Fate/GrandOrder Arcade Real   作:ウータシリウス

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投稿のシステムがよくわかっていないまま、作っています。

よろしくお願いします!


第1話 召喚

 近くのゲームセンターは、いつも賑わっている。この田舎の町で、最新のゲーム機が置いているのがここだけなので、高校生の放課後はここに集まるのが日常だ。プリクラで写真を撮る女子と格闘ゲームで熱くなる男子が夕方頃に集まってくる。

 

 オレ、木枯奇縁《こがらし きえん》もその集まっている人の1人だ。そしてオレの前には同じ制服を着た男子が2人、意気揚々とオレを導いている。

 

 今日、遊びに来たのには目的がある。オレがFGOアーケードをやったことないって言ったら、クラスメートの友達たちは……

『FGOユーザーなら一回はやっておけ!』

との事で、放課後無理やりゲームセンターに連れていかれた訳だ。

 

「今日は運よく開いているな! 木枯、早速だが1,000円を両替してこい! 100円玉10枚だ!」

 

「ゲームで1,000円も使わないよ。300円ぐらいで」

 

「なめるな木枯! 少なくても1プレイで1,000円は飛ぶと思え!」

 

「そんなに使えるか!」

 

 FGOでも課金しないようにしているのに、ここで1,000円も使ってたまるか。

 

「帰るな、木枯! お前がカツカツってのはわかっている。だから俺たちから祝い金として300円ずつ出す。残りのお前が払うって話だ」

 

「300円ってお前らいいのか?」

 

「これで木枯が面白さにはまってくれるなら、安い出費だぜ!」

 

 ここまで言われたら無下にするのは心苦しい。オレは諦めて、両替機に1000円札を投入した。ジャラジャラと100円玉が流れてきて、それを財布に戻した。

 

「それじゃ木枯、新たなマスターになるのだ!」

 

 言われるがまま、100円玉1つ投入した。

 

                      ―★★★★★―

 

「10連回すのに1,000円も使うのかよ!」

 

 ある程度操作方法を覚えて、次のチュートリアル、『召喚』の説明を受けていたオレの最初の感想である。

 

「まぁ、最初はみんなそう言うよな」

 

「俺も10連は簡単に回せんから」

 

 後ろの2人もウンウンと頷く。しかも、単発召喚も1回100円と出費が激しいシステムである。

 

「木枯、物は試しだ、ここで10連チャレンジしてみろよ! 俺たちの600円があるんだから」

 

「オレ、結構使っている気が済んだが……」

 

「今なら初心者ユーザーは星4サーヴァント確定キャンペーン中だ。損はないって」

 

 言われるがまま、オレは1,000円分の硬貨を投入してしまった。

 

 見覚えのある召喚の画面だ。ここはFGOの召喚と同じなのか。

 

 これは線が1本だから礼装か。

 

 次は3本でサーヴァント……レオニダスか。悪くない。

 

 あ、演出だ! ★4以上サバ確定だな……。セイバーの金……ジークフリードか。

 

 次はヘラクレスだと!? FGOでも星4が連続で来たことないぞ!

 

「おぉ、バーサーカーは序盤では重宝するぞ! こいつは育てておけよ!」

 

 楽しい召喚もラスト1枚になった。すでに強いサーヴァントや礼装を手に入れて満足なので、10枚目は何が出てもいい気分になっていた。

 

 最後はサーヴァントみたいだ。クラスは何が来るかな……。

 

「……あれ? スキップした?」

 

 召喚画面が出てきたが、カードが表示されることなく、いきなり10連の結果画面に切り替わった。

 

 気になる10枚目を確認したが……。

 

「ねぇ、10枚目が?マークになっているけど、これもアーケードの仕様?」

 

 FGOで見たことあるサーヴァントや礼装が並んでいる中、最後の10枚目が白い靄がかかっているみたいで、見えなくなっている。

 

 あの演出を見た限り、サーヴァントであるのは間違えないはずだが……。

 

「いや、俺は初めて見るな。お前は?」

 

「俺も見たことねぇ。バグか?」

 

 どうやら後ろの2人も初めて見るらしい。とりあえず、カードが取り出し口から出るのを待つしかないか。

 

 それで少しして、例のカードが印刷された。

 

「なんだこれ? 真っ白じゃん」

 

 ★5のマークが入っていて、クラスはキャスターであるが、肝心のイラストが何もなかった。真っ白の背景のみのカードだ。

 

「ある意味レアだな。印刷されていないカードが出るなんてな」

 

「試しに読み込んでみたら、出てくるかもしれないぞ?」

 

 左側のカード読み込み口に例のカードを入れて、読み込みボタンを押す。しかし、

 

『エラー』

 

 出てきたのはエラー表示。読み込めない印刷ミスのバグカードって事か。

 

「どうしよう。このカード……」

 

「記念に持っておけよ! こんなカード星5サーヴァントよりレアだぜ!」

 

「同意! それに、そういう印刷ミスのものって数年後にマニアの間で超高額で売れるらしいぞ」

 

