ソードアート・オンライン~剣と槍のファンタジア~   作:白泉

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 どうも、白泉です!

 バレンタインが終わってしまいましたね、男性の皆様は、いくつチョコを貰えただとか、そんな会話をご友人としましたか?お母さんからしかもらってないないという方も、めげずに頑張っていきましょう!

 僕ですか?…ん?ww

 そんなどーでもいいことはさておき、あまりリアとツカサが活躍しない時期となっていますが、読んでいただけたら嬉しいです!

 それではさっそく、どうぞ!


28話 決闘の行方

「これはすごいね」

「ああ……」

 

 第75層主街区、コリニア。古代ローマ風なつくりで、アインクラッドの中ではかなり珍しい雰囲気の街だ。アクティベートされたばかりなので、観光客や商人でごった返すのはいつものことなのだが…

 

「火吹きコーン!10コル!10コルだよ!」

「黒エール冷えてるよ~!」

 

 転移門のすぐ前にそびえたつコロシアムの周りは、大量の商人たちの屋台が所狭しと連なり、今までの比ではないほどの人たちがそこに群がって、怪しげな食べ物を購入し、つまんでいる。明らかにいつもと雰囲気が異なる。

 

 実は今日、これからSAO最大級といってもいいほどの注目を集めるイベントが開かれる。それを見物しに多くの見物客が集まっているのだ。それというのは…

 

《二刀流使いVS神聖剣、ユニークスキル保持者同士の熱いバトルを見逃すな!》

 

 この賑わい具合をみる限り、かなり儲かっているようだ。多くの人の間から、チケットを売っている人たちがちらりとみえる。…全員おめでたカラーの白と赤の服に身を包んでいる。言わずもがな、血盟騎士団の人間だ。

 

 その直後、恰幅のいい、ありえないほどKoBの制服が似合わない男が見えた。…あの人物のしっかりようは、少々怖いぐらいだ。あの嗅覚で、この試合が一大イベントかつ、大量の稼ぎになりえるだろうとかぎつけたのだろう。こればかりは流石といわざるを得ない。

 

 

 

 たくさんの人がごった返している中、いつもとは違う、妙に弱弱しい声が耳に入る。

 

 

「悪いリア、ちょっと気持ち悪い…」

「人酔い?、大丈夫?」

 

 リアはツカサの背中をさすってやる。フードの中のツカサの顔色は少々青い。流石人見知りである。

 

 この様子だと、観客席も試合が始まるころには満席だろう。それにツカサが耐えられるか…いや、否だ。

 

「観客席で見ようと思ったけど、キリトがいる楽屋に行く?そこならあの二人しかいないだろうし」

「ごめん、そうしてもらえると助かる…」

「よし、じゃあそっちのほう行こうか」

 

 

 

―◦―◦―◦―◦―◦―◦―◦―◦―◦―◦ー

 

 

「というわけで、お邪魔しまーす!」

 

 楽屋の前に待機していたKoBのメンバーに確認を取り、フードをとりつつ楽屋の中に足を踏み入れる。その中には、いつもの黒コートに、本気モードを現す二振りの剣を背負っている少年。もう一人は、先ほどから見慣れたものになっている、赤と白の服に身を包んだ、髪の長い少女。

 

 すでにメッセを飛ばし、確認をとっているため、2人に驚いた様子はない。

 

「よっ、リア姉。ツカサ、大丈夫か?」

「悪いな、迷惑かけて」

「気にするなって」

 

 がしっと、アームレスリングのような握手を交わす。人込みを避けた途端のツカサの元気のなりようは異常だと、リアはつくづく思う。先ほどまで死人のような顔をしていた人間だとは思えない。

 

 そして、キリトもキリトである。

 

「なんだ、随分元気そうじゃん。青い顔して震えてるのかと思ってた」

「右に同じく」

 

 

「ぐっ…ひどいな二人とも」

 

 

 そういって3人は笑いを漏らした。

 

 

「アスナもどっきどきだね?」

「な、何が!?」

 

 

 アスナはリアの意味ありげな笑みの意味を即座に理解したために、動揺の声を漏らす。リアはポン、とアスナの背に手を置くと、その体の向きを変えさせ、4人で一つの輪を作るような形にさせる。

 

 

 始まりの時間はすぐそばまで迫ってきていた。満席だろう観客席からは、唸るような歓声が4人の耳に容易く入ってくる。期待値は最高値を記録していることだろう。

 

 

 

「キリト、私からいうことは何もないけど、その二刀流にふさわしい戦いを期待してるよ」

「今あるベストを尽くしてこい。…お前ならいけるさ」

「団長の技は未知数だから、危ないと思ったらすぐリザインするのよ。…頑張ってきて」

 

 

 3人の激励に、キリトはいつものニヤリとした笑みを浮かべた。

 

「勝ってきてやるぜ」

 

 

 キリトはそういって、こぶしを突き出す。リア、ツカサ、アスナの三人は、その拳に自らのこぶしをこつん、とぶつけた。

 

 

 

 キリトはコートを翻し、今や雷が鳴り響くかのような歓声と、試合開始のアナウンスが流れる闘技場へと、ゆっくりと歩み始めた。

 

 

 逆光でさらに黒くなるコート。背負われた、交差する二振りの剣。その姿は、まるで悪役を倒しに行く勇者のようで、リアは思わず目を細めていた。

 

 

 

―◦―◦―◦―◦―◦―◦―◦―◦―◦―

 

 

 

 

