ヒカルと佐為は歓喜した! なぜならば朝一緒に登校している幼馴染が帰ってきたからだ!
具体的にどう帰ってきたかというと、ハクがまた碁の本を読み出したのである。
「ほらねヒカル、また囲碁に夢中になり始めたでしょ?」
ヒカルに何回も確認されたあかりはどうだ!と言わんばかりに胸を張った。
「うおおおおおお! ハク帰ってきたのか!!」
「なんだよ、帰ってきたって…、前と逆になってね?ヒカル?」
歓喜しているヒカルを若干気味悪そうに見るハク
「まぁまぁいいじゃん! それよりも今日学校終わったら碁打とーぜ!」
囲碁にハマってくれたことが嬉しかったのか、ハクもそれ以上は気にせず
「いいよいいよ! 打とうよ!」
と返してきたので、あかりも
「あたしも行く~~!」
と言ったので放課後はハクの家に集まることになったのだった。
放課後ハクの家に集まると、ヒカルは素早く参考になりそうな囲碁の本を品定めし、
「ハク! これ借りてくなーー!」
遠慮せずにバッグにまずは押し込むヒカル
「もーーーヒカルったら!! ハク、ごめんね」
あかりが代わりに謝るが気にせずハクは
「いいよ! だってヒカルが碁にハマってくれたからこれから一緒に打てるから本くらいいくらでも貸すよ」
といって意に介さなかった。
(しめた! これで棋力が上がった言い訳ができる)
としたり顔のヒカル、そして新しい様々な碁の本が見れる~~~!!と歓喜している佐為
あかりと碁を打っているハクを見ているヒカルと佐為
(しかしハクも良い指導碁打つよなぁ)
「本当に丁寧な指導碁を打ちますねぇ」
あかりに対して非常に丁寧な指導碁をうつハクに感心する二人であった。
「よし、こんなところかな、あかりもちゃんとした碁が打てるようになってきたね」
嬉しそうにいうハクと嬉しそうなあかりに少し嫉妬したヒカルは
「次は俺とだーー!」
待ってましたと言わんばかりに身を乗り出していった。
「そんなにあわてなくてもちゃんとヒカルと打つから大丈夫だよ」
「置石はなしだったよね?」
「あったりめーよ!」
ヒカルは意気込んで、前よりちょっと上手くなったふりをして、打つことにした。
「くっそーーーまた負けたぁ!」
頭を抱えているヒカル
「やっぱヒカル天才だよ」
「ちょっと教えただけでこんなにうてるようになるなんて…」
ハクは感嘆しているようであった。
「お前に勝てないんじゃ意味ないやい!」
そういつものように負け惜しみを言っているヒカルなのだが、段々とその言葉は本心に近いものになってきていてもどかしくなっていた。
「もうヒカルのお爺ちゃんにも勝ったんだろ? ヒカルのお爺ちゃんってアマでも強い方だから、お前院生になれるんじゃねぇの?」
そうハクはまくし立てるが、ヒカルはふと思い立って
「俺がその院生だかなんだかになれるんだったら、ハクはもうプロになれるんじゃねぇの?」
と将来のことについて探りを入れてみることにした。
「僕はダメだよ…どうしても囲碁を打ちたくなくなる時期とかがあるから…プロになったらそんなこと言ってられないでしょ? だから趣味のままでいいんだ…」
今までで一番哀しそうな目をしたハクに対して、ヒカルはしまったと思い
「ごめんな…」
謝るしかなかった…。
あかりも悲しい顔をしているが、気を取り直したように、そんなことより碁を打とうよ!と気を利かして沈んだ空気をとうにかしてくれようとした。
それに対してヒカルも佐為もハクもやっぱあかりはいい子だなっと感じたのである。
そうして三人いや四人は帰りの時間まで囲碁を打ち続けた。