ダークバスターの旧作品群   作:ダークバスター

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プロローグ・2
半年後、『ある事件』の為に手伝ってくれる人たちとの出逢い。
アリサさんに頼まれて、ケーキを届ける事になる・・・



 夢を見た。
 久しぶりだった、こんな夢を見たのは……。
 とても暖かく、安らぐ心地よい温もりだった。
 そして俺は、何となく目が覚めた。
 その朝は、俺が正式にアリサさんの息子になった日から、一夜たった出来事だった。



「う、ん……ん?」
 俺は眠っていた五感が目覚め、不意に気配を感じた。
「お……母……さん?」
 次第に視界が良くなってきた。
「おはよう、聖龍くん」
「聖龍さん、おはよーッス!」
「え!?」
 俺は慌てて飛び起きた。
「きゃあ!」
「うわぁ!」
 アリサさんとテディが驚いた。
「あ、スイマセン!」
 俺は反射的に謝った。
「平気よ、どうしたのいきなり?」
「あ、いや、その……おはよう御座います」
 アリサさんの問いに、戸惑いながら朝の挨拶をした。
「はい、じゃあ起きたことだし、朝食にしましょう」
「ウッス!そうするッス!」
「じゃあ、先に行ってください。着替えてから行きます」
 そういうと、少し悲しそうな顔をするアリサさん、もといアリサ母さん。
「あ……先に行って、着替えてから行くから」
 慌てて言い直す。
「ええ、わかったわ」
 そう言って、テディと部屋を出て行った。
 俺はさっさと着替え始めた。
「しかし、何というか……今日から正式にアリサさんの息子になるのか……。だけど、アリ……母さんすら信じきれていない自分が……」
 聖龍は着替えながら、昨日の出来事を思い起こした。


前奏曲・2

 話は10日前にさかのぼる。

 聖龍がこの世界に飛ばされてきてから、一週間たっていた。

 既にケガは完治しており、俺を助けるのに手伝った人たちのお礼の品(アリサさん特性ケーキ)を届けに、まずはさくら亭に向かっていた。

 そしてさくら亭前まで来たら、中から声が聞こえてきた。

 

『い、いや!』

『いいじゃねいかよー、お酌くらいしろよ』

『あんたら、嫌がっている娘相手になにやってるんだい』

『へん!女はすっこんでな!』

『あんたたち、いい加減にしないと出てってもらうわよ!』

『やれるもんならやってみな!』

 

 声からして、どうやらガラの悪い客が、シーラと数名に絡んでいるようだ。

 しかもドアの前に一人いるらしい。

「テディ、コレ持てるか?」

「へ?大丈夫っすけど……どうするんすかッス?」

 テディに、俺が持っていたケーキを渡すと、さくら亭のドアを勢いよく開けた。

 

――ドガ!

 

 男は後頭部を抑えていたが、俺はそのまま無視して入ってきた。

「さくら亭って、ここでいいのか?」

 白々しく言った。

「こんにちはーッス!お届けモノッス!」

 テディも続いて入ってきた。

「え!?あ、ええ、そうよ。あ、テディもいらっしゃい」

 ここの看板娘?らしき人は、面をくらっていた。

「アンタ、ナイスだよ」

 銀髪の女性は、笑いながら言った。

「おい、テメェ!」

 先ほどドアの餌食となった男(以後・チンピラA)は、問答無用で殴りかかってきた――

――スゥ

 何気に避けて、そのままチンピラAの足を掛けて転ばした。

「うお!」

――ベタン!

