インフィニットストラトスに超大国が転移して来た(仮)   作:Zzzzzzzzzzzzzzzzz

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第五話

 ISが敗北し、IS開発の為に通常兵器を削減していた各国に勝ち目などある筈も無くアメリカの仲介で講和交渉を行った。2030年3月21日、圧倒的不利であった各国はアストリア帝国の要求を全て飲んだ無条件降伏をするに至る。講和条約の内容は以下の通りであった。

 

・賠償金総額は2兆アメリカドル。支払いの内訳はイギリス40%、フランス20%、ドイツ10%、オランダ5%、イタリア5%、ギリシャ5%、スペイン7.5%、ポルトガル7.5%とする。

・賠償金の支払い間隔及び一回当たりの支払額は各国政府に一任する。ただし賠償金は15年間は無利子、それ以降は年利5%(複利計算)とする。

・アストリア帝国が鹵獲したISコア、合計32個はアストリア帝国の物とする。

・賠償金の支払いは物納で行う事も可能。ただしその場合は国際相場の5%分を支払ったとして扱う(100万ドル分を物納した場合5万ドル分の支払いとなる)。

・アストリア帝国は占領地を全て返還する。ただし返還した領土にどんな不具合があっても抗議を受け付けない。

 

 この戦争によってやはり戦争は数が重要になる事が示され、各国は通常兵器の再建に力を注ぐ事となる。しかしIS保有国のうち通常兵器を維持していたのはISに重点を置いていなかったアメリカ、そして国土が広くISだけでは全てをカバーできないと判断したロシア、中国だけであった。その他の国、特に日本は通常兵器の殆どを廃止してISに国防の殆どを任せており、ヨーロッパ主要国と共に世界への影響力は著しく減衰した。

 

 

 

 

「まさかアストリアが勝つなんて、思ってもいませんでした」

「山田先生、何もおかしな事では無い。ISは正面対決では最強でも戦争で意味を成さなかっただけだ」

「でも織斑先生、こうなるとあの篠ノ之博士が何をするか想像が付きませんよ」

「確かに、束の行動は意味が解らんからな。それよりあの件はどうなっている」

「世界初の男性IS操縦者の事ですね、名前は織斑秋十、年齢15歳、中学三年生です。現在はホテルに保護しています」

「全く、アイツは何をしているんだ」

「お知り合いですか? そう言えば苗字が同じ……もしかして弟さんとか」

「そうだ、これからの扱いだが」

「とりあえずIS学園に入学させて問題を先送りにするようです、その間に本人に何処に所属させるか選択させると。そして、その……そして篠ノ之博士の妹さんも入学させるそうです」

「まあ、何かあればシスコンの束が黙っている訳がないからな。妥当な判断だろう」

 

 

 

 

 

 

「いや~何なのあの国、8ヶ国と戦争して圧勝って。それにやっぱり戦争でISは役に立たないよね」

「しかし良かったのですか? 束様のISがあの様に」

「そもそも私はISを兵器として作った訳じゃ無いしね、旅客機が戦闘機に撃墜されても当然でしょ? それと同じ事だよ。よしこの国に行ってみよう!」

「危険では無いのですか?」

「領海外から浮上して向かえば問題無いでしょ、シールドを張っとけば潜航する時間は稼げると思うし」

 

 

 

 

 

<ニュースです。戦争中であったアストリア帝国とイギリス等8ヶ国が停戦しました。公表された和平条約の内容はアストリア帝国に大きく有利な内容となっており、戦況もアストリア帝国が圧倒的有利だった模様です。軍事評論家の佐々木さんをお招きしていますのでお聞きしましょう>

<まず今回の戦争でISは役に立たない事がはっきりと分かりました、アストリアはISを持っていませんからね。それにアメリカのミリタリーマニアが公表した情報によると兵器の性能はこの世界と同じくらいの様ですし、数の差に押し潰されただけですよ>

<そんな訳ないわ! どうせ卑怯な手を使ったに決まってるわよ!>

<戦争に卑怯も糞も無いと思いますがね、まあそれはともかくアストリアにはISで対抗出来ない事が明らかになりました。これについてですが対応は二つ、アストリアに友好を求めるか対抗出来る力をつけるかです。まあ日本がとれる選択肢は一つしかないですけどね>

<それは何故でしょうか>

<そんなのこの国が通常兵器の殆どを廃止したからに決まってますよ、噂ではそれまで作っていた企業は全てアメリカ企業が事業を買収したそうですからまた装備を整えるには他国から買うしか無いですね>

 

 

 

 

 

 

「コアの解析はどの程度進んでいるかね?」

「所長、PICと呼ばれる反重力機構の原理は解明しましたがそれ以外は依然不明ですね。まあPICを最優先で解析していたのでそうなるでしょうが」

「そうか、それで製造は可能か?」

「デッドコピー以下の物ならば試作品が出来ています。ただ性能が最大で1㎏以下ですので実用には使えませんね」

「なるほど、まあこのプロジェクトに時間がかかる事は分り切った事だから良い。それよりも軍から開発中止になった輸送飛行船に使えないか聞かれたんだが」

「あの欠陥品にですか? あれが中止になった理由は積載重量不足ですから性能が向上すれば問題無く使用出来ます。エネルギーも反応式タービンエンジンを使えば賄えると思いますし。今イチカが試作品の調整をしています、見に行きますか?」

「そうさせて貰おう

 


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