神様の気まぐれで転生させられます。(仮)   作:CHIEN

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75話

 征兎side

 

 なんやかんやで色々とあり、もういざとなったら和海と万丈に丸投げでいいやとか思った出来事から少しした頃。

 

 今日は集会があるということで、メンドイながらも体育館へと足を運んできた。

 隣では一夏がため息ついてるし……。実習で鈴に負け、なんか知らないけど次の授業に遅刻してきてシャルロットの銃撃の的になってたり(千冬さんの許可のもと)してたからかな?

 しかも遅刻してきたときに、知らない女の人にうんたらかんたらと言っていたから余計に面倒なことに……。まあどうでもいいけど。

 

 そんなこんなで集会が始まり、痴女会長が壇上に上がったところで、一夏がなんか変なものでも見たかのような顔をしている。

 

「どうした?」

「あの人だよ、あの人!」

「はあ?」

「さっき俺が会った人!」

 

 へえ、そうなんだ~。

 割とどうでもいいことだったので、華麗に聞き流す。

 

『やぁみんな、こんにちは。今年は色々とあってちゃんとした挨拶がまだだったわね』

 

 そして、痴女会長の話が始まる。

 

『私の名前は更識 楯無。君たち生徒の長よ。以後、よろしくね』

 

 うん、知ってる。

 直後、こっちを見て笑った? が、それが俺に向けてなのか、一夏に向けてなのか……正直知りたくない。

 

『さてさて、今月の一大イベントである学園祭の開催が迫ってきているわけだけど、それぞれの催し物をみんなで頑張って決めるように!』

 

 意外と普通の話だ……。ただの変態痴女会長じゃなかったんだな。

 けどな~、メンドイんだよな~、準備とかさ。

 

『――と言ったところでいつも通りじゃやる気も出ないし、面倒くさいって思う人もいるでしょう?』

 

 心を読まれた!?

 しかも一瞬こっちを見てから言ったのは気のせい?

 

『そこで、みんなの奮起を促すために今回限りの特別ルールを導入するわ』

 

 え……なにそれ?

 確かここの学園祭では、各部活動やクラス単位で出し物をして、最後にそれに対する投票をする。そして優勝すれば、予算アップやらなんやらといった感じだったはず。

 

 ――といったところを今、痴女会長が説明中。

 

『今回、見事に優勝したクラス、部活には――』

 

 なにを言い出す気だ……?

 

『――男子生徒3名の1ヶ月貸し出しを認めましょう!』

 

 はああああああああああああああ!?

 

 アホ痴女会長のトンでも宣言に会場からは狂喜乱舞のような声があちらこちらから聞こえる。

 

「一夏、これはどういうことだ!!」

「おおお俺に言うなよ! 俺だって今、初めて聞いたんだ!」

 

 そしてそこでは、一夏が箒に問い詰められ、言い訳中。

 

「テメェ、一夏! 今度は何やった!? 何をやらかしたらこうなるんだよ!」

「征兎まで!? 俺、何もやってねぇって!」

「ちょっと征兎、どういうこと!? 何なのこれ!」

「ば、万丈!?」

「またあの変態に誘惑されたんでしょ! そうなんでしょ!」

「いや、俺は何もしていない! 全部、一夏が悪いんだ!」

「おい!?」

『こらこら、みんな静かに』

 

 いや、あんたの発言のせいだからね!?

 

『ちなみに貸し出しっていうのは文字通りよ』

 

 説明によると――優勝したのがどこかのクラスなら1ヶ月の間、男子生徒3人と同じクラスになれる。部活なら、1ヶ月そこの部員。

 

 最っ悪だ……。

 というか良いのか生徒会長、こんなことして……!

 壇上に目を向けると、こっちにウインクなんぞしてきやがった。

 

『ああ、もちろん生徒会も参加するからね』

 

 いや、知らんし。

 

『生徒会からの話は以上よ。みんな一丸となって学園祭を盛り上げて、成功させましょう!』

 

 ふざけんなぁぁぁぁぁぁぁ!

 

「一丸となってる場合じゃないわ!」

 

 ……へ?

 

「何としてでも、うちのクラスで優勝をかっさらうわよ!」

 

 誰とも知らないそんな声におー! という声。

 ……ちょっと!?

