全ての鍵で、最後の扉を開いて宮殿の中へ。
アイリス「凄い!財宝が沢山!」
タツヤ「これは凄えな・・・」
パーシヴァル「これで終わり・・・?」
アノラック「ああそうとも。後はこの書類にサインさえすれば、オアシスは君の物。君こそが唯一の所有者となるのだ!悪い気分じゃあるまい?」
金の筆をパーシヴァルに渡す。
しかし現実世界では、フナーレがバンに飛び乗って抉じ開けた。待ち構えたトシロウがフナーレと戦う。
ウェイド「・・・ちょっと待って?」
ケイタロウ「すぐに終わる。姉さんそこで待っててくれ。」
マナ「うん。」
フナーレの圧倒的な攻撃でトシロウが苦戦した。そこにサマンサが加勢してフナーレと戦う。するとゾウが消火器を見付けて、それをフナーレに投げた。フナーレの腹に命中した。
タツヤ「ウェイド!今だ!」
ウェイド「ああ!!」
回転キックで、フナーレをバンから突き落とした。
宮殿。
タツヤ「ただいま。」
アイリス「おかえり。」
椅子に座ったパーシヴァルが、書類にサインしようとするが、何か違和感を感じた。
タツヤ「どうした?」
パーシヴァル「間違ってるよ。このペンも、この契約書も。これってモローにグレガリアスの株を放棄させたシーンだ。ハリデーはそれをずっと、後悔してた・・・」
アイリス「確かハリデー年鑑にもそのアーカイブがあった・・・」
パーシヴァル「まだ終わりじゃない・・・これはテストだ。」
持ってるペンをテーブルの上に置いた。
パーシヴァル「あなたと同じ過ちを犯さない。」
アノラック「・・・そうか、それを確かめておきたかったんだ。」
するとアノラックが欠片となって、ジェームズ・ハリデーの姿になった。宮殿も欠片となり、とある部屋に変わった。
パーシヴァル「あなたが育った場所・・・」
タツヤ「ハリデーの部屋・・・」
この部屋に、1人の少年がゲームをしていた。
アイリス「あの子は?」
ハリデー「それは私だよ。大昔のね。」
タツヤ「ハリデーの子供時代?」
ハリデー「そう。時々こうやって眺めるのが好きなんだ。パーシヴァル、君に見せたい物がある。これは、おいで。」
壁にある赤いボタンを見せた。
ハリデー「このボタンだ。これを押せば、オアシスの全てのシミュレーションが停止し、ワームソフトがバックアップサーバーを消去する。つまり君はオアシスを永遠に消し去る力を手にした。分かるかな?」
現実世界では、装甲車がバンの真後ろから体当たりした。
ハリデーの部屋。パーシヴァルがボタンに向かって倒れる瞬間。
タツヤ「危ねえ!」
間一髪、タツヤがパーシヴァルを掴んでボタンから遠避けた。
ハリデー「おいおい。ちょっと、初日にうっかりをして消しちゃったってのは勘弁してくれよ?」
タツヤ「悪いなハリデー。ソレントの野郎が邪魔してるんだ。」
ハリデー「ソレント、彼奴かぁ。」
タツヤ「これ加工した方が良いかな?」
クラフトメニューを開いた。
アイリス「どうやって?」
ボタンを封印するケースを作った。
アイリス「完成?」
タツヤ「これを壊せるのは俺だけになった。もう心配無用だ。」
現実世界では、バンと装甲車がスタックへ向かっている。
ヘレン「スタックは真正面だよ!!」
遂にコロンバスのスタックに到着した。しかし真横からソレントの装甲車が体当たりした。バンがスリップして停車し、装甲車もスリップして停車した。
ハリデーの部屋。
アイリス「いたたたた・・・」
タツヤ「いてててて・・・・」
ハリデー「君達はそろそろ行かなきゃならんようだな。ではパーシヴァル、君に宝を授けよう。3つの鍵を手にした褒美だ。このエッグを受け取れば、それでゲームオーバーだ。エッグは・・・エッグ。」
部屋に隠してあるエッグを探す。
現実世界では、ソレントが装甲車から降りてバンへ向かう。だがスタック住民のギルモア夫人がソレントの前に立った。
ギルモア「あんたの悪事は皆知ってるよ。痛い目に遭わなう内にとっとと帰んな!」
だがソレントは、そんな忠告を無視してバンへ向かう。だが、スタックの住民達やプレイヤー達がソレントの道を塞いぎ、バンを守る。追い詰められたソレントが、拳銃を持って住民達を脅す。そのままバンへ向かう。
ハリデーの部屋。
エッグを探している。
