魚のことでケンカしてしまったウェンディと紅蓮。
だが、シーラを送る途中で、本人の意思で寄り道をする。
そして、飛び出していったウェンディを探してる時、不思議な事が起きる。
見たこともないモンスターの遭遇で……。
ウェンディとケンカした。
おおいにケンカした。
原因は、近くの川で獲ってきた魚を食べる、食べるなで皆VSウィンディとなった。
何故こうなったかというと、ウェンディは大の魚好きで、(食べるのが好きではなく)魚に手を出すとこんなことになってしまう。
しかも、三回目なので、彼女も相当怒っていた。
だが、俺は
「魚しか食べない状況になった時に、食べるなといったら、俺たちに餓死しろといっているような状態なんだぞ。
俺たち人間が生きることは、多くの犠牲が成り立って生きているんだ。
たとえば、豚肉は豚、米・麦は植物、といったものたちが、犠牲になっているんだぞ。
魚好きという理由で、魚を食べるなと言うのはおかしいはずだが…」
と、抗議したら
「もう付いて行けません!」
と言って、泣きながら森の奥へ行ってしまった。
そのあと、フィリー・若葉・ティナに散々怒られて、ウェンディを追いかけた。
「……こ、ここは?…う!」
目覚めたら白い天井が、目に入った。
そして、起き上がろうとしたら、全身に激痛が走った。
「!!紅蓮さん、まだ起きてはいけません!」
ティナが近くにいたらしい。
「う、くぅ……、ここは?」
ティナにもう一度尋ねた。
「ここは、あの時森でキャンプした場所から、一キロはなれた場所にあった町の病院です。」
そういえば、あの時ウェンディを追いかけて…、そのあと………!
「ウェンディは!」
とっさに思い出して聞いた。
「ええ、大丈夫ですよ。
特にケガはありませんでしたし、異常はありませんでした」
「そうか、よかった」
「よかったではありません!
一歩間違えば、死んでいたかもしれないんですよ!」
「………すいません」
謝る紅蓮。
まあ、仕方ないか…、あんなことになったんだからな…。
その出来事は、ウェンディを追いかけていったあとのことだ。
「はあ、はあ、はあ…ったく、何所までいったんだウェンディの奴。さすがに暗いと、こう視界が…。」
“アッチ”
(!?)
俺は、慌てて辺りを見回したが、誰もいなかった。
(気の…せいか?)
“アッチだよ”
空耳をあてにするほどバカではないが、何故かウィンディの存在を感じ取れた。
俺は、走り出した。
精霊魔法「ウインド・ウイング」を唱えてないのに、もの凄いスピードで走り…いや、跳躍(瞬間移動に近い)してた。
そして、大きな木の根の辺りでしゃがんで泣いているウェンディを見つけた。
(紅蓮さんのバカ!私が魚が好きなことわかっていて、あんなことするんですから!)
ウェンディはひたすら走った。
しかし…不意に足が止まった。
「……ここ、どこだろう?」
闇雲に走ったために、方向を確認するのを忘れていた。
「ど、どうしよう……このまま一人でここに…?」
みんなのところへ戻ろうと考えたが、先の件もあって、どうすればいいか分からなくなっていた。
「……う、うう、ぐすん、皆……紅蓮さん……」
「呼んだか?」
「え?」
不意に顔を上げるとそこには、紅蓮がいた。
「まったく、考えなしに飛び出すなよな。皆が心配しているから、戻ろうぜ。」
紅蓮は、そう言いながらウェンディに手を差し出した。
「………ほっといてください…」
そういうと、顔をプイっと横に反らした。
(うん~~、ここからどうしよう……?
日が浅いのは判るが、共同しているから、一人のために魚類全般ダメとはいかないのを判ってくれればいいのだが…)
ウェンディを見つけることが出来たが、どうやって連れて帰るか、考えていなかった紅蓮。
――ガサ
(!?)
