・現世侵攻が原作より1ヶ月遅れています
・織姫がさらわれた後一護達は1ヶ月修行していたという設定です
この2つに注意して読んでね☆
今回は藍染様の愉悦が爆発する。
「「「ドッキリ?」」」
「そう、ドッキリだ」
「死神に対してドッキリをするとはどういうことでしょうか」
ザエルアポロ達の困惑も仕方ないと言えるだろう、藍染だってたった今思いついたのだから。
「私はこのまま計画を中止したと彼らに伝えてもいいと思っていたんだよ、だがその時思ったんだ『それじゃあ面白くない』とね」
今藍染が求めているのは楽しさと面白さだ。護廷十三隊に計画の中止を宣言するのは簡単だがそれでは面白くない、藍染は彼らが偽空座町を用意し、そこで自分達を打とうとしていることを知っている。そこで皆が集まっているところで計画の中止を宣言すればさぞ面白いことになるだろうと考えたのである。
だがそこには障害が一つあった。
「ウルキオラ、捕らえてきた人間の女の子はどうしてる」
そう、前に藍染がウルキオラ達に命じて捕らえさせてきた井上織姫のことだ。藍染の予想が正しければ彼女を救いに黒崎一護と死神数名がこの虚圏にやってくるだろう、それでは皆が集まっているところでドッキリをするという計画が狂ってしまう。
「今は藍染様の命令通り部屋にいると思いますが」
「誰にも手は出させていないな」
「はい、傷一つつけていません」
それはいいことだ、彼女に傷をつけていれば黒崎一護達の怒りは大きかっただろうから。そこでいい案を思いついた藍染、彼女を救いにやってくるのなら彼女でおびき寄せればいいじゃないと。
☆☆☆☆☆☆
ここ偽空座町に護廷十三隊の隊長格、
現世侵攻の際に井上織姫を連れてきてあげようという藍染の宣言により一護達の虚圏への織姫救出作戦は中止となり、結果ここに護廷十三隊の隊長格が勢揃いすることとなった。そこで一護は思う、どうしてわざわざ井上を連れてくる必要があるのかと。見た目で誤解されがちだが一護の頭の回転は速い、故に藍染の行動に不信感を持っていた。だがそこでその思考は打ち切られる、突如として
「やあ、こうしてみると壮観だね、ここまでの戦力が一同に集まっているのは」
こいつが井上をさらっていったのかと怒りがこみ上げ、藍染に怒鳴ろうとするがある声に遮られる。
「まさかそちらは三人で来たのではあるまいの藍染惣右介」
「これはこれは元気そうで何よりだ山本元柳斎」
「ほざけ貴様を倒すのはワシだということを知らんのか」
そんなやり取りの直後その二人から霊圧が溢れ出す、それも思わず膝をつきそうになるほどの強大な霊圧が。
「それは楽しみだ、それと先程の質問に答えようかここに来たのは———」
そういう藍染の後ろに
「———我々の最大戦力達だ」
「藍染、井上は何処にいる!」
「やあ久しぶりだね黒崎一護、そんなに彼女が大事かい、ウルキオラ」
そう藍染が命令すると井上が連れて来られる。
「く、黒崎君……」
「井上!藍染、井上に手は出していないだろうな!」
だが藍染はその問いに答えない、ただ意味深な笑みを浮かべるのみだ。それにじれた一護は井上に直接問いかける。
「井上、こいつらに何かされてないか!」
「あの…えっと…その……」
だが井上は困惑した様子でその問いに答えることができない、それを何かされたのだととった一護は藍染に怒りを向ける。
「藍染!井上に何しやがった!」
「待って黒崎君…その……」
井上が何か静止しているようだが怒りで頭に血の登った一護には聞こえない。そして藍染はその笑みを深め遂に口を開く。
「ふふふ…ウルキオラ彼女の一日のスケジュールを」
「はい」
頭に血が上っていた一護だがそのやり取りに冷静さを取り戻す、なんかスケジュールとか聞こえなかったかと。
「8時に起床、朝の準備を済ませ8時半から皆で集まって朝食、朝食後から12時半までは自由時間、主に虚夜宮内のジムやゲームセンター、部屋に備え付けの漫画やテレビなどで過ごす。12時半からはまたみんなで集まって昼食、ここ最近はバイキング形式が多い。昼食後からはまた自由時間、午前と同じように過ごすことが多いが最近は仲良くなった破面達の部屋に行くことが増えた。15時におやつを挟み20時に夕食、ちなみに昨日はカレーを3回お代わりした。そして23時には就寝、夜更かしは許さない。運動会などの日には日程は変わる、以上です」
「というわけだ分かってくれたかな?」
「そ、そういうことだから黒崎君……何もされてないよ?」
ツッコミたい、果てしなくツッコミたい、今の自分の顔はさぞ可笑しなことになっているだろう、そこまで困惑していた。ちなみにそれを聞いていた他の面々もとんでもなく複雑な表情をしている。その絵面に藍染はニヤニヤし、市丸は腹を抱えて爆笑している。
