【完結】輪廻を越えた蒼き雷霆は謡精と共に永遠を生きる   作:琉土

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激流(ウォーター)

高潔な海の番人が掲げる汚れなき世界
その清き(セカイ)(ヒト)が棲むこと叶わず
大海を想う激流は清すぎるが故に排他的



第十二話

 ジブリールを撃破してから、また少しの月日が流れた。この間に僕は優奈さんから教えて貰っていた波動の力をある程度使いこなす事が出来る様になっていた。

 

「…そこまでよ、GV。大分使いこなせるようになってきたわね。」

「ふぅ…この力…本格的に扱ってみて分かりましたけど、EPエネルギーの消費が思った以上に激しいですね」

「ええ、私の場合は装備やエターナルヴォルト、それにシアンの歌で対処しているわ。単純な攻撃力はこちらの方が上なのだけど、EP効率や使い勝手を考えると雷撃麟の方がずっと効率的なのよね。雷撃麟は攻防一体の技…対して波動の力は雷撃麟の様に攻防一体って訳にはいかないわ」

「ならば雷撃麟を強化すれば、どうですか?」

「私も場面によってはそれをやった事は何度かあるわ。だけど、EPエネルギーの消費が激し過ぎて即座にオーバーヒートしちゃうのよね…それに、アレもコレもと手数を増やし過ぎると、選択肢の幅が広がり過ぎて最適な行動が取りにくくなってしまうわ」

「分かります。僕も蒼き雷霆(アームドブルー)のスキルが多くなってしまった時、ミッション中に使うスキルは制限してますから」

 

 優奈さんもこの手の選択肢の幅で悩んでいた時があったみたいだ。そんな風に僕達は訓練を続けていたら、シャオがエデンの情報を持ち込んでくれた。その内容は…

 

「エデンの連中が、地下水道で何かの工作を行ってるみたい。多分狙いは水道施設…ライフラインの断絶を狙っているんだと思う」

「これはシアンの事を除いても、他人事ではないわね…」

「判った。被害が大きくなる前に止めてみせるよ」

「それともう一つ…指揮官はG7の一人みたいだ。連中の工作を阻止しつつ、シアンのためにもミラーピースを取り戻そう!」

「場所は水に関係している場所ね…GV、訓練の成果を発揮できる機会になりそうね」

「優奈、どういう事? 少し前から、GVに何か教えてるみたいだけど」

「それは後で説明するよ、シャオ。今回のミッション、この教えて貰った力が役に立ちそうだからね」

 

 そうして僕達はエデンが工作しているであろう地下水道へと足を運んだ。

 

「エデンの構成員は下水道の奥まで配置されているようだ」

「了解、構成員を無力化しつつ前進する」

「…ここは広い場所の様ね。私は何時も通り姿を消して別ルートへ向かうわ」

 

 そう言いながら優奈さんは姿を消しながら僕と分かれ、別ルートへと向かった。それを見送った後、僕も出発し、先へと進んだ。

 

「確か水に浸かった状態で雷撃鱗を使うとオーバーヒートしちゃうんだよね?」

「雨や足が浸かる程度の水なら、問題ないんだけど…」

「水位が高い場所での雷撃鱗は要注意だね…」

 

 そう言いながら先へと進むと、早速そう言った水位が高く、それでいて飛び出すと狙い撃ちされる場面に出くわした。

 

「あの敵…シールドを張りながらミサイルを撃ってくるか」

「GV危ない、避けて!」

 

 そのミサイルは僕の眼前に迫ってきている…通信経由でシャオの悲鳴が聞こえてくるけど…もう僕は水場での対策を優奈さんに伝授して貰っているんだ!

