8区のバケモノ達は隻眼の王と共に   作:傘あきさめ傘

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はじめまして
傘あきさめ傘です。
以前は秋夜彗の名で名乗っていましたが、
またこのたび、ボクの拙い作品を投稿させて
いただくことにしました。
だから、もしかするとはじめてでない方
もいるかも分かりませんが

今後とも、どうぞよろしくお願いします。



1話 蟻地獄

東京8区 とある廃棄地下施設にて

 

――――――――――――――――――――――――――――――――――

 

喰種…それは人の外見を象りながら、似て非なる存在

2つの目・耳、1つの鼻・口、5本の指、2足歩行、なんでもいいが人間と同じ共通点を挙げればキリがない程、普段の外見的な特徴は全く一緒だ。

あくまで「普段」であるが…。

 

そんな彼らの本性は、人間の肉を貪り喰らう事でしか生きられない怪物。

赫子という、殺傷能力にたけた捕食器官を駆使して、人間を殺め、そしてその肉を食する。

人肉以外のエサは断固拒否する哀れな生き物たち。

 

「じゃぁ、僕たちって人間たちにどう見えるの?」

言うまでもなく人間にとって、喰種の存在は、恐怖であり、脅威であり、なによりも排除すべき存在である。

彼ら人間のなかには家族や友人を殺され、喰種に対して限りない復讐心を燃やすものもいる。

 

「でも、それって…」

そう…。それは、俺たち喰種だって同じことだ。

復習心をたぎらせCCG(いわば喰種の殺し屋)に入局した人間たちが、殺しにかかり同じように俺ら喰種の家族・友人を殺される。

 

「人間たちとおともだちになれる方法はないの?」

 

お兄ちゃんが答えてやろう。

結局のところ、この世界の住人は何度も同じ悲劇を繰り返し、浅ましく愚かしい道化を繰り返しているに過ぎない。

まぁ簡単に言えば、ずっとイタチごっこをしている状態だな。

この前教えたアレな。

最終的にどちらかが、あるいは両方が滅びるかしない限りは、この鳥かごから抜け出すことはまず無理だろう…。

じゃぁ、そうならないためにどうすれば人間たちとお友達になれるかって?

ボッチだったから分からん…。

それが分かっていれば今頃こんな苦労しているはずないんだよなぁ…。」

 

「結局、わからないんじゃん…。」

 

「ちょっと、八お兄ちゃんしっかりして!」

 

「せっかく、いい感じで語り始めてたのに、最後で台無しじゃん。一応いい年した大人なんだから、答えぐらいしっかり出してよ。」

 

「一応ってなんだ、一応って。俺が脳内で人と喰種の共存について一から考えてたってときにお前たちが、突然質問してくるから、こんな感じになったんだろうが。」

 

っていうか、なんで俺の脳内会話を読めるの。ちょっと君たち人間止めてませんか。

あ、人間じゃなかったね、喰種でした。てへ☆八幡いっけな~い!

 

「まぁ、お前たちにはまだ難しい話だから、分からなくていいんだよ。俺ですら分からねぇ事なんだから。だから、分からない事が分かったって思ってくれればそれいい。」

 

「なんか、納得しないけど分かった。」

 

「でも、いつかはちゃんと答えてよね。」

 

分かってくれたようでなにより。

とりあえずこのことはまた今度いつか、いつになるか分からんが考えるとして。

 

「はいよ、つーかもともと何しに来た。」

 

「今日も勉強教えて!あとこの本読んで!」

 

「それで終ったら、いつものアレやって。」

 

「俺は某何でも屋でもなければ、みんなの夢を叶えてくれる青タヌキロボットじゃないんだけど。お前ら少しは俺を休ませてくれよ。このご時世、下の者は上司にこき使われ、使い潰されるのがデフォなんだから…。」

 

こちとら、あーだこーだいろんなことして大変なんだから。

何が大変かって?そりゃあれだよ。

お前らの面倒見たり、イカれた喰種やサイコパスなCCG(例外もいる)を追っ払ったり、戸塚の背後をまもったり、オークションにいって潜入したり、戸塚にコスプレさせたり、情報屋と取引したり、戸塚と遊んだり、戸塚と○○、戸塚と…etc.

