聖龍の過去とアリサさんとの出逢い、そして・・・
俺はどうしてここにいるのだろう?
何のために生まれてきたのだろう?
学校に行ったが迫害される。
家でも親――特に父親に罵倒され、出来の悪い息子としてすら見てくれない。
その辺にいる蛆虫を見るかの様な目でしか、見てくれない。
なら、俺はなんだろう?
俺の名は聖龍、本名は反吐が出るほど嫌いだった。
父親、母親、俺、の三人家族の構成だが、両親、特に父親は俺を捨てやがった。
理由は勉強が出来ないから。
勉強、スポーツの文武両道――いや、片方すら駄目だった。
その後、俺は家を追い出された。中学一年の時だ。
一軒屋の家と、普通に生活すれば30歳まで生活が持つ多額の大金と、三年間の学校生活の保障の権利だけ渡して。
中学生活は、最初はイジメがあったが次第に無くなった。
まったく反応しないからだ。
教科書を汚され、破かれていても、平然と使っている。
下駄箱の上履きが無くなっても、スリッパ、又は靴下でいた。
机や下駄箱に、動物や虫の死骸をいれても平然としたいた。
三年の頃には、逆に誰も関わってこなかったし、寄り付かなくもなった。
さすがにここまで来ると教師が動くが、俺が平然としすぎるので捜索も止めて、俺を避けるようになった。
だけど、『あいつ』だけは俺に関わってきた。
『あいつ』のおかげで、何とか人間の感情を保つことが出来たと思う。
だけど『あいつ』は、中学三年になると同時にどこかに転校していった。
俺に何も告げづに……。
あとからわかったのだが、クラスメートの奴に俺宛の手紙を渡したそうだ。
だが、そいつはそのまま手紙を捨て、『あいつ』に渡したと偽ったらしい。
まあ、それがわかった夜、そいつを闇討ちして恐怖心を植えつけてやったけど。
そして、家を追い出されてから三年たち、高校に入学できたので、報告ついでにもう一度認めて欲しくて、帰ったが衝撃を覚えた。
なんせ、見知らぬ女の子が両親と共に出てきたのだ。
気づいた父親が母と女の子に、先を行かせてこっちにきた。
そして、いきなり殴りつけて「クズが、ここへは来るなと言っただろう」と、冷たく言い放った。
色々聞きたがった、言い返したかったが「あの子、誰だ?」と言った。
「私の列記とした娘だ、本当はお前とは一つ下妹だったが、今まで親戚に預けていたんだ。
あと、お前を追い出してから今日、やっとお前との血縁を法律上で切ることが出来た。だからお前はここには二度と来るな、今度この辺りで見つけたら警察に連行させる、いいな」
そう言って、二人のあとを追っていった。
変わっていなかった、三年前と……あのその辺にいる蛆虫を見るの様な目は。
最悪だった。
金と住む場所を渡して勘当し、挙句の果てに血縁を切ったのだ。
完全に一人になった。
だが、悲しくはなかった……いや、悲しむという感情は既に無くなっていた。
そして、誰も信じなくなった。こうして、一年が過ぎて、二年の時だった。
5月の修学旅行の時、他の学校の女の子とであった。
本当に偶然だったが、女の子は俺を偉く気に入ったらしく、電話番号や住所を教えてくれとしつこくせまられてため、渋々教えた。
あの時は本とっっうに疲れた。
6月の中ごろ、突然俺を捨てた父親が尋ねてきた。
用件を聞いたが、「開けろ」の一点張り。
仕方なく開けると、胸座を掴まれ玄関から引きずり出されて地面に叩きつけられた。
「お前、娘と会ったそうじゃないか」何のことだ?と言ったら、殴られた。
「もう一度言う…お前、娘と会ったそうじゃないか」
「何のことだ?」
また殴られる。
「いい加減にしろ!」
「やめてお父さん!」
電話番号を交換した女の子が泣きながら立っていた。
俺は理解した。
(ああ、俺の妹だった奴か。なるほど、やっと理解できた)