 

『やったぁ! GV、優奈さんとの修行の成果、ちゃんと発揮できたね!』

「え…GV、今のミサイル、どうやって防いだの!?」

「説明は、こいつを倒した後でするよ。はぁ!」

 

 僕は体内にEPエネルギーを収束させ、波動の力をさせて拳に込め、盾を構えたロボットへと叩きつけた。

 

「凄い…相手は防御してたはずなのに、一撃で倒しちゃったよ!」

「シャオ、これは波動の力と優奈さんが呼んでいる力だよ。人間なら誰もが持っていると言う第一から第三までの波動を、僕の力で増幅して発現している力なんだ。優奈さんも自身の能力でこの力を増幅する事で、あの光学迷彩なんかを実現しているんだ。因みに、僕の場合は体内にEPエネルギーを収束させる事で発現させているから、水中でも問題無く使用できる」

『つまり、今のGVは水と言う弱点を克服出来ているのよ? 凄いでしょ、シャオ?』

「…シアン、今の状態じゃあシャオには伝わらないよ」

 

 そんなやり取りをしつつ、先へと進んで行く。道中の敵の数が予想以上に多く、エデンのこの地下水道に対する工作の力の入れようが分かる様だ。

 

「敵が多いな…」

「もしエデンの工作によって地下水道が機能しなくなれば、街に汚水が溢れる事になり、それは伝染病の蔓延に繋がる…エデンのヤツら、本当に見境のない…!」

『「シャオ…」』

「…ごめん。少し故郷を思い出して…」

 

 シャオは時折、この様にエデンに対する怒りを露わにする事がある。無理も無い。彼は故郷をエデンに滅茶苦茶にされてしまったのだ。その怒りは理解できる。シアンも悲しそうな表情をしながら話を聞いていた。そんな時だった。

 

「こちら優奈よ、さっき外でフェイザント…飛天に居た起動兵器を目撃したわ。私の方は大丈夫だけど、GVの方では遭遇するかもしれないわ。警戒を忘れないで」

「了解」

 

 優奈さんからフェイザントの情報を得ながら先へと進んで行く…その道中、水が溜まっている箇所へと遭遇した…どうやら、先に進むにはここを通るしかなさそうだ。

 

「その下、水が溜まってる。汚いだろうけど、潜って進んで。オウカにはお風呂の準備しておいてと伝えておくからね」

「助かるよ…」

『こういう時、この体って便利だなぁって思うの。実体化したり、解除出来たりって』

「確かにそうだね…」

 

 まさか、シアンのあの状態を羨ましいと思う日が来るとは思わなかった。そんな事を考えながら敵を無力化しつつ、先へと進んで行く。そして、一度外に出る事となった。その時だった。

 

「こいつは飛天にいた…!」

 

 優奈さんに警告されていたフェイザントと遭遇し、そのまま戦闘に突入する事となった。

 

皇神(スメラギ)の無人戦闘機フェイザント…鹵獲機か。優奈の報告にあったけど、地下水道(こんなところ)で戦う事になったのは想定外だよ…」

『だけどGVなら、こんな奴敵じゃ無いわ!!』

「その通りだ…! 機械である以上、僕の雷撃の敵じゃ無い!」

 

 そう言いながら僕はダートを上半身、下半身の二カ所に打ち込みながら相手のミサイル攻撃を雷撃麟で防ぎながら攻撃を仕掛け…

 

「トドメだ! 吼雷降(こうらいこう)!!」

 

 フェイザントの真下へと潜り込みながら吼雷降を叩き込み、これを撃破した。

 

「流石GV、鮮やかに決まったね! この調子で奥に進もう!」

 

 そうして敵を倒しながら先へと進んでいたその時、シアンが歌を唄いだした。

 

『頑張って、GV!』

 

 その歌のタイトルは「多元的宇宙(マルチユニバース)」僕が大きく活躍していると、時折こうして歌いだし、力を貸してくれる。これは謡精の歌(ソングオブディーヴァ)とはまた違っており、強化率は低いものの、長く安定して加護を受けることが出来る。

 

 前回のミッションでは優奈さんも一緒に居た事、そして本人が洋館の雰囲気に怯えていた事も有り、こういった歌を歌う事は無かったけど、今回は優奈さんとは別行動であった為、こうしてシアンは歌ってくれている。そして、そんなシアンが何かを察知した。

 

『GV、何か第七波動の気配を感じる…! 気を付けて!』

 

 その警告を受けつつ先へと進んで行くと、当然前方に大きな水流の渦が巻き上がっていた。

 

「今のが敵の第七波動…!」

 

 今の水流で巻き上げて、この先に行かせないつもりか!