 そのまま壁に激突。

「キサマよくも!」

 シーラにお酌を頼んでいた男(以後・チンピラB)も、掛かってきた。

「アンタ、知ってるか?」

「あん?」

 いきなり尋ねられたので、拳が途中で止まった。

「『貴様』とは、敬語で相手を敬う言葉だから、今度から『お前』とか『テメェ』とか言う事をオススメしておく」

「ふざけるな!」

 チンピラBは逆の拳を出してきた。

 事実を言ったが、相手には挑発にしか聞こえなかった。

「事実だっつーの」

 聖龍は相手の拳を流し、体を回りながら相手に背中を預け、さらに流れるようにチンピラB右腕の下を通りながら背後に回った。

「!?」

 素早く、軽やかな動作だった為、見ていた連中も声を失った。

「気功・衝天波!」

 チンピラBの背中に向けて放った。

 吹き飛ぶが、その先にはチンピラAがいたので、当然――

「ぶふあ!」

「うぉあ!」

 仲良く一緒に壁に激突。

パン、パン!

「さっき言った『貴様』のことは、本当だからな」

 決めセリフは、ご丁寧の注意だった。

「聖龍さん、コレッス!」

 聖龍はケーキを受け取り、カウンターに置いて、チンピラたちがいる壁のほうにいった。

「ああ、すまない……壁のほうは……無事だな」

「へえ~、やるじゃないアンタ」

 銀髪の女性は階段を下りて、カウンターに腰を掛けた。

「アタシの名前はリサ、リサ・メッカーノだ、アンタはたしか……」

「聖龍。今のところアリサさんの家にご厄介になっている」

「ああ!あの時生き倒れ!」

 パティの言葉に聖龍はこけた。

「違う、気を失なっただけだ」

 先の言葉を訂正しながら、チンピラA・Bを掴んだ。

「そいつらをどうするッス?」

「店の外に出す。目障りだから」

 ドアを開け、チンピラA・Bを店の営業の邪魔にならないように置き去った。

「あ、聖龍くん」

 シーラが声を掛けてきた。

「シーラ、無事か?」

「うん、平気」

 笑いながら答えてくれた。

「へ~え」

 パティが意味ありげに声を出した。

「なんだ?」

「シーラが赤面せずに、男と仲良く話してるから」

「ぱ、パティちゃん!」

 シーラは文字道理、赤面しながら言った。

 

――からんからん

 

 不意にドアが開いて、派手な帽子を被った男と背が小さく、体より大きな服を着た男の子が入ってきた。

 そして、シーラを見る否や近づいてきた。

「やあシーラ、今日も美しいね」

(ナンパか、こいつ?)

 裏拳でもかもそうかと思い始めたが――

「こらアレフ!いい加減にしなさいよ」

 この派手な帽子を被った男はアレフ、というらしい。

「いいじゃないか。……もしかして、妬いてるのか?」

「はいはい」

 呆れながら流した。

「なあ、パティ?」

「ほえ?」

 全然会話に参加してないなった聖龍が声を出したので、変な声を出した。

「俺を運ぶのに手伝ったや…人にお礼の品を配ってきてくれって、頼まれてるんだが…知っているか?」

 何となく理解できたパティが答えた。

「ああ、それなら…シーラ、リサ、アレフとそのにいるクリス、マリア、エル、ピート、シェリル、メロディに…アタシだから」

 聖龍の恩人の名を次々に上げていった。

「へえ~、そんなにいたのか」

 ふと、シーラは尋ねた。

 しかし、いつの間にか猫耳の女の子が、箱の匂いを嗅いでいたが、それに気づいたのは聖龍だけだった。

「それっ「ケーキな・の・だ~~~~~~!」」

 いきなりカウンターの下から現れ、話を割って出てきた。

 まあ、聖龍以外は全員驚いた。

「亜人か、猫の?」

「ふみゅ~、メロディは猫じゃありません!」

 メロディは怒りながら訂正を求めた。

「ああ、すまない」

 素直に謝る聖龍。その言葉を聞いて満足したのか、特性ケーキの匂いを嗅ぎ始めた。

「くんくん……アリサちゃんの特性チーズケーキの匂いだ!」

「へえ~、匂いでわかるのか……新手の珍種族か?」

「ふみゅ~、メロディはメロディですよ?」

「……さいですか。まあ、今いる人だけでも先に渡しますか。パティ、いいか?」

「ええ」

 笑いながら置くから出てきた。

 その手には、お茶とお皿、ホークをお盆の上に乗っけて運んできていた。

「準備がいいな、すでに用意してたとか?」

「あははははははは……」

パティは目を逸らしながら笑った。

 