ツッコミたいところは山ほどあるが、まずなんなんだそのスケジュールは快適すぎるだろう、8時に起床で23時に就寝の9時間睡眠だ健康的である。それに皆でご飯を食べるとか仲良しすぎないか、あの濃ゆい面々が一つのテーブルで食事をする、想像出来ない、というか普通のご飯を食べていることに驚きなのだが。それに虚夜宮という所にジムやゲームセンターが有るとはどういうことなのだろうか、特にゲームセンターに関しては電気はどこから持ってきているのだろう。更に運動会をしているらしい、井上も参加したのだろうか、井上のブルマ……一護の鼻から鼻血が吹き出す、存外ムッツリなのかもしれない。
「そいつらにいじめられたりしてないか?」
「う、うん最初は怖かったけどある日から突然優しくなって……そうだご飯は美味しかったよ!」
聞きたいのはそこじゃない、忘れていたが井上は天然だった。もう一護には何が何だかわからない、頭は既にショート寸前である。そんな一護に代わり浦原が藍染に問う。浦原も初めは困惑していた様子だったがそこは天才いち早く回復したようだ。
「虚圏も愉快になってますね〜アタシも遊びにいきたいくらいッス」
そんないつも通りに緩い感じを出しているが真剣な顔となる。
「それで崩玉はどこにある」
「浦原喜助かまた会えて嬉しいよ、そういえばあれは君が開発したものだったね気になるのも仕方ないかな」
「そうっスね、あれはアタシにもあなたにも制御できるものではない封印すべきものッス」
「あんなに便利なものを封印するべきだというのかな?天才の名が泣くぞ、事実私はあれを有効活用している」
今までのやり取りで初めて浦原の顔に動揺の色が出る、自分が制御できなかった崩玉を制御できたという言葉に驚愕しているのだろう。
「それは気になるッスね、どうやって利用してるッスか」
「今現在、虚夜宮内の全電力は崩玉で賄われている、あれは万能でね水を生み出すことにも成功した。全くあんなに便利なものに100年以上も気づかなかったとは私も君もまだまだだったということかな」
やれやれとでも言いたげな藍染に浦原は言葉をなくす、心情的には、なんと言ったんだこいつは、と言った所だろうか。
「そ、それじゃあ崩玉はその虚夜宮という所にあるってことですか」
「その通りだ、今も元気に電力を供給してくれているはずだ。一応言っておくが返さないからな、もうあれ無しでは生活できない」
「アナタは崩玉を完成させることが目的だったはずですが、それは成功したんですか」
そうだ藍染は崩玉を完成させることが本来の目的だったはずだ、決して今の使い方ではない。
「もちろんそれは成功させた、崩玉に私の意思を伝えたら同調してくれてね、君の崩玉と私の崩玉は融合し完全体となったのだ。そして今は更に虚夜宮と融合している」
ドヤ、とでも言いたげな顔だとてつもなく殴りたい衝動にかられる。
「それでは王鍵の創成はどうするつもりですか」
「それも中止だめんどくさい」
藍染とはこんなキャラだっただろうか、前にあった時はこうもっと威圧感があって底知れなさで溢れていたはずだ。だが今はどうだ、なんだか前に比べて随分と緩くなっている。今日の最初はその霊圧に寒気が立ったが、今はその霊圧を疑うくらいだ。
「それではここに何をしに来た藍染惣右介」
そこに山本総隊長の静かにかつ重々しい声が響く。そうだ王鍵の創成をしないのならここに来る必要はなかったはずだ、それでは何故ここに現れたのだろうか、井上を返すだけに来たとは考えにくい。
「いい質問だね山本元柳斎、それではその質問に答えてあげるとしようか。皆準備を」
そう藍染が言うと今まで後ろに控えていた10人の破面達が空間から巨大な紙を取り出し広げる。そこには無駄に達筆な文字で
『計画中止』
と書かれてあった。それに皆が呆けていると何かが破裂したような音が響く、そちらを見るとクラッカーを持った藍染達がいた。
「そういうことだ驚いてくれたかな、山本元柳斎、浦原喜助、君達のそんな顔が見れて私はとても満足している」
そう言う藍染はほくほく顔だ、皆をびっくりさせることができて本当に楽しいのだろう。よく見ると破面達にもニヤニヤしているものが数名いる、それを見ると一護はだんだん怒りがこみ上げてきた。
「てめー今更中止って何だよ、こちとらお前を倒すために必死で修行してきたのに、しかもその虚夜宮っつうところで快適に暮らしやがってよー、お前ら俺が血反吐吐いてる時にそんな悠々自適に暮らしてたのか!」
