口調とかこんなんだっけかなー、と探り探りしながら1日で書きました。
暖かい目で読んでくれたら幸いです。
世間一般的な話をするとピンクは淫乱の色らしい。
というのもまず淫乱ピンクという言葉を皆さんはご存じだろうか。
わからない人のために簡単にだが説明すると、二次元のキャラクターでピンク色の髪の毛を持つヒロインがチョロインすぎワロスという意味らしいのだが、最近では髪の毛ピンクの脳内妄想エロすぎワロスも淫乱ピンクという言葉を作った要因みたい。
まぁどっちでもいいとして、今重要なのはピンク色は淫乱ということである。
ピンクという言語は英語では「なでしこ」という意味らしいが、やはり現代日本ではピンクとは性的な色合いを意味することが多いのではないのだろうか。
事のつまり、なっちゃんがピンク色のビームを出している時点で、お察し。
あいつ普段そういったエロ関係の話題になるとお顔真っ赤にして必死に話題をそらそうとしている癖に内心エロエロなんじゃないか、と疑ってしまうのは仕方ないことだし、黒っていう大人の権化的な下着を穿いていたのも納得する。
「なんだよ。なっちゃんむっつりだったのかよ」
「言いたいことはそれだけなの?」
俺はまたもやピンク色のビームに飲まれた。
☆
目の前がピンク色に染まるという経験は何度受けても馴れないもので、たとえ俺がダメージを受けない体質だとしても精神的に来るものがある。
しかも、俺の手元にあるスマフォは俺と違ってダメージを受けないコーティングを施している訳もなく、プスプスと黒い煙を上げていることも相まって俺のテンションはダダ下がりである。
まだこれをもらって一年経ってないから保障期間であるのが唯一の救いである。
ちなみに俺の近くにいた東条君と、なんか見たことある銀髪ショタっ子も極太ピンクビームに飲まれたらしく地面にヤムチャってたが、なっちゃん的には彼らの存在を大嘘憑きよろしくなかったことにしたらしく、俺もそれに合わせることにした。
他意はない。
本当にない。
たとえ彼らが俺のスマフォと似たような煙をプスプス上げていたことから、あっ、これ触れちゃダメな奴だわ、とか思ったわけでもないので、スルーすることについては全くもって他意はないのである。
スルーついでに彼らをこの状態へと殺った(誤字にあらず)犯人だと思われたくもないので、なっちゃんの手を掴み、そのまま高町家の俺の部屋に瞬間移動。これチョー便利。
さて、ここなら落ち着いてしゃべれるだろうよ。
つーか、まだ聖祥の格好してるんだ。
え、それ魔法少女の格好なの。
つまり聖祥は魔法少女養成学校でFA?
んなわけないの。そっか、ねーよな。
とちょっとしたやりとり。
その後、自身のパンツを写真で撮られたことを思い出したのか、なっちゃんはいつも以上にワタワタして、
「わ、わたしのパンチラ画像はそう安くないの。そ、そんなに撮りたかったらマネージャーを通してほしいのです」
お顔を真っ赤にしてそんなことを宣って恥ずかしいのを誤魔化していた。
なっちゃんの容姿的にその筋の人には大変素敵な光景ではあるが、俺の場合、記憶に甦る二体の屍(比喩)のせいで台無し感が否めない。
まぁ、俺はその筋の人ではないので、ただただネタに走ろうとしたとしても、恥ずかしいのなら言わなきゃいいのにと思うだけである。馴れないことはやめときーって。
「ま、魔法少女のパンチラを無償で撮れると思ったら大間違いなの! だからたとえクー君がローアングラーだとしてもお金はきっちり払ってもらいます」
誰がローアングラーだ、誰が。
「つーか、人のスマフォぶっ壊しといて金とるとかどんな鬼畜だよ。これ鬼畜の所業だよ」
「ふふん。なんとでも言えばいいの。どんな事言われても痛くもかゆくもないの」
「鬼、悪魔、なっちゃん!」
「わ、わたしの名前を悪口みたいに使わないでよ! ねぇ!」
酷く傷ついた! みたいな表情でそう言うなっちゃんに、そう言えばと尋ねる。
「さっきも今もなっちゃんものすごく余裕そうなんだけど、なんかピンチだったんじゃないの」
自分で自分の事を魔法少女と言っちゃう程度には余裕そうに見えるんですがそれは。
そんな俺の質問に右手に持っていた素敵ステッキを俺に見せて、
「さっきまでバックベアードもといロリコンに襲われていたんだけど、魔法少女に変身してこのステッキもといレイジングハートでフルボッコにしたの」
「素敵ステッキでフルボッコ(物理)ですね、わかります」
どうだとばかりに胸を張って緑色の宝石を素敵ステッキから取り出し見せつけてきたなっちゃんにそう返答する。
緑色の宝石。なんでもこれがバッグベアードの元らしい。手渡されて眺めてみたが、こんな綺麗な宝石にバッグベアードが封印されていたとか。あれ、これプレミアつくんじゃね?
