衝動的にクロスオーバーさせてしまいました。
反省はしている。だが後悔はしていない。
バイオハザード要素、投入じゃ!
「あああ・・・ぜっっっっったい落ちた・・・」
「すまん。本当にすまん。まさかあんなに強いとは思わなくて」
雄英試験後。僕は頭を抱えて帰っていた。
「ドロッチェは悪くない。悪いのは耐久力を甘く見積もりすぎた僕だよ」
まさか鉄ではなく、鋼鉄だとは思わなかった。っていうか、バカか僕は。相手は雄英高校、国立の高校だぞ?しかも実力者ヒーローを輩出した実績がある。そんな高校相手に油断なんて、自殺行為とも言えるじゃないか。
「爪の攻撃力の弱さ、ちゃんと分かっとかないといけなかった。この個性はスピードタイプなんだから、攻撃力は劣るって分かっていたはずだったのに・・・これじゃ、僕ヒーローになれない、いやむしろ資格すらないじゃないか・・・」
「・・・・・・」
肩に乗ったドロッチェがじとっとした目を向けていた。
ヒーローになるために個性をくれたと言うのに、こんなザマじゃ、彼に申し訳ない・・・
(最後にあの巨大ロボが倒れてきて爪で切り刻んで凌ごうとした結果、弾かれて下敷きになっちまったが、もしかしてそれまでやったことの自覚が無いのか?)
じとっとした瞳が困惑の意味を表していたことを僕は後に知る。
「い~ず~く~?だからこんな裏道行くなっつったろうが!!」
「ごめん・・・本当に・・・」
ふらっと裏道を使った結果、ヴィランに絡まれました。
「うん?なんだその鼠?ひゃひゃひゃ!喋る鼠なんてまるでミッキーマ」
「比較しないで、その鼠と彼は違うから」
平和ボケした二足歩行のそれと数々の死線を潜り抜けたドロッチェは全く違うわ、と比較した大柄のヴィランの腹に回し蹴りを喰らわす。
「がっ・・・!?」
「何だ今のキックは!?」
「初動すら見えないくらい早い!」
「ま、まさかこのガキは・・・あの天下一武道会で最年少での優勝を挙げた、あの『デク』じゃねえか!?」
取り巻きのヴィランが口々に言う。それにしてもなんかこの人たち、妙に小物臭がするような・・・
「コール!援軍呼んで来い!」
「ラジャ!」
コール、と呼ばれた小柄な男が逃げていく。
「・・・不味くないか?」
「あはは。言っとくけど、もう詰んでるよ?後ろに幾十人は伏兵がいる。それもおそらく武装してる」
「・・・オレの耳が捉えた音はマジだったのかよ」
逃げたら射殺。元から逃げる選択は出来なかったようだ。
「ま、逃げる気も無いけどね!【ハンタークロー】!」
手始めに、近くに居たヴィランに【ハンタークロー】で接近して、軽く切り裂く。
「痛っ!?」
「こちとら命が掛かってるからね。手加減は出来ないよ」
心臓の位置に手のひらをあて、突き飛ばすように思い切り体重を掛ける。
「っっっ―――!!」
「・・・ごめんなさい」
発勁。喰らわせる場所によっては、人を『死に至らしめる』武術。
目を思い切り開き、一拍おいて崩れ落ちたそのヴィランにしゃがみ込んでその目を閉ざした。
「死ぬ覚悟は、出来てる?」
『ヒッ・・・!』
最初のヴィランにやったように、僕は他のヴィランにも同じ事をした。
「・・・・・・この感覚は何度やってもやっぱり慣れないな」
目頭が熱くなって視界がぼやける。犯した罪の恐怖が背筋を這い登る。
「もう嫌だ。人を殺したくない。僕のせいで人が死んじゃうのを見るのはもうまっぴらだ」
顔を手で覆う。目の前の罪から目を逸らすように。
「懺悔してるところで悪いが・・・来たぞ、援軍」
手を顔から離す。大勢の援軍が前方から、そして後方からも迫ってきていた。
「出久。流石に分が悪すぎる。オレも手伝うぞ」
ドロッチェが僕の肩から飛び降りて、地面に足を付くと、ぽふん、と音を立て、ドロッチェが僕の膝くらいの大きさへとなっていた。初めて見たときに着けていたぼろぼろの布切れは鮮やかな赤色のマントになっていて、赤く、つばの広いハットを被っていた。
「あ・・・二足歩行」
「これがオレの本当の姿なんだよ。普通の鼠の姿でも頑張れば出来るぞ。さあ、連戦だ。覚悟はいいか?」
「・・・もちろん」
彼らにとって、そして僕にとっての―――badtimeの始まりだ。
「おいおいおい!全く埒が開かないぞ!?」
「っち・・・どうやって打開すりゃあいいんだよ、この状況!!」
どこからか無限と思えるほど湧いて出てくるヴィランの大群に僕とドロッチェはへとへとになっていた。
誰でもいいから、誰か助けてほしかった。
「何だおまうぎゃっ!」
「何だぐほっ!」
「なんでお前があぐっ!」
後方の呻き声。
「良かったな、出久。援軍だぞ」
「うん・・・でも何でだろう、嫌な予感がする」
