では、早速本編のほうを、どうぞ!
プロローグ
皆さんは、考えたことがあるだろうか?この世界には、想像を絶するほど、不幸な子供がいることに。
栄養失調で餓死する子供、ゴミ山で暮らす子供、鉱山でまるで家畜のように働かされる子供。近未来的な世界になりつつある現在でも、そのような問題はいまだ解決されず、世界の課題となっている。
もちろん、そのような子供たちを救おうとする活動は以前に比べ、驚く程世界規模で拡大し続けているが、その完全な解決には至っていない。
砂埃と硝煙の臭いが漂う砂漠地帯。干し煉瓦で作られた建物は、埋め込まれた鉄筋をあらわにさせ、崩れかかっているものも多い。住民の気配はせず、あるのは道の真ん中に存在感を放つ巨大な戦車。そして、その崩れかけた家々の物陰に隠れ、鉄の塊を抱えている人々だ。長めの髭を生やした男たちのその中で、ひときわ目を引くのは、まだ11、2歳の二人の子供だろう。
目につくのは、ただ子供だから、というわけではない。現在内戦が繰り広げられているここ、シリアの住人でないことは、一目見てもわかる顔立ち…日本人であった。しかも、そのうち一人は女の子である。
2人は砂埃だらけの深緑のマントに身を包み、少年のほうは、その小さな体に不釣り合いな、巨大な銃を構え、少女のほうは、少年のそれよりも小さいが、確かに銃とわかる物を抱えている。2人の目は、とても子供とは思えぬほど鋭い瞳をしていて、その眼は壁の隙間から見える景色に向けられていた。
不意に、彼らの頭の上をボルトアクション式の銃から放たれたであろう銃弾がかすめる。だが、2人は全く動揺せずに、冷静に銃弾の方向を計算し始める。
「ومن السخف(馬鹿だな)」
少年のほうが、そうつぶやきながら、銃声があった方向へ狙いを定め、一瞬にして打ち返した。重めの銃声が響き、向こうのほうで、血飛沫が飛び散ったように見え、そのあとにどさり、と重いものが倒れるような音がする。
少年はそれを聞くと、満足そうに笑った。
「まったく、手柄欲しさに一人で撃ってくるだなんてね」
「確かに。よっぽど向こうの勢力の中で虐げられてたんじゃない?」
少女はその端正な顔と笑みに似つかわしくないセリフを吐く。
…親を殺され、幼くして兵士として銃を握っている彼らも、その不幸な子供のなかに入るのではないか?一つの兵器として、これからも生き続けていく彼女たちには、いったいどんな運命が待っているのだろうか。
日本中を揺るがしたあの事件まで、あと5年…。
はい、いかがでしたか?めちゃくちゃ短いですねw次話からはちゃんとした長さですのでご安心を!
次回はデスゲームの始まり!お楽しみに!