緑谷出久、鼠と共にヒーローを目指します!   作:血糊

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明けましておめでとうございます。血糊です。タイトルから不謹慎です。

三匹のおっさんというドラマを見ましたがめっちゃ面白かったです。

お昼と轟の昔話
あと謎の忍者と遭遇する出久の話。
そしてまたクロスオーバー追加。
5000字突破したぐだぐだ文章ですが楽しんでくれるとありがたいです。
はい、本編いきます。



嗤う忍者にはクリーチャーきたる。

油断してボロだしたために興味を引かれたリカバリーガールにより根掘り葉掘り事情を聞かれ、国家機密以外を吐き出すことになった緑谷。

言っちゃいけないことを言わなかっただろうかと食堂に向かう最中でありながら、今にも倒れるのではと誰もが思うような顔でいた。

「あ、おい緑、や・・・どうした、顔色が悪いぞ」

「ああいやヒーロー協会が裏で生物兵器作ってることとか賄賂とか密輸とかに関与してるとかいう情報をリカバリーガールに話さなかったか、な・・・あ」

「・・・なんだって」

「今のは忘れて。お願いだから聞かなかったことにして」

懲りずに油断して緑谷は話しかけてきた轟に国家機密をバラしてしまった。

突然のカミングアウトに轟は耳を疑った。賄賂とか密輸とかよりも、生物兵器という聞きなれない単語にどうしても注意が向いてしまっていた。

ただでさえ悪い顔色をもっと悪くして轟に詰め寄る。

「いや生物兵器ってどういうことだ・・・・・・ん?待てよ・・・?」

「考えないで!さっきの発言忘れて!情報知ってること本部に知られたらシャレにならない!!」

緑谷を実験台にしたのが何者なのか知られたらヒーローの夢がぶっ壊れかねないのである。

何が何でも聞かなかったことにしてもらわねばならない、もしくは麗日と同じく他言無用でいてもらうか・・・

「・・・緑谷」

「なに・・・」

「誰にも言わないから、そのこと話してくれ」

「・・・・・・うん。書類見てもらったほうが早そうだね。それで、轟くんは何か用があったの?」

「ああ、そうだったな。あんまり人には知られたくないから、出来れば人気の無い所でいいか」

「わかった。っと、その前に書類取りに行かせて」

緑谷と轟。珍しい組み合わせなので、周囲の目を引くことになるのだが、なぜか本人たちは気づく素振りすら見せなかった。

 

場所は変わって、裏の道に続く入り口で二人は向かい合っていた。

「それで・・・どうしたの?」

「ああ。こういう話はお前には少し重たい話になるが聞いてもらいたい。なぜかお前には話しておかないといけないって気がしたんだ・・・いや、そこまで深刻な話ってわけじゃないから、構えなくていいぞ」

緑谷が戦闘時と同じように目を細めるのを見て轟はその緊張をほぐそうと微笑を浮かべようとするものの、いかんせんこれから話そうとすることがアレなのでどうしても引きつってしまう。

