「あかりーーーー!!!」
そうヒカルの叫びが聞こえるのはあかりからしたらわかりきったことだった。
「ヒカル〜いつ治るかなんてわからないわよぉ!」
私に聞いてもしょうがないじゃないというあかり。
「だってよぉ……」
理由は簡単、ハクが碁に興味をなくしてしまったからだ。
「ヒカル!囲碁は置いておいて外で遊ぼうよ」
普段からは想像もつかないほどのアクティブさでヒカルを遊びに誘うハク。
『しかし妙ですねぇ、妖にでも憑かれてるのでしょうか?』
佐為も自分の知識をフル動員した結果そう言った答えに至ったが、
「佐為! そんな怖いこと言うのやめてよね!」
本人に一蹴されてしまった。
しかしヒカルが
「そうだよ、お祓いいこうぜお祓い!」
佐為ナイスアイデアー!とヒカル
「お祓いなんて小さい頃に行き飽きたよ、むしろ碁を面白いと思ってる時の方が、今の僕にとってはよっぽど妖にでも憑かれてるよ!」
「だ、だめだこりゃ…」『これは…だめですねぇ』
治る日を待つしかないと観念したヒカルと佐為なのであった。
そうして中学生活が始まりを告げた頃、ヒカルは考え事をしていた。
『ヒカルどうしたのです?』
(うーん、今回院生になるか、プロ試験そのまま受けるか悩むんだよなぁ…)
『ヒカルの腕では院生はいささか無理があるかと…』
(だよなぁ)机に左に突っ伏していたのを右に変え。
(でも伊角さんや和谷達にまた会いてぇしなぁ…)
(家族を説得するにも院生が1番楽だしなぁ…)
『とりあえず院生試験を受けてみるというのはどうです?』
(それだ!)ガバッとおきあがり
(出たとこ勝負でいくかぁ!)
「次の方どうぞー」
「はい!失礼します!」
とっとことっとこ、ストンと篠田師範の目の前に座るヒカル
「君が進藤ヒカル君だね、塔矢名人から話は聞いています」
(なんですと!?)
そんな話はしてないはずなのに…。
あっ院生になるかプロ試験を受けるか、みたいな話は、そういえば前の研究会でしたなぁ…。
「正直君の実力で院生に来られると非常に困る…」
篠田師範も眉を曲げ困った顔。
「だけど塔矢名人に頼まれた手前それも無下にできない…」
「提出してもらった棋譜に問題は強すぎるということ以外ないからね」
あちゃとした顔のヒカル
「特別措置ですが、条件付きで院生になることを認めましょう」
「やったぁ!!」
「進藤君喜ぶのはまだ早いですよ。
君に一つの条件を言い渡します、弱者を嬲るような碁を打たないこと、これだけです」
「へ?それだけでいいんですか?」
狐につままれたような顔のヒカル
「それだけでいいです、実力のほどはどう隠したってバレてしまうものでしょうからね」
「あ、二つ目のこれもつけようか、二つ、私の指導碁を手伝うこと」
「院生研修が終わった後の指導碁を君に手伝ってもらいたい」
全然それくらいだったらやります!とブンブン縦に首を振っているヒカル
「よかった、それならば君の院生試験は合格です! 来週からきてください」
「いっやったぁぁぁぁーー!!」『やりましたねぇヒカル!』
(これで和谷たちに会える…!)
「ちょうど帰りだから少し顔合わせしていこうか」
「はい!」と篠田師範についていった。
「あ!わ」 (危ねぇ!)
「あわ?」どうしたんだよ?何か言いたいことあったのか?
目の前に和谷が出てきたので急に呼びそうなのを堪えたヒカルであった。
「なんでもないです」そう絞り出すと
「受かった?」 和谷が聞く
「受かった!」ヒカルが答える
「おーこの子受かったってよぉ」
ざわざわ うぉーなど歓声が上がりつつ、
「これからよろしくな、俺は和谷、こっちは伊角さん」
「来週からお世話になります進藤ヒカルです、よろしくお願いします」ぺこりと頭を下げた。
みんな口々によろしくーといっていた。
(院生生活これから楽しみだな佐為!)
『ええ、ここにいる者達をみっちり鍛えましょう』佐為はもう院生達を鍛える気満々らしい…。