自分でも何を言っているかわからない一護の目には切実な思いのこもった涙が見える。それはそうだろう打倒藍染を目標に修行してきたのに、その相手がいきなり計画を中止にすると言ってきたのだから。
「どうして計画を中止にしたのか聞いてもいいっすかね」
その疑問も当然と言ったら当然だ、少し前までは王鍵の創成に力を注いでいたはずだ、何故こんなことになってしまったのか。
「そうか私としたことがうっかりしていたよ、まだ理由を話していなかったね。私が計画を中止にしたのはだるかったからだよ、以前ギン達にも話したが……」
その全ての理由を聞き終わった時にその場にいた藍染達以外の者の思ったことが『何だそりゃ』である。100年以上かけてやってきた計画を気分で中止にするとはとてつもなく予想外だったからだ。普通に考えてそこまで手間をかけて計画したものを気分で中止など絶対にしない、それもあの藍染惣右介だったならば尚更だ。
一護は藍染のことはあまり知っているわけではないが、ここまで綿密な計画を立てたものがそんな人間(死神)でないことくらいは分かる。一護でさえそうなのだから付き合いの長かった他の面々の困惑は一護の比ではないだろう。
「たったそれだけの理由で計画を中止にしたと申すのか!」
我に返った山本総隊長が藍染に問う、藍染の性格をよく知っていると思っていただけにさしもの山本総隊長も動揺を隠せていない。そして問われた藍染だが何だか様子がおかしい。
「たったそれだけの理由?私が計画を中止にする理由をたったそれだけの理由だと言うのか!」
そう言う藍染から膨大な霊圧がほとばしる。
「私はずっと優等生を演じてきた、君達に計画を悟らせないためにも。本当の自分を抑えているのだから当然ストレスは溜まる。隊長の執務室くらいではゆっくりできると思っていたのに雛森君が子犬みたいに付きまとってくるから少しも気を抜けない。隊長となる前は平子真子の奔放さに振り回されっぱなしで、平子真子が
「そんな私が虚圏で初めて余暇を手に入れた。それはまさしく私にとっては麻薬のようなものだった、それを君はたったそれだけのことと言うのか!」
「お、おうすまんかった」
そう叫ぶ藍染の目には涙が、そんなにも追い詰められていたのか。流石の山本総隊長も同情して素が出たみたいになっている。
それを聞いた平子と雛森はきまりが悪そうな顔だ、それもそうだろう自分の行いがあの藍染をここまで言わせるまでも追い詰めていたのだから。
「なんか落とし前つけさせたろ思うとったけど気の毒すぎるわ、ていうか俺の方が謝らんばちゃうか?」
「ふう、いろんなことを吐き出したらスッキリしたよ、平子真子も構わない過ぎ去ったことは仕方ないのだから。というわけで私はこれからは虚夜宮でニートしていくことにするよ。そうだ黒崎一護、織姫君を受け取りたまえ」
晴れ晴れとした表情の藍染はそう言うと井上を一護の方に放り投げた。それにビックリした一護がすぐさま井上を抱きとめる。
「織姫君、私たちはいつでも君を歓迎する、偶に遊びに来るといい」
「は…はいお邪魔します!」
いつの間にそんなに仲良くなったのだろうかと一護は少し嫉妬する。
だがそうあっさりとは終わらない、帰ろうとする藍染に斬りかかる影が一つ。
「そんなつれねーこと言うなよ、少しは遊んで行こーぜ」
護廷一隊きっての戦闘狂更木剣八である、そもそもここまでおとなしくしていた方が不思議だったくらいなのだ。
「ノイトラ」
「おっしゃー」
そんな剣八を遮る十刃が1人。
「なんだ〜てめーは!」
「
そう言うと二人は何合か打ち合う。
「てめーとは気が合いそうだな」
「そうか俺もそう思うぜ、今度虚圏に遊びに来いよ、そこでまた戦おうぜ」
そう言うとノイトラはその大きな斬魄刀で剣八を吹き飛ばし
「では今日のところはここでお暇させて頂こう。もしこちらに遊びに来るのなら盛大にもてなそうじゃないか、君達が来る頃には更に施設は充実していることだろう。また会う時を楽しみにしている」
最後に特大の爆弾をぶち込んで藍染は帰っていった。
……え、遊びに行く?誰が?
「そうだプレゼントをするのを忘れていたよ、受け取りたまえ」
そう藍染が
「生体反応を見つけては襲いかかるように訓練してある、中々丈夫だから精々頑張りたまえ」
それを聞く余裕のあるものはいない。
「総隊長、それはマズイですって!」
「
「総隊長ーーーー!!??」
後悔も反省もしていない。藍染様は疲れていたんです!だからそれを護廷一三隊にぶつけただけなんです!責めないでやって下さい!
そして総隊長エェ、あの後の惨状を見ていた藍染様は最高の愉悦を感じてました。