日常を取り戻したい主人公たちがおくる。一つの世界。(艦これ)   作:空色 輝羅李

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第9話

第十八話~異世界の片鱗~

 

 

 

 

「その必要はないわ。だって私、黒から生まれたの。」

 

 

────俺の頭がおかしいのか?

この少女は今、なんといった?黒から生まれた?

は、ははっ。あり得ない事もないだがこの世界の物じゃなかったのになんで生命体が生まれる何がどうしてこの禍々しい鬱陶しい忌々しいこの物体から

 

「...黒から生命体が生まれるのは珍しいことじゃない。でもそれは俺のいた世界での話だ。他の世界では珍しいなんてほどじゃない。''あり得ない''のさ。」

「でも私は...ここに''確か''に居るの...」

「...提督。オレは構えた方がいいのか?」

 

とてもじゃないけれど。言いたくないけれど。この少女は明確な敵ではない。だが、敵ではないだけで、味方でもない。不明瞭なバグ。解析不可能なプログラム...

あぁ───俺の頭が張り裂けそうだ

 

「...冗談よ。私は響。捨てられたんだ。それで、偶々近くにいたのさ。」

「とんだくそ茶番。」

「なんだそれ...くやしくねモガッモゴ」

 

天龍。世の中言っていいことと悪いことがあるんだぜ。(おまいう)

捨てられた...か。その提督あとで始末する(決定事項)

でだ。

 

「うちくる?響」

「軽いなお前」

「君が良いのなら、私はどこへでも。」

 

ふーん。じゃあ帰ろう!!

 

─────────────

 

てなわけで。元帥に聞く?自分で探す?答えは...

 

「...なるほど、そんなことがあったのか...」

「ま、もうなにもできないほどの精神力でしょうがね。」

 

なにをしたのか...教えて進ぜよう。

 

