アラヤ社に退職金を求めるのは間違っているだろうか   作:夢泉

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 プレイヤー名を「バゼット」にして、
 サポート欄を、
 オール:ギルガメッシュ 凸目覚め前
 セイバー:アルトリア 凸投影魔術
 アーチャー:エミヤ 凸ガンド
 ランサー:クーフーリン 凸マグダラ
 ライダー:メドゥーサ イマジナリアラウンド
 キャスター:メディア 凸毒蛇一芸
 アサシン:呪腕 五百年の妄執
 バーサーカー:ヘラクレス 緑の破音
 エクストラ:    凸封印指定執行者

 BGN『この世全ての悪』

 さーてフレポ大量召喚の結果は?

 宝具5になったよ、しゃるる=アンリ=さんそんとかいうアサシンがね。
 はっはっは。☆0が実装されてるなんて幻想だったのさ☆





メインキャスト紹介───或いは、奇跡のような再会

 

 

 広大な地下迷宮、通称ダンジョン。迷宮都市オラリオ。冒険者。神。ファミリア。

 ここは、魔法が常識的に蔓延る世界。

 神がいて、モンスターがいる、我々の世界の平行世界でもなければ剪定事象でもない世界。

 “ファミリア”とは、下界に降りた神が恩恵(ファルナ)と引き替えに、人々を集めて組織するもの。個々のファミリアは主である神の名を冠す。

 冒険者系が最も多いが、商業系、製作系、医療系、果ては国家系なども存在。

 規模や功績によりギルドなる機関からランク付けされている。

 ────アンリマユの説明を纏めるならばこんなところか。

 先程の【アンリマユ・ファミリア】という言葉から察するに、この目の前の悪魔はファミリアを統べる「主神」とやらになったのだろう。

 わかった。何一つわからないということを完璧に理解した。それはいい。よくないけれど、これからわかっていこう。世界の滅茶苦茶具合にはもう慣れた。

 

 だが────。

 

「なんでさ!?」

 

「どうしたんだい?急に大声を出したりして」

 

「なんで爺さんがいるのさ!?」

 

 今目の前で私と会話しているのは、何を隠そう養父の衛宮切嗣だ。髪が白くなって肌は黒っぽいけれど見間違える筈もない。

 私の口調が未熟者のそれになってしまっているのは甚だ不本意であり、先程から思考の冷静な部分がずっと止めるように訴えているのだが、それは無理な話であろう。

 出会い頭に「士郎かい?」なんて言われて、「たとえどんなに姿が変わろうと、息子のことがわからないわけないだろう?」とまで言われてしまったら、無理だ。感情の防波堤は決壊してしまった。

 

「その口調、やっぱり士郎なんだね……こんなになるまで……本当に、よく頑張ったね、お疲れさま」

 

 そう言って。彼は私の頭を撫でる。

 昔もこんな風に撫でられた気がする。

 磨耗して、どういう経緯であったのか、一回なのか数回なのか、何一つ思い出せないけれど。

 身長の高低は逆転し、姿は余りにも変質してしまったけれど。

 不思議なことに、その感触が昔と寸分違わないものだと断言できた。

 

「ぁ……」

 

 目の奥が熱い。この感覚は何の感覚だっただろうか。

 涙ではないと思う。そんなものはとうの昔に枯れ果てた筈だ。

 

「そんな、俺は、間違えて、それで……」

 

 衛宮切嗣の理想を受け嗣いで、至った果てが殺戮兵器だった。彼にだけはこの姿を見られたくなかった。

 悔しいのか、悲しいのか、そのどちらも含んでいるようでもあり、そのどちらとも違うようにも思う。

 自分でも自分の感情が解らなくて。でも、その感情は無視するには余りにも大きすぎて。

 必死に抑えようとしても意味をなさず、何か熱いものが頬を濡らしていく。

 

「………士郎、大丈夫だよ。大丈夫」

 

 何が大丈夫なのか、どうして大丈夫なのか、彼は何も言わなかった。

 無理に聞き出そうとしないでくれているのが有り難かった。

 話術も策謀も無い。脈絡もなければ、説得するに足る証拠もない。だというのに、その短い言葉だけでこの上なく安心できた。

 彼は私の事情を全て知っているのかもしれないし、知らないのかもしれない。どうでもいいことだ。どちらにせよ、彼の思いやりに嘘偽りが無いという事実は揺るがないのだから。

