現世侵攻……ダルイ……   作:食べかけのピザ

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評価バーに色がついてるー!お気に入りが300件超えてるー!と狂喜乱舞している食べかけのピザです。いやー皆様のおかげで私も書くのが楽しいです、ありがとうございます!

しかし設定の甘さと誤字の多さに取り敢えず自分を殴っていました。

それはさておき最新話です楽しんでくれたらうれしいな!


日常
五刃.浦原喜助との決闘!?


ここ空座町にある浦原商店、店長の浦原喜助が営むこの店にはいつも通り平和な時間が流れていた。

 

「いや〜平和ッスね〜」

「そうじゃの〜」

 

店長の浦原は店の奥にある座敷で人型となっている夜一と一緒にお茶をすすっている。今日は同居者の握菱鉄裁も外出しており、(ウルル)もじん太も友達と一緒に遊びに出かけている。普段から客が多いわけではないので日頃はこのように茶をすすっている事が多いのだ。

 

前日の藍染による現世侵攻の際、藍染の謎の心変わりにより戦闘が起きる事がなく、けが人も出なくて特に事後処理などもなかったのですぐにいつもの平和を取り戻していた。それに浦原達に対する嫌疑も晴れたのでコソコソする必要もなく、今まで以上にこの日常を満喫していた。だがその平和は一瞬で打ち砕かれることとなる。

 

不意に店の戸が開く音がし、今日は特に商売の方も入っていなかったので、近所の子供が駄菓子でも買いに来たのかと思い駄菓子屋の店長モードで対応に出る。

 

「はいは〜い、今行きますよっと」

「いや、そこにいてもらって構わないよ」

 

あれ、なんか今ここにはいてはいけない筈の声が聞こえなかったかと、恐る恐るその声の主を確認する。

 

「やあ久しぶりだね、遊びに来たよ浦原喜助」

 

そこに居たのは予想通り前日衝撃発言をしたばかりの藍染惣右介、その姿に今日の平和がガラガラと音を立てて崩れていくのを感じたのだった。

 

 

☆☆☆☆☆☆

 

 

「どうぞお茶です」

「ああ済まないね、ふむなかなか良い茶葉を使っているじゃないか」

 

今浦原の前にちゃぶ台を挟んで座っているのはあの藍染惣右介だ、最初は全力で現実逃避していたのだが諦めて座敷に通し今に至る。ちなみに夜一は浦原の後ろの壁にもたれかかり藍染の挙動を観察している。

 

「ところで今日は何をしに来たっスか?何の目的もなく僕に会いに来たわけではないんでしょう」

「そうだね、それでは本題に入ろうか」

 

お茶を楽しんでいるようだった藍染の顔が急に引き締まり、その変わりように浦原と夜一は身構える。

 

「浦原喜助、今日は君に私と決闘をしてもらおうと思ってね」

 

『決闘』その言葉に浦原は仕込み刀を引き寄せ、夜一は構えを取る。だがそんな2人の様子に藍染はどこ吹く風だ。

 

「決闘とは穏やかじゃないっスね、前日はもう戦うのはやめると言った筈ッスけど」

「ふふふ、せっかちな男は嫌われるぞ、私みたいにもっと余裕を持って構えなくては」

「それは無理な話っスね、特にあなたが相手では」

 

何処までも余裕綽々の藍染の態度に浦原は焦りを感じ、夜一はいつでもとびかかれる体勢に入る。

 

「全く人の話は最後まで聞けと教えられなかったのかね、決闘は決闘でも今日はこれで勝負をしようと思ってきたんだよ」

 

そう言うと藍染は自らの懐に手を入れる。その動作に2人は警戒心を高める。果たして藍染の懐から出てきたのは……

 

「今日は将棋で戦おうじゃないか」

「はい!?」

 

将棋盤と駒一式だった、だが言いたい事が1つある。

 

"何でそれが懐に入っていた!"

 

 

☆☆☆☆☆☆

 

 

聞くところによると、今、虚夜宮(ラス・ノーチェス)内で将棋が流行っているらしい。いろんな娯楽品を集めて虚夜宮内の娯楽室にボードゲームなどを置いたところ、将棋が人気となり空前の将棋ブームが来ていると言う事だ。

 

だが将棋と言ったら純粋な知能戦、虚夜宮内で藍染とまともに渡り合える者がいない。幹部の1人に辛うじて食らいつくものはいるらしいが藍染が苦戦するほどの領域には達していない。故に自分と知能戦で渡り合えるものはただ1人だと思いあたり、浦原と将棋で勝負をするためにここに足を運んだと言う事だ。

 

