レディ・プレイヤー1+2   作:naogran

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Chapter12「オアシス」

全ての鍵で、最後の扉を開いて宮殿の中へ。

 

アイリス「凄い!財宝が沢山!」

 

タツヤ「これは凄えな・・・」

 

パーシヴァル「これで終わり・・・?」

 

アノラック「ああそうとも。後はこの書類にサインさえすれば、オアシスは君の物。君こそが唯一の所有者となるのだ!悪い気分じゃあるまい?」

 

金の筆をパーシヴァルに渡す。

 

 

 

 

 

 

しかし現実世界では、フナーレがバンに飛び乗って抉じ開けた。待ち構えたトシロウがフナーレと戦う。

 

ウェイド「・・・ちょっと待って?」

 

ケイタロウ「すぐに終わる。姉さんそこで待っててくれ。」

 

マナ「うん。」

 

フナーレの圧倒的な攻撃でトシロウが苦戦した。そこにサマンサが加勢してフナーレと戦う。するとゾウが消火器を見付けて、それをフナーレに投げた。フナーレの腹に命中した。

 

タツヤ「ウェイド!今だ!」

 

ウェイド「ああ!!」

 

回転キックで、フナーレをバンから突き落とした。

 

 

 

 

 

 

宮殿。

 

タツヤ「ただいま。」

 

アイリス「おかえり。」

 

椅子に座ったパーシヴァルが、書類にサインしようとするが、何か違和感を感じた。

 

タツヤ「どうした?」

 

パーシヴァル「間違ってるよ。このペンも、この契約書も。これってモローにグレガリアスの株を放棄させたシーンだ。ハリデーはそれをずっと、後悔してた・・・」

 

アイリス「確かハリデー年鑑にもそのアーカイブがあった・・・」

 

パーシヴァル「まだ終わりじゃない・・・これはテストだ。」

 

持ってるペンをテーブルの上に置いた。

 

パーシヴァル「あなたと同じ過ちを犯さない。」

 

アノラック「・・・そうか、それを確かめておきたかったんだ。」

 

 

 

 

 

 

するとアノラックが欠片となって、ジェームズ・ハリデーの姿になった。宮殿も欠片となり、とある部屋に変わった。

 

パーシヴァル「あなたが育った場所・・・」

 

タツヤ「ハリデーの部屋・・・」

 

この部屋に、1人の少年がゲームをしていた。

 

アイリス「あの子は?」

 

ハリデー「それは私だよ。大昔のね。」

 

タツヤ「ハリデーの子供時代?」

 

ハリデー「そう。時々こうやって眺めるのが好きなんだ。パーシヴァル、君に見せたい物がある。これは、おいで。」

 

壁にある赤いボタンを見せた。

 

ハリデー「このボタンだ。これを押せば、オアシスの全てのシミュレーションが停止し、ワームソフトがバックアップサーバーを消去する。つまり君はオアシスを永遠に消し去る力を手にした。分かるかな?」

 

 

 

 

現実世界では、装甲車がバンの真後ろから体当たりした。

 

 

 

 

ハリデーの部屋。パーシヴァルがボタンに向かって倒れる瞬間。

 

タツヤ「危ねえ!」

 

間一髪、タツヤがパーシヴァルを掴んでボタンから遠避けた。

 

ハリデー「おいおい。ちょっと、初日にうっかりをして消しちゃったってのは勘弁してくれよ?」

 

タツヤ「悪いなハリデー。ソレントの野郎が邪魔してるんだ。」

 

ハリデー「ソレント、彼奴かぁ。」

 

タツヤ「これ加工した方が良いかな?」

 

クラフトメニューを開いた。

 

アイリス「どうやって?」

 

ボタンを封印するケースを作った。

 

アイリス「完成?」

 

タツヤ「これを壊せるのは俺だけになった。もう心配無用だ。」

 

 

 

 

現実世界では、バンと装甲車がスタックへ向かっている。

 

ヘレン「スタックは真正面だよ!!」

 

遂にコロンバスのスタックに到着した。しかし真横からソレントの装甲車が体当たりした。バンがスリップして停車し、装甲車もスリップして停車した。

 

 

 

 

ハリデーの部屋。

 

アイリス「いたたたた・・・」

 

タツヤ「いてててて・・・・」

 

ハリデー「君達はそろそろ行かなきゃならんようだな。ではパーシヴァル、君に宝を授けよう。3つの鍵を手にした褒美だ。このエッグを受け取れば、それでゲームオーバーだ。エッグは・・・エッグ。」

 

部屋に隠してあるエッグを探す。

 

 

 

 

現実世界では、ソレントが装甲車から降りてバンへ向かう。だがスタック住民のギルモア夫人がソレントの前に立った。

 

ギルモア「あんたの悪事は皆知ってるよ。痛い目に遭わなう内にとっとと帰んな!」

 

