【完結】輪廻を越えた蒼き雷霆は謡精と共に永遠を生きる   作:琉土

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感想でも書いたように、ガンヴォルト本編のトークルームを意識してトークルーム編は意図的に短い話を三話、そして一回の投稿で文字数をなるべく三千字以内に減らすようにしています。後、今回は前作の時系列の時のお話です。


第三話

お返しのうどん

 

 フェザーの施設を襲撃した能力者狩り(ハンター)部隊を撃退し、僕はセーフハウスへと帰還した。真夜中の緊急ミッションだった事もあり、もう日付は既に変わり、朝日が既に射しこんでいる。ミッション出発前、シアンは僕の帰りを待ってると言ってくれてはいたけれど…

 

(流石にもうシアンは眠ってしまっているだろうな)

 

 そう思いながら僕はリビングへと足を運んだ。その時、僕の鼻に食欲をそそる匂いがリビングのテーブルから出ていた。そこにあったのは、まだ出来たばかりのうどんだった。そして…

 

「…あ、おかえりなさい、GV」

『おかえり、GV。そろそろ帰ってくると思ってたわ』

 

 眠っていると思っていたシアン達による出迎えを受けた。…こうして「おかえりなさい」と言われるのはすっかり慣れたけど、日を跨いで疲れ果てた時にこう迎えられると疲れが吹き飛ぶ様だ。

 

「…ただいま、シアン、モルフォ。まさか起きてるだけじゃなくて、うどんまで用意してくれていただなんて」

「私、GVが出かけた後、初めてGVのセーフハウスに来た時にうどんを食べた事を思い出したの」

『だからシアンはこの機会にその時のお返しにうどんを作ったのよ?』

 

 シアンは僕が付きっ切りで教えていた事もあり、ここに来て三ヵ月の時点で一通りの料理が作れるようになっていた。だからうどん位なら当然失敗も無く作ることが出来る。…あの時出していたうどんの事をまだ覚えてくれていた事が、僕はとても嬉しかった。

 

「ありがたく頂かせてもらうよ。…うん、美味しく出来てる」

「えへへ、良かったぁ…………すぅ」

『あらら…GVが帰って来て一息ついたら眠っちゃったわね』

 

 とは言え、流石に日を跨いだ疲れが出たのだろう。机に座って一息付いた所でそのまま眠りに落ちてしまった。

 

「…………ありがとう、シアン」

 

 僕は食べるのを一時中断し、眠っているシアンにお礼を言った後彼女をお姫様抱っこで抱えてベッドへと寝かしつけた。その後、モルフォからどれだけシアンが頑張っていたのかを微笑ましく聞きながら食事の続きを進めたのだった。

 

 

――――

 

 

GVの趣味

 

「ねぇGV…GVは何か趣味ってある?」

「趣味か…そうだね、カラオケ…歌を歌う事が趣味と言えるだろうね」

『この前初めてカラオケ行った時、GVって歌が上手だなって思ってたけど、趣味だったのね』

 

 この趣味は転生前から続いている趣味であり、未来のシアン達と一緒にカラオケで歌う機会を多く作っていた為、そのまま趣味となっていった。その結果、モルフォが言っている様に僕自身の歌唱力も鍛えられる事となった。

 

「…その趣味って転生前から?」

「そうだよ、シアン」

「じゃあ、転生前の世界の歌、聞かせて貰ってもいい?」

『アタシも興味あるわ。あの時見せて、聞かせてくれた歌を、GVがどんな風に歌うんだろうって』

 

 シアン達には既に僕が転生している事は話している。その時に僕の居た世界の娯楽や歌を、僕の記憶を通じて見せ、聞かせていたのだけれど…まさかその歌を、僕がシアン達の前で披露する事になるとは思わなかった。

 

「僕は構わないよ。だけどその前にお願いがあるんだ」

「お願い?」

「一時的にシアンと能力共有をさせて欲しい。…折角の機会だからね。共有した能力を利用して音楽も用意させてもらうよ」

「……! うん! 私の力、上手く使ってね」

 

 シアンは能力の訓練をしており、その中に能力共有と言う物がある。これを利用する事でシアンは僕の蒼き雷霆を、僕はシアンの電子の謡精の能力を扱う事が出来る。そして、僕はシアンの能力を共有する事でこの世界に無い僕の世界の歌の音楽を用意する事が可能となった。

 

「~~~~~~~~~~♪」

「…モルフォ、私なんだかGVと一緒に歌いたくなってきちゃった」

『アタシもよ…ねぇシアン、GVの歌ってるこの歌が終わったら、アタシ達も混ざろっか』

 

 そうして僕は防音室仕様となっているセーフハウスの訓練所で僕の世界の歌を披露する事となった。そうして披露している内にシアン達と三人で歌う様になっていき…その日は食事も忘れてずっと歌を歌う事で終始してしまうのであった。

 

 

――――

 

 

癖になる雷撃

 

「ん…」

「すぅ…すぅ…」

 

 シアンが空を飛べるようになったその一週間後、僕達は文字通り身も心も一つとなった。今僕の腕の中には一糸纏わぬシアン達が居る。二人はとても綺麗で暖かく、甘える様に僕に手足を絡め、眠りについていた。

 

(昨日は二人共初めてだったのに随分と無茶をさせてしまったな…)

 

 ここに居る過去のシアン達とはその…()()な行為をするのは初めてであった為、僕は最初、手加減するつもりであったのだが、一度シアンと一つとなり果てた後でモルフォが乱入して来てしまったのを引き金に、僕の理性は完全に消し飛んでしまった。その時僕が二人にやってしまった事があった。それは蒼き雷霆(アームドブルー)の応用…生体電流の記憶とその再現である。

 

(一度二人が達してしまった時の生体電流を僕が記憶して、それを再現する様に雷撃を流し込む…シアンもモルフォも、病み付きになってしまっていたな)

 

 一度それを経験してしまった二人は僕に何度も何度もこの電撃をおねだりするようになってしまっていた。…僕は未来のシアンが僕を阻んでいた時、「僕の雷撃を受けたい」と彼女が思っていた事を思い出していた。

 

(恐らく、この事が切欠だったんだろうな…)

「GV…もっと触って…もっと…貴方の雷撃で…」

「もっと愛して…もっと、アタシの…を…」

(…僕はダメだな。この二人を見ていたら、また…)

 

 僕は二人の可愛い寝言(おねだり)を聞いた事で、再びやる気を取り戻し…生活用品等が空になる一週間後まで、この情事を続ける事となってしまったのであった。




シアンとの心の繋がりを感じた
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