「え〜っと、要するに相手がいなくてつまらないからアタシと勝負をしに訪ねてきたって事で良いっスかね?」

「その通りだ、全く話が速いじゃないか、さあ早く始めるとしようもちろん将棋くらい嗜んでいるだろう」

 

これはどうしたものかと浦原は考える。尸魂界(ソウルソサエティ)においては藍染は現世侵攻を辞めたとはいえ皆は半信半疑の状態だ、また心変わりした藍染が攻めてくるのではないかと危惧している。そんな時に自分と将棋をしている事がバレたら、また修復された仲に亀裂が入りかねない、そうなるとまたコソコソしなければならないだろう、そうなる事は極力避けたいのだ。

 

「負けるのが悔しいのなら始めにそう言いたまえ、手加減はしてあげよう」

「言ったっスね、アタシが負けるとでも」

 

突然の手のひら返しである。浦原は自分が他の者よりも頭が良いのは知っているがそれを鼻にかけるような事はしない、しかし明らかに自分が頭脳において下に見られているこの発言は許せなかった。

 

「おい喜助、何で此奴の挑発に載っとるのじゃ、らしくないぞ!」

「夜一サン、ここだけは負けてはいけないとアタシの中のなにかが囁いているんスよ」

「よく言った浦原喜助、それでこそ男だ」

「やかましい!お主は黙っておれ、喜助しっかりせい」

 

夜一が何か話しかけているようだが目の前の相手を倒すことを決めた浦原には聞こえない。今浦原の頭の中にあるのは自分を下に見た藍染に一泡吹かせることだけだ、いつもの冷静な浦原は何処にもいない。

 

「さあ、駒を並べましょうか」

「そうだね、私も君との優劣を早くつけたいからね」

 

 

 

そうやって駒を並べていた浦原だったがふとあることに気が付いた。

 

「この駒も将棋盤も結構値が張るものじゃないっスか?」

 

そう、駒も将棋盤もここにあるものと比べて明らかに上等品なのだ。

 

「良いところに気がついたね、その通りこれらは最高級品だからさ」

「はえ〜それじゃあ結構お高いんじゃないっスか、お金はどうしたので?」

「企業秘密さ」

 

そう笑う藍染に浦原は寒気を覚える、これはこれ以上詮索しない方が身のためだろう。そうしているうちに駒を並べ終わる。

 

「さあどちらの頭脳が上かはっきりさせようじゃないか」

「前アタシの方が上だと言ったのは藍染サンですけどね」

「はて、記憶にないな?それはさておき先手は譲ろうじゃないか」

「それじゃあお言葉に甘えまして……」

 

1手目…「成る程そうきたか」

 

10手目…「ほう…そうくるっスか」

 

23手目…「それは悪手なんじゃないかい」

「それはどうっスかね」

 

40手目…「まさかあの時の手か!」

「言ったでしょう」

 

65手目…「…何かがおかしい」

『流石に気づくのが早いな』

 

80手目…「この歩が邪魔だな」

 

101手目…「あの発言はブラフっスか!」

「フフフ……」

 

 

そして天才同士の一進一退の攻防は続き……

 

153手目…「…投了っス…」

 

 

ここに勝敗は決した、その結果に藍染は緊張の汗を流しながらも濁りのない満面の笑みを浮かべ、対して浦原は項垂れている。実は浦原表にはあまり出していなかったが自分の方が藍染より上だと内心思っていた、だが結果はこれだもう浦原の心はブルーを通り越してブラックだ。

 

「私は今未だ嘗てないほどの充実感に満ちている。これほどまで心が晴れたのはニート生活が決定した時以来だ」

 

その言葉に浦原はさらに落ち込む、自分に勝つこととニート生活は同等の価値だったのかと。

 

「ありがとう浦原喜助、君のおかげで私はまた1つ高みに登れた、感謝している。しかし君は本当に強かった、故に君を私の最大の好敵手(ライバル)だと認め、これからは喜助と呼ぶことにしよう」

 

どうしてそうなった、そう思う浦原だがあまりのショックにまだ立ち直れていない。しかし突然頰に痛みが走り、気がつくと壁に打ち付けられていた。

 

「しっかりせんか喜助!負けたなら次勝てばいいだけじゃろうが!」

 

そうだ自分はたとえ実験で失敗しても挫けなかったじゃないか、そう昔のことを思い出し奮起する、今回負けたのなら次に勝てばいいのだと。

 

「有難うございます夜一サン、さて藍染サンもう一局お願いできますかね」

「美しい友情じゃないか、もちろん受けよう、そしてその決意を打ち砕いてあげようじゃないか」

 

 

☆☆☆☆☆☆

 

 