「おっしゃ! これ換金してこようぜ! たぶん高く売れるでしょ」
「やめてください! それはとっても危険なものなんです!」
これでがっぽりお金が貯まると思いそう提案したところ、どこからともなく否定的な声が聞こえた。
それは、なっちゃんの肩から聞こえたみたいでよーくみるとなんかイタチみたいなの身振り手振りとやめちくれーとばかりに訴えてきた。ほうほう。
「しゃべるイタチとは珍しす。‥‥こいつも売り行こうぜ!」
「えっ? えっ?」
「ドナドナなの! ワクテカするの!」
困惑しているショタッ子ボイスのイタチ君と何故か売ることにノリノリのなっちゃん。
つーか、提案しておいてなんなんだけど、このイタチ魔法少女の相棒的な位置だと思うんですが、そんな売ることに積極的になっていいんですかね?
「大丈夫、問題ないの」
「売られそうになっている身としては問題でしかないんだけど……」
悲しそうにつぶやくイタチをしり目に俺はそう言えばととある事実に気づき、そのことについて驚愕し、そして感動していた。
お、俺の、ど、動物避けのスキルが発動してねぇ!
「……ねぇなのは、……この人なんで急に泣いているの?」
「あー、なんとなくわかったけど、気にしないであげて。ユーノ君はそのまま普通にクー君に接してくれればいいだけなの」
苦節9年。やっと、やっと報われるときがきたのかー!
そっか、このイタチはユーノっていうのか。
優しそうな名前だ。そして、俺のスキルなんかものともしないであろう強さを感じる名前だ。
しかも、さっきまでなっちゃんの魔法少女化でテンションマックスだったから気づかなかったが、よくよく見るとすんごくかわいい。もふりたい。
誰だ、この天使みたいな動物を売ろうとした心ないバカは。
「心ないバカは私の目の前にいるの」
「なんのことか。全くもって記憶にない。なっちゃんがノリノリで売ろうとしていたこと以外の記憶は俺にはないんだ」
「なんて素敵な頭をしてる人なんだ……」
☆
「ふむふむ、ということはつまり、魔法は地球以外では結構蔓延していて、ユーノ君は考古学者で珍しいマジックアイテム的なものを発掘していて、今回はなんでも願いが叶うっていう鳥山的な宝石をたくさん発掘して運んでいたら、事故ってそれ全部を海鳴に落としてしまったのか」
「だ、だいたいあっているよ」
日本が急にファンタジーチックになったので、一応事情を知っているユーノ君に聞いてみたところ、いろいろと驚愕の事実が発覚。
話が長かったので俺的にまとめてこれで合ってるよね?的に聞いたらため息気味に返答されたでござる。解せぬ。
「駄目だよクー君。三行でまとめないからため息つかれるんだよ」
「あの長い話を三行でまとめろとかどんな苦行だよ」
無理無理。と手をぶんぶん横に振る。
出来るわけがありませんよ。
「今北産業」
「ユーノ君有能。
事故で危険物を海鳴にブッパ。
ユーノ君無能」
「なるほど、把握なの」
「……いやいや、なんにもわからないからね」
なっちゃんの無茶振りに応えてみたらもっと深いため息を吐かれたでござる。解せぬ。
「まぁとどのつまりこの宝石を全部集めればいいってことか」
「……手伝ってくれるの?」
「いいよ。つーか、なっちゃん見て。やる気に満ちて素敵ステッキで素振りしてるよ。風圧がこちらに届くほどの」
イチローもビックリのスイングスピードである。
魔法を知っているユーノ君も魔法(物理)は知らないようだ。開いた口が塞がらない様子。
「……僕はとんでもない子に魔法を教えてしまったのかもしれない」
それは間違いない。しかし、時すでにおすしである。
「でも、今の僕ではジュエルシードを封印できるほどの力はない。……僕の責任を君たちに押し付ける形になってしまうし、危険を伴うようなことだけど……、本当にお願いしてもいいのかな?」
「まぁいいんじゃないか、俺も出来ないことは他人に任せきりだし」
「わたしも、これがわたしのできることなら……最後までお手伝いしたいの」
なっちゃんのこの異常なまでのやる気はどこから来るのだろうか。ようわからん。
たぶん、やっと自分ができることを見つけたとかそんなような理由だと思うのだが、ちょっとはしゃぎすぎて不安になる。
主にこれから封印のために駆け回るであろう海鳴のライフがゼロになる的な意味で。まぁいいか。
「そんな訳でようこそユーノ君。人外魔境の巣窟、高町家に」
「……今更こんなこというのもあれだけど、今の言葉で責任とかすべてを放って、物凄く家に帰りたくなってきたよ」
「大丈夫なの。人外の常識外れ異常者はクー君だけで高町家はごく普通の一般家庭だから」
「えっ?」
「えっ?」
あれ? 一般家庭ってなんだっけ‥‥?
戦闘シーン? んなもんねーよ。