だがソレントは、そんな忠告を無視してバンへ向かう。だが、スタックの住民達やプレイヤー達がソレントの道を塞いぎ、バンを守る。追い詰められたソレントが、拳銃を持って住民達を脅す。そのままバンへ向かう。

 

 

 

 

ハリデーの部屋。

 

エッグを探している。

 

ハリデー「オアシスを作ったのは、現実世界はどうにも居心地が悪かったからなんだ。周りの人達とどう繋がって良いか分からなかった。ずっとビクビクしながら生きて来た。自分の命が終わると知るまではね。でもなぁ、その時、ようやく分かったんだよ。確かに現実は辛いし、苦しいし、良い事ばっかじゃないが、唯一、現実の世界でしか美味い飯は食えないってな。何故なら、現実だけが・・・リアルだから。」

 

机の下から、黄金に輝くエッグを出した。

 

ハリデー「言いたい事は分かるか?」

 

パーシヴァル「ええ・・・分かります・・・」

 

タツヤ「あんたの言葉、俺にも分かる・・・」

 

アイリス「私も分かります・・・」

 

そして、パーシヴァルがエッグを受け取った。

 

 

 

 

バン車内では、ウェイドの両手にエッグの輝きが。

 

サマンサ「やった・・・エッグを手に入れた・・・」

 

 

 

 

ハリデーの部屋。

 

アイリス「エッグだ・・・」

 

ハリデー「へへ、イエーイ。」

 

アイリス「イエーイ!」

 

喜んでハリデーとハイタッチした。

 

タツヤ「やったな、パーシヴァル!」

 

 

 

 

バンでは、ソレントがバンのドアを開けて銃口を向けた。

 

サマンサ「止めて!!」

 

ヘレン「止めろ!!」

 

エッグを手にしたウェイドを見て、ソレントが驚いた。ウェイドは涙を流した。

 

 

 

 

するとそこに、4台のパトカーが到着した。

 

警察官「動くな!銃を捨てろ!捨てろ!捨てるんだ!」

 

ソレントが銃を捨てる。

 

警察官「後ろを向け!両手を頭に!そのままこっちへ来い!」

 

こうしてソレントは警察官によって逮捕された。

 

 

 

 

ハリデーの部屋。

 

少年時代のハリデーがゲームをクリアして、大人のハリデーと一緒に部屋を出ようとすると。

 

パーシヴァル「あの、ハリデー。1つ分からないんだけど・・・あなたアバターじゃ、ないよね?」

 

ハリデー「違う。」

 

パーシヴァル「ハリデーは本当に死んだの・・・?」

 

ハリデー「死んだ。」

 

パーシヴァル「じゃあ、あなたは何・・・?」

 

ハリデー「さよならパーシヴァル。そしてタツヤにアイリス。ありがとう、私のゲームをプレイしてくれて。」

 

彼は、少年時代の自分と一緒に部屋を出た。

 

 

 

 

 

 

現実世界。

 

ウェイドとケイタロウとマナが戻って来た。サマンサがウェイドの顔に触れる。

 

ケイタロウ「ウェイド・・・」

 

マナ「遂にやったね・・・」

 

すると1人の老人がバンのドアを開けた。

 

老人「ウェイド?」

 

その老人の正体は・・・

 

ウェイド・サマンサ・ケイタロウ・マナ「オグデン・モロー!?」

 

嘗てジェームズ・ハリデーのビジネスパートナーで共にオアシスを開発したオグデン・モローだった。

 

モロー「オグと呼んでくれ。君に会いたいって言う人達が来てるんだがね。」

 

ウェイド「凄い、何で?信じられない・・・お会い出来て光栄です、オグ。でも・・・先にやる事があるんだ。」

 

ドアを閉めた。

 

ウェイド「僕はハリデーとは違う。ジャンプしてみせるよ。」

 

彼はサマンサとキスをし、ワイヤーを使って飛ぶ。ケイタロウとマナとヘレンとトシロウが後ろを向く。ショウがキスシーンを見るが、トシロウに後ろを向かせられた。

 

 

 

 

すると今度は、警察官がドアを開けた。

 

 

 

 

警察官「ウェイド・ワッツ君か?」

 

すぐにキスを止めた。

 

警察官「事情を聞きたい。君が送って来たソレントの自白動画について。」

 

ヘレン「あ〜・・・それ私。奴を嵌めたシーン録画してたの。」

 

ドアを閉めて警察官に事情を話に行った。

 

ウェイド「これ外して。」

 

ケイタロウ「トシロウ、外してくれ。」

 

マナ「ゾウ、お願い。」

 

ワイヤーを外して貰った。

 

 

 

 

再びドアが開いた。今度はスーツを纏った4人の男性と1人の女性が居た。

 

 

 

 

