んだ。

 

「私にはこの後、征兎と一緒に試合に出るっていう大~~事なイベントがあるの。だからさっさと倒されてもらうから!」

 

 そう攻撃を当てた直後の龍華ちゃんに言われてしまった。

 ……ふむ。

 

「【調子に乗るなよ】」

 

 ではこちらも反撃といきましょうか。

 

「【お前には特別にこの技を見せてやろう】」

 

 言うや否や、背中からコウモリのような巨大な翼を展開させる。

 

「……へ?」

 

 龍華ちゃんが、なんか気の抜けるような声を出しているけど、気にしない。

 そのまま、その場で少し浮かび上がる。……本当は翼が無くても飛行できるよう改良してはあるけど、これを展開しているときのスピードは、通常の比じゃない。

 

「【さぁ……ついてきてみろ】」

 

 言うが早いか、超高速で接近し、背後のスペースへ。

 

「速っ!? ――ぐっ」

 

 そしてすれ違いざまに、腕に装着されているブレード“ダークネスウィンガー”で切り付けていく。

 元々、このナイトローグの腕部“ダークラッシュアーム”は、パワーとスピードを兼ね備えているから使い勝手がいい。

 これを横、斜めと移動しながら繰り返し、一瞬の隙をつき、天井部に張り付く。

 

「うぅぅ……アレ? どこに……?」

 

 急に攻撃が止んだことで、私がいなくなったことに気づき、探しているみたいだが、上にまで気が回ってないみたい。

 

「【もらった】」

 

 そのまま、龍華ちゃんに向かって行くと同時に、自分の全身をコウモリの翼で覆い、ドリルのように回転しながら突撃していく。

 

「……上? ――って!?」

 

 接近していた私に気付いた龍華ちゃんが、とっさにガードするが、構わず突っ込み、衝突する。

 

「ぐ……あぁぁぁ!」

 

 さすがに耐えきれなかったのか、龍華ちゃんは吹っ飛んでいく。

 でも――

 

「く……うぅぅ」

 

 ――変身が解除されてない。

 おかしいな……。これで変身が解除されるはずだったんだけど。

 千冬ちゃんや束ちゃんと同じ人外スペックだからなのかな?

 でも、今の状態ならいいかな。

 

「まだ……まだやれる……」

 

 なんとか立ち上がろうとしてる龍華ちゃん。

 

「【だが、もう終わりだ】」

 

 スチームガンを取り出し、ボトルを装填。

 

『バット!』

『スチームブレイク! バット!』

 

 銃口を龍華ちゃんに向け、トリガーを引いた。

 

 ごめんね……そう思いながら。

 

 

 

 

 

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