「・・・無理に笑わなくていいよ。その話、聞かせて」

「っ・・・わかった」

そうして轟が語り始めるのは、彼自身の昔の話。

親であるエンデヴァーはオールマイトを超えるヒーローを作るために金と実績で母親の個性を手に入れるために個性婚をしたこと。

それで複数の子供が生まれて二人の個性が同時に発現したのが自分だということ。

さらには左側の火傷は母親から「お前の左が醜い」と言われ煮え湯をかけられて出来た事も・・・

「それって・・・」

「ああ。酷い話さ。親父のただの自己満足だけで俺は生まれたんだからな・・・」

「マジか・・・にしても。まさかエンデヴァーがDVやってたとは。それで、お父さんとお母さんは離婚したの?」

「え?いやしてないが」

「む・・・ならそれの報復はできるね・・・そういえばウェスカーさんが友人の一人に記者がいるっていってたっけ」

「いやそうじゃないんだ。訴訟起こそうって話じゃない」

「あ、そうなの」

緑谷ってやろうと思えばそういうことも出来るのか・・・と思わず轟は感心してしまう。

地味な見た目して結構凄い人と縁を持ってたりするのだ。緑谷というこの少女は。

「俺は()()()()()は絶対に使わない。右の氷だけでトーナメントを勝ち進む。それだけをお前に知っておいてほしかったんだ」

「・・・・・・そう。あのさ轟くん。ひとつ、気になることがあるんだ」

「気になること?」

「うん。確か轟くんの個性は半冷半燃だったよね。エンデヴァーの個性を使わないって・・・つまりヘルフレイムも使えるの?」

「・・・それがどうした」

「つまり複数の個性を持ってるってこと?」

「ああ。俺の個性は母さんの個性と親父の個性を同時に受け継いでるヤツだから」

「それとヘルフレイムが・・・うーん。なんかおかしい・・・」

轟はそこで緑谷が自分とは認識が少し食い違っていることに気づいた。

「緑谷はなにが言いたいんだ?」

「いやさ、エンデヴァーの個性と轟くんの個性は確かに似てるけど・・・君のその炎は仮に引き継いだものだとしても、もうそれは君自身の力じゃないか。だからエンデヴァーの個性を使わないってことはプラスでヘルフレイムが使えるのかなって。でももう炎が使えるのに同じ炎の個性があるってのが変に感じるんだよ」

「・・・・・・・・・・・・」

緑谷は『半冷半燃=轟焦凍の個性』『ヘルフレイム=エンデヴァーの個性』と考えているということか。

「・・・いや、半燃がヘルフレイムっていうこと?」

今やっと緑谷は気づいたらしい。

「まさか今まで気づかなかったのか」

「・・・ハイ」

なぜ気づかなかったんだと頭を抱える緑谷。それを見ながら、轟はふと気づいた。

 

「(俺の炎と親父の炎は似ていても、違う・・・じゃあ今まで使わなかったのは・・・)」

 

親父の個性じゃなくて、自分の個性だった?

「ごめん。なんか僕、勘違いしてたみたい・・・」

「いや・・・少し一人で考えさせてくれ」

「あ、うん。それじゃこれは渡さなくていいね?」

「渡してくれ」

書類―――クリーチャー・BOWレポートと記されたそれを轟は貰うと、踵を返して会場へと向かっていった。

「・・・もしもこのことをかっちゃんにばらされたら、口封じになるかもね。これ以上洩らすのはご法度だ」

自分への戒めも含めた独り言を、緑谷は呟いた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「やっぱり常に冷静でいるっていうのは大事なことなんだな・・・」

沈んだ面持ちでトボトボと食堂へと足を運ぶ。

そんな緑谷の後ろをういぃぃいぃぃぃん!!!!という異様な音を立てて追う者がいた。

「・・・あのさ。何でついてくるのよ」

「ヒマダカラ!!」

そいつはウィルスだという『T-abyss』とやらに感染したというクリーチャーのようなのだが、なぜかふらっとここに入ってきており、本人曰く暇だから、と緑谷のあとをついてきていた。

「いや見つかったらダメでしょ。あと自我あるんだ?」

「ナゼアルノカハシラン!ミツカッタラクチフウジ」

「それはダメ!!」

そのクリーチャーは一言で言うと、太った水死体みたいなやつだ。多少の衝撃や銃弾による攻撃くらいなら意にも介さず動けそう。宿主であったろう本来の人間の頭部の横には、新しく巨大な口を持つ頭部が出来ている。あと、右腕が巨大なチェーンソーのように変異していて、武装をしている人でも簡単に切り捨てられそうだ。

ちなみに喋ってるのは本来の人間の頭のほうだ。

「口封じはやめて。殺人事件起こすのは忍びない!」

「エー・・・」

「えーじゃない!」

水死体クリーチャーにビシッと指差して吠える緑谷は、まるで悪事を働いた子供を叱る母親にも見える。

はぁ、と大きな溜息をついた時だった。

「・・・・・・?」

「ドーシタ」

「しっ。静かに」

何か・・・聞こえる。

声ではなく、物音だ。水死体クリーチャーのチェーンソー音とは違う、この音は・・・

周りの小さな雑音が邪魔で、よく聞きとれない。

だが見失うな。これは聞き逃すべきではない。必要ない音を意識から追い出せ。極限まで耳を澄ませろ。

目的の音と雑音を切り離せ!!