 今は、今だけは。難しい事は何も考えず、この安らぎに包まれ、暖かさに溺れていたかった。

 

 

 

  ▣

 

 

「僕がどうしてこうしているのか、だったね」

 

 どれくらい頭を撫でられていたのだろう。

 暫くして、彼はここに至った経緯を話始めた。

 

「士郎は人理修復の戦いを覚えているかい?」

 

「記憶ではないが、記録としては残っているよ」

 

「うん、そこに僕───いや、あえて衛宮切嗣と言おうか。衛宮切嗣が召喚されていたことは?」

 

「ふむ…あぁ、そんな記録もあるな………だが、あれは、」

 

 そういえば、今の彼の容姿はあの英霊の容姿そのものだ。

 しかし、あれは平行世界の存在で、衛宮士郎を知らなかった存在であった筈であるし、何よりあの守護者は人理修復が成されれば、

 

「うん、あれは僕じゃない。あれは人理焼却という異常事態に際して世界が産み出したイレギュラーだ。人理が修復されれば消える存在だった」

 

 そう、あれはそういう存在だった筈である。であれば、今目の前にいる彼は一体────

 

「エミヤキリツグも消滅すること事態に文句はなかっただろうし、守護者の枠からエミヤキリツグの存在は消された。けどね、世界が何をどう思ったのかは知らないけれど、あの守護者の“殻”だけ残していたようなんだよ」

 

「“殻”だけ…?」

 

「僕もよくは解らないけれど、知識や感情のようなものだけ消滅させたみたいなんだよね。それで、残ったものに僕を、つまりはシロウの“衛宮切嗣”の記憶とかを注ぎ込んだらしいんだ」

 

「どういうことだ…?そんな事に労力を割く余裕も意味も無いだろうに……」

 

 まるで理解できない。気紛れというには余りにも手が込んでいる。

 幾ら憶測を重ねても答えは出てこない。

 

「世界の意思なんて個人に解るわけないし、考えるだけ無駄さ」

 

 お手上げだとでもいうように肩を竦めて切嗣は言う。確かにその通りだ。

 ふと、切嗣は優しく微笑んで、「ただ、」と続けた。

 

「こうして再会できた。僕はそれだけでこれ以上ないほどに幸せだよ」

 

「……っ!」

 

 あぁ、そうか。

 

「ははっ…そうだな、爺さん」

 

 解らないことだらけだが、それでも、今こうして爺さんに再会できた。今はその事実で充分過ぎる。

 

「いや~、メデタイメデタイ。ンで、感動の再会中に悪いんだけど、アチラ、鉛色の大英雄注意報ってネ♪気張れよ御二人サン」

 

「は……?」

 

 アンリマユが指差す方を見る。

 そこには。

 

「シーーロウーーーーーーー‼」

「■■■■■■■■━━━━!!」

 

 鉛色の巨人が、

 見覚えのある少女を抱えて、

 鷹の眼など無くとも悠々視認できる距離のところを、

 豪快な土煙を置き去りに、

 こちらに向かって、

 全力疾走していた。

 

「イ、イリヤ!?」

「な、イリヤスフィール!?バーサーカー!?な、ちょ、待っ……‼」

 

 まずい。何がまずいってこのままだとぶつかる。軽く音速に達していそうな速さの、2メートル越えの半神とぶつかる。タイガー道場まっしぐらだ。

 

 アイアスを展開───駄目だ間に合わない!

 

「やっちゃえ、バーサーカー!!」

「■■■■■■■■━━━━!!!!!!」

「うわああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあ!!!!!????」

「爺さんっ!?」

 

 状況を説明しよう。

 爺さんが飛ばされた。

 爺さんだけが、的確に、まるで狙い済ましたように吹き飛ばされた。

 視認した限り、恐らく風圧で吹き飛ばされただけではあるが、物凄いスピードで、まるで一切の躊躇いが無かったかのように吹き飛ばされた。

 

 それから暫く、養父と義姉の間の溝(想像以上に深かった)を埋めるのにかなりの時間を費やすことになった。

 アンリマユは、二人の仲(といってもイリヤが一方的に怒っているだけ)を修繕しようと腐心する私をずっとニヤニヤと眺めていた。うん、主神だかなんだか知らないが、絶対に尊敬なんかしてやらないからな俺は。

