創一side
「クククククク・・・フハハハハハ」
拠点に戻り、一息ついた俺はドイツでのことを思い出す。
すると、どうしても笑いがこみ上げてきてしまう。
なかなかの成果が得られた。
石動創一が死んだことになり、しばらく俺の行動に制限がなくなった。
ブラッドスタークの力も試すことができた。ISと戦闘できたのも大きかったな。
そして何より織斑一夏・・・。
俺が誘拐犯共を消したときの恐怖した顔もよかったが・・・、友人を消したと言われたときのあの怒りに満ちた表情。
・・・最高だったな。次に会ったときにどんな反応してくれるのか・・・。
楽しみで仕方ないな。
そうして色々考えていたところ、端末に着信が入った。
登録外の番号か・・・、誰だ?
とりあえず応じてみる。すると--
『もしも~し。お久しぶり、私のこと覚えてるかしら?』
「・・・もしかして・・・あのときの女・・・か?」
『正解!』
そういえば、ある程度したら連絡するって言ってたな。
『ようやく、そこそこの準備が整ったから連絡したの。・・・で、さっそくで悪いんだけどこっちにきてくれない? 色々話したいこともあるし』
「・・・わかった。--それで、俺はどこに行けばいいんだ?」
『決まってるでしょ。--私の会社よ!』
・・・ホントにつくったのか。
彼女に詳しい場所を聞いた俺は、スチームガンを使い、転移した。
---nascita
仮面ライダービルドでは喫茶店だったが、この世界では超大企業として存在している。
機械や電子機器・その他諸々の部品などの工業品全般をシェアしている。
数年前からはIS産業にも乗り出し、基盤や内部の部品・外装に使う素材など多岐にわたっている。
その大企業の社長室に創一は直接転移してきた。
ある程度予想していたからか、そこにいた女性は驚きはしなかったが苦笑いはしていた。
「わかってはいたけど・・・ホントにそうやってくるなんてね」
「別にいいだろ?いちいち入口からなんてこの会社のデカさからして面倒だしな」
「そうなんだけどね。・・・まぁ、いいか。--ところで、あなたはここではなんて名前なの?」
「ん?名前か・・・、特にないな。人間に擬態してるときは石動創一って名乗ってるけどな」
「擬態って・・・、あぁ、なるほど。エボルの力・・・地球外生命体エボルトってことね」
彼が授けられた力を知っていた彼女は、そこから結び付け納得した。
「まぁな。・・・ところで、おまえさんはなんて名前なんだ?」
「私? 私はここでは 氷室玄乃 って名前よ」
その名前を聞いた創一は急に何かに納得した表情になる。
「・・・氷室玄乃・・・、なるほど、おまえが・・・」
「え・・・な、なに? 私の名前になにかあるの?」
自分の名前を聞いた直後の反応に玄乃は不安になるが・・・、
「・・・篠ノ之束」
「・・・うっ」
その直後に言われた名前に言葉が詰まる。
なかなかに騒がしかった過去が走馬灯のように彼女の頭の中を駆け巡る。
氷室玄乃 --この世界では ブリュンヒルデ・織斑千冬 と同じくIS業界ではかなりの知名度を誇るのだが・・・
「まさか、あの他人を認識しない大天災の親友の一人だとはな」
「ま、まぁね。・・・私にも色々あったのよ」
そう言ったときの彼女は・・・目に光がともってなく、疲れ果てたような雰囲気がにじみ出ていた。
「・・・・・・それはともかく、話したいことってなんなんだ?」
危険な流れを察して、創一は本来の要件を聞くことにした。
「・・・え、あぁそうだったね。とりあえず今後のことについてと・・・これが完成したから見せておこうと思って」
そう言って玄乃は創一の前に完成したそれを--、
--ビルドドライバーを置いた。