 デュエル設定をしたのち、キリトとヒースクリフは剣を抜き放ち構える。キリトはいつものように、剣先を地面すれすれまで垂らし、ヒースクリフは半身になって、中段の位置で剣を止める。表情は見えないが、キリトの背中からは、触れれば切れてしまいそうなほどの緊張感が伝わってくる。それは恐らくヒースクリフも同じだろう。騒ぎ続けている観客席とフィールド内は、完全な膜で仕切られているように錯覚するほどの温度差がある。

 

 

 

 緊張感が最高潮に達した瞬間、キリトがヒースクリフめがけて地を蹴り、滑るように距離を一瞬にして詰める。

 

 

 キリトの剣がライトエフェクトを纏い、放たれたのは、二刀流突撃技、“ダブルサーキュラー”。筋力値よりだというのに、恐ろしい速度だ。だが、もちろんヒースクリフがこんな小手先の技を喰らうはずもなく。それは巨大な十字盾に迎撃され、キリトの剣ははじかれる。キリトはその勢いでヒースクリフと間をとった。

 

 だが、お返しとばかりに、今度はヒースクリフがキリトに突進していく。ヒースクリフと戦うとき、注意すべきはその盾だ。

 

 ヒースクリフの持つユニークスキル“神聖剣”というのは、キリトの“二刀流”の正反対のスキルといっても過言ではない。二刀流が手数、攻撃特化ならば、神聖剣は防御特化。尚且つ、盾に攻撃判定が乗るため、亀のように攻撃を喰らい続けるわけではない。攻撃もできる、防御は岩のよう、まさに最強のユニークスキルだ。

 

 

 ヒースクリフは、その巨大な盾でキリトに剣筋が見えないように覆い隠している。剣筋が見えないというのは何よりも怖い。どこから攻撃がやってくるのか、想像がつかないからだ。

 

 

 しかし、それは囮、そのままキリトに盾がたたきつけられそうになり、キリトはなんとか剣でガードするものの、さらなる追撃が襲う。

 

 

「流石ユニークスキルを完全に使いこなしてるね」

「しかも、あんな装備であそこまでの速さをたたき出せる上に、ちゃんと攻撃力があるだなんて、ほんとチーターだよなぁ」

 

 敏捷型のツカサはぼやいた。ツカサにとって、攻撃力がないというのは相当苦しいことらしい。

 

 

 

 ヒースクリフの8連撃のソードスキルをなんとかしのいだキリトは、その直後、単発重攻撃技、“ヴォーパルストライク”を放つ。ヒースクリフの盾のど真ん中に当たったが、その重さにヒースクリフを弾き飛ばした。

 

 

「「お?」」

 

 

 ヒースクリフのHPは恐らくわずかにであるが減っただろう。初めてキリトの攻撃が通った瞬間だ。

 

 だが、そこからはソードスキルや、斬り合い、弾き合いの嵐だった。撃ち合うごとにスピードが増し、恐らく常人の目ではその剣筋を追うこともままならないだろう。

 

 

「すさまじいね…」

「ああ…」

「キリトくん…」

 

 その光景をただ見守ることしかできない。リアは手を軽く握りしめ、アスナは胸の前で手を組んでいる。あの鉄壁の防御に、キリトはよく対応し、戦っていた。それは、単純にキリトの元々の才能もあるが、何よりソロでここまで戦い培ってきた経験と努力あってのことだろう。

 

 

 

 そして、その時はやってくる。

 

 

 

 キリトはわずかな焦りを見せたヒースクリフにできた隙を見逃さず、二刀流の中で2番目に手数の多い“スターバースト・ストリーム”を繰り出した。

 

 

 恐ろしい速度だった。上下左右から襲い掛かるその剣を、ヒースクリフは盾で防ぐのに、見るからに精いっぱいの様子だった。キリトの咆哮が、金属のぶつかり合う甲高い音とともにフィールド内に響き渡る。

 

 

 誰もが一瞬、いけるのではないかと思ったことだろう。

 

 

 キリトの右の攻撃を受け流すため、大きく振られたヒースクリフの盾。しかし、次の左の攻撃に間に合うような様子ではなかった。だが…

 

 

 リアは一瞬、何が起こったかわからなかった。ヒースクリフの体、腕、盾が本当に一瞬、ぶれる…というよりも、ポリゴンのようになり、キリトの最後の剣を盾ではじいた。確かに絶対的にありえない速度だった。リアは背筋を鳥肌が謳歌する感覚を味わう。

 

 

 そして、気が付いたときには、ヒースクリフが最後のキリトの攻撃をはじき、硬直しているキリトの体に一撃を与え、デュエル終了となっていた。

 

 

 

 観衆の声が爆発した。

 

「キリトくん‼‼」

 

 アスナが倒れているキリトを起こしに走り寄っていく。だが、リアの耳にも、そしてツカサの耳にも、その歓声は届いていなかった。

 

 

「ツカサ君…」

 

 リアがツカサのコートの袖を握りしめた。

 

「ああ…」

 

 

 2人の視線の先には、勝者にもかかわらず、硬い雰囲気を漂わせているヒースクリフの後姿があった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




 はい、いかがでしたか?

 今回はほぼ原作通りだったので、つまらなかったかもしれません、ここまで読んでいただいてありがとうございました!

 さて、次回は原作通り、キリトがKoBに入団するときのお話ですが…以前、黒猫団の話ってあるんですか?と質問されたことがありますが…詳しいことは次回でわかります!

 では、次回もお楽しみに!
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