転輪の夢想   作:ドライグ

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2022年 11月6日 16:30

デスゲームの開始が宣告された

これにより約2年間、とあるプレイヤーによってこのゲームがクリアされるまで多くのプレイヤーがこの世界の中に閉じ込められ、そして消えていった

この事件は世界に震撼を与え、やがて遺恨として人々の記憶に刻まれることとなる










これはその世界の一人の剣士が歩んだ軌跡の史伝(クロニクル)

光と影が生まれ、交差し、そして螺旋する





さあ、歓喜せよ! 謳歌せよ! 括目せよ!

汝の往く先は、■■だ!







序章
プロローグ


 

 

 

 

 

いつからだっただろう

誰かを手助けすることに意義を見出したのは

 

物心ついたとき、いや、それよりもっと前から、ふとした時になぜだか心苦しくなった

だからだろうか、”一日一善”なんてキレイごとを心掛けるようになっていた

 

でも、目立つのが得意ではなかったから小さな行動しかとれなかった

それでもそんな些細なことをすると、なんだか心が軽くなったように思えた

 

時には一部の人にその行動のことで敬遠されたこともあったが、反対にこの行動によって地域や学校でも十分に交友関係を築け、あまり孤立することなく生活を送れた

そして自然と生まれつきの内気な性格も和らいでいった

 

だが、今日形だけでま平和なこの世界では、そんな善行の真似事ができる機会は日に日に少なくなっていった

そんなこともあって自分に使える時間は歳を重ねるごとに増えていった

 

だからこそ、その出会いは必然だったのだろう

とある”本”と出遭うのは――――――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「..ー....ん........に......ん..........ちゃん..........にーちゃん!」

 

暗がりの部屋に元気な声が響く。

シャッ、という音と共に部屋全体に光が満たされる。

薄く目を開けると視界全体に女の子の顔が広がる。

 

「おっはよー!朝だよー!早く起きないと朝のたんれん?に遅れるよー」

 

普通寝起きに女の子の顔が広がっていれば飛び上がって驚くかもしれないが、もう何回も経験したからか今ではもうこの対応にも慣れ普通に対応できるようになった。

......まあ、起こされることに慣れすぎて、たまに一人で起きられない時があるのが少し問題ではあるが

 

「分かった、今行くよ」

 

その返事に満足したようで、そのまま部屋を出て階段を下りていく音が聞こえた。

窓から入る光に当たりながら体を起こし、ぐっとひとつ伸びをする。

 

まだ少しだけ微睡みつつ自室から一階へと降りる。すでにテーブルには最近では珍しい紙媒体の新聞を開いて読んでいる父、そしてさっき起こしに来てくれた少女がこちらを見つめてにこにこしながら椅子に座って足をばたつかせている。キッチンからは何かを焼いている匂いが漂っている。

おはよう、と台所にいる母にも聞こえるよう声をかけると三者三様の返事が返ってくる。それを聞きつつ、そのままリビングを抜け、目を覚ますために洗面所で顔を洗いに行く。水を掬って顔に掛けると、冷たさと共に意識がクリアになり、今日もここで生きているのだ(・・・・・・・)ともう何度目か分からない認識をする。

 

再びリビングに戻り席に着くと、ちょうど朝ご飯が運ばれてきた。すべて配膳され母が席に着くと、父は新聞を閉じ、隣に座る少女もまた足を動かすのを止める。

そして皆一様にいただきます、と口にし、食べ始める。

これが俺の家――――鳴坂家のごく普通の朝食風景だ。

 

 

 

 

 

俺自身、つまり自我ともいえるものが目覚めたのは今より少し前、ある姉妹に出会った時だった。いや、目覚めたというより思い出したといった方が正しいのかもしれない。

 

 

ある日両親と共に住宅街を歩いていると、とある家族が目に入った。その家族のうちの姉妹を見た瞬間、強い既視感を覚えると同時に激しい痛みが頭に押し寄せ、そしてプツリと意識が途切れた。

 

次に目が覚めた時、鼻を衝くにおいとともに見慣れない天井が視界に映った。寝起きで少し頭がぼやけていてここが何処なのかも分からなかったが、自分が何を思い出したのかだけははっきりと理解していた。

 

目覚めてから少し経つと両親が病室に入ってきた。暗い表情を浮かべながら病室に入ってきた母は、目が覚めた俺を見るやいなや破顔し、そして涙を浮かべながら抱きしめてきた。母の後に続いて入ってきた父も、母のように抱きしめてくることはなかったが、後ろでほっと息をついていた。

 

母が落ち着いた後話を聞くと、自分はあの時突然頭を抱えて地面に倒れたらしく、すぐに救急車で運ばれたらしい。かなり高い熱も出ていたようで、命にかかわることではなかったらしいが一日中目を覚まさず、不安だったようだ。

今思えば気絶したのはおそらく、その一日の間に脳が記憶を整理してたのだと思う。

何せ人間1人分の記憶約三十年分(・・・・・・・・・・・・・)が頭の中に入り込んできたのだから。

 

だが、その日起こった転換点と言うべき出来事はこれだけでは終わらなかった。

再び扉が開く音がすると親と子どもと思われる四人組が入ってきた。そのうちの二人は意識を失う時に見かけた姉妹だった。改めて見ると姉妹のうち妹に対し、やはりどこか引っ掛かるものがあった。そんなことを考えているうちにどうやら親同士の挨拶が終わったらしく、相手さんの親から娘たちの紹介をされた。

 

 

その時聞いた名前への衝撃を、多分俺は一生忘れることはないだろう。

紺野(こんの)木綿季(ゆうき)と紺野藍子(らんこ)という名前を。

 

 

そして、母に自分のことを和人と紹介された時、自分がただ昔のこと(・・・・)を思い出したわけではないのだと、欠けていたパーツが合わさりすべてが確信へと変わったのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

この世界はライトノベル『ソードアート・オンライン』の物語の中

 

原作で深く語られることのなかった主人公(・・・)の過去において、既に乖離したこの出会いが何をもたらすのか

 

この時の俺には全く想像などついてはいなかった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

――――《■■》の発現、および発動を確認

――――同時に保護プログラムを解除

――――これをもって未来は不確定となりました

――――これより■■■■の観測を開始します

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




まず閲覧に感謝を。

序章が終わるまで今日を合わせ4日間、夜9時半に投稿します。
できればプロローグから三話まで読んでもらってから、この作品が自分に合うか合わないかを判断してもらえればなと思います。
もうこの段階で話してしまいますが本編、つまり原作一巻からの話はリアルでいろんなことが重なることもあって、早くても3月末から投稿となります。
この作品が少しでも面白いな、と感じていただけたら誠に勝手ですが待っていただけると幸いです。


......アニメ3期4クールの熱に耐えられなかったんや


※1 構成を一部変更しました。内容に変化はありません。(10/10)
※2 一部表記を変更しました。内容に大きな変化はありません。(11/4)
※3 再推敲し、脱字を消すなどしてより読みやすくなるよう編集しました。(1/21)
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