 

 

 

 

 

   ▣

 

 

 

 イリヤの話を纏めるとこうだ。

 

 第五次聖杯戦争終盤、彼女は聖杯を閉じることとなったという。本来ならばそれで終わりだった筈だが、気付いたらここにいたそうである。

 人間とホムンクルスの間に生まれた存在として既に特別だった彼女が、『聖杯』として第三魔法に触れ、高次の存在となったが故に来ることが出来たのであろう、とアンリマユは語った。

 因みに、聖杯として英霊エミヤの魂を収めた際に私の事は何から何まで把握済みだという。なんでさ。

 そんな経緯を説明した後、「貴方はシロウ。たとえ誰が否定しても、あなた自身が拒んだって、貴方は私の可愛い弟なのよ」と慈愛に満ちた声音で言われてしまって、本日二回目の涙を流し──そうになってしまったのは余談である。泣いてなんていないからな。いいか、そんなに何度も泣いていないからな。

 

「しかし、なぜバーサーカーが……?」

 

「それ説明すると長くなるから追い追いな。さっき言ったろ?人類史最後にして最大のプレゼントってさ。もうパパっと説明してハイソーデスカーってなるレベル越えてンだよ。英霊何人も送るとかスケールでかすぎ」 

 

「そうか……。なら、なぜそんなにお前は詳しいんだ?」

 

 もう散々理解不能なことが起きていたので、アンリマユの言葉を驚くほど抵抗なく受け入れてしまった。

 だが、彼が何故それほど詳しいのか。これだけは知っておく必要がありそうだったので聞いてみると。

 

「聖杯から供給される知識みたいな感じだ。俺はツアーガイドみたいなモノなんだろうさ。といっても、持ってる情報は粗方出しちまったけどな」

 

 そういって悪魔は、そうあれと役目を押し付けられたただの人間はニシシと笑った。

 

「そうか………まて。先程、“何人も”の英霊が送られたと言わなかったか?まさか、バーサーカーだけではない、のか……?」

 

「ニシシ、御明察~。さぁさぁ、アチラをご覧あれ。この舞台のメインキャストの御紹介ってね!」

 

 アンリマユは、まるでどこかのサーカス団の司会のように恭しく頭を下げ、手をオーバーに振って一方向を指し示した。

 つられてそちらを見れば、そこには────

 

「よぉ、久しいな弓兵。早速だが死合おうぜ?何時かの四日間みてーによ」

 

 飄々とした軽い口調で決闘を申し込んでくるのは、全身青タイツの槍兵。

 

「それは良い。ますらお二人の戦に水を差す無粋を承知で尋ねるが、その死合、某も混じえては貰えぬだろうか?」

 

 これまた決闘に沸き立つ戦闘マニアは、剣技だけで魔法の域に至った暗殺者。

 

「お久しぶりです」

 

 手短に言って軽く会釈をするのは、バイザーで視界を封じた妖艶な美女。

 

「はぁ…どいつもこいつも…脳筋ばかりね……あ、久しぶりね坊や」

 

 溜め息をついて呆れているのは、神代の魔女。

 

「これこれ、ランサー殿に小次郎殿。少しは落ち着いてはどうですかな?決闘の機会であれば後で幾らでも用意できるでしょう。

 弓兵殿、お久しぶりにございますな」

 

 戦闘マニア二人を抑えているのは、白い髑髏の仮面に黒いマントの暗殺者。

 

 そして──── 

 

「アーチャー…いえ、シロウ」

 

 そこには、青と銀の甲冑を着た見目麗しい少女剣士がいた。

 嘗て愛した女性、地獄に落ちても忘れないと思った憧憬が立っていた。

 

「私の鞘。いつかの私、どこかの私が果たせなかった誓いを此処に。

 

 今度こそ、我が身は貴方の剣となり、貴方を護り抜きましょう」 

 

「ぁ…そんな、セイバーに皆、どうして……?」

 

 まただ。一度泣いて涙腺がおかしくでもなったのか、また何かが込み上げてきて、最早抵抗の意思すらなく溢れた。

 なんで。

 どうして。

 目の前には憧れ続けた憧憬達がいる。

 目指し続けた綺羅星達が此方に笑いかけ、手を伸ばしている。 

 

「ケケケ、いいねェ最ッ高の反応だ。ハッピーサプライズはこうでなきゃな」

 

「待てぇええええええええぃ!!!!」 

 

 すると、辺り一帯に聞き覚えのある声が響き渡る。

 

「何故これ程面白そうな展開に我を呼ばん!