 

「水を操る能力者か…GVにとっては特に厄介な相手だね…」

「弱点を克服出来たとは言え、あの水流の渦…油断は出来ない」

 

 見た所、あの水流には攻撃能力が備わっていない。だから注意するべきは巻き上げられた際に天井へと衝突したりする二次災害の方だ。僕はこの水流の渦へと対抗する為に、波動の力を行使する。あの時敵の攻撃を防いだように、不可視の力を纏い、全身を守りながら先へと進んで行く。そして、この守りは功をそうす事となった。

 

「ぐ…横から…! 敵の攻撃か!」

『今のは防げたから良かったけど、この水圧、まともに喰らったら危険だよ』

 

 横から水を飛ばしてくるなんて、中々トリッキーな事をする。波動の力を覚える前の僕だったら、その相性の悪さに今以上に苦戦していただろうな…

 

「その先、足場が少なくなってる。水流も飛んでくると予想出来るけど…何らかの手段で慎重に降りて」

 

 僕は波動の力で雷撃麟のホバリングのみを再現しながら慎重に降りて行く。案の定、水流が発生し僕に襲い掛かったが、もう道中の水流の発生を何度も見たお陰でその事前の兆候を見破り、一度も引っ掛かる事無く降り切ることが出来た。

そして、その先にはシャッターが存在しており…

 

「閉じ込められた…?」

「GV、下の方にサイレンがある。それを破壊すれば出られるはずだ。あの位置なら、前のミッションやフェイザントを撃破した時のスキルの攻撃が届くはず。それでサイレンを破壊するんだ」

「了解…吼雷降!」

 

 僕は吼雷降を発動させ、真下にあったサイレンを破壊し、この部屋から無事脱出することが出来た。

 

「この先、着地できる場所まで結構な距離がある。間違いなく水流や横からの水による攻撃が多いと予想出来るから気を付けてね、GV」

 

 そんなシャオの予想通り、この長い距離の間にかなりの密度の水流と横からの水による攻撃のトラップがあった。実際に、何度か僕も巻き上げられてしまったのだが…

 

「この水流の密度…厄介だな」

『これだけの水流…もしちゃんと受けていたら、服とか髪に付いた汚れが落ちてたかも』

 

 人間洗濯機か…ともあれ、僕は無事最下層へと到着し、この設備の最深部へと到着した。そこで待っていたのは…G7であると思われる男が待っていた。

 

「ミラーピース欲しさにホイホイここまで来なすったか。だがな…こいつはオレの夢の実現に必要な力だ。返せと言われても返せねえよ」

「G7の能力者か…ミラーピースはシアンの力だ。力ずくでも奪い返す!」

電子の謡精(サイバーディーヴァ)のためねェ? 小せぇ…アンタの戦う理由は海に比べたら小さすぎるぜ…と言いたい処だが、此処は撤退させて貰うぜ」

「何!?」

「ニケー…あの占い師にお前と…特に、お前と一緒に居るあの女と遭遇したら逃げろと言われているんでな…!! 済まねぇが皆、本当は嫌だが、足止めを頼むぜ!」

 

 そう言いながら、あの男はこの場に潜んでいたっであろう大勢のエデン兵を嗾け、撤退しようとしたのだが…

 

「それを私が許すと思っているのかしら?」

 

 別ルートからこの施設へと潜入した優奈さんがこの場に姿を現し、この周辺を強大な結界を展開し、あの男の撤退を阻止した。

 

「…逃げられない…か。ならば、仕方がない」

 

 そう言いながら、あの男は例の本を取り出し黒い蝶を出現させ、その身に纏い変身現象(アームドフェノメン)を引き起こした。相手は水を扱う能力者である以上、雷撃麟を展開しながら戦うのはオーバーヒートによる隙を晒す可能性が大きくなる。だから…

 

「シアン、歌を頼む!」

『ええ、あいつ、GVと相性が悪そうだもん…行くよ、GV!』

 

――私の歌が、必ず、大好きな貴方を守るから…

 