紅蓮とウェンディは、音のする方を向いた。
「なっ、なんですか?」
「も、モンスターか?」
二人同時にパニくってしまった。
だが――
「みやー」
そこには、猫がいた。
そして二人は安心し、ホッと息を吐き、顔を見合わせて笑った。
「おいで」
「みやー」
ウェンディは猫を呼び、猫をそれに従いこちらに来たが――
バシュー!
ウェンディの視界の風景が、一瞬だけ赤く染まった。
そう、猫が一瞬で巨大化し、化け物となりウェンディに襲いかかろうとしたので、俺が盾となり庇おうとしたが、背中を爪で引き裂かれた。
「い、いやあああああああああああああ!」
ウェンディの悲鳴が、こだまする。
だが、紅蓮は動くことはできなかった。何故なら、モンスターの爪に、毒が付いていたらしく、体が麻痺し、意識が朦朧としていた。
“・・ろ”
誰かに呼ばれた。
だが、知っている者の声ではない。
(誰だ?)
“・きろ”
(誰だ、お前……)
もう一度聞き返した。
“起きろ!”
強い口調と同時に、視界が真っ白になった。
――ドクン!
誰かに「起きろ」と言われたと思ったら、急に体中が熱くなってきた。
「あ、あ…ああ……い、いや……こ、こないで」
ウェンディは、とうとうモンスターに追い込まれた。
すぐに逃げればよかったが、紅蓮を見捨てることが出来なかった。
「グアアアアア……」
モンスターは、ウェンディを見ながら涎を垂らしながら吼えた。
そして、モンスターは、ウィンディに襲いかかろうとした。
「おい」
モンスターは、後ろから不意に声がかかったので、反射的に向いた。
そして、思いっきり頬を殴られて、(ウェンディから見て)左の方へ吹っ飛んでいった。
モンスターを殴った者は――
「紅蓮さん!?」
「すまない、ウェンディ。すぐにケリを付ける」
そういうと、すぐにモンスターの近くにいった。
だが、紅蓮が来たと同時に起き上がり、爪でカウンターを放った。
「紅蓮さん、避けて!」
しかし、紅蓮は空中にいるため、ほぼ回避不可能だったが、モンスターの爪は空を切った。
「グア――ぐばぁ!」
そして、消えたはずの紅蓮が、真横から現れて、また頬に蹴りを入れた。
「ええ!?」
ウェンディも、状況が把握できていなかった。
何故なら、魔法を使用すれば、呪文を唱えなければならない。
だが、紅蓮は違った。
紅蓮は、呪文を飛ばして魔法を発動できることは、知っていたが、魔法の名前を言わなければ、発動はできない。
それに、瞬間移動の空間魔法は、高等魔法の一つで、まだこの世界に来てから一、二ヶ月しかたってないのでマスターできる魔法ではない。
そのことだけに、今紅蓮がしている出来事が、よく理解できていなかった。
「グアアアアアアアアア!」
蹴り飛ばされたモンスターは、何とか踏みとどまり怒りの遠吠えが、森中に響き渡る。
吼え終わった途端に、モンスターは紅蓮目掛けて、一直線に突っ込んでいった。
だが、紅蓮は慌てずに、普通に立ち、両手を前に差し出した。
そして、魔法を唱え始めた。
ウェンディは、ふと思い出してみたが、今まで聞いたこともない呪文を耳にした。
「我が体は暴君があり、手には風が舞う、その風、嵐となりて、立ちはだかる存在を吹き飛ばさん――トルネード・インパクト!」
呪文を唱え終わると、両手に風が巻きついていったが、その風を思いっきり地面に叩きつけた。
その風は、もの凄い勢いでモンスターに飛んでいき、次の瞬間、竜巻みたいな風に飲み込まれ、それが通り過ぎた時には、モンスターの姿は何所にもなかった。
一部始終を見ていたウェンディは、すぐさま恐怖を覚えた。
モンスターに襲われた恐怖とは、段違いのモノだった。
そして、モンスターもいなくなり、辺りは静けさを取り戻した。
恐怖で怯えていたウェンディだが、次第に和らいでいき、一息ついたところで紅蓮に尋ねた。
「…あ、あの……ぐ、紅蓮…さん?」
だが、返事は返っては来なかった。
そして――
――ドサ!
