神様の気まぐれで転生させられます。(仮)   作:CHIEN

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61話

 征兎side

 

 目の前で海が夕焼けによって赤く染まっている。

 さっきまでいた旅館の部屋は空気が重くて出てきてしまった。

 そんな中俺は、とある作業をしながらアイツらを待っていた。

 

 事の発端は、あの後すぐに入った暴走したISを止めろとかいう指令だった。

 アメリカとイスラエルの共同開発した機体が暴走したとか言ってたが、なんか裏がありそうというのが個人的な意見。

 というか、そんなことを学生に任せるなよ。自分たちの無能を晒してるようなもんだぞ?

 まあそれはともかくとして、暴走したIS――銀の福音(シルバリオ・ゴスペル)へのコンタクトが1度しかできないということで、一夏の白式の零落白夜が作戦に組み込まれるのは必然だった。

 そして、作戦を詰めていたところであの人が……束さんが現れた。

 束さんの一言でそれまで立てた作戦が一変、一夏と箒だけが行くこととなってしまった。

 箒はかなりやる気になっていた――いや……あれは専用機をもらい、且つ一夏といっしょにやれるからと浮かれていただけだったな。みんなかなり不安そうな顔だったし。

 思わず、作戦が始まる前に作戦室を出て行ってしまった。一夏たちには悪いが、箒のあの様子からして失敗するであろうことがわかってしまった。

 

 結果は案の定だった。一夏は重症、箒はかなり錯乱していたようだった。

 クソ……こんなことなら無理矢理着いて行けばよかったか? いや……そんなことを今更言ってもしょうがない。

 ここでずっとやってた作業が活かされる。

 

 

「来たぞ、征兎」

「お待たせ」

 

 なかなか良いタイミングで、俺が待ってたアイツらこと和海&万丈が来た。

 

「待ってたぞ、お前たち」

「ドヤ顔ムカつくから、さっさと用件を言え」

「そう慌てるなって」

 

 まったく、せっかちなんだから。

 

「俺たちで、福音を倒しに行こうと思う」

「わお」

「ほお」

 

 アレ……?

 意外と反応薄くない?

 

「……で?」

「ん?」

「当てはあんのか?」

「当て? なんの?」

「バカは黙ってろ」

「ヒドイ!?」

 

 まあ万丈に理解しろというのが無茶だろうからな。

 

「バカはほっといて……じゃん」

 

 モニターを2人に見せる。

 その一点が赤く点滅している。

 

「ここが福音の現在地だ」

「お前……こんなんどうやって……」

「企業秘密で」

 

 監視衛星ハッキングしました。

 実はずっと頑張ってた作業はこれ。けっこう骨が折れました。

 

 

「いいこと聞いたわ」

「んん?」

 

 何か聞いたことがある声が聞こえたかと思えば、いつのまにか鈴を筆頭に箒、セシリア、シャルロット、ラウラがそこにいた。

 

「お前ら……」

「アタシたちももちろん行くわよ」

「いいのか? 反省文とか色々あるかもだぞ」

「そんなの、みんなでやればすぐだよ」

 

 そう言うシャルロットにうなずくみんな。

 まったく、仲が良いこって。

 

「衛星へのハッキングを見逃してやるんだ。このぐらい別にいいだろう?」

「ラウラさん、どうせなら反省文を征兎さんに肩代わりしていただいてはどうでしょう」

「それいいわね!」

 

 おいこら待てや。

 なんで俺が……いや、ダメなことした自覚はあるけど……だからってさ~。

 

「ああもう! 行くぞ!」

 

『タカ!』 『ガトリング!』

『ベストマッチ!』

『Are you ready?』

 

「変身!」

 

『天空の暴れん坊! ホークガトリング!』

『イエーイ!』

 

 俺の変身完了を皮切りに、それぞれ専用機を纏う。

 そして、和海と万丈以外が専用機を纏ったときにそれが現れた。

 

 

 

 

「ダメですよ、勝手なことをしては」

 

 

 

 ――!?