そのあとは、人の家の玄関の前で親子喧嘩というより、親の一方的な怒りだった。
殴る、殴る、また殴る。
奴の娘は、泣きながら奴を止めた。
だが奴は娘を振り払い、俺を殴る。
次第に疲れが出てきたのか、殴る回数も、力も無くなっていった。
ある程度収まると、俺の顔面に300万を叩きつけてきて、「携帯電話を換えろ!」と怒鳴り、娘無理やり連れて帰っていった。
娘は痛がっていたが、気にもせずにつれて帰った。
300万は、近所の連中に分けて、あの時の騒ぎの謝罪と俺に関わらないで欲しいと言った。
その後、メールが度々来たが、答える気は無く、ほっておいた。
7月の後半には、一通も来なくなった。
気になって空メールを送ったが、返送されてきた。
8月の初め、何となく遠出したい気分になった。
当ても無く、ただ呆然と適当に歩いた。
遠出をした田舎の骨董屋で古い腕輪が目に付いた。
何故目がいったのかわからない。
何となく購入した。
空も赤くなり始めたので、帰ることにした。
そして、帰り道にうっかり転んで、斜面を転げ落ちてしまう。
次に気がついたのは、森の中だった。
しかし、転げ落ちた斜面は無く、途方にくれている時に女性の悲鳴が聞こえた。
慌てて駆けつけると、化け物に襲われているところだった。
俺は女性を助けるために、とっさに出て行き、化け物の気をこちらに向けるようにした。
女性を逃がし、俺は化け物の怒りを買い、重傷を負うが、そこから先は視界が暗くなった。
気づくと何処かの家の中にいた。
俺が助けた女性は、シーラ・シェフィールドという、世間知らずのお嬢様だった。
そのあと、この家の主であるアリサ・アスティアさんが来て、事情を説明してくれた。
何でも、俺が見たこともない強力な魔法で、化け物を吹き飛ばしてその場に倒れた。
ということらしい。
この時『魔法』という言葉に反応し、そんなものは存在しないと否定したが、目の前で下級魔法『ルーン・バレット』を見せられ、納得せざるおえなかった。
俺は異世界に迷い込んだらしい。
だが、元の世界に帰るつもりも無いので、嘘を言った。記憶が無い、と。
基礎知識があっても、思い出が無いという事例はこの世界にもあるらしい。
そして、持ち物にカードがあり、そのカードの名前から取ったのを
名前にすることにした。
苗字はアリサさんからお借りした。
今日から俺の名は――聖龍・アスティア
アリサさんの家に居候させてもらっている、異世界から来た身元不明の人間として、新しい生活が始まった。
そして、今日もアリサさんの為に頑張っている。
苗字を貸してもらい、しかも家族とまで言ってくれたお礼に。
そういえば『あいつ』は、元気でやっているだろうか?
青い空に向かって、もう二度と会うことが無い、初めての友だった『あいつ』と今までいた世界に別れを告げた。
悠久幻想曲~信頼との出逢い~・前奏曲
The beginning / an opening
to be continued!
紅蓮「話重!」
作者「この程度なら、人生経験を元にかけるから」
紅蓮「人生経験って……親から虐待でも?」
作者「親には感謝しているよ。おかげで真っ当な人生を送れてるから。
学校でのイジメは事実だけど……」
紅蓮「マジ?」
作者「マジですが言っておくけど、ここまで酷くなかったからな」
紅蓮「あはははは……よく非行に走らなかったな」
作者「なんだかんだ言っても……親のおかげかな」
紅蓮「ところで、『あいつ』って誰?」
作者「さて誰でしょう?第二部と連動するから」
END
制作開始:2005/11/23~2005/11/24+2005/12/9
打ち込み日:2005/12/9
公開日:2005/12/9
変更日:2008/10/23
訂正日:2006/2/13