 

「優勝はうちの部でもらうわよ! 放課後から作戦会議よ! 全部員に召集を!」

「言われなくても集まるわよ!」

「で、でも大会に向けての練習が……」

「大会なんてどうでもいいの! 栄光よりも男子のいる1ヶ月よ!」

 

 いや、ダメだろ……。

 そこは栄光を取れよ……。

 

「最大の敵は生徒会か。何か対策を練らないと」

「燃えてきたー!」

 

 俺は気持ちが萎えてきたよ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 そうこうして、クラスの出し物を決めるために教室に戻り、話し合う。

 前には、クラス代表である一夏が出て、進めていったのだが……まあ出てきた案が中々ヒドイ。

 

 男子生徒のホストクラブ、男子生徒とツイスター、男子生徒とチョコスティック遊び、男子生徒と王様ゲームetc……。

 

 うん、結構ヒドイね!

 ホストクラブとか絶対無理なんスけど。

 

 後は、桐生征兎の発明品展示会、桐生征兎と楽しく科学、桐生征兎の物理学講座。

 

 うん、これはいいね、完璧!

 どれでもバッチコーイ!

 

「とりあえず、男子生徒関連のものは全部却下」

 

 一夏がそう言うと、女子たちから当然のごとくブーイングが飛ぶ。

 

「誰が喜ぶんだよ、こんなもん」

 

 一夏のこの言葉に女子たちからは、私は嬉しいだのそうすれば優勝間違いなしだの色々言われる始末。

 

「男子生徒の所有権はこの1組にあるのよ! これを最大限に活用しなくてどうするの!」

 

 いや、所有権て……。

 

「そもそも学園祭でこんな企画許されるわけないだろ!」

 

 ねぇ山田先生? と話し合いを見守っていた山田先生に助けを求めた一夏。

 

「えーと……わ、私はチョコスティックなんかいいと思いますよ?」

 

 もうダメかもしれない……。

 

「いや……」

 

 待てよ? よくよく考えれば有りかもしれないな、チョコスティック。

 要は、合法的に女の子とチューができるわけだ。

 チョコスティックという短い距離が故に顔を赤らめる女子。

 互いの息遣いを感じながら、近付いていく唇。

 耐えきれず目を瞑る女子。恥ずかしそうな顔をしながらをこっちを見つめたまま必死に食べ進めていく女子。

 

 有りだな!

 

「ぐぼはぁ!?」

 

 チョコスティックを行ったときの脳内シミュレーションを行ってたところ、後頭部と脇腹に強い衝撃がきた。

 消しゴムが落ちていたからこれが飛んできたんだろうけど、消しゴムとは思えない衝撃だった。こんなことができるのは万丈しかいない。件の人物へ顔を向けると、ふん! と顔をそらされた。

 何なんだ、いったい?

 そして、もう一つの衝撃の原因――和海に追及。

 

「何しやがる……!」

「いやお前、かなり気持ち悪い顔してたぞ……。思わず殴っちまった」

 

 失敬な!

 

「喫茶店はいいんじゃないかな? 一夏たちには、執事か厨房を担当してもらえればいいし」

 

 ん? なんかいつのまにか話が進んでる。

 

 え? これこのまま決定?

 

「でも、メイドに執事じゃありがちじゃない? インパクトに欠けるというか……」

「ベタだけど、有りといえば有りだろ。とりあえず意見としては採用な。他に何かあるか?」

「インパクトならやっぱり王様ゲームが一番だと思うけどな~」

「却下だ!」

 

 ここだ!

 

「なら俺はチョコスティックを――」

「黙ってろ」

「――ハイ」

 

 チョコスティックを支持しようとしたら、隣の席のヤンキーから恐ろしいトーンで声が飛んできた。

 

 シクシク……俺のチョコスティック~。

 女の子との甘いひと時が~。

 

「どんだけだよ……キショイわ」

 

 和海の言葉が次々と俺に刺さってくる。

 ちくしょ~……。

 

「じゃあ、1組の出し物はご奉仕喫茶で決定ね!」

 

 そんな声とともに、拍手が起こる。

 

 終わった……何もかも。

 

「アホか」

 

 

 

 

 

 

 

 

「アレ? 俺が最初に出した意見は?」

「ああ、あの発明品展示会とかのやつか?」

「そうそれだよ、それ! なんでスルーしてんだよ!」

「却下に決まってんだろ」

 

 なんで!?

 

「お前は、来年以降の学園祭を中止させるつもりか?」

「どういう意味だよ!」

 

 確かに取り扱い注意のものはあるかもだけど、俺の発明品はそこまで危険じゃないよ!

 

 

 

 ホントだよ!!

 

 

 

 

 

 

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