初の前中後編シリーズSS。
ついに緑王、鎖王の王々力が覚醒!
紅蓮の反撃、空王の真の力が発動する。
「ふははははは、紅蓮、無様だな!そのまま死ぬがいい!」
魔法で起死回生を図ろうとしたが、気づいたときには魔力が皆無だった。
奴には、他者の魔力を吸収する能力があるらしい。
永遠とも思える叩きつけだが、終わりが近づいてきた。
(あ、が、くそ、もう痛みも感じない……声もでない……。このまま、ここで死ぬのか……)
“死なない”
(何?)
“その通りです、あなたはまだ死にません”
(この状況をどうしろと?魔力がパイロンという兵器に吸収されたし、体力も限界。これ以上、何がある?)
“名を叫べ”
“そう、我々『森王』と『鎖王』の名を”
パイロンは口を開け、エネルギーをチャージし始めた。
「はあ……はあ……森王・リフテリア、鎖王・チェングラウン……」
コレが新たなる王々の力の目覚めだった。
「な、何なんだ!?」
操妖術師は叫んだ。
パイロンが紅蓮にトドメをさそうとしていた矢先に、紅蓮が光を放ったのだ。
「グオア!?」
パイロンもすぐ紅蓮を放して距離を置いた。
さすがに危険を感じたんだろう。その光には多大な魔力を放っているのだから。
“リーフ・ヒーリング”
リフテリアが、回復魔法をかけてくれた。
「すまない」
“礼には及びません。さあ、共に戦いましょう。あのパイロンという、この世界のバランスを壊そうとする者を”
「ああ、行こう……チェングラウン!」
“なんだ?”
「俺に力を貸してくれないか?」
“愚問だ、何故拒む必要がある?”
「すまない、失言だった。……行くぜ、パイロン、操妖術師さんよ!」
光のカーテンを突き抜け、そのままパイロンに突進した。
「なに!?」
「!!!?」
両名共に、あの光から不意打ちが来ると読んでいたが、ケガも魔力も全回復で出てきたため、動揺した。
「――Restraint of a chain(鎖の束縛)!」
ジララララララララ!
「グオガア!」
ガシン!――ぶおん!
「うおおおおおおおお!」
パイロンの胴体と腕を纏めて縛り、そのまま壁に投げ飛ばした。
「ガa――『どがががががーん!』」
直撃、そのまま瓦礫の下に埋もれた。
だが――
ドガーーーーン!
「ゴオオオオオオオオオ!」
遠吠えを上げるや否や、背中のプレートが飛んできた。
そして六枚が接近せずに、魔弾を撃ってきた。
「――Guard of a chain(鎖の守り手)!」
ドドドドドド――ババババババシュン!
魔弾を全弾弾き、そのまま魔法を放つ。
「――Rule of a chain(鎖の支配)!」
五本の鎖が手で物を掴むように、パイロンを鎖で巻いた。
「――Existence compressed(圧縮される存在)」
「ゴォアアアアアア!」
――ガシュアァァァァァァァン!