 あぁ、聞いたことある。お宝〇定団でも似たような言っていたような……。

 

「そうだな。100円も払ったんだ。捨てるのは勿体ないし、撮っておくか」

 

                      ―★★★★★―

 

「ただいま~」

 

 ゲームセンターで解散して、オレは自分の住んでいるアパートに帰ってきた。築何年か分からないボロアパートの一室がオレの家。玄関の横は台所で、あとは食卓と居間という昔ながらの部屋だ。

 

 居間のど真ん中で、タオルケットに包まっている大人が一人いる。あれはオレの母親だ。今日は夜勤だから昼間は眠っていたのだろう。

 

「母さん、すぐに夕飯にするからそろそろ起きて!」

 

「ん……。お帰りきーちゃん。今日は何作ってくれるの?」

 

「野菜炒めと昨日の残りの餃子」

 

「わ~い! きーちゃんのご飯はおいしいから好き~! 私に似なくてよかったねきーちゃん」

 

 オレの家庭はいわゆる母子家庭ってやつだ。父さんは死別したのか離婚したのか分からないけど、物心ついた時には既にいなかった。詳しく聞くのは少し怖いので、今はまだ聞かないでおくのがいいと思っている。

 

「早くシャワー浴びて来なよ。その間に作っておくから」

 

「きーちゃんは将来いいお父さんになれるよ~」

 

 母さんが風呂場に入っていく音が聞こえた。父親を見たことない時点でいい父親になれるとは思えないけど。

 

 こんな家庭環境のせいで、オレは中々の家事スキルが身についた。母さんは看護師なので出勤時間がいつもバラバラ。休みの日も不定期だから、家の事は基本的にオレがやっている。母さんは隠しているつもりらしいけど、どこか負い目を感じているみたいだ。もう少し学生らしい生活をさせてあげたいと、呟いているのを聞いてしまったことがある。

 

 それでも、オレは今の生活に不満はない。早く高校を卒業して、就職して、母さんを楽させたいのが今のオレの目標だ。

 

「さてと、炊飯開始っと」

 

 次は主菜作りか。

 

 黙々と夕食を作り、同時進行で母さんも仕事の支度をする。食卓に献立が並べ終えたと同時に、母さんも準備が終わったらしい。

 

「「いただきます!」」

 

                      ―★★★★★―

 

 午後9時。母さんが家を出て1時間たった。FGOの周回をある程度終わらせて、オレは暇つぶしに本を読んでいた。

 

 図書室から借りてきた『コナン・ドイル作品集』、要するにシャーロックホームズだ。推理小説好きなわけじゃない。FGOで只今絶賛PU中なので召喚できますようにと、願掛けのつもりで借りてきた。

 

 結果は、爆死でしたけど。10枚の呼符が綺麗に消えていったよ。今日の運はきっとアーケードに使ってしまったんだろう。今回のホームズは諦めよう。

 

「ふぁぁ……」

 

 滅多に本なんて読まないから、目が疲れてきたのだろう。急に眠くなってきた。

 

「何か、挿む物……あ、これがあった」

 

 あの白紙のカードが丁度近くに置いてあったので、しおり代わりに本に挿んだ。

 

「続きは明日にするか……」

 

 オレは、本を枕の上において、布団の中に入る。

 

 明日は確か、バイトがあったな。母さんの分の夕飯を作り置きしておかなきゃ……。

 

 重い瞼が徐々に考えることを止める。もう面倒くさくなってきた、明日の事は明日考えよう。今は、ただ寝たい。

 

 ……。

 

 ………。

 

 …………。

 

 どれくらい眠っていただろう? 急に意識が現実に戻ってきた。

 

 というのも、閉じた瞼からでも分かるぐらいのまぶしい光が、視界に入ってきたのだ。

 

 電気消すのを忘れていたのか?

 

 発光の正体を確認するため、オレは目を開けた。

 

「え?」

 

 青白い光が部屋の床に広がっていた。火事? いや、熱くないから火ではない。それに、この発光している光の模様どこか見覚えがある。FGOの召喚陣に似ている。

 

 すると、部屋の中を走り回る虹色の光が現れる。あれは星5サーヴァント確定の光だ。虹の光は回転し、3本の光の輪に変化して、部屋の中心に集まった。

 

 眩い光がオレの視界を奪う。一体何が起きているか、オレには分からない。もしかしたら夢を見ているのかもしれない。

 

 光が弱まっていく。消えていく光の中から、人影が1つ降りてくる。

 

 シルエットから分かるのは、ドレスのような服を着ているのが見える。だから女性?

 

「私《わたくし》のマスターは君かしら? 随分な間抜けな顔をしているわね」

 

 透き通るような声が上から聞こえる。恐る恐る、目をゆっくり開けた。

 

 そこにいたのは……4.5畳の居間にはとても似合わない、真っ赤なドレスを身に纏った藍色のロングヘヤーの女性が立っているではないか。

 

「私はキャスター、アイリーン・アドラー。早速だけど、コーヒーを用意してくださる?」

 

 

 

 

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