 突然聞こえてきた聞き覚えのない声に否応なしに警戒する。もちろんみんなも。

 つられて見ると、そこには金色の髪の2人組がいた。

 片方がロング、もう片方がミドルだ。

 

「……めんどくさい」

「ダメですよ、アリア姉さま。せっかくマスターに任せて頂いたんですから」

「わかってる……リリア、うるさい」

「ふふ、すいません」

 

 こいつら、姉妹なのか……?

 ちなみに、ロングのほうがアリア、ミドルのほうがリリアと呼ばれていた。

 

「こっちを無視して仲良くおしゃべりとはいい度胸じゃない!」

 

 短気代表の鈴が、彼女たちに向けそう言う。

 

「そうですね、では――」

「……ん」

「――こちらも目的を果たしましょう」

 

 リリアの方がそう言うと、“互いに一つずつ”紫の銃を取り出した。

 なんかどっかで見たような銃なんだけど……。

 

「マスター・スタークの命により、ここであなたたちの“一部を”足止めさせていただきます」

 

 スタークをマスター呼び!?

 こいつらアイツの仲間か!?

 俺たちの驚きをよそに、2人はボトルのようなものを出した。

 

『ギアエンジン!』 『ファンキー!』

『ギアリモコン!』 『ファンキー!』

 

 それを銃にセットし、引き金を引くと音声とともに煙が噴き出した。

 そうだ、あの銃……スタークとローグが使っていたスチームガンにそっくりなんだ!

 

「「潤動」」

 

 その言葉をきっかけに、周りの歯車のようなものが彼女たちに纏わりその姿を形づくる。

 そして煙が晴れると、それが姿を現す。

 

『エンジンランニングギア!』

『リモートコントロールギア!』

 

 そこにいたのは、それぞれエメラルドグリーンとホワイトの歯車のようなアーマーのヤツらだった。

 

「私がエンジンブロス。姉さまがリモコンブロスです」

 

 これはこれはご丁寧に。

 わざわざありがとうございます。

 

「では、今度こそ」

「……終焉のとき」

 

 ヤベ……お礼とか言ってる場合じゃねえ。

 二人は片手に例の紫の銃、もう片手にスタークやローグも使ってたバルブが付いたブレードを持ち、こちらに近づいて来ている。

 どうする……どうする!?

 ここで足止めくらって、福音の相手ができないのは論外。けど、コイツらを無視できるわけじゃないだろうし。

 どうすりゃ……!?

 

「――ったく、行け。ここは俺がやる」

 

 そんなとき、和海が前に出てそう言った。

 正直、未知の相手と戦うのに一人じゃ無茶かと思ったが、本来の目的と和海だしいいかということで即決させてもらった。

 

「よし! みんなここは和海に任せて行くぞ!」

「自分で言いだしたことだけどよ……もうちょっと悩めよ」

 

 あーあーあーあー聞こえなーい。

 

「しょうがないな~、私もいっしょに残るよ」

 

 そこに万丈からありがたい申し出。

 こんなやり取りしてるけど、実際はもうそこまで時間はかけてられない!

 

「よし……行こう」

 

 そうみんなに言い、みんながうなずいたのを確認。

 そして、俺たちは和海と万丈にこの場を任せ、福音目指し飛行を開始した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……よかったのか?」

「なにが?」

「征兎といっしょに行かなくてってこった。別に任せてくれてもよかったんだぜ?」

「さすがに私でも、こんな時にそんなこと言わないよ。チャンスはまだまだあるだろうしね」

「そうかい」

 

『ロボットゼリー!』

『ドラゴンゼリー!』

 

「「変身!」」

 

『『潰れる! 流れる! 溢れ出る!』』

 

『ロボットイングリス!』

『ドラゴンインクローズチャージ!』

『『ブラァ!』』

 

「わざわざ待っててくれるなんてな。それにアイツらのこと追いかけてなくていいのか?」

 

 目の前の敵にそう問いかける和海。

 

「……問題ない」

「ええ……あなたたちを倒してから追えばいいだけのことですから」

 

 何ともなしにそう答える二人。

 

「ちょっとムカついたね」

「ああ……もろに見下してやがんな」

 

 だが、そんな会話もすぐ終わる。

 突然のようで必然。

 互いに相手を見据える。

 

「「「「…………」」」」

 

 そして、相手に向け駆け出した。

 

 

 

 

 

 

 

 

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