 

~~~~~~~~~~~~~~

 

「あのさー君。子供だからって手加減されるとでも思ってる?」

「いいえ?それより、あなたこそ。大人だからと言って僕に勝てると、思ってます?」

「...いい度胸してるね。じゃあこうするとしよう。うちは戦艦だけで勝負してあげる。そちらは何を使ってもいいよ?」

 

なめ腐った態度だ。いいだろう。その長い出鼻、跡形もなくへし折ってやる。

てなわけで。相手方の編成は長門、比叡、扶桑、武蔵、伊勢、日向だ。

こっちは誰を出してもいいそうなので...

 

「響。行けるか?」

「...正直に言って、とても怖いよ。」

「だろうね。でも、自分の中にある壁は、自分で壊さないといけない。だからそのために、こいつを一緒に乗り越えないか?」

「...君が一緒なら、喜んで。」

 

てわけで。こちらの編成は、響、山風、天龍、阿武隈、鈴谷、翔鶴。はー...水雷もどき。やるせない...でも、勝てる。絶対に。

だってこの子たちには、あいつにはない―――

「やる気と信念がある。だから...」

「ふっ、何を言い出すかと思えば。くさいな。や、あおくさい、か。」

「...うちの提督に。文句あるのか?」

 

やめろ。このシーンそんな長くしなくていいから。早く終わらしたいから。なんで回想がこんな長いんだよ。

 

「そんなに子供の提督を信用するのかい?ま、それはそれで面白いよね。でも、あまりふざけないでくれるかな?」

「ふざけてなんかいない。司令官...いーや、あなたは。人を人として見ていない。艦娘を道具としか見ていない。そんな人は誰かの上に立ってはいけないんだ。」

「...響、か。くっくっく。君がここにくるとはね。」

 

もう飛ばしていい?長すぎない?

 

「...腐った野郎だ。自分が捨てたくせに。」

「使えないのが悪い。」

 

彼の目は、真っすぐだった。自分は正しいと、本心から思っているようだった。ただ、彼は生まれる世界を間違えたのかもしれない。この場では彼は、歪んでしまった悪になっているのだから....

 

「...そんなことより、早く始めないか、提督。」

「ん、すまない長門。さて、それじゃあ始めようか。」

「...あぁ。圧倒的な信念を、見せてやるよ。」

 

あぁ、気に食わねぇ態度。大人ってのは、半数はこんなだもんな。いい人だっているさ。でも、その分だけ腐った奴がいる。割合や種類は違うけど、働きアリみたいだな。

 

--響side--

 

怖い。怖い。怖い。

私の中にある感情は。ただこの一つが渦を巻いて、頭の中を駆け巡る。

怖い。怖い。怖い。

でも、私はこの恐怖に、あの...最低な彼に、

 

「絶対に...勝つ...!」

 

それが昨日までの自分との決別だ。私は、今日でやっと私になる。生まれて初めて、私になるんだ...!

 

「相手は航空母がいる。輪形陣で、空にも気をやっておけ。」

 

聞きたくない声が聞こえる。聞こえてほしくない声が聞こえる。この声に呼応して、この体は今にも震えてしまいそうだ。

 

「...落ち着け。」

「...」

「深呼吸...いや。耳を使うな」

「...ふっ。」

 

耳を使うなって、そんなの、笑っちゃうよ...。

 

「大丈夫だよ、司令官。私はもう...勝てるから。」

「...そんなこと、わかってるよ。」

 

...そっか。そうだね。こんな簡単なこと、わかるよね...!

 

「...全艦砲台用意。翔鶴は爆撃機用意。狙うは敵旗艦並びに敵全艦...思い思いに、撃て!」

 

今は単横陣で、右にいる天龍は物凄い勢いで、楽しみながら、左にいる山風は、怖がりながらも、力強く...ほかの艦娘も、各々の意思を以って相手に砲台をむけ、弾を撃つ。その姿はどれも、か弱い少女の面影はなく、とても凛々しい。

 

「...хорошо...すごいな、これは...」

「おい響!手が止まってんぞ!あいつに勝ちたいんだろぉ!」

 

天龍の声がした。言葉使いが強くて、怖いはずなのに、やさしさを感じる。不思議と、勇気も湧いてくる気がした。

 

「て、天龍さんの言葉は、少し怖いけれど、その...その人のことを思ってというか...優しさなんです。」

 

山風の声がする。とてもか細く、こんなにも銃弾が飛び交う中では聞き取りずらいけれど、言葉の奥にはなぜか芯の通った太さがあった。

 

「ありがとう、山風。私はそんなに気にしてないよ。天龍も、ありがとう。もちろん私は勝つよ。皆と。」

「ったく、ほら、お前ら、口動かさねぇで撃て!」

「うん...!」

 

勝つ...勝つ...勝つ...!勝つ!私は!絶対に!勝つんだ!

 

 

--柊side--

 

...なんというかかんというか。うん、いつ見ても格好いいな。この子たちが戦う姿は!

じゃなくて。いやー...戦艦つよ...でも魚雷には勝てないみたいだな。

 

「この、僕が...負けるなんて...!ありえない!何をしたんだ!」

「僕は何もしていません。何もできません。」

「う、嘘、だ..!ありえない!だって、だって...」

「あなたには三つ、足りなかった。それだけだ。」

「...何が足りないって言うんだ。」

「...そんなの、優しさと、知恵と...信念だ。」

「...」

 

負けた屈辱はすさまじい。負けることは誰にでもある。でも、それをその先にどう生かすか。それが大事なんだろうよ。

 

「...次がもし、あなたにあれば。そのときまた、頑張ってください。違う方法で。」

 

~~~~~~~~~~~~~~

 

「てなわけで、疲れました。」

「そうか。お疲れ様。改めて感謝するよ。」

「なにかくれてもいいのでは?」

「子供か?子供か。」

 

子供です。てなわけで。なんということでしょう。勲章をもらいました...ま?じ?で?

個数は...12個。これは...鈴谷と翔鶴と陸奥の改装設計図を買えと?はっ。なかなか商売上手ですねありがたく買わせていただきますありがとうございます。

 

「見事な手のひら返しね...」

 

世の中には必要なことだよ、ヲ級。

でもなぁ、練度がなぁ...

