現実世界・オハイオ州のホテル。
タツヤ「ふぅ・・・」
アイリス「おかえりケイタロウ。」
ケイタロウ「ああ、ただいまマナ姉さん。って同時に帰って来たでしょ?」
マナ「あはは。」
この2人が、タツヤとアイリスのリアルの姿。タツヤことケイタロウ、アイリスことマナ。
2人は晩飯を食べに外出する。
ケイタロウ「今回も稼ぎまくったな。」
マナ「ええ。けど、パーシヴァルが可哀想。」
ケイタロウ「心配すんなよ。パーシヴァルはあんな程度でへこたれはしねえよ。」
マナ「それで、明日はどうする?」
ケイタロウ「またあのレース挑む。その前に調べたい事があるんだ。」
夜の集合住宅。ウェイドがベッドの上で夜空を眺めている。
ウェイド『ウェイド・ワッツ・・・父さんがこの名前を選んだのはスーパーヒーローの本名みたいだから。ピーター・パーカーとかブルース・バナーとか。父さんは僕が小さい頃に死んだ。母さんもだ。んで僕はこの家に引き取られ、アリス叔母さんと、叔母さんのヒモのような男と同居生活。』
ジェームズ・ハリデーはルール嫌い。彼はあの言葉から頭が離れない。アルテミスの言葉だから気になるのか、憧れの彼女に世界の片隅につまんない物守ってんじゃないわよって、マジな顔で言われたからかな?じゃなかったら、あの言葉に意味があるのかもと彼は思った。
翌日、パーシヴァルはハリデー年鑑へ向かった。
コンテストとの発表と共に、このハリデー年鑑が出現した。ハリデーの日記を見て、ハリデーの頭を覗ける場所でもある。最初は答えを求める為にガンターが押し寄せたが、熱が収まり、来るのはパーシヴァル達オタクだけ。
タツヤ「パーシヴァル。」
ここに、タツヤとアイリスの姿があった。
パーシヴァル「2人も来てたのかよ。」
アイリス「タツヤがどうしても調べたものがあるって言ってて。」
パーシヴァル「丁度良い。僕も調べ物があるんだ。一緒に行くかい?」
タツヤ「良いぜ。」
彼らは案内人の元へ。
案内人「パーシヴァル、タツヤ、アイリス、よくいらっしゃった。今日は貴重な私の時間をどれだけ潰してくれる?」
パーシヴァル「グレガリアス・ゲーム社2029年・・・」
案内人「オフィス・パーティーね。1000回しか見てないものな。何度でもどうぞ。」
タツヤ「話が早いな。」
オフィス・パーティーへ向かう。
案内人「ハリデー年鑑には彼の写真、ホームビデオ、また監視カメラやベビーシッターなど彼の映像が集められ、3Dのバーチャル映像としてご覧頂けます。更にハリデーが見た凡ゆる映画、ゲーム、本、テレビ番組がアーカイブとして保存されています。」
アイリス「これだけ多く残せるって凄いね、ハリデーさんは。」
タツヤ「何せ、オアシスの神だからな。」
案内人「ここでは武器は禁止。アダルト向けのアバターも禁止。ではお楽しみ下さい。壮大な宝探しを。」
オフィス・パーティーのアーカイブ。
モロー『それじゃジェームズ、僕はもう行くよ。全ては変わって行く。進化して行くんだ。』
ハリデー『そのままだって完璧なものだってある。アステロイドとか。』
モロー『でもアーケードゲームのアステロイドの中じゃ、人は生きられない。』
ハリデー『分かってるよ。』
モロー『なぁ、僕らの作ったオアシスの中で生きるんだ。』
ハリデー『僕が作った。』
モロー『おいジェームズ・・・まぁ良いさ。どうとでも好きなように言ってくれ。』
ハリデー『その話はしたくない。』
モロー『ああそうだろうよ。だから僕を追い出すんだよな?』
アイリス「ハリデーさんとモローさんが喧嘩してるね。」
パーシヴァル「ハリデーに近付いて。」
画面をハリデーに近付く。
モロー『なぁ、発明したらそれに伴う責任ってものがある。皆が求める物を作ったら、そこに何かしらのルールを設けるのも君の仕事だろ?』
パーシヴァル「これ以上ルールは作りたくない。」
ハリデー『これ以上ルールは作りたくない。』
タツヤ「夢を見たいんだ。」
ハリデー『夢を見たいんだ。』
パーシヴァル・タツヤ・ハリデー「世界を作りたい。」
アイリス「急にどうしたの?」
モロー『確かに僕らは素晴らしい物を作った。でも今や、最早ゲームの域を超えている。』
案内人「もう宜しいですか?」
ハリデー『僕は、あれがただのゲームだった頃が・・・好きだった。』
モロー『だからスタート地点に戻ったんだろ?でも物事は前に進んで行くんだ。昔には戻れない。』
パーシヴァル「ああ、もういいよ。」
タツヤ「何の手掛かりも無かったな。」