 ラスボスたる我抜きで第五次を語ろうとは笑止千万!アラヤめ、次会うことがあればエアで吹き飛ばしてくれるわ!」

 

 人類最古の英雄。王の中の王。通称金ぴかが、空中に生えていた(・・・・・)

 空間に裂け目のようなものが出来ていて、そこから上半身だけ出して上から目線で喚いている。

 

「ちーす英雄王。アンタはお呼ばれされてなかった筈なンだけどな?」 

 

「は!世界の壁などこの我の前には紙切れ同然よ!我が歩みを止めることは出来はしないわ!」

 

 傲岸不遜に笑いながら王は言う。

 ウネウネと、妙ちくりんな動きで這い出てこようとしながら言う。

 

「ケケ、自力で来ちゃったってワケか。アンタ、俺らの目的わかってんの?」 

 

「そこな贋作者に褒美を与えるのであろう?」

 

 這いずり出終わった英雄王は、アンリマユの問いに、さっきまでとは打って変わって真面目な顔で言う。 

 どういうことだ?英雄王は私の事を嫌っていた筈だが……。そもそも、話の流れから考えるに、彼の英雄達が集まっているのは……いや、まさかな。こんな私のために彼ら彼女らが態々来てくれるわけがないだろう。

 

「わかってんのかよ。益々わかんねえなァ…アンタそういうの興味なさそうだし…第一、アイツのこと嫌いなんだろ?」

 

「戯け。先のない消滅と未だ見ぬ娯楽。どちらを獲るかなど決まっておろうが。我は我のために────」

 

 なるほど。彼らもそういう理由で来たのか、それならば納得だ。

 私は一人、ギルガメッシュの言葉で納得しいた。

 

「さーさー行こうぜ。あ、テメェは目的違うようだし独りで勝手にやってろよーじゃあなー」

 

 だが、ランサーがその言葉を途中で遮ってしまう。

 

「待てぇぇぇぇい!まだ話は終わっておらぬわ‼そこに娯楽があるのなら貴様らに手を貸してやらんことも───」

 

 またもギルガメッシュが吼えるが、

 

「ささ、行きましょう。シロウ、早速ですが何か作ってください。お腹が空きました」

 

 凛とした声がそれを遮る。どうやら私をご指名のようだ。

 

「全く…君は変わらんなセイバー。それと私はアイツではない。呼び方には気を付けてくれ」

 

 このセイバーの“衛宮士郎”と“私”は平行世界の存在だ。私では彼女には相応しくない。

 

「む?それはどういうことですかシロウ!その言い方はまるで私の食い意地が張っているようではありませんか⁉」

 

 しかし、彼女の呼び方は一行に変わらない。

 

「さらっとスルーしないでくれないかね⁉」

 

「あら、ボウヤのご飯久しぶりね。また色々と教えてくれないかしら?」

 

 すると、コルキスの魔女がそんな事を言って話に入ってきて。

 それを皮切りに、並みいる英雄が、義姉が、養父が「食べたい食べたい」と言ってきて。

 

「我を無視するなぁぁぁぁぁぁぁ!!!!えぇい、仲間外れとか貴様らそれでも英雄か!!我も仲間に入れろ、贋作者の飯を食わせろぉぉぉぉぉぉっ!!!!!!」

 

 未知の世界は解らないことだらけではある。

 だが、何はともあれ、騒がしくなることだけは確実だろう。

 

 

 

 

 そして、良くも悪くも退屈だけはしないだろう。

 

 

 

 

 

 

 

「ニヒヒ、楽しそうじゃねェかオニーサマ。さ~て、今日の飯は何かね~?」

 

 これは、正義の味方が歩み、悪魔が記す、

 ───【眷族の物語】(ファミリア・ミイス)───

 

 

 

 

 

 

 

 




 取り合えずこれで終了。
 書きたいけれど、忙しくて書けそうにないのです。
 現実が一段落したら、連載したいとは思ってます。
 感想お待ちしております。


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