Fate/EXTRA ニトクリスと行く月の聖杯戦争   作:くりふぉと。

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説明会2段目。
こうやって自分で字を起こしてみると、長い……

やはり原作者はどれだけ偉大かがほんの少しだけ分かった気がします……

「ニトちゃんだったら、こうやり取りするだろう」と考えながら書くのは違和感を感じつつも楽しいですね。


保健室での説明②

 では、次です。

 サーヴァントとは何か知っていますか?」

 

「わからない」

 

「まさか、とは思いましたが。全く呆れたものですね……」

 

 彼女は、こちらを片目で一瞥し、呆れた顔を見せる。

 も、さして嫌がるでもなく話してくる。

 

「元々サーヴァントとはこの聖杯戦争でマスターを勝たせるために呼び出された過去の英霊です。生前に名を馳せた英雄は後の世までに信仰される、神仏的な存在――英霊となります。その存在を、聖杯の力によって世界に再現した姿がサーヴァントである。

 

 サーヴァントとは戦士。

 呼び出した魔術師を守り、導く役割。

 基になった聖杯戦争のルールに従って、呼び出されたサーヴァントは7つの役割に分けられます。

 

 セイバー、アーチャー、ランサー、バーサーカー、ライダー、アサシン。

 ……そしてキャスター。

 

 このクラスというのは、用途の一本化です。

 英霊のパーソナルを全て搭載しては要領が足りなくなります。

 

 クラスに応じた英霊のパーソナルだけを摘出し、カタチにするというわけです。

 クラス名そのものがサーヴァントの特性と考えて問題はありません。

 

 では唐突に問いますが、私のクラス名をあててみなさい」

 

 まさかのクイズに一瞬どもる。

 クラス名そのものが特性……か。

 

 これはぱっと見からの直観で答えるしかない。

 呪術的な装飾を施したいでだち。

 右手に手にする、長い杖。

 

「キャス……ター?」

 

「その通り。貴方、見所がありますね」

 

 珍しく褒められた。

 

「では、私の事は以降、キャスターと呼びなさい。

 呼び捨てで構いません。

 

 本来、貴方がこのファ……私のことを呼ぶ――それに呼び捨てでなんてことはあり得ないことですが」

 

 何だろう。何かごまかした。

 

「ええい! とにかく今は聖杯戦争という大事を目の前にともに同盟を結んだ同盟者なのです! 特別にその無礼を許しましょう!」

 

 なんか許された。

 

 ! そうか。英霊の話を聞いてなんとなく分かった。

 

 この……キャスターは頭の残念な子じゃなくて、本当にそれ相応の地位にいた過去の時代の人物が英霊化し――サーヴァントになったのだと。

 

 この短気そうで度量が狭そうな性格ではあるが……どこか憎めず、むしろ可愛らしいとさえ思う。

 

 それは人格として未熟であることも示しているわけなので、聖杯戦争なるものを前にしたらそれはそれで不安だが、でもこちらの味方として振る舞ってくれることは良くわかる。なんだかんだで丁寧にこうやって説明してくれてるわけだし。

 

 しかし……キャスターがこうしてサーヴァントとして登場しているなら、生前、活躍した英霊というわけだから……

 

「そういえば、キャスターってどの英霊なの?」

 

「私の真名ですか? それは……」

 

 その言葉の先を待つ。

 かなり気になるのだが。

 

「……そうですね。貴方から敵に我が正体が漏れてしまうのはよくありません。

 

 敵に名が知られても、私は私としての矜持・心の在り方が変わることはありません、がそれで戦いがすごぶる不利になることも見過ごせません。

 

 私の名前は、もう少し貴方を見極めた後に伝えることとしましょう。

 名は明かせませんが、もちろん潔白は同盟者としての行動で示します。

 

 貴方は不安だらけでしょう。未熟な同盟者よ。

 もちろん私にとっても、この世界と聖杯戦争はまだまだ未知の領域が過多あります。

 

 それでも、貴方がマスターとして、死の淵で願った想いを忘れずに己の存在を証明しようとし続ける限り――私も同盟者として、共にありましょう。

 

 この、殺戮が始まらんとする世界で、悔いのない時を生きましょう。

 この言葉・この誓いは、たとえこの世が冥界に堕ちようとも変わるものではありません。

 

 ……この言葉で貴方にとって安らぎを与えられるものかは分かりませんが――」

 

 彼女の表情には、どこか自信のなさげな様相が。

 キャスターのこんな顔を初めて見た。

 

 彼女の魂から導き出された言葉とは裏腹に、そんな感情が沸き上がったのだろうか。

 

「――いや。おかげて気持ち的に楽になった。ありがとうキャスター」

 

「――――っ!!」

 

 返事は言わずに、キャスターは姿を消した。

 しかし、まだ自分の近くに存在している事は感じる。

 

 用のない時は姿を消すことになるのだろう。

 敵に見られて、正体を悟られないための用心かもしれない。

 

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