あっ!と思い立ったのはあくる日のこと、ヒカルは碁の本をほっぽり出し、バッグの中を漁った、子供囲碁大会の日である。
「…行きたくねぇ…!」
必ず塔矢アキラが来ることはわかっているが故に面倒なヒカルなのである。
「ですがここまできたら行くしかないのでは?」
佐為はある意味塔矢アキラに責任を果たさねばならないのでは?とヒカルに諭した。
「そりゃそうなんだけどさぁ…これから付きまとわれるとなると億劫で…」
まるで老人のようなことを言うヒカルに佐為はちょっとおかしくなってしまった。
「ですが今回はヒカルが指導碁を打ったことにより、少なからず違う影響があるのでは?」ということで、やはり子供囲碁大会に行くことにした。
子供囲碁大会は活気に満ち溢れていた。
佐為も二回目ではあるとはいえ、やはりこれだけの子供達が囲碁に夢中になっているのを見て嬉しそうである。
それだけでもやっぱり来たかいはあったなぁと思えたヒカルなのであった。
「さすがに前回のようなポカはしないようにしないとな」
ということで傍観を決め込んでいるヒカルはひとしきり楽しんだ後、外で待つことに決めた。
すると塔矢アキラが全力でダッシュしてきて、「進藤!進藤ヒカル!」
息を切らしながら迫ってきた、
「おぉ塔矢か、どうしたん?子供囲碁大会に参加しにきたの? あいにくだがもう終わっちまったぜ?」
さも偶然を装ってヒカルが問う、
「君は参加したのかい?」
「いんや、見学だけしにきた、なんかあったの?」
「その、君とまた打ちたくて、もしかしたらここで会えるかと思ってきたんだ」
「おう、なら打つか? でも俺金ないから席料支払えないぜ?」
回避できるもんならしたいとおもったが、
「席料なんていらないよ、僕と打ってほしい!」
やっぱ打つことになるかぁと諦めムードのヒカルは結局ついて行くことにした。
そしていつもの碁会所にたどり着いたので、打つことにした。
アキラは大分検討をしていたようで、前より腕は上げたが、それでもまだヒカルの足元にも及ばなかった、しかし確実に成長を実感した碁ではあった。
「いい碁だったよ、また縁があったら打とう」
そう言って帰ろうとおもった時にアキラがふと、ヒカルに問いかけた、
「君はプロになるのか?」
その問いに少し考えたあとヒカルは
「プロにはなると思うけど、いつかはわからねぇな」
そんな玉虫色の発言に塔矢は急に声を大きくした
「じゃあプロ試験を受ける時は教えてくれないか? 君が受ける時に僕も受けるよ!」
えぇーーっと戸惑いを隠せないヒカル
「いいじゃん塔矢はとっととプロになれば、俺には俺のやりたいことがあんの!」
「そのやりたいことっていうのはなんだ!? 教えてくれ!」
まためんどくさくなりそうだなぁとおもったヒカルは、トンズラをこくことにきめた。
「そんなプライベートなことまだ知り合って間もないのに聞くなよ! とにかく俺には俺のやりたいがあるの!」
じゃあな!っと逃げるように碁会所を出ていった。