パイロンの体が粉々になった、そしてそのまま大爆発を起こした。
「リリトさん!リリトさん、しっかりして下さい!」
「……う…うあ、ああ…わ・わか……ば…」
「そうです!若葉です、大丈夫ですか!?」
若葉の答えに、警戒をといた二人と「今までどこにいた」と小一時間問い詰めてみたいがあえてやめとくフィリーが集まってきた。
「わ…かば……私は一体なにを…」
「それは――『ドゴーーーーーン!』」
いきなり別の場所で爆発が起きた。
「な、なんですか!?」
「まさか…紅蓮さん!」
ウェンディが爆発の起きた方向へ駆け出した。
「ウェンディさん、危険です!」
「ああもぅ!私が付いていく!」
フィリーがウェンディのあとを飛んで追いかけた。
「のああああ!」
操妖術師は、パイロンの爆発寸前に物陰に隠れてた。
そして、少し視界がよくなったところで恐る恐る見ると、煙でほとんど見えなかったが悲惨な状況だということが分かった。
「ふ、ふふ…ふはははははははは!ついにやったぞ、この俺が、この俺が紅蓮を倒したんだ!」
「紅蓮さーーーーん!」
「ぐれーーーーーん!」
ウェンディとフィリーが走ってきた。
しかし、二人は途中で立ち止まり、絶句した。
「なに…コレ?」
「どうすればこんな状況に?」
当たり前だ、こんな悲惨な状況を見れば、誰もが絶句する。
建物は壊れ、地面は抉れ、挙句の果てに砂煙が上がっている。
モンスターでも、ここまで出来るのはほとんど限られてくる。
「お嬢ちゃんたち」
「誰!?」
「誰ですか!?」
二人はすぐに声がした方を向いた。
「探している人、いるのかい」
二人は警戒した。なんせ、この街にはもう人は居ないと聞いていたからだ。
だとすると、物好きか、盗賊の類かのどちらだ。
「アンタ、何者!?」
フィリーが尋ねた。
「私はサルフォン・X・クラッキー、ただの操妖術師ですよ」
「操妖術師?」
「たしか…人や物を操る人たちのことでしたっけ?」
フィリーは首を捻り、ウェンディは持っている知識の確認で言った。
「ええ、そうですが…物は操ることは出来ません。命ある者でしたら、可能ですが…」
不適な笑みで答える。
「まさか、リリトさんを……?」
「感が鋭い…そのせいで、先ほどこの武器の持ち主がお亡くなりになりましたが」
そういうと、紅蓮の愛用の刀を見せた。
「な!?」
「!?」
言葉を失った。
「さて、あなた方も…彼の知り合いですから、苦しまずに後を追わせてあげます」
そして、サルフォンは紅蓮の刀を持って、ウェンディ目掛けて走った。
「い、いや!」
「ウェンディ!」
「死ね!」
サルフォンは少しジャンプして、真上から切る。
――シュルルルルルルル、ガシュアン!
「え――どおわあああ!」
途中で刀を落としながら、鎖に引っ張られていった。
ジャラジャラジャラ――パシュア!
「うを!」
空中で解かれたため、何とか体制を立て直して着地した。
「勝手に殺すな、サルフォン」
まだ残る砂煙の中に、木に囲まれた紅蓮が現れた。
「なんだその木は!?どこから出した!?」
「いや、"wall of tree"(樹木の壁)で爆風を防いだ。木は湿気ているとなかなか燃えにくいだろ、だから水分を多く含むかつ、大きく頑丈な木を盾に使ったのさ」
「なら……全て叩っ斬るのみ!」
ギア・チェーンソウを再び召喚して、攻撃をしてきた。
「ジェサイア――はああああああ!」
次々と木を斬っていくギア・チェーンソウに拳を突き出した。
「ははははは、どうしたつい――なんだと!?」
拳を突き出したギア・チェーンソウは大きな打撃音を出しながら後退した。
しかも動作不良が起きたのかなのか、刃が上手く回ってなかった。
そのチャンスを見逃す紅蓮では無かった。
満足に浮かぶことの出来ないギア・チェーンソウを、今度は直接殴り、地面に叩きつけた。
がしゃん――バーン!