 

――食後

 

 

「さすがはアリサさん、ホントおいしかったぜ」

 アレフは茶をすすりながら言った。

「ああ……しかし、俺の分まであったとは……でも、何でチーズケーキなんだ?」

 何となくの疑問だったが、テディが答えを教えてくれた。

「ほら聖龍さん、前にご主人様が聞いてたんじゃなんすかッス!」

 少し考えて、ポンと手を打った。

「そういえば……昨日聞いてきたな、どんなケーキが好きかって」

「え?そうなんですか!?」

 クリスが意外そうに言った。

「……テディ、コレ飲み終わったら行くぞ」

「うッス!でも……」

 テディの顔が曇った。

「なんだ?」

「クリスさんの一言で不機嫌になったような感じッス…」

「え、あ、す、スミマセン!」

 それを聞いて、慌ててクリスが謝った。

「なに、早く届けないと痛むからな……こいつらが」

 と、笑いながら、ケーキの入ってる箱を指した。

「食べた感じは絶品だったが、このままだと質が落ちる可能性があるからな、早めに他の奴らにもお礼参りにいかないと」

「はい、そうですね」

 クリスは苦笑しながら答えた。

「じゃあ、もういくから」

「もう行くんだ、話は明日聞かせてよ」

 食べ終えていたパティが、カウンターのところから言った。

「ああ、じゃ、また明日」

「おう!」

「はい、また明日」

「ええ」

「ありがとうございました!」

「またな、ボウズ」

「ふにゅ~、バイバ~イ!」

 それぞれの言葉で挨拶を交わした。

 

 

 

 しかし、他の人が居そうな場所を聞き逃し+ケーキを置き忘れたので、慌てて戻ったそうだ。

 言うまでもなく、いた人たちは爆笑していた。

 

 

 

「あ~、えれーめにあったぜ」

 少し疲れた感じてボヤいた。

「聖龍さん、間抜けッス」

「テディ…この場でシバくぞ?」

 エガオで言い放つ。

「ひ~い!あ、あ!聖龍さん、アソコッス!」

 目的地が見えてきたので、話題を変えた。と言うか、切り抜けられた。

 そこには、旧王立図書館があった。

「あそこに、シェリルとトリーシャがいるって場所か」

「うッス、たんぶいるはずッス!」

 少し回りを見回した聖龍。

「たぶんか……しゃあない、いくか!」

 

 

 

 旧王立図書館に入った聖龍とテディは、カウンターに向かった。

「すいません、尋ねたいことがあるのですが」

「はい、…どちらさまでしょうか?」

 髪の長い女性は、無表情で対応した。

「え~と…「聖龍さんッス、先週行き倒れになったいたッムジュ!」」

 テディが代わりに答えてくれたが、行き倒れといったのが気に食わなく、軽く踏むつけた。

「はい、その時アリサさんを手伝ってくれた、シェリルとトリーシャという子は今日、ここに来てませんでしたか?」

「なら、あそこにいますよ」

 カウンター越しから、二人が座っている場所を指差した。

「ありがとう・・・いくぞテディ」

「う、うッス」

 涙目で答えた。それなりに痛かったらしい。

 

 自業自得というやつだ。

 

「あ!聖龍さん、もう大丈夫なの?」

 トリーシャが心配そうに尋ねる。

「ああ、問題無い。トーヤ医師からも大丈夫だといわれたから」

 トリーシャは聖龍の全身を見て納得した。

「へえ~あの短期間で直っちゃたんだ。もう少し遅いかと思ったけど」

「自分自身、こんなに早く直るとは思ってませんでしたよ」

 頬を指でかきながら答える。

 そして、ふと会話に入れないで困っている子がいたことに気づいた。

「ところでトリ助、聞きたいことがあるのだ『ブオン!』うをあ!」

 棒がついたマジックハンド?が、横顔めがけ水平に飛んできたので、反射的に避けた。

「ボクはトリ助じゃなくてトリーシャだからね」

 薄く笑いながらドスの効いた声で言った。

 しかも目を赤く光らせながら・・・・・・。

 

コクコクコクコクコクコクコク!