 

 

 

トン、トン、トン、トン、トン・・・

 

 

 

足音―――上からだ!!

「ナンダー!」

水死体クリーチャーが半ば悲鳴のように叫んだ。

直後、天井のダクトがバン!と蹴り開けられた。

「誰だ!」

「俺は音速のソニック。用件は単刀直入に言おう。緑谷出久という女を殺しに来た」

「僕かよ!」

「む。その()()()()は・・・写真とは少し異なるが、本人なのは間違いな・・・」

「オオッ!メシダァ!」ぎゅぃいいいいいぃいいいいん!!!!

嬉々としてチェーンソーを振り上げ、メェエエエエエデェエエエエエエエエエエ!!!!!と叫びながら音速のソニックと名乗った忍者みたいな人に突進していった。

「うおわああああ!?」

「あ・・・」

なんというか、どうにかなった。

緑谷は水死体クリーチャーの『昼ご飯』を邪魔しないようにささっと立ち去った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして食堂に到着。

「あ、デクちゃん戻ってきた。轟君となにかあったの・・・? 」

「まぁね。でもこれは親しい人にも話せない内容だから」

「思いつめないでね? いつでも相談に乗るから」

「ありがとう、お茶子ちゃん・・・」

信じれる人が居るのは正直言ってありがたいものだ。

麗日は特にこちらの事情を知っているから尚更だ。

 

・・・本当に今更だが、あれほっといてもいいのだろうか。

・・・たぶんどうにかなるだろう。

今、音速のソニックが警備員とあの水死体クリーチャーに追い掛け回され、大ピンチに陥っているとは露知らず、緑谷は考えるのをやめた。

 

そこに峰田と上鳴がやってきた。

「おい緑谷に麗日! なんか相澤先生からとある話が来てんぞ!」

「そうそう。相澤先生を怒らせると怖いから従っておいた方がいいぜ」

「先生が・・・?話って何?」

断るとあの先生が怒るほどの話とはなんだろうか。緑谷は興味が湧いた。

途端、緑谷を除いた三人が目を丸くした。

「ちょ、緑谷!?なんだその耳と尻尾は!?」

「なんかドロッチェみたいだな。ていうか単純に可愛いじゃん!」

「デクちゃん何それ!?いつの間に新しい技習得してたの!?」

「へ?」

皆どうした?緑谷は首をかしげた。

「うっ・・・ん?もしかして緑谷、気づいてないのか?」

「何が」

「マジか・・・麗日、手鏡あるか?」

「手鏡は乙女の必需品だからね!ほらデクちゃんこれ見て」

「うん?・・・・・・!?」

元々の耳が無くなり、頭に従来の耳より大きく、丸いまるで鼠のような耳が生えている。

「足元もね」

「まさか・・・・・・いつの間に」

足元を見れば、床に着くぐらい長くて細い、これまた鼠のような尻尾が垂れているのが目に入った。

「ドロッチェはどこ」

「相澤先生のところにさっき向かってたよ」

「ちょっと話さないといけないなこれは」

「あ、そうだった!先生からの伝達!」

「そうだったね。それで、内容は?」

そしてその内容を聞いたのだが・・・

「・・・・・・・・・・・・」

見事に目が死後一日後の魚みたいになっていた。

そのまま緑谷は何も言わないものの、本人はどう思ってるのかは大体察せた。

何があったんですか、先生。

 

 

 

 

 

「ゥ"ゥ"ゥ"・・・(深く考えるな姫さん。それの深読みは無駄だぞ)」

緑谷たちの頭上。ダクト越しに見ている白い何者かが、呻いた。

しかし、先生の思惑について考え込んでいる緑谷へその声が届くことは無かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

それからお昼も終わりレクリエーションが始まった。が。

なんということだろう。1-A女子全員がチアガール姿で登場していた。

思わず相澤先生が呆れて「なにしてんだ、あいつら・・・」と呟く。

 

