神様の気まぐれで転生させられます。(仮)   作:CHIEN

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68話

 征兎side

 

 さてさて、色々あったがようやく始まったショッピング。

 

 まあしかし、なんやかんやで行動開始が遅れたのもあって、先に昼食にしてからとなったが。

 けど、荷物が増えてから食べて面倒な思いをせずに済んだからよかったといえばよかった。

 

 食べたところは、俗に言うファーストフードだったんだが、アイドルのユウナさんがいっしょだったこともあり、正直ここでいいの? と躊躇いはした。

 和海なんて、ユーたんのためにもっといいところ探してくる! などと言い出す始末。

 結局ユウナさんの、滅多に来られないからここで! という一言により、決定した。

 ちなみに、俺たちはそこそこメジャーなハンバーガーを注文したんだが、万丈のものだけなんかおかしかった……。

 肉が5枚くらい挟まっていて、さらにその肉の間にベーコンやチーズ、エッグといったものがあった。野菜など、どこにも見当たらない。しかもそれが2つ。

 もちろん俺たちは気にはなったが、なんとなく聞いてはいけない気がして、その事実からそっと目をそらした。

 万丈は、その重たそうなブツをポテトとともにしっかり完食していた。

 

 さて、そんなこともあった昼食を終え、無事に買い物を開始した俺たち。

 ユウナさんには、関係ない買い物に付き合わせてしまって申し訳なかったが、万丈と女の子同士で話したり、和海と話したりして楽しそうにはしてくれていた。

 

 そして現在、どういう流れでそうなったのか、万丈の服をユウナさんが選んであげるとのことで、女性服専門店に来ている。

 女尊男卑の影響か、こういう女性専門店がとても増えている。悲しいことだ。

 そして、この店では下着も扱っている。

 ということは、つまり……。

 

「…………」

「おい……」

「…………」

「おい」

「うるせえ、静かにしろ」

「いや、お前だってさ……」

 

 どう見ても、ただの変態ですよ。和海くん。

 

 店内では万丈とユウナさんが仲良さげに服や色々なものを見ている。

 それを店外からガン見している変態。

 

 ただでさえ居場所がないから、外にいるのに……止めてほしいのですが。

 

『征兎……選んでくれる? 征兎の好きな下着つけてあげるよ?』

 

 往来でそんなことを言い出しやがったアホな万丈は後でシメる。

 おかげで、和海とユウナさんにまたニヤニヤされてしまった。

 

『いいんじゃない? ほら、男の人でも誕生日とかに下着をプレゼントすることがあるとかないとか』

 

 今の世の中、そんなことしたらヤバイんですよ、ユウナさん。

 そして、和海……絶対今度、送ろうとか思ってるだろ。

 

『ちなみに、男の人が女の人に下着をプレゼントするのは、着せたいからじゃなくて脱がせたいから……らしいよ』

 

 へえ~…………え?

 

『そ、それじゃあ征兎は……私の裸を見たいってこと!? で、で、ででで、でも、征兎が望むなら……いいよ』

 

 いいよ、じゃねーよ。ふざけんな。

 そもそもまだ、下着をプレゼントしてないし。

 いや、まだもなにも、下着なんてプレゼントする気ないし……。

 隣にいる変態みたいに、その場面を想像し悶えたりもしない。

 

『征兎は……カワイイのと大人っぽいのどっちがいい?』

『さっさと行ってこい!』

 

 

 

 

 

 

 

 ったく、あのバカ。

 

「とりあえず、どうやって時間つぶそうか」

「俺はユーたんを警護してる」

 

 お前、マジでそろそろ通報されるぞ?

 

「なぁ、そこのお兄さんたち」

「しっかし、万丈もなんだかんだで女なんだな」

「それを本人に言ったら、またぶっ飛ばされるな」

 

 怖いこと言うなよ……。

 

「おい!」

「ん? なんか聞こえたか?」

「空耳だろ」

 

 だよな。

 

「テメェらだよ、テメェら! 無視してんじゃねぇよ!」

 

 ったく、さっきからなんだよ。うるせぇな。

 

 聞こえてきたウザったい声の方を向くと、まぁなんというか、いかにもなヤツらが気持ち悪い笑みを浮かべながら俺たちを見ていた。

 

「連れの女の子たちカワイイな」

「あんな子たちを独占しちゃダメだよな」

 

 コイツら何言ってんの?

 ユウナさんはともかく、万丈がカワイイ? 頭と目、大丈夫か?

 

「っていうわけでさ、アンタらの幸せ分けてくんね? ってかお前らに拒否権ないけどな」

「そういうわけだからお兄さんたち、今日は家に帰った方がいいよ。ってか帰れ」

 

 スゲェ……。

 俺、生まれて初めて、人の相手するのしんどいって思った。

 つか、コイツらアホだろ。

 

「うぜぇな」

 

 不意に和海がボソッと言った。

 

「あ? なんか言ったか?」

「テメェらごときをユーたんに触れさせるわけねぇだろ」

 

 え? そこ?

 

「俺ら親切で言ってやってるのに、お前ら死んだわ」

「うぜぇ」

「テメェら、もう謝ったって許さねぇぞ」

 

 テメェら? 俺、何も言ってないよ?

 

「ユーたんの貞操のためだ。心火を燃やしてテメェらをぶっ潰す!」

 

 もうダメだ、コイツ……。

 

 それからヤツらは路地の方に入っていった。

 

 さて、俺も行くか。

 

「いい、俺が殺しておく」

 

 俺にそう言って、和海はヤツらを潰しにいった……。

 なら、俺は……。

 

「あ、すいません。ショッピングモールの路地に男の形をしたゴミが転がっているので、回収をお願いできますか? はい、はい、すいません玄乃さん。俺、nascita所属ぐらいしか肩書きないんで。ええ、ええ、すいません、然るべきところへの連絡お願いします。はい、ではまた、17日に」

 

 今の世の中、電話して女が出たら、色々面倒だからな。

 こうするのが、スムーズに解決する一番の方法だわ。

 

「終わったぞ」

 

 早っ!?

 まだ、お前らが路地に入って数分だぞ?

 

「俺がそこら辺のゴミにやられるわけねぇだろ」

 

 あ、お前も同じように思ってたのね。

 普段はそんなこと思わないけど、今回はねぇ……。

 ああいうのを社会のゴミっていうんだろうな。

 

 なにより、千冬さんや玄乃さんの恐ろしさに比べれば……。

 ヤベ……なんか、寒気が……。

 

 

 

「おまたせ~!」

「おまたせしました」

 

 それから少し経って、ようやく二人が店から出てきた。

 その様子を見るに、さっきまでのことは知られてないようだ。

 まぁ……俺も和海も知ってほしいとは思わないが。

 

 

 

 それからは、まぁそれなりに楽しみ、ユウナさんとも別れた。

 去り際に楽しかったと言われ、和海の顔がだいぶキモイことになっていた。

 

 そういえば、途中でなんか、変な野郎どもの声が聞こえた気がするが、きっと気のせいだろう。

 路地から出てきた人たちもきっとゴミを拾いに来てくれただけだろうしな。

 

 

 

 

 

 もうすぐnascitaでの訓練期間が幕を開ける。

 憂鬱だ……。

 

 しかし! 俺提案の強化アイテム案のために、なんとか頑張ろうじゃないか!

 

 ベストマッチを超えるベストマッチ!

 

 

 その名も――スーパーベストマッチ!

 

 

 どんな感じのアイテムになってるのか、チョー楽しみだ!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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