はい。予想通り。
ヴィランの亡骸の山から現れた黒いサングラスを掛け、黒いコートを着た男。
「やっぱりアンタか!」
「助けに来たと言うのにその言い草は無いだろう、緑谷出久」
むっとした声色で言い返してくるそのグラサン男は―――
「貴方に助けられるくらいなら、僕は誰の手も借りずに戦うだけだよ、アルバート・ウェスカー」
アルバート・ウェスカー。ヒーロー協会本部の幹部クラスであり、実力はオールマイトとほぼ互角と言われている。
「そこまで毛嫌いしなくたっていいだろうに・・・っと!」
後ろから不意打ちしようとしたヴィランに、振り向きざまの手刀。残像すら残らない速さで振りぬかれた手刀は鋭利な刃物となって、生首と胴体を綺麗に切り離す。
「貴方のその無慈悲さが嫌いなんだよ。僕は」
「知ってるか?苦しめずに殺してやるのも慈悲なんだぞ?」
物騒な雑談(?)をしながらもヴィランをどんどん倒していく。ウェスカーさんのことは確かに嫌いだけど、正直、ありがたい援軍だ。だからこそ、今は雑談できるくらいの余裕が出来ている。
「そいつは知り合いか?」
「腐れ縁ってやつだよ。切っても切れない因縁があってね」
「被験者、研究者という縁だがな」
「まさか、実験に使われた・・・と?」
「・・・そのとーり。で、僕は成功例だったんだ」
「・・・名付けるとしたら、『もう一人のアルバート・ウェスカー』と言うべきか」
「名付けなくて良いから。そしてその名前は断固として却下だ。貴方みたいなイカれた研究者とは一緒にしないでほしい」
ウェスカーさんへの敬称?そんなのはとうの彼方に捨て去りましたが何か?
「イカれた研究者、か。ほめ言葉として受け取ろう。ああ、そうだ。出久、両腕に力を入れてみろ」
「?分かった」
ぐっ、力を入れる。何かが蠢くのを感じ取ったとき、服の袖のなかから触手が飛び出してきた!
「・・・・・・」
「一部の変異は出来るようだな。それの使い方くらいは分かるだろう?」
「っち・・・やっぱ仕込まれてたか・・・でも」
今のタイミングだと、心強い。
触手がヴィランたちをまとめて薙ぎ倒す。そして他のヴィランに巻きついて、薙ぎ倒したヴィランたちに頭から叩きつけた。
悲鳴とともに、紅い血や、脳漿が飛び散る。それはまさに地獄絵図というのが相応しい光景だ。
「前言撤回。無い方が良かった」
「いともたやすく行われるえげつない行為って、こういうことなんだな・・・」
・・・僕は今にも泣きそうだった。
「やっと終わったか」
私はため息を付いた。
今回は体が鈍っていたとはいえ、少しばかり危なかったかもしれない。
私と同じくウィルスへの抗体を持ち、なおかつ投与されてかなりの強さをもった彼女の存在があったからこそ勝てたのだろうが。
ちらり、と彼女の方を見る。
泣き崩れていた。ずっとごめんなさい、ごめんなさいと言っている。
やはり彼女にとっては辛いのだろう。良心があるからこそ、目の前の
(彼女の才能が彼女を苦しめている・・・皮肉なものだな)
彼女が個性の代わりにあった『戦闘』の才能が彼女を地獄の苦しみに陥れている。
(支えがあったとしても、性格がそこまで歪むことが無かったのが奇跡と思えるな)
そう思えるほど、彼女は歪んでいなかった。
「・・・出久」
「分かってます。そろそろ僕は帰ります」
「・・・そうか」
ほんとうにこの子は強いな。
そのとき、私はあることを思いつく。バックを漁り、あるものを取り出した。
「念のためだ。持っておけ」
「・・・いいんですか、こんなものをあげて」
「保身のために持ってて損はあまり無いだろう」
「・・・ありがとうございます」
赤い鼠が彼女の肩に飛び乗ると同時に、小さな鼠となった。それを彼女が確認すると、小走りで帰っていった。
さてと・・・
「逃げたヴィランの確保でお疲れでしょうが、これらの死体処理と生存者の拘束、手伝ってくださいね―――オールマイト」
「本当に君は人使いが荒いね・・・」
後ろにいた平和の象徴はため息をついた。
緑谷は13くらいの時からヴィランを殺害してしまっています。例え無個性で死んでも悲しまれないとしても、ヒーローの足手まといはごめんだ、という理由で。
そんで、ウェス化ーしています。彼のことが嫌いなのはウィルスを彼に投与されたことがあるからです。しかも対応してしまったという・・・
ウェスカーが投与した理由はかなり単純。まだ伏せて置きますが。
そして、緑谷のことは友人の子供みたいな感じに思ってます。緑谷自身はイカれた研究者と表していますが、それはウェスカーのやっている行為から。
ちなみにニコ動で見た動画のタグは、〈ヤマネメは俺の熱病ウィルス〉