一つ目のギア・チェーンソウを破壊した。
「くそ!」
だが、この程度で攻撃が緩むはずも無く、再び飛んできた。
「leaf dance(葉の舞)!」
落ちていた葉がどんどん舞い上がり、ギア・チェーンソウに張り付いていった。
「く、くそ、離れろ!」
だが、どんどん張り付いていき、三つのうち二つが動かなくなった。
「せいや!」
素早く愛用の刀を拾い、ギア・チェーンソウを真っ二つにした。
「戻れ!」
最後のギア・チェーンソウを手に取り、先の魔法で付いた葉を剥がして、葉が動くか少し確認してから構え、呪文を唱えた。
「来(きた)る言葉、来る風、来る鼓動……来る力、今この武具に宿りたまえ――Words of power(力の言葉)」
ギア・チェーンソウは淡い赤色の光に包まれて消えた。
「武具の強化魔法か」
紅蓮は刀を構えなおした。
「ふふ、よくわかったな。この大陸じゃない魔法だからな……お前もそうだろう?」
「……似た様なモノだ」
苦笑しながら言った。
<街の外>
「そ奴は!?」
「お、おい、この街を襲った親玉じゃねえか!?」
「早く殺せ!そんな奴なんか助けなくたっていいんだから!」
「駄目です!」
若葉は強く言った。
「たしかにリリトさんは、この街を襲いました。でも、それには理由があるはずです。それも聞かずに大勢で、しかもケガした状態で一方的になんて、酷すぎます!」
遠くの人にも聞こえるように、大きな声で叫んだ。
「だが嬢ちゃん、ならなぜここを襲ったんだ?理由がなるんなら聞かせてくれよ?」
「そ、それは……」
若葉は黙り込んでしまった。
それはそうだ、リリトは操られていたのだから。
だが、それを証明する証拠が無い。
このままだと大変なことになるのだが、どう説明して分かってもらえばいいのか、思いつかない。
「まさか……グルじゃないよな?」
「そんな!?」
「いや、魔族なんて庇う奴だ。グルに決まってる」
「そうだ、そうだ!」
本格的にやばくなって来た。
この場から逃げれば、認めたと同じことになるし、リリトを担いで大勢から逃げることなど不可能。
周りの視線が徐々に殺気に変わってきたのを、肌で感じ取っていた。
「若葉…私はい……いいから」
「そんな……リリトさん」
だが、天は若葉たちを見捨てはしなかった。
「いい加減せんか、このうつけども!」
『ちょ、町長』
「おじいさん!」
初めに来た時にあったおじいさんが、若葉たちを庇った。
「お前さんら、よおく考えてみろ。この子はワシから事情を聞いた途端に、一目散で街に行ったんだぞ。仲間が居たにも関わらず一人で。しかも報酬の話もしないで……これがどういう意味か分かるか?」
その言葉を聞いて、殺気に満ちた空間が次第に薄れていった。
「大丈夫だったか、お嬢ちゃんや」
「おじいさん」
「許してやってくれないか。あんな目に合わされたからな」
「いいえ、お気遣いなく。説明が出来なかった私にも、非がありますので」
「若葉!若葉!」
「どうしたんですかフィリーさん?」
「ああ若葉って、あれティナは?」
「今水を汲みに――あ、戻ってきました」
「はい、持ってきましたよ若葉さん」
「ありがとう御座います、でフィリーさんどうしたんですか?」
「ああそうだった!リリトを操っていた奴が見つかったのよ!」
「本当ですか!?」
「うん、今紅蓮とやりあっているけど「来るな」って言われたけどね」
「なんでですか!?」
ティナが講義した。
「なんでって……とにかく来るなだって、若葉とティナはそのままリリトを見ているだって」
「そんな……あれ?」
若葉は残念そうに項垂れたが、一人足りないことに気がついた。
「ウェンディさんは?」
「ああ!あの娘、まさか!」
<決闘場と化した街角>
カギギギギギギ――ギン!ガギン!ブシュゥゥゥゥ!
紅蓮は三撃目防いだが、四撃目はかわした。
「おりゃあああああ!」
「せいやああああ!」
純粋な武器の遣り合いだった。
だが、武器の衝突が激しいため、紅蓮が不利だった。
刃と刃で交えれば刃が欠ける、かと言って受けそびれば、その場に血の池と大きな肉の塊が出来るのだから。
「どうした、どうした!」
「ていや!」
横に振り払ったが――
「おら!」
ガキン!
「あ!?」
「もろうた!」
ギア・チェーンソウの突きがきた。
「くそ!」
ガン!
「ちい!」
紅蓮はギア・チェーンソウの平らの部分に(日本刀で表すと鎬地(しのぎじ)に当たる)左右から拳で挟みこむように押さえ込んだ。
「くっ!」
「おおお!」
両者共に引かない……いや、紅蓮なら払いのけることができたが、あえてしなかった。
リリトを初め、この街の人たちを巻き込んだのだから。
だから……だから、ここで――
「ここで引くわけには、いかないんだよ!」
バキン!