 謡精の歌(ソングオブディ-ヴァ)が僕の体に響き渡る。これでEPエネルギーの制限は無くなった。だから遠慮なく、僕は波動の力を行使出来る。そうして僕達の戦いは始まった。

 

「改めて、オレはニムロド。戦う理由はただ一つ、美しい海を守る事…だ。邪魔する奴は、オレの「リキッド」の第七波動で洗い流してやるぜ。行くぞ野郎共! あの頑固な二人(よごれ)をそぎ落としてやれ!」

「おう! アニキが居れば、例えあの蒼き雷霆が相手でも…!」

「海…? エデンは能力者だけの(くに)を作るんじゃなかったのか?」

「そいつはパンテーラの嬢ちゃんの夢だ。オレの夢じゃねえ。だがな、共通してる部分もある。(おか)の汚れを減らすってトコがな」

「汚れ…? 第七波動を持たない人々のことをそんな風に…!」

 

 そう言ったやり取りをしながら僕はニムロドを相手に肉薄し、波動の力で自身を強化しながらアシモフに鍛えられた格闘術で攻撃を慣行している。

 

「ぐ…海は広大だが、無限じゃねぇ…それを判っていないバカが、陸には多すぎる。だから()()無能力者を排除して、陸の人間を減らすのさ」

 

 こいつ…どうやら無能力者を排除した後、今度は能力者達も滅ぼすつもりか!

 

「お前さんも見ただろう? この地下に流れる大量の汚水を。この汚れを垂れ流す人間が減れば、それだけ海の美しさは保たれる。嬢ちゃんの言う「能力者だけの世界」ってのが出来上がれば、俺の海洋環境保全計画も進めやすくなるっつー訳だ」

「自然が大切なのは理解する。 だけど、人々を排さずとも、他に道はあるだろう!」

 

 こいつを放っておいたら、無能力者だけじゃない。下手をすれば能力者にまで被害が及んでしまう! この男は危険だ!

 

「実力その物は強ぇ…だがな、小せぇ…小せぇぜ、ガンヴォルト。アンタそれでもテロリストだった男か? 手段にこだわる小さな男じゃ大海原は守れねぇさ! さぁ、藻屑と消えなぁ!」

 

――水面が映す我が写し身 全を飲み込む大いなる潮流 地上の穢れを清め流す

 

「潮が満ちた以上、流れは止まらねぇ…行くぜ、アクアアバタール!!」

 

 ニムロドは宙に浮き、ハープを奏で、空中に一直線の水流と言う自然界ではありえない現象を引き起こし、その水流への流れに乗り、水で出来た槍を下へと構えた分身を嗾けて来た。一撃目はダッシュで回避しきれたと思ったが、分身が着地したと同時に僕を囲う様に形成された内側の、水で出来た刃に触れてしまったが、これはカゲロウで回避できた。

 

 そして、二度目以降はパターンを見切り、上手く回避する事に成功し、最後の水しぶきを上げながらの突進も無事にジャンプする事で避けることが出来た。

 

「く…能力者と無能力者を滅ぼす思想を持つお前は危険だ!」

「そうよ! 本来人だって自然の一部! そんな事も忘れてしまった小さな心で、守れる海なんかありはしないわ!」

 

 気が付けば、既にアレだけいたエデンの兵士は倒れ伏しており、残るはニムロドのみとなっていた。 どうやら僕がニムロドと相手をしている間に優奈さんは全員無力化してくれたみたいだ。

 

「GV、私が隙を作るわ。トドメは任せたわよ!」

 

 そう言いながら優奈さんは「電子の謡精(サイバーディーヴァ)に近い第七波動」を行使し、()()()()()()()()による詠唱を開始した。

 

【――この身は悠久を生きし者。故に誰もが我を置き去り先に行く。追い縋りたいが追いつけない。才は届かず、生の瞬間が異なる差を埋めたいと願う。故に足を引くのだ――水底の魔性…波立て遊べよ――拷問城の食人影(チェイテ・ハンガリア・ナハツェーラー)!!】

 

 その瞬間、優奈さんの影が真っすぐにニムロドへと向かい…彼の動きを完全に止めた。

 

「…………!!」

 

 それだけでは無い、手足の自由は勿論、彼の第七波動、そして口を利く事も出来ない状態のようだ。今ならば、僕もSPスキルを使用できる!