そんな感じで色々大変なのである。(主に戸塚のために)

けど、親を失い、よりどころを失ったこいつらをないがしろにするのも、それはそれで気が引けてしまう。ある意味、こいつらの親代わりとして面倒を見るのが、ここの理念であり、役目である訳だから。

それにあの二人が提案してことなんだから、それを尊重しない訳にもいかん。

 

「まぁ、別にいいけど…。」

 

「やった!!」

 

「ありがとうお兄ちゃん」

 

「相変わらず素直じゃないんだから(笑)」

 

「やーい、捻ねデレ!」

 

「うるせ、ほっとけ。で、それぞれ教えてほしいもんは?……ほーん、国語、算数、社会ってわけねぇ。で読む本はグリとグラっと。うわ懐かしいな…っていうか今時グリとグラ知っとる奴とかいんのかねぇ…。」

 

「まぁ、いいや。一応教えるけど、算数に関してはあとで雪ノ下に確認してもらえ。由比ヶ浜はダメだぞ、絶対にダメだ。」

 

「わかった。」

 

「なんで算数はゆきのお姉ちゃんの確認が必要なの?」

 

数学関係は苦手なんだよ…とは言えない。

何せ高校まで点数が二桁乗ったことが一度だってない。

点数が低いことを自慢して粋がっている連中がいるが、そいつらは別に勉強してねぇから、自業自得の末路。

ってか、なんであいつら点数が低いのに、イキリトになれるのかマジ謎

むしろ軽くイラッと来る。

なんならまだ高得点をとって粋がっている連中のほうがマシなくらい。イラッ

 

じゃぁ、俺は勉強してこのざまかって?

はい、そうです。この様ですよ。

なんか文句でもあんのかよ、オイ。

あん?なにそこでクスクス笑って見とるんやワレェ!!ぶち殺すぞホンマ!

これじゃどちらがイキリトなんか分かんねぇな…。

 

とりあえず、納得できそうな軽い言い訳で片づけておく。

 

「最近、目が悪くなってきてな。小さい数字とか見落としがちになるんだよ。まぁ、そういう事。」

 

「ふーん、そうなんだ。」

 

「ゆいお姉ちゃんには見せなくていいんだね。」

 

「ああ、あいつには見せたところでどうせ分からんしな。むしろ見せるな。」

 

「分からないんだ…。」

 

「なんで大学行けたんだろう。」

 

それな、ほんとそれ。

あいつがまさか大学にいけるなんて、夢にも思わなかったわ。

しかも雪ノ下と同じ、県内トップクラスの上井。

偏差値の概念が崩壊するレベルで謎すぎる。

なんなら山手線よろしく一周回って、東京七不思議のひとつにしてもいいレベル。

 

まぁ、そんなことはどうでもいい。

 

「ほいじゃ、さっそく始めていくか」

 

「「「はーい!」」」

 

さてさて、今日はどこを教えるかな、と眠気と疲労で気だるい自分の身体をなんとか奮い立たせてそれぞれの教科書に目を通していると、ジャリッと入り口から重たく砂が潰れたような音が聞こえた。

 

誰だ?…と思って振り返ってみると、白い髪をオールバックにし、同じく、いやそれ以上に艶めいた白いスーツを着込んだ筋肉隆々のおっさんが片手に禍々しい錆びたペンチを持ち、地下のフロア全体を見渡していた。

そして、こちらに視線を寄せると、獲物を見つけた野獣のごとく鋭い眼光で俺を観察し、分厚い舌をひとくくりに舐めまわした。

ふぇぇ、こわいよぉ…雰囲気でわかる!コイツあかんやつやん!(某お祭り男風)

 

「ちょっと、お前らそのまま問題解いていてくれ。少しの間、俺はお客さんの相手をしなきゃいけないから。」

 

「はーい!」

 

「ちゃーん!」

 

「ばぶぅ!」

 

なにそれ、いくらちゃんのモノマネ?

この状況に対する適応力早すぎませんか君たち3人…。

もうちょっと、お客さんヤバそうな奴だから警戒しなさいよって。

あと俺に対して「気を付けてね」とか「死なないでね」とか言ってくれたっていいじゃん。

…いや、ダメじゃん。デットエンドまっしぐらじゃん俺。

それこそ、なんか静かですねぇ~の詠唱からはじまり、銃弾に打たれてキボウノハナ―を

咲かせたのち、止まるんじゃねぇぞ…とか遺言にしちゃうんじゃねーの?

