ヒカルと佐為と知らない幼馴染   作:ウメタロ

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おかげさまで30話まで来ることができました。
見ていただいた方にお礼と、今更ながらネット碁でのヒカル対佐為をお送りします。
本当に今更ながらになってるけど大丈夫だろうか…?



第三十話

進藤ヒカルと佐為にとっては大事な1日がやってきた。

Hika対saiが実現するのである。

ハクの家でsaiを佐為の指示でハクに打ってもらうという手順。

佐為が側にいないという久々の感覚を味わっているヒカルだが、負けるわけにはいかないと奮起している。

何故なら、この一局でkuroshiroに一番近いのはどちらかが決まるのだ。

「ヒカルー、準備はいいかい?」

「おう」と気合十分のヒカル。

「佐為も準備はいいかな?」

『はい』こちらも気合十分である。

じゃあ対局申請送るねっとハクがいい、ヒカルはそれを受け取り対局が始まった。

 

「なんか新鮮だなぁ」とハク。

『そうですね、私も虎次郎とヒカル以外の人に打ってもらうのは初めてですから、新鮮です』と佐為。

二人して和気あいあいと打ってるのに対し、ヒカルは一人黙々と打っていた。

久々の感覚、佐為がいなくなってから、自分一人で打ってきた感覚、それが今取り戻ってきている感じがした。

そんな中ヒカルが仕掛けた、

『むっ』と佐為もヒカルが仕掛けてきたのを感じ取った。

ハクもそれがわかり、できる限り邪魔をしないよう黙ることにした。

佐為は感動していた。

(ヒカル…本当に強くなりましたね、今では私と対等に打ち合う立場になっている、並々ならぬ努力をしたのでしょう。 しかしまだ負ける気はありません!)

佐為はヒカルに対し、応手を打つと、今度はヒカルが「むぅ」っと唸った。

(やっぱり佐為はつえぇや、でも俺だって前の世界では本因坊を名乗ってたんだ、もう佐為に見守られてたころの子供じゃないんだよ)

そうしてヒカルもまた一手を返していった。

 

お互いが一手一手を打ち合っている中、ハクもまた新鮮な思いでこの対局を見ていた。

(なるほど、ヒカルはこうやって佐為が打ってるのを見てたんだ、これは勉強になるなぁ)

この対局でハクも吸収するべきものがあると感じて、吸収していくのであった。

 

そうしてヒカルと佐為の対局も終盤になり、

「……くぅーー、投了!」との声が響き渡った。

「あと一目半〜〜……」嘆くヒカル。

『ふぅ…いい碁でしたねヒカル、ハクにも感謝します』とやりきった感ある佐為。

ハクも「勉強になったよ」と佐為と話している。

「もう一局!!」とのヒカルの声。

せっかくここまで用意したんだし、とことんやったら?とハク。

『そうですね、受けて立ちましょう』と続けてあと二局やることになり、その二局も一勝一敗で、結局はsaiの勝ち越しで終わったのであった。

 

「あ〜負け越しちまったけど、楽しかったなぁ」というヒカルに対して、

『やはりこういった公式の場でやるとまた一味違っていいですねぇ』という佐為

「今日は楽しかったよ、また次のHika対saiが楽しみだね」とハクがつなげた。

「当然次もやるに決まってらい!」kuroshiroを一番に追っているのは自分だとどうしても証明したいヒカルなのであった。

そんなヒカルを尻目に『ハク! 次はいつやりましょうか?』とハクと相談している佐為がいて、ヒカルがずりぃ!と叫んだ。

『ずるいとはなんです、私が勝ち越したんですから、次kuroshiroと打つのは私ですよ!』勝者に言われてはぐうの音もでないヒカルであった。

 

 


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