 

――天体の如く揺蕩え雷 是に到る総てを打ち払わん

 

「迸れ! 蒼き雷霆よ(アームドブルー)!! 大海に溺れし矮小な心に雷光(ヒカリ)を示せ! ライトニングスフィア!!!」

 

 僕は動きを完全に止めたニムロドにライトニングスフィアを直撃させ…

 

「ぐおっ! 潮騒が…聴こえる……」

 

 ニムロドはその身を散らせ、彼の持っていた本からシアンの力が飛び出し、彼女の元へと戻っていった。そして、本はジブリールの時と同じ様に青白い炎を発生させ、何も残さずに燃え尽きた。

 

「撃破完了…」

「GV、優奈、お疲れ様! この場に居なかった残りのエデン構成員は撤退していったみたいだ」

「了解よ。ミッション完了、これより帰還するわ」

 

 そうして僕達はオウカの屋敷へと帰還した。

 

「GV、シアンさん、優奈さん、お帰りなさい。早速お風呂を用意させてもらいましたので、どうぞゆっくり浸かっていって下さいね」

「GV、私は運良く下水の中を通る事が無かったから、お風呂には貴方が先に入ってらっしゃい」

「優奈さん…正直、助かります」

『じゃあGV、お風呂に入ってその全身の汚れ、しっかりと落とそうね!』

 

 そんなやり取りの後僕はお風呂に入る前に体を洗おうとしたのだが…

 

「GV、私が背中を流してあげるから、楽にしててね」

「シアン…分かったよ、お願いして貰っていいかな?」

 

 僕がお風呂に入ると、最近では必ずこうしてシアンが実体化して、僕の背中を洗ってくれるようになっていた…流石に前の方は僕自身が洗っているけども。最初の方は断ろうとしたのだが、涙目で「だめなの?」と言われてしまい…最終的に僕は折れる事となった。

 

「どう、GV? 背中、気持ちいい?」

「うん…何時も助かるよ、シアン…」

 

 そうして洗い終わり、タオルを巻いたシアンと一緒にお風呂に浸かり…()()()()()()()()()を済ませた後、お風呂から上がった。そして…話題はエデンの能力者達から奪い返したシアンの魂――「ミラーピース」の話題となった。どうやら連中は、ミラーピースと自身の能力因子を融合させる事で本来持つ第七波動を更に高めているようだった。

 

「どう、シアン…? ()()()()()()()()()()で取り戻した力を取り込んでいたけれど…」

「うん、元々回復していた力と合わさって、ますます元気になったって感覚がする!」

「やはり、このミラーピース…でしたっけ? シアンさんの分かれた魂を戻す事で元の状態…いいえ、回復した分、それ以上の状態になっているようですね」

「判るの?」

「ええ、なんとなくですけど 雰囲気みたいな物で…」

 

 僕でさえシアンの体調は判らないのに、オウカって一体…

 

「?」

「…ううん、なんでもないよ」

 

 いや、考えるのはよしておこう…ともあれ今の所、順調にシアンの力が戻ってきている。これは喜ばしい事だ。

 

「ねぇオウカ、私も手伝うから早速だけどGV達のご飯、準備しよ? オウカの事だから、もう出来てるんでしょ?」

「あ、それだったら私も手伝うよ、オウカ」

「アタシもよ。今回はアタシ達の出番、何も無かったし…このくらいやらせて欲しいわ」

「僕も手伝うよ。折角一緒にオウカのご飯、頂けるからね」

「当然私も手伝うわ。貴方も当然手伝うわよね、GV?」

「勿論だよ、優奈さん」

「ええ…皆さん、お願いしますね」

 

 そうしてご飯の準備が整い、シャオや優奈さんのシアン達も含めた全員で準備を終え、僕達は帰るべき場所がある事に感謝をしつつ、その味を噛み締めるのであった。




ここまで読んで頂き、誠にありがとうございました。




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