私は冒険者となる為に町に向かう
ポーチは拾ったままの状態で七つ道具らしいものとポーション
これまた拾ったリュックに銀貨宝石魔石後は肉とマントより大きな布と遺品と衣類一式そして二本の棒を背負い歩いていた
来歴を聞けば野盗にしか見えない姿も誰も居なくて聞かなければ唯の人
私は闘技場で聞こえていた話と度胸試しで接待した客の話を思い出しながら道無き道を進んだ
時に獣を叩き割り糧にして、時に枝々を叩き折りその日の宿として、時に野盗を叩き折り行き先の町を訪ねて礼節を学んだ
どうやらフードは外して門に入るらしい、コレには大いに悩んだ
私は奴隷である皆からは首輪付きと呼ばれた
見た目が激しく主張する首輪由来だがこれが不味い、これではどう見ても奴隷である
野盗に相談した
野盗は始め襲われた時は怯えて素直だったが私の頓珍漢な質問に立ち直ったのか騒ぎ出した
「このやろう!」「なめるなよ!」「覚悟しろ!」
野盗に言われる筋合いはないが腕を折られたのにこの啖呵逆にいたたまれない
しかも腕は互いに折れている次第に情け無く思えこの先に嘆いていたその時野盗の胸に陶器の色を見た
私は棒を突きつけそれはプレートかと訪ねた
どうやらこの野盗は現冒険者らしい腕を折ったモノで恐怖が思い出されたのか素直に話している
白磁級の冒険者、斥候だったが運悪く仲間が喧嘩した上で評判が悪くなりツケを自分が勝手につけたとして借金を巡って喧嘩別れ、腹いせに倍額の借金を背負わして雲隠れしつつ野盗としてデビューする予定だったらしい
なんとも情け無い来歴だが話術と地位が丁度良い
私は棒で元野盗の斥候の頭から肩まで狙いつつも奴に丁寧に交渉した
結果から言えば上手くいった、多少の鼻薬と雇う費用時折逃げ出そうとしたり憲兵に駆け込もうとするのを捕縛しつつ町に入れた
元野盗は私は愚かにも落ちていた綺麗な首輪を嵌めてしまい抜け出せなくなった田舎者といったが大方間違いではなかった
そんなホラを金で信じた門番もどうかと思うが
そんなこんなでギルドに着いた
ギルドでは大揉めに揉めていた
戦士らしい奴が受付と怒鳴りあっている、どうやら金銭トラブルらしい
隣で元野盗は逃げようとするのを棒で抑えていると
「貴様…!」
背後から矢が掠めたのを切れたように元野盗を締め上げる
元野盗は必死の弁明をするが戦士には頭に血が上り聞こえていないらしい
仕方ないので口論していた受付に話を聞くと予想通りの話とやけに上からの説明をしだした
「…とまぁこういったイザコザは耐えることは有りませんしかしこの揉め事を収められればギルドの顔覚えは良くなるのでは?最終的にはそちらの判断ですが今後に繋がる、絶好の機会です
そちらにとっても、悪い話ではないと思いますが」
受付は言外になんとかすればおおまかな融通を利かせてやると言っているので私は金の力で済ませてみた
戦士の前に銀貨数枚の借金分を元野盗の頭に乗せると流石に気付いたのか土気色の元盗賊を投げて銀貨を取り去ろうとした
だが受付の方が先に呼んでいたらしい
商人や道具屋防具屋酒場の店主がゴブリンのように襲いかかり戦士から銀貨ごと剥ぎ取る為に連れ去ってしまった
いかにゴブリンといえど(違)戦士にとって多勢に無勢
かつての闘技場を思い出す絶望感であった