 

 トリーシャの威圧感に負けて、首を縦に何度も頷いた。

「と、トリーシャちゃん、落ち着いて」

 話に入れなかった女の子が、トリーシャをなだめた。

「で、なに?」

「だから、その子は誰なんだ?」

「え、わ、私ですか?」

 女の子は戸惑いだした。

「君以外に誰がいるんだ?」

 トリーシャと女の子は、当たりを見回した。

「……たしかに」

 苦笑するトリーシャ。

「す、すいませんでした。わ、私、シェリル・クリスティアです、よ、宜しくお願いします」

 そう言ってシェリルは頭を下げた。

「ああ、あの時は助かったよ、ありがとう」

 その言葉に自分も驚いた、そしてここ一週間のことを思い出した。

 他人にお礼を言うこと、他人への感謝の言葉……。

(アリサ……さんのおかげかもしれない)

 久しぶりに、心の底からそう思えた。

「あ、あの…私、何か……」

 その言葉に、聖龍は我に帰った。

「ああ、すまない。……少し呆けていた」

 聖龍は慌てて返事を返した。

 その言葉に、シェリルの顔に笑顔が戻った。

「そううですか」

「ああ、あとコレ」

 二人にケーキを差し出した。

「うわぁ」

「へえぇ」

「ご主人様特製チーズケーキッス!」

 二人がケーキに見とれ、テディはその二人に品の名前を言った。

「俺を運ぶのを手伝ってくれた御礼だ、そうだけど…まだ会っていない三人の分があるし、ココでそのまま渡す訳にも……」

「聖龍さん、コレッス!」

 テディは、ケーキ屋が使う箱を二つ渡してきた。

「どこから出したのかは、あえて聞かないからな」

 そう言いながら、ケーキを一つずつ入れて、二人に渡した。

「ありがと~」

「ありがとう御座います」

二人は頭を下げながら、お礼の言葉を述べた。

「どういたしまして……ところで二人とも、ピートって男の子と…エルとマリナだか、

マリルだかって人がいる場所ってわかる?」

 その言葉に笑顔が固まった。

「ど、どうした?」

 トリーシャが恐る恐る言い出した。

「聖龍さんも災難だね……ピートはともかく、最後があの二人だったなんて」

 シェリルの顔色も、どことなく暗かった。

「聖龍さん、残りのケーキは……さくら亭に預けておきましょうッス」

テディの言葉には、不安感有りまくりであった。

「それでもいいが…ピートって子の分はどうするんだ?」

 そして、俺自身にも不安が過ぎるのだった……が、ピートって男の子の分も預けることになるので、中途半端な事はできればしたくなかった。

 

 

 だが俺は……この時のテディの言葉に従えば良かった後悔することになる。

 

 

 こういう事は……ああ、『後悔先にただず』っていう言葉が正しいのか?

 

 

 とにかくこのあと、悲惨な目にあった事は間違えない。




 手抜きっぽい感じになってしまい、申し訳ありませんでした。
 次の話は、エルVSマリアとその後の話です。

 2006年・今年初の作品です。
 こんな話ですが、今年も宜しくお願いします。






久々の解説?ショートコント?
紅蓮「DBよ」
作者「何でしょうか?」
紅蓮「何故、聖龍は『気功・衝天波』を使えてんだ?」
作者「さらば!」
紅蓮「って、ちょっと待て!」

END






制作開始:

打ち込み日:2006/1/1
公開日:2006/1/1

変更日:2008/10/23
訂正日:2006/2/13
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