その傍らで、何事かを思いついた顔をしたドロッチェが居た。

「なあ先生。ちょいとあることをしたいんだが、いいか?」ドロッチェが言った。

「あること?」

「CD買ってて正解だったな。えーと、プレーヤーはどこだ」

そう言いながらなぜかマントのなかを漁っている。

「・・・まさか」

「あったあった。先生の予想通りだ。はいポチッとな!」

マントよりも明らかに大きいCDプレーヤーとコードとCDを取り出してきて、電源を繋げ、コードでアンプにつなげる。そしてなんらかのCDをプレーヤーに挿入して、再生ボタンをえいっと押した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ドロッチェによって流された曲を踊り、疲弊した女子達。特に八百万や葉隠は床に寝転んでしまうほどだった。

「とんだハプニングだけど、その前にトーナメント決めでもしましょうか!」

ミッドナイトがそう言ってくじ引きで決めようとしたのだが、そこで突然尾白とB組の生徒が辞退を申し出た。

なんでも、騎馬戦での出来事をほとんど覚えていないから出る権利がないんだそう。

皆もせっかく見てもらえる機会なんだから思い直せというけれど、プライドが許さないとの事。

それに主審のミッドナイトが「そう言う青臭いのは好み!!」とOKを出したので、二人は辞退となり、その代わりとしてB組の鉄哲徹鐵と塩崎茨が入る事となった。

「それじゃ決めるわよ!」

そして各自、くじを引いた結果、緑谷の一回戦目の対戦相手は心操人使になった。

そして二回戦にも進めれば轟か瀬呂のどちらかに当たる事になったため、緑谷はもし一回戦を勝ち抜いて、瀬呂が負けて轟と戦う事になったら、どう戦おうかと戦術を考えることにしたのだった。

 

こうして緑谷はそのあと、レクリエーションの間に心操対策として尾白にその話を聞いた。

 

 

最初から大波乱になるだろうトーナメント戦。さて、緑谷出久(クリーチャーの姫君)はどうやって掻い潜るのでしょうか?




なんだかんだで轟戦は変異使うらしい。そしてドロッチェの曲はカット。

ワンパンマンをクロスしました。まずは関節のパニックではなく音速のソニックから。
忍者を現代風にした感じの青年です。ちょっと出オチ感ができてしまいました。

ちなみにですが、アンプとはプレーヤーから来る微弱な音声信号を電力で増幅して実用に足るくらいの大きさに調整するものです。要はスピーカーとプレーヤーの仲立ち役。

次回は心操戦。そして出てきちゃイカンやつらが出てきます。

緑谷のヒーローネーム募集中です。非ユーザーも感想欄書けるようになってるのでそこに書いてくださいませ。





オマケ話・緑谷がヴィラン側だったら?





「・・・イズク?」

「どうしたの」

「もうかれこれ三時間くらい触手でなんかやってるけどさ。何する気だ?」

「あはは、決まってるじゃないか。日本の不条理を正すのさ」

「えっ」

「おーおー。面白いこと言い切ったなぁイズク。で、どうする?」

「世界を、リセットしようか」

「・・・どうやって」

「生物災害を起こす。そうだね、まずはヒーローからかな。この触手の分泌液はね、ウィルスを持ってるんだ。感染したらずうっと猛烈な飢餓感に苛まれるんだ。それはもう隣の大切な人だって食べちゃいたい、いや食べちゃうくらいね!早い話、ゾンビになるってこと。最初は誰かプロヒーロー・・・そうだ、Mt.レディからにしようか。あのヒーローは周りの人への配慮が疎かになってるからね。あれで人死んじゃってんだから!あ、でもゾンビになっちゃっても個性使えるのかな?まあ、使えなくてもいいか。どっちにしろウィルスをいろいろごっちゃにして変異させてそんじょそこらのヒーローではどうにもできないようにするしね」