アイリス「うん。」
3人が帰ろうとしたその時。
ハリデー『後ろに進んじゃいけないのか?たまには。猛スピード、後ろに向かって逆戻り。へへへへ。目一杯アクセル踏んでさ。』
タツヤ「後ろに向かって逆戻り?逆走・・・?」
パーシヴァル「ちょっと戻して!!」
タツヤ「10秒前だ!!」
アーカイブを10秒巻き戻して再生。
ハリデー『後ろに進んじゃいけないのか?たまには。猛スピード、後ろに向かって逆戻り。へへへへ。目一杯アクセル踏んでさ。ビルとテッドみたいに。』
アイリス「ビルとテッドって何?」
タツヤ「SFコメディ映画。キアヌ・リーヴスの初期の主演作品だ。そして、ハリデーの言葉でピンと来たぜ。パーシヴァルはどうだ?」
パーシヴァル「・・・ああ。ピンと来た。」
3人はレース会場へ向かい、マシンに乗った。そこにアルテミスが来た。
アルテミス「もう戻って来たの?せいぜい頑張ってね。」
しかしパーシヴァルは何も言わない。
アルテミス「何か分かったの?何?教えてよ。」
タツヤ「悪いなアルテミス。俺達の内緒話だから言えないのさ。」
そしてレースが始まった。マシンが一斉にスタートする。アルテミスがミラーを見ると、デロリアンとサイドファントムが停まっていた。
スタート地点。
タツヤ「姉さん、行くよ。」
アイリス「うん。」
タツヤ「パーシヴァル、行くぞ。」
パーシヴァル「ああ。」
サイドファントムを後ろに向けて逆走し、デロリアンをバックで逆走する。すると地面が下がり、道が出来た。
レースの下。上にレースの様子が見える。
タツヤ「へぇ〜!こりゃあ凄え!」
アイリス「ちょっとズルいルートね。」
そして2台は地上に出て、同時にゴールした。
噴水広場。楽器隊が演奏する。
アイリス「やったーーー!!ゴールだーーーー!!」
タツヤ「さぁ、鍵を渡して貰おうか!」
すると落ち葉が1箇所に集まり、中からアノラックが出現した。
アノラック「良いレースだったパダワン。ゴールしたのは君達が初だ。」
パーシヴァル「ハリデーさん、いやアノラック。・・・とても光栄です。」
アノラック「此方こそ光栄だ。」
銅の鍵を3つ作り、3人に授けた。
タツヤ「1つ目の鍵だ。」
アイリス「やったー!イエーイ!」
アノラック「ヒントを手にするが良い。」
噴水から、巻物が出て来た。
スコアボード。
1位・パーシヴァル
2位・タツヤ
3位・アイリス
IOI社。
職員A「誰だ此奴ら?パーシヴァルにタツヤにアイリス?何故こんな奴らが勝つ?」
ソレント「気にする程の事ではありませんよ。ハリデーのコンテストは確かに重要です。謂わば未来の主導権を握る戦争だ。だがこのパーシヴァルは誰とも組まない一匹狼。そしてこのタツヤとアイリスは唯一パーシヴァルが組んでいる”オアシスのバウンティハンター”の異名を持っている姉弟。こっちは軍隊を抱えている。」
職員B「だが第1の鍵を取られた。」
ソレント「ええ。1つだけね。だが勝つ為には3つ揃えなければ意味が無い。」
職員A「我が社の株は6%にも落ちた。」
ソレント「債務取締局は28%との利益を上げています。フナーレ。」
フナーレ「新たに教習徴収センターを5つオープンしました。」
ソレント「カードを売るより債権開始。さぁ、株価の話を続けます?」
職員C「株主の手前もある。」
ソレント「株主を喜ばせるより儲けるのが大事だ。とは言え、此奴をリリースすれば株主も狂喜乱舞もするでしょう。」
大型モニターにタッチして画面を切り替える。
ソレント「名付けて、ピュアO2。我が社一押しのアップグレードです。ハリデーの広告宣言を解除出来れば、売上は確実にアップ!ざっと計算しただけでも、個人向けビジュアルフィールドの80%も占める事が出来るでしょう。如何です?」
職員A「我々がコンテストに勝つ事が前提だな。」
ソレント「勝ちますとも。」
アバター用ウェア。
エイチ「なぁ、鍵を見付けて10万コインゲットしたって?」
パーシヴァル「鍵を手にしたらアカウントのコインが増えたんだ!」
タツヤ「お陰で更に大儲けしたぜ!」
エイチ「マジかよ!聞いてるだけでチビりそうだ、凄えな!」
アイリス「ねぇねぇ、今から買い物しようよ!」
ショップに入る。
エイチ「何だこのカタクリストって?」
パーシヴァル「爆弾だよ。」
タツヤ「それも惑星に居るアバター達を全滅させる禁断のアイテムだ。勿論使った本人もドカンだ。」
エイチ「誰が欲しがるよ?」
パーシヴァル「IOI。何でも買うんだ。」