もうそろそろ日が落ちそうになる時間帯、2人の集中力は本日最高である。二局目において見事勝利をもぎ取った浦原は歓喜した、しかし負けず嫌いの藍染がそこにもう一局申し込み決着の一局が始まったのである。始めは見学していた夜一だったが今は猫モードで浦原の横で眠っている。

 

そしてその対局は段々とヒートアップしていく、2人からは霊圧がほとばしり近くにいた虚がその霊圧に当てられ蒸発した。遊びから帰ってきた(ウルル)とじん太もその霊圧によって店に近づけない、そんな状況で呑気に寝ている夜一とは一体何者なのだろうか。

 

しかしその緊張感は突如として霧散する。藍染の持っていた携帯が鳴ったからだ。

 

「失礼…ああ…わかった」

「どうしたんですか?」

「虚夜宮でトラブルが起こってね、その対処のために帰らなくてはならない。実に残念だが今日のところはここまでとさせて頂こう。また別の日に決着を付けるとしようか」

「それじゃあ仕方ないっスね、分かりましたまた別の日に勝負に来てください」

 

そう2人はがっしりと握手を交わし互いの健闘を称え合う、もうこの2人は好敵手(ライバル)なのだから。そこで夜一が眼を覚ます。

 

「ふわ〜なんじゃもう終わったのか、ん?まだ終わっとらんではないか」

「それがですね夜一サン、藍染サンに急用が入ったそうなので今日のところはここまでにしようとなったところなんですよ」

「そうか、では終わったところで有利だったのはどっちだったんじゃ?」

「アタシですね(私だ)」

 

2人の声が重なる、どちらとも今有利な状況なのは自分の方だと思っていたようだ。それに浦原は反論する。

 

「馬鹿言っちゃいけませんよ藍染サン、よく見てください、アタシはこの角から攻勢に出られたんですよ」

「そちらの方こそ何を見てるんだい、こちらは金によって君の陣形を崩すことができたのだが」

 

そう2人はにらみ合いまた盤の前に座ろうとする。それに焦ったのは夜一だ、やっと藍染が帰ってくれると思ったのにこの調子ではまだまだ続きそうだからだ。

 

「ほれ藍染、お主は用ができたのじゃろう、早う帰らねば皆が困っておるぞ。喜助も喜助じゃ、このままでは雨とじん太が帰ってこれないではないか」

 

それを聞いた2人はバツが悪そうな顔をし、同時に舌打ちをする。

 

「次は徹底的に叩きのめしてあげよう」

「それはこっちのセリフっスね」

 

そして藍染はやっと帰っていった、そこに雨とじん太が示し合わせたように帰ってくる。夜一の言う通り2人の霊圧により帰ってこれなかったのだろう。それに浦原はすまなさそうな顔をする。

 

「いやーすいません、ここまで熱中したのは久しぶりでしてねー」

「別にいいけどよ〜、なんなんだあのすげー霊圧のおっさんは」

 

『おっさん』その言葉に浦原と夜一は同時に吹き出し、藍染は謎の不快感に襲われた。

 

 

☆☆☆☆☆☆

 

 

虚夜宮に帰り崩玉トラブルを解決した藍染は娯楽室においてザエルアポロと対局をしていた。

 

「藍染様、また一段と強くなっておられませんか?」

「そうかい、確かにそうかもしれないな」

 

確かに藍染の力量は上がっていた。浦原とギリギリの勝負を演出した結果、その先読みの力が伸びていたのだ。

 

「今日、将棋において私は敗北してしまってね」

「は?」

 

藍染が敗北した、その事実にザエルアポロの手が止まり、信じられないものを見る目で藍染を凝視している。

 

「藍染様が敗北なされたと?」

「その通りだ、あの浦原喜助にね」

「浦原喜助と言うと、前藍染様がおっしゃられていた唯一藍染様の頭脳を超えるという死神のことですか?」

「そうだ」

 

藍染から見てザエルアポロは目に見えて狼狽している。それほどまで藍染の敗北が信じられなかったのだろうか。

 

「藍染様が将棋で敗北なされたとは……」

「そんなに信じられないかい?しかしこれで私も完璧ではないと証明された、これは素晴らしいことだよ」

 

この藍染のセリフにザエルアポロは首を傾げている、藍染の言っていることの真意が掴めないのだろう。

 

「私はまだまだ高みに登れる、もうそんなことに興味はないと思っていたが本能は抑えられないようだ。そのためにとことん付き合ってもらうぞ喜助」

 

その時浦原はなんとも言い表しようのない寒気を感じたのだった。

 

 

 

 

 




えー藍染様たちが対局中に結構喋ってますがあまり気にしない方向でお願いします。(そうしないと対局が書けなかったのです)


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