「ワオ。死んだ目で言ってやがる」

「だって、もう僕は死んだも同然でしょう?人とは思えないような体になれるし、誰かのお嫁さんにだってなれないし、ヒーローも・・・ううん。ソレは違うか」

「ヒーローにはなれるはずだぞ」

「そうじゃないんだよドロッチェ。僕が世界をリセットしたいのはね、ヒーローが必要ない世界にしたいから。そうすれば無個性が迫害されることもなくなるし、ヴィランとかもいなくなる。個性というのが忘れ去られた世界にするんだ」

「おいちょっと前から言ってたことまるっきり忘れたのかよ?」

「まっさかぁ。そんなわけないじゃん。君がくれた個性じゃ世界を動かすにはやっぱり弱い。でもね、これ(ウィルス)なら世界を思いっきり揺るがせられる!個性があったって、抗体がないとどうにもならない。感染しちゃえばあっという間にゾンビになって、そのゾンビが近くの人を貪って死体になるかゾンビになる。その繰り返し、簡単にhellが創り上げられるんだ!」

「えげつねぇな。でもよ・・・」

「無個性だけは残すんだよ。見分け方は、サンズなら分かるよね?」

「おう。無個性は力が無い代わりに、ウィルスに強い。だから噛まれて感染しても生き残れる。しかも抗体が出来るから体が強くなる・・・まあ、対抗できるってわけだな」

「マジかよ!オレまっっったく知らんかったぞ!?」

「教えてないからね。ま、簡潔にまとめたら、個性にhellを、無個性にheavenを与えるってコトさ」

「無個性もある意味つらいだろうに・・・」

「言っとくけど君が思ってる以上に無個性の人は沢山居るんだよ。その人たちの為にも迫害社会をぶっ壊す。手っ取り早い方法でしょ?」

「ヒーローが必要ない世界を作る為に世界が滅ぼされかける・・・」

「もちろん日本のみ」

「哀れヒーロー・・・でも、それは、覚悟の上か」

「もちろんさ。あこがれてたオールマイトを殺さなきゃならない・・・母さんもそして、かっちゃんも・・・」

「・・・・・・」

「イズク。この世界を壊すか?」

「うん」

「ほんとうに?」

「うん」

「やってしまったら二度と戻らんぞ。後悔しても知らないぞ?」

「・・・後悔しない!」

「よし。そういうんだったら、俺も出来るだけ手を貸してやる。ただ、その代わり約束しろ」

「地下世界には影響を及ぼすな・・・でしょ?」

「そうだ。異国には行くなよ?」

「言うまでも無いよ」

「そうか。ドロッチェ。お前は?」

「・・・・・・すまない。俺は、お前らの敵だ」

「うん。そういうだろうって分かってた。ごめんね。君の期待を裏切っちゃって」

「全くだ!・・・それをやるんだったら、まずはオレを超えてみろ。話はそれからだ」

「・・・君だけは、殺さない。仲間がいるんでしょ?」

「だから、お前らには殺される気はない。イズク。お前に個性を与えた意味が、なくなったな」

「そのことは本当に申し訳ない。今までの願いが叶うかも知れない力を手に入れちゃったんだ。やるしかないって思ってる・・・」

「オレはその願いが叶えてはいけないやつだって思ってる。イズクのパートナーとして、最初で最後にやれることは・・・それを防ぐ、最後の防波堤だ!!」

「ッ・・・ありがとう、ドロッチェ。でも、僕はそれを決壊させる」

「やれるならやってみろ、ミドリヤイズクッ!」





ぶつかる二人の『正義』。





「・・・オレの負けか・・・・・・そんな顔してちゃあ、不条理なんて正せねえぞ。やるからには、前を向いてやり遂げろ」

「全てが終わったら、僕も死ぬよ」

「なぜだ?」

「僕も『個性』をもってるからさ。全てを平等にするために。特別はなしだ」

「・・・そうか・・・最後に、ちょっとした疑問があるんだ」

「なあに?」

「さっき言った誰かのお嫁さんになれない・・・それは、()なんだ?」

「・・・それ、分かった上で言ってるね?」

「やっぱりか」

一人のエゴで、世界はバイオハザードの恐怖に陥れられることとなる。


fin.



要望あれば続編も書く予定。
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