自分で言ってて、言ってる意味がまるで分からねぇ…。

 

「てか、なんかスゴイマッチョなおじさんが来たね。」

 

 

確かにめっちゃマッチョではある。(CONAMI感)

しかし、こいつ何処かで見たことあるなって思ったら、あいつだ。

堀チエがくれた過去のコクリア脱獄喰種リストに情報があったわ。

「喰らう」ことより「殺し」に趣向を置き、執拗に拷問をして、徹底的にいたぶることを楽しむサディスト喰種。確かえっと、名前は…。

 

「あ、ああ思い出した。13区のジェイソン…ヤモリか」

 

「ご名答。今日ここに来たのもたまたま偶然なんだがね。道端に死に欠けの喰種がいて、そいつがここに恐ろしい化け物がいるっていうから、来てみたんだけど君のことかな?」

 

「知らねぇな、たぶん別の奴じゃねーの。俺が知っている限り、確かにここには化け物じみた奴が2人いるけど、たぶんそいつらのことじゃねえか、知らんけど。」

 

「なに、きみはその化け物喰種と知り合いなのかい?」

 

「まぁ、一応。てか、アンタ仮にそいつらと会ったとしてなにがしたいの?」

 

「決まっているじゃないか、そんなこと。同胞狩りだよ。」

 

「は?あ、ああ…そういうこと。」

 

なるなる、なぁるほどザ・ユニバァ―ス!!、

要は強い喰種を見つけては、そいつを殺し、ここから先は推測であるが共喰い(同胞喰い)をして、さらなる力を求めることが魂胆だろう。

いや、しかしでもねぇ…。

 

「やめたほうがいいんじゃねぇの、マジで強いぞあいつら。」

 

「おや、喰種の君が赤の他人の僕を心配かい?自慢じゃないが、僕はそこらの喰種相手に負けるほどやわじゃないよ。これでもCCGからSレート認定されているからねえ。事前に僕の事を知ってるん程なんだから、それぐらい理解できるだろ。それにここ最近、同族食いや特等殺しを進んで殺っているんだけど、それからというもの力が湧き上がってきて、早くタフで強い奴をぶっ潰して、壊したくて疼いてしょうがないんだ!」

 

「あっそ」

 

 

【挿絵表示】

 

やっぱりこの野郎共食いに走ってたか。

しかも徐々に語気が荒くなって、なんか指パキみたいなことして戦闘態勢に入ってますけど。

となると、赫者かはたまた不完全な半赫者のどちらかだろうけど、どっちも言えるのは、とにかく相手にするのがめんどくせぇ。

ということで、ここは低調にお帰り願う様、促していくとしよう。

 

「悪いけど、今しばらくは多分奴らここに来ないから、今日は帰ってくれないか。あいつらがここに戻ってきたら、お前のとこに行くよう言っとくから。」

 

これでよし。

今日はここにいないから帰ってもらう+お前のところにいつか行くからと言っておくことによって、相手の要件をないがしろにすることなく今日のところはこれで勘弁と穏便に伝えることが出来る。

架空請求業者に対しては、めっちゃ効果的な常套手段なんだよなコレ。

ただしこういった場合、だいたいは相手のところに行かないことが多い。

ソースはあれだ。よく日常会話で使われる「行けたら行く」みたいなやつ。

こう言ったやつの7割がほぼ行かないから、お前らもぜひ覚えておいたほうがいい。

しかし、そんなコイツも俺の意図には気づいているようで、

 

「いやいや。そんなめんどうな事はしなくていいよ。今日は君と遊ぶ(殺す)つもりだから。」

 

俺と殺し合う事を申し出た。ヤモリがしょうぶをしかけてきた。

やだ、うそびっくりー。ハチーチカおうちかえる!

はたまた八幡は逃げ出したのテロップでも良し!

 

「は!?。ちょっと待て俺と遊んだって何も面白くないぞ。そもそも俺戦闘好きじゃないしめんどくさいしむしろ苦手を通り越して嫌いまである。つーか俺このあと後ろのガキの相手しなきゃいけなんだけど、勘弁してくれないか。」

 

「なら、キミと遊んだ(殺した)あと、その子たちの面倒は僕が見るから安心しなよ。大丈夫絶対彼らの悪いようにはさせないから。僕はつまらない嘘が嫌いなんでね。さぁ、はやく遊ぼうよ。」

 

でたよ…絶対悪いようにはしないから、とか言いながら後で必ずろくでもない事をやる奴のパターン。

よく子どもが隠し事をして、母ちゃんが「怒らないから、正直に言いなさい」と言い、そこから落雷が降り注ぐのとまったく同じ原理だが、それよりもコイツの場合、何100倍もたちが悪い。

なんてったって、子供の面倒を見るという名の残虐な拷問なのだろうから。

キッズをいじめる奴はボクが許さない。キリッ!