 

とりあえず、周回かな。

 

 

「バシー海峡かなぁ...」

「お?なんだ提督。バシクルにでも行かせんのか?」

「練度上げたいよねーって思うし...そうだね。」

「誰いかせんだ?ま、オレは当たり前だよな!」

 

そうだね。天龍が行かないのは当たり前だよね。っと、編成か...さっきの三人と...明石、雲龍、加賀だな。

 

「おいおい。この天龍様はいいのかよ?」

「まだ駄目だよ。天龍は駆逐艦の面倒見てくれないと。」

「仕事押し付けたな?」

「違う違う...僕とだよ。」

「...私のことは忘れたようだ...仕方ない。電話をそっと切る」

 

ごめんよ元帥...そっときるを口に出すなんて恥ずかしいことさせてしまって...

でもな...そもそもこんなことをしている暇はない。俺はさっさとオーブとやらを探さないといけない...

仕方ない。この世界の魔力を測っておこう。結果は...三十分後くらいかな。それまで遊ぼ―っと。

 

―――――――――――――

 

「提督...膝枕...して...」

「んなっ!ずるいですよ山風さん!」

「お、落ち着いて浜風さん...」

「...提督、これがここの日常かい?」

「はぁ...手の付けようがねぇな。」

 

 

なぜに膝枕...甘え上手だ。うちの姉と妹にもこれくらいの素直さがあればな...

ではなく。

 

「勉強だ...勉強をするぞ...」

「提督、疲れてねぇか?」

「魔力使ってるから...」

 

 

--天龍side--

 

マリョクってなんだ...なんかカッコいいな!!オレもマリョクってのを使ってみてえ...じゃなくて。こいつらに勉強を教えないとな。

でも、勉強って言ったって、何から教えればいいんだ...

 

「この場では、座学、といった方がいいだろうか。とりあえず、算数からだな。」

「流石提督。考えてんだな。」

 

当たり前だろ、といった顔で、紙を全員に回していく。え、オレも?

はっ。算数なんてちゃちゃっと終わらしてやるよ!

 

「...これどう解くんだ?」

「天龍さん、ここはですね...」

 

浜風...お前天才なのか!くっ...!オレが他人に教えられるなんて...ましてや年下に!

提督も提督で意地が悪い。なんで駆逐の相手のはずなのに、オレが面倒みられてるんだよ!!

 

「可愛いから仕方ない。」

「っこの...!」

「хорошо...いいラブコメだ。」

 

けっ...年下に何言われてもなんとも思わねーよ...思ってなんか...

 

「どうしたんだ?天龍」

 

...むかつく。よし、報復しよう。めちゃくちゃ難しい問題出してやる。

 

「えっと...お、これなんかよさそうだ。」

「なにが?」

「1

 ∫(x^2+5x-1)dx

 -2       」

「定積分だね。 15  かな。」

       -―   

        2   

 

なんで暗算で...しかも正解じゃねーか...こっわ...ふふ、怖いぜ。

 

「自分で自分をネタにする精神の強さ...流石天龍。」

「ちょくちょく心読むな。」

 

--柊side--

 

積分はこの子たちには早すぎるだろうに...

 

「はぁ...とりあえず、皆の採点でもしようかな?」

「はい!オレが最初!」

 

子供か!?...子供だな(諦観の笑み)

 

「...全問間違い...天龍。教えてもらってたよね?」

「...しらねー...」

 

あっ逃げた。まったく天龍め...わからなければ最後まで聞けばいいのにな。

 

「次は...響にしよう。」

「...不死鳥の名は伊達じゃない。」

 

...不死鳥...か。

 

「一問しかあってないね。」

「...ypaaaa!!!]

「叫ばない...」

 

なんでここまでひどいんだ...

...次に山風と潮の採点をしたら、

 

「半分づつか...」

「二人合わせて...百点...」

「や、山風さん...一人で百点じゃないと...」

 

うーん...勉強を教えるのは、やはり難しい。よもやこんなことで躓くとはおもわなんだ。先生方にはきちんと感謝しないとな。

 

「...提督。あとの駆逐艦の相手はオレに任せて、もう休んだ方がいいと思うぜ。」

「そんなに分かりやすかった?」

「あぁ。目がうつらうつらしてるからな。あとその...目線が胸にばっかり来てたぜ...」

「...ごめん」

 

やっぱそういうのわかるのかぁ...はっっず。

 

でもま、そろそろ感知も終わる頃合いだからいっか。

 

「ならお言葉に甘えて、休ませてもらうよ。みんな、天龍のことよろしくね。」

「逆だろうが!」

 

さて。さっさっと行こう。

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