あれから数分後、僕たちはEクラスの教室で作戦会議を始めた。
「ここは代表の俺が仕切らせてもらう。異論はないな?」
「「「ああ」」」
Fクラスの面々が揃って賛同した。
やっぱりこういう時の雄二は頼りになる。
「まずはみんなの意見を聞きたい。何か作戦を思いついたら言ってくれ」
「じゃあいいか?」
手を挙げて立ち上がったのは須川君だ。
まさか、どうせ死ぬなら女子を襲おうとか言わないよね?
喜んで参加させていただきます。
「このクラスのドアを塞いで入れなくするのはどうだ?校内を逃げ回るよりは安全だと思うのだが」
須川君がまともなこと言ってるだと!?
まるで、変なこと考えてた僕がバカみたいじゃないか。まあ、バカなんだけどね……。
「いや、それはリスクが高い。教室の中に鬼が入って来ちまったら全員アウトだ。それに、ドアを塞いだって向こうは対策を考えてるはずだ」
「そうか……」
ものの数秒で論破されてしまった。なんか須川君が可愛そうだ……。
「そこでだ。俺が考えた作戦を聞いてほしい」
雄二のやつ、もともと自分の意見を言うつもりだったな。そのために須川君をだしにしたのか。
「まず、先程も話したように逃げ場がない場所に隠れるのは危険だ。基本は走って逃げる事を心がけろ。それと、なるべく1人ではなく5、6人で行動するようにしろ」
「なんで複数人で行動するんだ?鬼に場所がバレやすくなるだけじゃないか」
須川君。さっきの仕返しとばかりに論破しようとしてるね……。
「確かに見つかりやすいが最悪、武力行使ができるだろ?鬼に触らなければいいんだよ。みんなでやれば怖くないだろ?」
ニッ、と嫌な笑みを浮かべる。
「つまり、助け合いができるってわけだ」
「なるほど」
「それに女子と組んで危ない所を助けたら、一発でそいつに惚れる」
「「「なるほど!!!」」」
おお!なんてわかりやすいんだバカどもは。ちなみに僕もなるほどって言ったのは秘密です。
「じゃあチームを決める。みんなクジを引いてくれ」
「やってやる!」
「俺が姫路や木下と!」
「いいや俺だ!」
クラスの面々が盛り上がる。命がかかっていることを本当わかってるのか。
「私は3番でした。美波ちゃんは何番ですか?」
「私も3番よ」
「ワシも3番じゃ」
女子たちの会話が聞こえてくる。3番か、3番な、three!
「よっしゃあああ!3番こい!」
「「「うおおぉぉぉ!」」」
クラスの面々がさらなる盛り上がりを見せる。ちなみに僕もうおおぉぉぉ!って言ったのは秘密です。
「おい明久、お前も引けよ」
「うん。OK」
「まさか、明久君は三番引かないよね〜」
「引いたら殺しちゃうよ〜」
「コロス、吉井、コロス」
あれ?おかしいな。クラスメイトとの楽しい青春が出来そうもないや。
「いいから早く引け」
「うん」
あれ?クジが1枚しかない。
それを引くと3番と書いてあった。3番と書いて楽園と読む。
「吉井くーん。3番じゃないよね〜」
「コロス、コロス、コロス」
やだこの子達目から赤い涙が出てる。
「まあ待て、俺も3番だった」
「お前もか坂本〜」
「コロス、コロス」
「だから、こいつをすぐに鬼に差し出すと約束しよう」
ガシッ。雄二と須川君たちが強い握手を結ぶ。
あれ?僕も赤い涙が出て来たぞ?
「で?他に三番のやつはいるか?」
「…………三番」
「いつものメンバーだね」
「そのようじゃな」
一緒に行動するのは、僕、雄二、ムッツリーニ、秀吉、美波、姫路さんの6人となった。
「いや〜、女子3人と同じグループでよかったよ」
「いや、ワシは男じゃ」
「またまた〜」
「本当じゃ!!」
「うぃーん」
こんな日常が続けばいいのにと思った瞬間、まるで世界の終わりを知らせるかのようにサイレンが鳴り出した。
「鬼ごっこが始まったな」
「うん」
ついに始まってしまったんだ。リアル鬼ごっこが……。
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