最後のギア・チェーンソウの刃が、紅蓮によって砕かれた。
「なに!そ、そんな……オリハルコンに近い硬さを誇るリオハルコンが……」
戦意喪失になりかけたサルフォンだったが、悪魔はイタズラをした。
――がら
「あ!」
紅蓮とサルフォンは、崩れた音と同時にでた声の主を見た。
「ウェンディ!」
「紅蓮さ――きゃあ!」
「サルフォン!」
距離的にサルフォンが近かったため、不意を突かれてウェンディを人質にされてしまった。
「くくくく……紅蓮、動くなよ。動けばこの女の命は無いぞ」
「ち、古典的なこと言いやがって」
「仕方ね~だろ、こういうセリフしかないんだからよ」
「はいはい」
(距離があり過ぎる)
平常心を保っているフリをしながら、内心焦っている紅蓮。
やはり魔法でも、1~2秒掛かってしまう。
“ねえねえ紅蓮”
(なんだよディメンティア、こんな時に)
“私の真の力……使ってみる?”
(どういうことだよ?お前は風じゃないのかよ?)
“私は空王よ。風じゃないわ”
(じゃあ何故今まで隠してたんだよ?)
“あなたを信用してない訳じゃなかったんだけど、どうしても伏せておきたかったのよ。あのお転婆姫さんや、魔族の男に力を使うんじゃないかって……でも使わないという核心が持てたわ。……だから、今解き放つわよ。しっかり受け止めてね♡”
(ああ!)
“いくよ!”
シュ!
「え?」
「な!?」
紅蓮の姿が一瞬で消えた。
ドゴ!
サルフォンの鳩尾に、拳がめり込んでいた。
そして、そのまま突き刺さった拳を振り抜いた。
ごがーーーーん!
サルフォンは、そのまま吹き飛び壁に激突した。
「……ぐ、紅蓮…さん?」
「はあ、はあ、はあ、はあ……」
――どさ!
「紅蓮さん、大丈夫ですか!?」
「あ、ああ、なんとか…」
“何がなんとかよ、ほとんど魔力がスッカラカンのくせに、強がって”
(あ、あのな~お前さ……俺の魔力配分も考えろよ)
“あ……ごめん、すっかり忘れてた”
とぼけるディメンティア。
“ディメンティア……大丈夫ですか紅蓮、今大気に存在するマナや生命の息吹から漏れた魔力をかき集めていますので、少々お待ちください”
(ああ、さんきゅー)
リフテリアの気遣いに感謝した。
「紅蓮さん、立てますか?」
王々との会話は、どんなに長くても一、二秒で終わるので、特に大きな支障はでない。
「うん……何とか」
ウェンディの肩を貸してもらいながら立ち上がった。
そして、サルフォンが吹き飛んだ場所を見て、その場をあとにした。
そのあと、紅蓮の説明(詳しい戦闘内容は省いた)と街角の惨状でリリトの無罪は証明できたが、肝心のサルフォンには逃げられてしまった。
まあ、全員無事だったから良かった事にしておこう。
続
紅蓮「なあ、作者・ダークバスター?」
作者「なんだ、紅蓮こと崎山 蓮さん?」
紅蓮「これで終わりじゃないのか?」
作者「終わりにしてもいいけど……一応シメを気めたいから後編を書く」
紅蓮「おお、挑戦的だな」
作者「まあな。少しでも数をこなさないと、夢に近づかないからな」
紅蓮「夢とは?」
作者「ゲームクリエーターになること!
と、いってもまだ、詳しくは決めてないから」
紅蓮「たしかに……一口にゲームクリエーターと言っても、色々あるかなら」
作者「シナリオライター、CGクリエーター、プログラマーなどなど、特にプログラマーは地味な印象があるが、ゲームを作るのには欠かさないからな」
紅蓮「なるほど。どれも必要な訳か」
作者「そういうこと」
紅蓮「次回は?」
作者「12月10までは出来ないと思う」
紅蓮「用事でもあるのか?」
作者「ああ、この時期になると色々と忙しくなるから……でも、暇があれば書くから」
紅蓮「そういえば、何で英語が入ってるの?」
作者「スマン、英語読めないの。俺」
紅蓮「勉強しろよ……」(汗
END
制作開始:2005/11/20~2005/11/21
打ち込み日:2005/11/21
公開日:2005/11/21
変更日:2008/10/23
訂正日:2006/2/13