ウェイド「この人達は?」

 

オグ「今の君に必要な人だ。弁護士だよ。グレガリアス・ゲーム社の。サインを頼む、ウェイド。」

 

弁護士の女性からタブレットを受け取り、ウェイドに契約書を渡す。

 

ウェイド「・・・株は仲間と分けるよ。一緒に運営して行く。」

 

オグ「良い選択だ。」

 

 

 

 

 

 

外では。

 

スタックの住民達が花吹雪を撒き、ウェイド達トップ7に拍手喝采した。ヘレンは警察官にソレントの自白動画の事情を話してる。そしてソレントとフナーレは、パトカーに入れられた。

 

ソレント「フナーレ、私の言う事をよく聞くんだ。」

 

しかし。

 

”ゴスッ!!”

 

ソレント「うおっ!?」

 

彼女の強烈なパンチ1発がソレントの顔にクリーンヒット。そのまま警察署へ連行された。

 

 

 

 

ケイタロウ「俺達は皆からの拍手喝采を受け、ソレントは無事逮捕されて連行された。」

 

マナ「もうあんな奴の顔なんか見たくもないわ。」

 

ウェイド「モローさん・・・あ、いえ、オグ。来るの早かったですね。」

 

ケイタロウ「どうやってここだって突き止めたんだ?」

 

オグ「魔法のソリで一っ飛びして来たのさ。中継されてたから。」

 

マナ「中継って、アドベンチャーの時の?」

 

オグ「そうだ。それに私は、皆より近い所で見てたがね。」

 

ポケットからコインを出し、ウェイドに渡した。

 

ウェイド「まさか・・・あなたが案内人!?」

 

オグ「・・・よくやったパーシヴァル。そしてタツヤにアイリス、よくやってくれた。フフッ。」

 

ケイタロウ「参ったぜ・・・何てこった。」

 

マナ「壮大な伏線が回収されたね。」

 

オグ「私はコンテスト作りに関与はしていない。だから見込みのある若者に肩入れしても、ルール違反にはならない。だが君達は自力で、キーラが鍵だと気付いたね。」

 

ウェイド「いいえ、鍵はキーラじゃなく・・・」

 

ケイタロウ「あんた自身が鍵だったんだ。」

 

ウェイド「あなたが、バラの蕾だ。ハリデーが1番悔やんでたのは・・・親友を失った事。」

 

オグ「・・・ジェームズは言ってたな。オアシスは決して、1人でプレイするゲームじゃないと。」

 

そこに、サマンサ達が来た。

 

オグ「さて、そちらに居るのは誰かな?」

 

マナ「私達の仲間です。」

 

オグ「おお、これはこれは。我らがヒーロー、トップ7だな。君がアルテミス?」

 

サマンサ「サマンサです。」

 

 

 

 

ウェイド『トップ7がオアシスを受け継いで最初にやったのは、オグデン・モローと包括的コンサルタントの契約をする事。給料は彼の申し出により、25セントとなった。コイン1枚だ。彼の助言を受けて2つ目にやった事は、徴収センターとオアシスを切り離す事。IOIは逆らえるはずも無く、センターは閉鎖。』

 

 

 

 

あれから数日後。ウェイドとサマンサは家でキスを交わしている。

 

ウェイド『3つ目の変更はイマイチ受けなかったけど、火曜日と木曜日はオアシスを休みにしたんだ。まぁ、確かにちょっと変なプランだけど、人には現実で過ごす時間が必要だよ。だって、ハリデーが言ったように、現実だけが本当の意味で・・・リアルなんだ。』

 

 

 

 

 

 

そしてオアシスでは、タツヤが全アバター達にコインを返却した。そしてシクサーズとアイロックのコインを全アバター達と山分けした。アバター達は大喜び。

 

タツヤ「それとダイトウ、お前のコインを返すぜ。」

 

コインをダイトウに全て返却。

 

ダイトウ「ありがとう。」

 

アイリス「タツヤ、また賞金を稼ごう?」

 

タツヤ「ああ。さぁて、新しいオアシスの始まりだ!」

 

「THE END」




         キャスト

    パーシヴァル:KENN
  ウェイド・ワッツ

       タツヤ:土屋神葉
     ケイタロウ

      アイリス:照井春佳
        マナ

     アルテミス:坂本真綾
  サマンサ・クック

       エイチ:斉藤貴美子
   ヘレン・ハリス

      ダイトウ:森崎ウィン
      トシロウ

       ショウ:松岡禎丞
        ゾウ:小林由美子

 ノーラン・ソレント:楠大典

 フナーレ・ザンドー:茅野愛衣

     アイロック:佐藤せつじ

       アリス:高島雅羅

       案内人:山寺宏一
  オグデン・モロー

       カレン:よのひかり
       キーラ

ジェームズ・ハリデー:後藤哲夫

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