三匹のホブゴブリンは一斉に近づいている
囮に置いて居たゴブリンを踏み潰し
正面から肉棍棒を大上段に振り上げた状態から走り込むホブゴブリン
並走して道を塞ぐ様に斧ををフルスイングしようとするホブゴブリン
その背後で正面二匹を盾にしつつ隙間から大鉈を振るおうとするホブゴブリン
三者三様に連携が取れている、受ければ潰され、いなせば割られ、避けても裂かれる
だが相手が悪かった
半歩逸らして肉棍棒を避け眼窩から脳を貫き、迫る斧は軌道を逸らし死体の木こりとホブゴブリンに食い込ませ
それらを盾に後ろに下がった
どうやら仲間ではないらしい
邪魔を切り倒して大鉈のホブゴブリンは前に出た
そのままの勢いで頭に横薙ぎの大鉈が迫る、だが見えた軌道は避けやすいもの、前転で避ける中頭上に斧が迫っていた
なんという事か、奴は横薙ぎと同時に背後の斧を手に取り振りかぶって居た
このままでは片手とはいえホブの膂力当たれば昏倒下手すれば
どうやら柄に当たったらしい斧をへし折り突き進む棒に茫然とするホブゴブリンの顔を見つつ片手に残る棒を向け「ラディウス(射出)」と貫いた
ホブゴブリンを全て殺し終えた頃には大勢は決っしていた
残りのゴブリンは特に考えて居なかったのだろう、商隊に突っ込んで死んでいた
ゴブリンは悪辣だが弱い一対一でかつ長物を持ったヒュームに負ける道理は無い
囲んで叩かれて切られて死んでいた、数も合っているから全滅だろうか
そう考えていると飛ばしていた棒を拾い集めてくれたらしい
元野盗が「案外適当だなまあ、そんなもんかもしれんがね 、お前さんはもう少し…」
拾い集めてくれたのは感謝するがそれはそれとして小言は要らない、頭は下げつつも渡された棒で脇腹を抉り黙らせた
木こりは体の半分が無いもののどうやら向かう先の町の所属らしい
ホブゴブリンに放り投げられた大鉈は脇の木々で根本から折れて居た、どうやら寿命だったらしい
斧は刃の部分だけ近くで刺さって居た
私はそれを懐に仕舞いつつゴブリンを観察した
ゴブリン達は渡りの途中だったらしい巣を焼かれ三匹に率いられた途中で木こりで飢えを満たし武器を得て、私たちを先に見つけ襲った様だ
なんともお粗末ながらもホブらしいパワープレーに新しい白磁なら充分殺せる算段であった
だが相手が悪かった
そう微笑んで違和感を見逃して居た