ハリデー「オアシスを作ったのは、現実世界はどうにも居心地が悪かったからなんだ。周りの人達とどう繋がって良いか分からなかった。ずっとビクビクしながら生きて来た。自分の命が終わると知るまではね。でもなぁ、その時、ようやく分かったんだよ。確かに現実は辛いし、苦しいし、良い事ばっかじゃないが、唯一、現実の世界でしか美味い飯は食えないってな。何故なら、現実だけが・・・リアルだから。」
机の下から、黄金に輝くエッグを出した。
ハリデー「言いたい事は分かるか?」
パーシヴァル「ええ・・・分かります・・・」
タツヤ「あんたの言葉、俺にも分かる・・・」
アイリス「私も分かります・・・」
そして、パーシヴァルがエッグを受け取った。
バン車内では、ウェイドの両手にエッグの輝きが。
サマンサ「やった・・・エッグを手に入れた・・・」
ハリデーの部屋。
アイリス「エッグだ・・・」
ハリデー「へへ、イエーイ。」
アイリス「イエーイ!」
喜んでハリデーとハイタッチした。
タツヤ「やったな、パーシヴァル!」
バンでは、ソレントがバンのドアを開けて銃口を向けた。
サマンサ「止めて!!」
ヘレン「止めろ!!」
エッグを手にしたウェイドを見て、ソレントが驚いた。ウェイドは涙を流した。
するとそこに、4台のパトカーが到着した。
警察官「動くな!銃を捨てろ!捨てろ!捨てるんだ!」
ソレントが銃を捨てる。
警察官「後ろを向け!両手を頭に!そのままこっちへ来い!」
こうしてソレントは警察官によって逮捕された。
ハリデーの部屋。
少年時代のハリデーがゲームをクリアして、大人のハリデーと一緒に部屋を出ようとすると。
パーシヴァル「あの、ハリデー。1つ分からないんだけど・・・あなたアバターじゃ、ないよね?」
ハリデー「違う。」
パーシヴァル「ハリデーは本当に死んだの・・・?」
ハリデー「死んだ。」
パーシヴァル「じゃあ、あなたは何・・・?」
ハリデー「さよならパーシヴァル。そしてタツヤにアイリス。ありがとう、私のゲームをプレイしてくれて。」
彼は、少年時代の自分と一緒に部屋を出た。
現実世界。
ウェイドとケイタロウとマナが戻って来た。サマンサがウェイドの顔に触れる。
ケイタロウ「ウェイド・・・」
マナ「遂にやったね・・・」
すると1人の老人がバンのドアを開けた。
老人「ウェイド?」
その老人の正体は・・・
ウェイド・サマンサ・ケイタロウ・マナ「オグデン・モロー!?」
嘗てジェームズ・ハリデーのビジネスパートナーで共にオアシスを開発したオグデン・モローだった。
モロー「オグと呼んでくれ。君に会いたいって言う人達が来てるんだがね。」
ウェイド「凄い、何で?信じられない・・・お会い出来て光栄です、オグ。でも・・・先にやる事があるんだ。」
ドアを閉めた。
ウェイド「僕はハリデーとは違う。ジャンプしてみせるよ。」
彼はサマンサとキスをし、ワイヤーを使って飛ぶ。ケイタロウとマナとヘレンとトシロウが後ろを向く。ショウがキスシーンを見るが、トシロウに後ろを向かせられた。
すると今度は、警察官がドアを開けた。
警察官「ウェイド・ワッツ君か?」
すぐにキスを止めた。
警察官「事情を聞きたい。君が送って来たソレントの自白動画について。」
ヘレン「あ〜・・・それ私。奴を嵌めたシーン録画してたの。」
ドアを閉めて警察官に事情を話に行った。
ウェイド「これ外して。」
ケイタロウ「トシロウ、外してくれ。」
マナ「ゾウ、お願い。」
ワイヤーを外して貰った。
再びドアが開いた。今度はスーツを纏った4人の男性と1人の女性が居た。
ウェイド「この人達は?」
オグ「今の君に必要な人だ。弁護士だよ。グレガリアス・ゲーム社の。サインを頼む、ウェイド。」
弁護士の女性からタブレットを受け取り、ウェイドに契約書を渡す。
ウェイド「・・・株は仲間と分けるよ。一緒に運営して行く。」
オグ「良い選択だ。」
外では。
スタックの住民達が花吹雪を撒き、ウェイド達トップ7に拍手喝采した。ヘレンは警察官にソレントの自白動画の事情を話してる。そしてソレントとフナーレは、パトカーに入れられた。
ソレント「フナーレ、私の言う事をよく聞くんだ。」
しかし。
”ゴスッ!!”
