プロ試験の結果は言うまでもなく、ヒカルが全勝、塔矢アキラが1敗と順当な結果になった。
その中で三人目は中山という外来が受かったのである。
奈瀬は中山、伊角とプレーオフまでもつれこんだが、そこで力尽きたのか、プレーオフで負けてしまった。
あと一歩だっただけに悔しい敗戦であった。
奈瀬は泣きに泣いた、泣きに泣いたあと、来年こそはという思いを新たにしたのであった。
その頃には、ハクも戻ってきていたため、奈瀬をみんなで慰めていた。
「惜しかったねぇ、でもよく頑張ったと思うよ」
ハクが奈瀬を慰める。
「ありがとうございます、師匠、師匠の教えがなかったらここまでこれませんでした」
確かにそうだな、とヒカルは思った。
それまでの奈瀬は碁会所巡りをしていたから、前の世界よりは強かったが、まだ明らかにプロになるには足りない強さだったからだ。
それがプロ試験中は教えが受けられなかったとはいえ、プロ試験までの教えでここまで奈瀬が強くなるとは…、これにはヒカルも佐為もハクの指導力の高さに驚いていた。
「来年にはきっとプロになれるよ!」あかりの慰めに、「ありがとう」と返す奈瀬。
「それじゃあ、これで僕の教えは終わりかな」そう言ったハクに奈瀬は驚いた。
「何をいってるんですか!?師匠!これからもよろしくお願いします」そう改めて挨拶するの奈瀬。
「プロ試験の大事な時に教えてあげられなかった、ひどい師匠でもいいのかい?」悲しく聞き返すハク。
「何いってるんですか! 私はそれを覚悟で弟子になったんです、後悔なんてしていません!
また来年もよろしくお願いします!」有無を言わせず奈瀬が頼み込む。
「それじゃあまたよろしくね」控えめにハクが言った。
そして時は流れ、合同表彰式が行われた。
その中に新初段である、進藤ヒカル、塔矢アキラは、新初段授与式にでるため控えていた。
「そういえばまだ言ってなかったよな、塔矢、プロ合格おめでとう」ヒカルから急に言われびっくりするアキラ。
「あぁ、ありがとう、面と向かって言われるのはこれが初めてだな…、進藤こそ、プロ全勝合格おめでとう」全勝と付け加えてお返ししてやったつもりのアキラだが、ヒカルには通用しなかったようだ。
「おーん、まぁこんなもんだよな」
そうぼーっとしていたヒカルであったが、そんな中塔矢行洋がこちらにきて、
「進藤君、アキラ、二人ともプロ合格おめでとう」 「「ありがとうございます」」
ヒカルは至って自然に、アキラは父にいわれ少し緊張しながら言った。
「進藤君、君とは次の新初段シリーズで打たせてもらうことになったから、それを伝えようと思ってね」
えっ!?、となったヒカルである。
「公式の手合いまで、待てなくてね、天野さんに頼んでしまったよ」ハハハと、行洋。
「いいんですか?本気でやっても?」そう目が鋭くなったヒカルに対し、行洋も鋭くなり
「もちろん」と返した。
「楽しみです」そうヒカルが言うと、行洋も「私もだ」と二人して笑い合っていた。
アキラは隣で、いつかは自分もこの二人の前に立つ、と覚悟を新たにしていたのであった。
プロ試験編を期待していた方々に申し訳ないと、お詫びを…。
正直プロ試験編を最初からやるとなると勝ち星の計算から何からしなくてはいけなくて、自分が楽しめて書けないのが嫌だったので、飛ばさせていただきました。
今、楽しめて書けてるかといわれると、非常に微妙なラインだったりします…。
無理しないようにしよう…!