アイリス「ねぇねぇ!これ見て!」
パーシヴァル「聖なる手榴弾がたった2万!?」
タツヤ「此奴は買いだな!」
聖なる手榴弾を購入。
パーシヴァル「大安売りだな!」
タツヤ「お!ゼメキスのキューブもあるじゃねえか!」
パーシヴァル「マジで!?これも貰っとこ!」
エイチ「おい、金使い果たすなよ?」
アイリス「タツヤ!こっちにリボルケインあるよ!」
タツヤ「マジで!?ラッキー!」
リボルケインを購入。
パーシヴァル「X1のブートスーツ!」
ブートスーツを購入。現実世界へ宅配。
現実世界。X1ブートスーツが届いた。
ウェイド「凄え、最高!」
そして、タツヤとアイリスは惑星ドゥームで稼ぎを開始する。
タツヤ「リボルケイン!!」
仮面ライダーBLACK RXのリボルケインを握って、アバター達を一欠する。
アイリス「レーザーマグナム!!」
光戦隊マスクマンのレーザーマグナムでアバター達を倒す。
IOI社。社長用のギアに座る。貼ってあるパスワードを見て入力し、VRゴーグルを装着。
オアシスの惑星ドゥームに入ったソレント。そこに腹部に巨大なドクロを象ったアバターが来た。
ソレント「アイロック、久し振りだな。元気か?」
アイロック「ちょっと首をやっちまってな。腱鞘炎みたいなもんだ。首に腱鞘炎があるのかは知らねえけど。まぁそんな訳で、右側に立ってくれるか?俺から見て右な?」
右を見る。
アイロック「悪いね、使い過ぎで・・・あ!此奴此奴。」
海賊の帽子を被ったドクロを見せる。
アイロック「スチームパンクの海賊王。昔からよく知ってるぜ。俺が世界で嫌いなものは3つ。スチームパンク、海賊、後パセリサラダ。ったく、何であんな物を食わなきゃならねんだ?」
ソレント「何故こんな所へ呼び出した?」
アイロック「それはだな、オジョヴォックスの天球だ。欲しがってたろ?奴が持ってた。これがそうだ。」
1つの正方形を見せた。中には、1つの水晶玉があった。
アイロック「天球のシールドは魔法の呪文を唱えない限り、決して破れない。オジョヴォックスの天球だよ。」
ソレント「その名を出すな。」
アイロック「分かった。」
ソレント「よし。此奴はお前が一先ず持っていろ。必要になったら連絡する。良いな?」
モニターを操作し、アイロックに何かを渡した。
ソレント「それとは別に、頼みたい仕事がある。」
渡された物をモニターで見る。
アイロック「ああ、パーシヴァルね。それにタツヤとアイリスと言う賞金稼ぎの姉弟ね。彼奴らを、スコアボードから消せって言うんだろ?」
ソレント「出来そうか?」
アイロック「そうだなぁ・・・奴らは最初の門を潜ったスターだからな。今じゃサンタ並みの人気でアバターが群がってる。」
ソレント「アイロック、幾らならやるんだ?」
アイロック「良いね、単刀直入で。あんたさ、トッツィー・ポップ・キャンディを舐めずにすぐ真ん中を食う口だろ?覚えてるか?あのフクロウのCM。」
ソレント「アイロック。」
アイロック「・・・何時ものギャラの3倍。」
ソレント「良いだろう。」
アイロック「え、マジ?5倍って言えば良かった。4倍でどうだ?」
スコアボードにはトップ7の名前。
4番がアルテミスなのは納得。パーシヴァル、タツヤ、アイリスが逆走してゴールして行くのが見えたのが理由だ。
そして5番はエイチ。誰にも言わない約束でパーシヴァルがヒントをあげた。
だが仲の良いダイトウに漏らしたお陰で、ダイトウもクリアした。
そしてダイトウは、親友のショウにも教えてあげた。ショウは車を駄目にしたが、何とかクリア出来た。ゴールと同時に車が爆発した。
そしてアルテミスが巻物を開く。
アルテミス「自分の作者を嫌う作者・・・鍵は、跳ばなかったジャンプ・・・足跡を辿り、過去から逃れよ・・・」
現実世界。
ウェイド「自分の作者を嫌う作者・・・鍵は、跳ばなかったジャンプ・・・足跡を辿り、過去から逃れよ・・・」
ホテル。
ケイタロウ「さすれば翡翠の鍵は汝の物・・・」
マナ「自分の作品を嫌う作者って居るのかな・・・?」
ケイタロウ「待てよ?何処かで聞いた事があったような・・・」
そしてウェイドは、壁に貼ってあるハリデーの写真や記事を見る。その中には、モローと女性との2ショット写真があった。その横にある記事には、『訃報 カレン・アンダーウッド・モロー』と書かれてあった。
ウェイド「過去から逃れよ・・・どの過去から逃れたいんだよ?ハリデー。」
「NEXT」