紅蓮は突然倒れた。
そのあと、泣きながら紅蓮の名を読んでいたウェンディを発見した、フィリーたち(ロクサーヌもいます。)に発見されて、近くの町の病院まで担がれていった。
そのあと、気がついた紅蓮は、ティナに叱られ、次に若葉、フィリー、ロクサーヌまで怒られてしまった。
ウェンディは、怒りながら泣きついた為、紅蓮は相当参っていた。
医者からは、「女に心配をかけるな」と言われてしまった。
あと、背中の傷跡は、神父様の神聖魔法でも直らなくて、一生残る痕だと言われた。
魔法ギルドも、同じ回答だった。
しかし、一番気になったのは、あの時に襲ってきたモンスターのことだった。
図書館や魔法ギルドの魔道書、生態研究のレポート、自警団や役場の資料を見せてもらったが、どれにも載っていなかった。
その後、町で買い物を済ませ、宿で寝ようとしたが、全然眠れずにいた。
正体不明のモンスター、あの時の二つの声、知らない魔法…。
一度に起きたことが多すぎて、頭の中がこんがらがっていた。
ああでもない、こうでもない。
色々考えていたが、次第に意識が消えていった。
そして、俺に眠る力と出逢った。
“こんばんは”
「誰だ?」
見知らぬ空間で、白緑色の発光体に出逢った。
“敵じゃないよ、あなたの力だよ”
「俺の力?」
“そう、あなたの力。あなたは、特別な存在になったの”
「特別な存在?」
“そうだ”
別の声が出てきた。
振り向くと、朱色の発光体があった。
「お前は?」
“我が名は、暴君の王”
“あ、私は空の王、宜しく”
「暴君の王と、空の王?」
“そうだ、暴力を司る王、空を司る王”
「何故、王が俺の中にいるんだ?」
“本来は、人間が持つべき力じゃなんだよ。あなたが、この世界に飛ばされた時に、何らかの原因で取り込まれてしまったらしいのよ。司る王たちの力の一部が、ね”
空王は、ウインクをしながら問い掛けに答えた。
もう少し聞こうとしたが、空間全体が急に歪んだ。
“そろそろ時間か”
暴王が、そうぼやいた。
「時間って?」
“なに、お前が起きるだけのことだ”
「俺が、起きる?」
“ええ、ここはあなたの精神世界。寝ている間だけ、あたなが来れる場所。だけど、当分は来れないの”
「何で来れない?俺の精神世界なら――」
“残念だが、まだ完全に覚醒できた訳ではない。今状態では、我々の力は強すぎる。だから、しばしの別れだ”
“またいつか、会いましょ”
そういい残すと、二つの発光体は、消えていき、空間も崩壊し始めた。
そして――
「おはようございます、紅蓮さん」
目の前には、笑みを浮かべたウェンデイがいた。
そして、誓った……どんな事があっても、ウェンディを守り抜くと……
……to be continued
作「久々の新規!」
ラ「すっごく遅かったな」
作「2005/8の終わり頃の日記のように、色々なモノを書きすぎて、アタフタ状態に」
ラ「計画性を持て…、ところで一つ聞いたんだが」
作「なんだ?」
ラ「エタメロ終わったら新シリーズスタート、とか言っていただろ」
作「ああ、それね。
実は、エタメロの冒険から半年~一年後の話で、それ以上は言えない」
ラ「・――ごはっ!」(殴:聖具・黄金の→
作「悪いな、一言だけでも判る人は判るから」
END
制作開始:2005/何時だか忘れた~2005/9/2
打ち込み日:2005/9/2
公開日:2005/9/2
変更日:2008/10/23
訂正日:2006/2/13