 

 

 

 

 

はぁ…しかし、でもなぁ…めんどくさ。

え~…マジで戦いたくないんだけど…。

どーしよ……どーしよ……。

 

仕方ない……………………………………………やるか。

ったく本当にもう、しょうがないな!

キッズたちのためにボクが駆除してあげる♥

 

 

「じゃぁ、こうしよう。俺が3分間凌いだら、俺の勝ちで今日のところは引き上げてくれないか。色々まだやり残していることがあるんでね。で、その間に俺を倒せたらお前の勝ち。この施設やガキたちを自由に使ってくれてかまわない。どうする?」

 

「ずいぶん、粋な提案をするねぇ。遊び(殺し)にルールを定めるのは嫌いじゃないよ。よし、それで殺ろうじゃないか。くくくっ、今からもう殺したくてウズウズしてしょうがない。」

 

どうやら、俺の提案はヤモリにお気に召したようだ。

奴の了解を得たところで、ポケットに手を突っ込み、それを真っすぐに奴に見せつける。

 

「この10円玉をあげて地面に着地した瞬間にスタートってことで。」

 

「かまわんよ。」

 

「じゃぁ、やりますわよ――――ほいっ。」

なんて気のないオネェ風掛け声で高々とコインをあげる。

なんで今、俺オネェで言ったんだろう…某虎の子の監督さんに触発されたのかしら。

 

ヤモリを見れば、片手で指の関節を鳴らし、今から始まる戦闘の余韻に浸っていた。

ただし、その嗜虐じみた目は常に俺をとらえている。

 

後ろからガキたちの声が聞こえてきた。

 

「お兄ちゃん、がんばってね~。」

 

「おう。」

 

「白スーツのおじさん。がんばれー!!」

 

「負けるなー!!いい勝負をしてね!!」

 

「おやおや?君たちから応援を貰えるなんて意外だね。一応礼として受け取っておくよ。ありがとう。でも心配はいらないよ。むしろ心配するなら君たちのお兄ちゃんにすることだね。もしかすると、いやもしかしなくても…もう会えなくなってしまうだろうから。」

 

「えーそんなことないよー。」

 

コインが落下を終え、地面に衝突し、跳ね返る・・・。

ヤモリは、姿勢を低くし地面を踏み込み俺との距離を一瞬で詰め、右腕を前に突き出し、俺の首をとらえる――――――。

 

 

 

 

 

 

 

「だって」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「「「お兄ちゃんめっちゃ強いんだから。」」」

 

 

――――――――――はずだったのだろう。

 

 

 

 

 

「はひ…。」

 

間抜けな声をあげ、地面にズサーッと倒れ転がるヤモリ。

何が起きたか全く分からないといった様子である。

その動揺を隠しきれていない目の先には、赤黒い小さな湖が広がっていた。

そして、その赤い湖が出来た元であろう2つの足の切断面からは今なお滝のように血が流れている。

 

「あ、ああああ、ああああああああああ」

 

さらにその後方を奴の視線が口元をわちゃくちゃ呻きながらとらえる。

そこには、地面から突き出た、黒い鋭利状の影が、無数の赤黒く染まった目と、禍々しい大量の牙を並び添えて、ヤモリを囲っていた。

 

 

「はぁぁ~、だから嫌だっていったんだ、戦うのは…。ああ、別にお前が強いとか弱いとかそんなのは関係ねーから。」

 

マジでそんなの関係ねぇ!!そんなの関係ねぇ!!はい〇ッパッピ―☆!!ぐらいの勢いヤモリの強さはガチでそんなの関係ない。(しつこい)

だが、俺の気分は今まさにパロディネタ&セルフツッコミを挟まないといけないくらい、テンションがダダ下がりである。

俺が此処まで戦闘を嫌う理由、それは―――

 

「ただな。床が血で汚れるのがめんどくせぇんだよ、とにかく後始末が大変だから。だからさっさと降参してくんねーかマジで?」

 

そう戦闘が嫌なのは、とにかく終わった後で血の始末がめんどくさいからである。

理由は……また今度でお願いしやす。

 

べ、別に八幡潔癖とかそんななんじゃないから!そこらへん勘違いしないでよね!

あっ、でも前平塚先生に言われたんだった…てへ☆

 

 

 

 




またでき次第投稿していきます。
少しでも、面白いと思っていただいた方
勿論面白くない、つまんないと思っていただいても
全然かまいません。
そういう風に色々感じ取ってくれただけでもボクは幸せですので。
今後とも、またよろしくお願いします。
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