ソレント「うおっ!?」
彼女の強烈なパンチ1発がソレントの顔にクリーンヒット。そのまま警察署へ連行された。
ケイタロウ「俺達は皆からの拍手喝采を受け、ソレントは無事逮捕されて連行された。」
マナ「もうあんな奴の顔なんか見たくもないわ。」
ウェイド「モローさん・・・あ、いえ、オグ。来るの早かったですね。」
ケイタロウ「どうやってここだって突き止めたんだ?」
オグ「魔法のソリで一っ飛びして来たのさ。中継されてたから。」
マナ「中継って、アドベンチャーの時の?」
オグ「そうだ。それに私は、皆より近い所で見てたがね。」
ポケットからコインを出し、ウェイドに渡した。
ウェイド「まさか・・・あなたが案内人!?」
オグ「・・・よくやったパーシヴァル。そしてタツヤにアイリス、よくやってくれた。フフッ。」
ケイタロウ「参ったぜ・・・何てこった。」
マナ「壮大な伏線が回収されたね。」
オグ「私はコンテスト作りに関与はしていない。だから見込みのある若者に肩入れしても、ルール違反にはならない。だが君達は自力で、キーラが鍵だと気付いたね。」
ウェイド「いいえ、鍵はキーラじゃなく・・・」
ケイタロウ「あんた自身が鍵だったんだ。」
ウェイド「あなたが、バラの蕾だ。ハリデーが1番悔やんでたのは・・・親友を失った事。」
オグ「・・・ジェームズは言ってたな。オアシスは決して、1人でプレイするゲームじゃないと。」
そこに、サマンサ達が来た。
オグ「さて、そちらに居るのは誰かな?」
マナ「私達の仲間です。」
オグ「おお、これはこれは。我らがヒーロー、トップ7だな。君がアルテミス?」
サマンサ「サマンサです。」
ウェイド『トップ7がオアシスを受け継いで最初にやったのは、オグデン・モローと包括的コンサルタントの契約をする事。給料は彼の申し出により、25セントとなった。コイン1枚だ。彼の助言を受けて2つ目にやった事は、徴収センターとオアシスを切り離す事。IOIは逆らえるはずも無く、センターは閉鎖。』
あれから数日後。ウェイドとサマンサは家でキスを交わしている。
ウェイド『3つ目の変更はイマイチ受けなかったけど、火曜日と木曜日はオアシスを休みにしたんだ。まぁ、確かにちょっと変なプランだけど、人には現実で過ごす時間が必要だよ。だって、ハリデーが言ったように、現実だけが本当の意味で・・・リアルなんだ。』
そしてオアシスでは、タツヤが全アバター達にコインを返却した。そしてシクサーズとアイロックのコインを全アバター達と山分けした。アバター達は大喜び。
タツヤ「それとダイトウ、お前のコインを返すぜ。」
コインをダイトウに全て返却。
ダイトウ「ありがとう。」
アイリス「タツヤ、また賞金を稼ごう?」
タツヤ「ああ。さぁて、新しいオアシスの始まりだ!」
「THE END」
キャスト
パーシヴァル:KENN
ウェイド・ワッツ
タツヤ:土屋神葉
ケイタロウ
アイリス:照井春佳
マナ
アルテミス:坂本真綾
サマンサ・クック
エイチ:斉藤貴美子
ヘレン・ハリス
ダイトウ:森崎ウィン
トシロウ
ショウ:松岡禎丞
ゾウ:小林由美子
ノーラン・ソレント:楠大典
フナーレ・ザンドー:茅野愛衣
アイロック:佐藤せつじ
アリス:高島雅羅
案内人:山寺宏一
オグデン・モロー
カレン:よのひかり
キーラ
ジェームズ・ハリデー:後藤哲夫