ヒカルと佐為と知らない幼馴染   作:ウメタロ

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第十四話

 

「よし、設定完了!」

『ついにここから始まるのですね』

何やら感慨深げな二人。

「始まるってお前とハクはもう始まってるけどな…!!」

ジト目で佐為を見つめるヒカルであった。

『あら、そうでしたね、ホホホ』

「まぁそれはいいとして、俺のネット碁は今日から始まるぜ!!」

IDはHika 最初は大文字にするということでヒカルは少し大人になっていたのだ。

 

「さぁ〜てと、とりあえず一局打つかぁ」

腕を軽く回しながらヒカルは呟いたところであっ!とあることに気づいたのであった。

「zelda…和谷いんじゃーん! これはいっちょ揉んでやるか」

ニシシと笑ったヒカルであるが、

『あまり酷なことはするべきではありませんよ?』 佐為に釘を刺され、

「そんな酷いことはしねぇよ、指導碁指導碁」と思い直したのであった、本当はコテンパンにしてやりたい気持ちがヒカルにはあったようだ。

 

zeldaに対局申し込みをして承諾をもらったヒカルは、よぉし久々に和谷と打てるなぁと懐かしむように碁に興じた。

 

「この頃の和谷ってもっと弱いかと思ったけど、意外とあの時より強くなってね?」

なんでだろう?と頭を悩ましているヒカルであったが、kuroshiroとsaiの存在がネット碁そのもののレベルを上げていたからに他ならないのであった。

それでも変わらず指導碁のままなのはヒカルがそれだけ高い棋力を持つことの証左といえる。

 

「よし!こんなところか、にしても和谷強くなってんなぁ、こりゃプロ試験前の時より早く受かるんじゃね?」

『どうでしょうねぇ』と佐為と話ししていると、ピコンとチャットが飛んできた。

「シドウゴアリガトウゴザイマシタ、マタウッテイタダケナイデショウカ?」

「おぉ!指導碁って気づいたかぁ!」

そういって返信しようとしたヒカルだが、いや待て!出来るだけ匿名でと、みんなで相談したはずだと己を戒めて、チャットを閉じたのであった。

『賢明ですよヒカル、前のヒカルがヒカルだっただけに…』

「うっせーやい!」少し恥ずかしげに佐為に言い返すヒカルであった。

 

そうして相手を探していると、kuroshiroがいつもの如くいたのでこりゃ対局だな! ヒカルは思ったが、対局中なのと、もっとヒカルの中でsai対kuroshiroを超える演出がしたかったのでまた後にすることにした。

 

「佐為、見てろよ!お前の時よりもっと人が集まってる時に良い対局しちゃうもんねぇ!」 ふっふっふと、何やらねじ曲がった思考をし出している弟子を見ている気がするが、自分が先に全力で対局しただけに申し訳ないので何も言わず扇子を口に当て、他所を見る師匠がそこにはいた。

さらに相手を探していると、Akira

 

恐らく塔矢アキラだろう、この前の研究会で打ってやれなかったからなぁ、と何故か罪悪感を持ったヒカルは打ってあげることにした…。

こちらも指導碁でいくつもりだったが、電話により相手が置石を所望してきたので、そちら側にシフトすることにした。

「名人に比べるとまだまだ受けと捌きが甘いよなぁ」とアキラの地を無情にも侵食していくヒカルだが、それに必死で食らいつくアキラを見て、「なんだかんだでこいつ天才だよなぁ…」と呟いた、『この歳でここまで打てるようになっているとは驚きですね』

やはり囲碁というのは面白い、自分たち、いや、kuroshiroという存在が和谷やアキラひいては全国の碁打ちをレベルアップさせてると思うと、やっぱりハクという存在が二人の中でさらに大きくなるのを感じるのであった。

 

「きっと碁の神様はハクを超えろって意味で、俺たちをここに来させたんじゃねぇかなって思うんだけど、佐為はどう思う?」

クルッと椅子を体ごと佐為のほうに回しながらヒカルは言う。

『私はね、ヒカル、また貴方に会えただけで、それだけで嬉しいのです。 これ以上神様に望むのは強欲というものでしょう…』

「なんだよ…それ…」

少し涙ぐみながらお互い湿っぽい空気になる。

「でもハクとうちてぇだろ?」

そんな湿っぽい空気を吹き飛ばすかの如く、ニカッと笑うヒカル

『はいーー 打ちたいですぅ!!』

その意を察して佐為も明るくつとめた。

「でも次kuroshiroと打つのは俺ーーー!!!」

『ヒカルッッ ひどいッッ!!!』

ガッハッハと笑顔と怨嗟と吐き気が混じったひと時だったが、二人にとっては幸せなひと時だった。

 

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